Hyuga City Career Education Support Center
2026.10.14
先週、北海道室蘭市のキャリア教育シンポジウムに参加しました。北海道の10月はさぞ寒いだろうと覚悟をして向かったのですが、気温は日向とそれほど変わらない3日間でした。長い報告ですがお付き合いください。

シンポジウム当日の午後、開会セレモニーは商工会議所会頭の挨拶に始まり、すぐに講演になりました。基調講演のテーマは、「学校と地域・企業をつなぐキャリア教育の仕組みづくり~産学官親の連携が創る新しいキャリア教育~」であり、1人目が私です。
私は、「『自分軸』をもった生き方を育む日向市キャリア教育の取組~「4つの力」の獲得を目指して~」という演題でお話をしました。実は、室蘭市は本年度からのキャリア教育センターの立ち上げに当たって、昨年度日向市に視察に来られていました。その縁があり、今回講師に呼んでいただいたという経緯があります。私の話は、日向市民にとっては日常的にこのブログでお知らせしているような内容です。「よのなか教室」や「14歳のよのなか挑戦」をキャリア教育の中核として位置づけ、それに事業所がどのように関わっていくのかという一連の仕組みについては、今から始まる自治体には参考になるのではないかと自負します。日向市のこれまでの13年間の経緯と現在の取組について、コンパクトにまとめてお話させていただきました。

2人目は、一般社団法人キャリ・ラボ291(フクイ)代表理事 山村直主(なおゆき)氏の講演です。
演題は「地域で人を育て、地域の未来をつくる~学校・企業・地域をつなぐキャリア教育の仕組みづくり~」です。これからキャリア教育に取り組み始める自治体では、日向市のように行政からのサポートが受けられない場合もあることを理解した上で法人化したセンターを立ち上げようとする方向性もあります。福井市でも山村さんが率いる会社がキャリア教育を牽引しておられます。
福井市では、企業におけるキャリア教育として、KIYOKAWA工業(株)での人材育成の先行事例を紹介されました。大人も学ぶ企業の探究型教育を推進しているそうです。時代は企業の社会的責任CSRの時代から共通価値の創造CSVの時代へ変化していることは勉強になりました。以前から企業は社会に積極的に貢献するということが求められていましたが、現在は、CSVとして企業も社会(市民、子ども)も同時に価値を高めていくという取組が重要になるということです。つまり、CSVで「向き合うべき課題を自分事化する」ことが一人一人に求められるという訳です。
この事例としてKIYOKAWA工業(株)の一人一人の社員に「個人パーパス」を作成させる取組を紹介されました。入社時の目標から5年後、10年後にそれぞれの自分の位置から将来を描く(言わば、「キャリアパス」:注;山之内)を更新させていくという取組です。具体的には、新入社員が、当初は社内でのキャリア発達を目指したパーパス(目標)が、日向市で言うところのよのなか先生などの経験を経て、年数と共に変化し、社会貢献を意識するようになって、現在は市内小学校のPTA会長として尽力する位置に高まったということでした。この関係から本人の「個人パーパス」が更新されていく過程を紹介されました。企業の社員に深くキャリア教育を浸透させている福井市の取組を興味深く聞かせていだたきました。
山村さんは「キャリア教育の地域の5つの意義」を以下のように提示されます。①次世代の人材を育てる ②関係人口をつくる ③経営課題を見直す機会になる ④社員自身の成長 ⑤地域の未来をつくる。
これらは日向市のキャリア教育推進における意義と一致するものが多くあります。私は特に、4つ目の「社員自身の成長」について山村さんがこれは「キャリアの棚卸し」になると言われたことが印象的でした。社会人講師として学校で子どもたちに関わることで自分自身のキャリアを見つめ直し、自分こそ成長できているのかを確認することに繋がるのでこういう表現をされたのだと思います。ご本人に「日向でも使わせてもらいます。」と承諾を得ましたので活用させていただきます。
長くなるので福井市の取組について後は簡単に紹介します。
「キャリアドリフト型」を2020年から取り入れていること(キャリアを決めつけず、柔軟に対応していくこと)、ポータブルスキル(基礎的・汎用的能力、社会人基礎力;これは日向市と同じ)など、流石に時代の先取りをされています。また、福井市キャリア教育プログラム事業の仕組みとしては、現在福井市の「認定キャリア教育コーディネーター」(経産省)取得者14名全員が市内企業の社長である点は驚きでした。山村さんと別席でお話した際に、学校へアプローチするには「教育に精通していることを示す肩書が必要だから」だそうで、そこから積み上げていく姿勢に熱量の大きさを感じました。さらに、これはとても大事な視点なのですが、学校の教育目標を実現するためにキャリア教育の力を活用するという姿勢を明確にすることで、あくまでも福井のキャリア教育は学校教育の一環として位置づけていることを学校に印象付けることでは成功していると言えます。「福井にある資源を一つずつ教育に」のキャッチフレーズのもとに広くそして確かにキャリア教育を展開されていることがとても刺激になった講演でした。

続いてパネルディスカッションに移りました。
全体進行としてのモデレーターに室蘭工業大学特任教授/キャリア・サポート・センター長である相津佳永氏、そして室蘭工業高校長の菊池裕幸氏、白蘭学園校長の松岡賢晃氏、桜ヶ丘幼稚園理事長の杉山英子氏、PTA連合会長の春木一喜氏、登別室蘭青年会議所理事長の吉田鉄矢氏、室蘭商工会議所委員長の今野香澄氏の計7名が登壇されました。
4つのテーマでの議論となりました。以下1つずつテーマに沿って簡単にお知らせします。
①今の子どもたちは、室蘭とつながっているのか。
・幼児期には世の中に色々な人がいて色々な仕事があることを知ることが子どもたちの可能性を広げていくことになる。・自分も地域の一員として関わりたいというところまで小中9年間の学びをつないでいくことが学校の役割になる。・高校ではM-Conと言われるコンソーシアムの仕組みを構築し、結果として地元企業に就職する割合が増えた。・保護者が地域の企業や仕事を知る機会を増やすことが大切である。・企業がもっと前面に出て、地域の魅力を伝える必要がある。・室蘭は「鉄の町」として知られているが、実際には地域の企業がどんな仕事でどんな技術をもっているのかというところまで知られていない。
②地域ぐるみで育てるとは、誰が何をすることか。
・室蘭の「子ども未来指針」として学校だけではなく地域の力を学校の中に取り入れていくことが重要だ。・高校でも実社会との結び付きをよりリアルな「自分事」として実感できるようになることが大切である。・企業が日常の中で子どもたちとつながる場面を増やす必要がある。・幼児期にこそ実体験を積み重ねることで知的好奇心が満たされるので、本物にたくさん出会わせていく経験が必要だ。
③室蘭キャリア教育センターは何をするべきか。
・学校と社会をしっかりつないでほしい。・人と人、学校と企業、学校と地域をつなぎながら、室蘭全体で子どもたちを育てる仕組みをつくっていただきたい。・地域や企業との横のつながりと校種を超えた縦のつながりがセンターの役割だと期待する。・企業が協力したい時に気軽に相談できる役割を担ってほしい。・室蘭の企業や仕事についての情報発信を継続的にすることが重要である。
④明日から何を始めるか。
・幼稚園では小学校との連携を密にするようにする。・義務教育課程において、自分は地域の役に立てるという自己有用感を育てたい。・高校では今後のコミュニティ・スクールへの移行に合わせて、地域とともに歩む持続可能な学校づくりを進めたい。・PTA連合会として、地域の仕事やキャリア教育の情報を保護者につないでいく。・青年会議所として、企業見学や働く大人の話を届ける機会を継続し、子どもたちが大人のリアルに触れる機会を充実させる。・SNSなどを活用し仕事を知ってもらう情報発信は有効である。

議論のまとめとしては、「子供は地域の未来そのもの」「誰かに、どこかに(キャリア教育を)任せない」「共に地域が連携する」このことを全体確認し、同時にシンポジウムも閉会しました。
今回、遠い室蘭まで呼んでいただき他地域のキャリア教育推進について学んだことで私のキャリアは確実に向上したと思いますが、室蘭にも何らかの視点を差し上げることができたのなら幸いです。また、シンポジウムで得た私の課題は、日向市の子どもたちにいかにキャリア形成を促すか、そしてそれはどのような形で子どもたちの成長に蓄積されたのかをしっかりと把握することが大切だと改めて実感しました。その上で、子どもたちが確実に日向市を支える存在に成長できることを把握していくことが責務であると痛感します。それは子どもたちが市内に留まることのみを目指すのではなく、外からも確実に日向市を支える大人に成長してもらえるように、さらにキャリア教育の重要性と確かな教育への浸透を図っていきたいと思います。

冒頭で日向市と変わらない気温だと書きましたが、室蘭市内の至る所でナナカマドの紅葉が始まっており、3日間がたまたま高い気温だったのだと思われます。帰路夕方、日向市駅(日向坂46駅:期間限定)に降り立つとまだ暑い中、翌日からの十五夜祭りへ向けた舞踊隊の練習が佳境を迎えていました。南北に長い日本列島はやはり大きな気候の違いがあることを感じつつ、キャリア教育の熱量はどの地域でも熱く上昇していると肌で感じた出張となりました。室蘭市の皆様、大変お世話になりました。共にキャリア教育の推進を頑張りましょう。(室蘭市の方々もこのブログを読んでくださっています。)
2026.10.13
環境保全に関する5Rをご存知ですか。3Rは有名ですが、5Rとなると私も即答にとまどってしまいます。3R:Reduce(リデュース): ごみ自体を減らす、Reuse(リユース): モノを捨てずに繰り返し使う、Recycle(リサイクル): ごみを資源として再利用(再資源化)する。この3つに工夫としての、Refuse(リフューズ): ごみになるモノを断る(レジ袋をもらわない等)、Repair(リペア): 壊れたモノを修理して長く使う、の2つを加えたものが5Rになります。
その昔は「リサイクルショップ」なる言い方で通っていましたが、現在の中古品店の多くは「リユースショップ」と明確に区別している点でも方向性を明確にしていることが分かります。

さて、日知屋東小学校4年生では、総合的学習の時間に環境学習を行っています。先週、イオン日向の宮田恵理子様が出前授業をされましたので見学に行きました。
昨年のこのブログでもイオン日向の取組については、宮田さんの授業を紹介しましたが改めて紹介したいと思います。
イオン九州では、ゴミの削減を目指して様々な取組を行っているとのことで、繰り返し使用できる運搬用の「リターナブルコンテナ」や客が使用する「イオンマイバスケット」が顕著です。宮田さんがマイバスケットの紹介をされると、担任の先生がすかさず出して見せられ、ご自分も所有しておられたところは流石に東小4年の担任だと感服した次第です。

また、イオン九州全体340店舗では、1年間のレジ袋(3~5円)の売り上げは4609万円にも上るということで、まだまだ使用しないで済むような取組をしなければならないと気合十分でした。ちなみに、この売り上げは全額店舗のある自治体(県)に寄贈されるそうです。
イオン日向店でのマイバッグ使用率は78%ということで、県平均77%をほんの少し上回っており、日向市民の努力が見えてきます。
5Rの取組の中でもリサイクルについては特に力を入れて取り組んでいるということを分かり易く伝えていただきました。イオン店舗には、ペットボトルやアルミ缶、瓶などの回収ボックスが設置してあり、日向店だけで月間、ペットボトルが500kg、牛乳パックが120kg、アルミ缶が300kg、瓶が80kg、トレーが40kgと膨大な量が回収されていることが分かりました。4年生にとって、ペットボトル500kgを想像するのは少し難しいかもしれません。というのも、4年生で体積については直方体や立方体の概念を習うのみですから、質量に換算して想像することは難しかったかもしれません。それでも宮田さんが「こんな軽い1本のペットボトルが500kgもあるから相当重いよね。」と言葉を変えて伝えられると、納得する児童も増えてきたようです。
そのほか、生ごみから肥料を作り出し、自前の農場でその肥料を使用して野菜を生産するというリサイクルループの仕組みを作っているイオンの取組も紹介されました。名称は「イオン完結型食品リサイクルループ」というそうです。先日、孫を連れて財光寺のホームワイドに犬を見に行った際に、宮田さんが紹介されていたリサイクル堆肥を探しましたが見当たらず残念でした。また次回探したいと思います。

宮田さんが大分県環境整備産業に関する施設を訪問された時の様子を紹介されました。産廃リサイクル工場では、通常は埋め立てるはずのゴミを85%リサイクルしていることや、古紙飲料容器リサイクル工場では古紙としての容器が月間50tにもなること、そして、食品リサイクル工場では、残渣(さ)を3次発酵させ、さきほど私が探せなかったと言った堆肥にする過程も紹介されました。児童は新しく知る事ばかりで興味を示し、集中力を切らすことなく必死にメモを走らせていました。

「MOTTAINAI」というワードが世界へ向けて発信できている時代になっているようです。「混ぜればゴミ、分ければ資源」この言葉が納得できる1時間の授業でした。

授業前に校長室にて宮田さんと色々話しました。その中で、「よのなか挑戦」に来た中学生のお話がありました。初対面時に態度が悪かったので宮田さんが厳しく注意されたそうです。すると生徒は態度を改め、最終的に3日間を無事終了することができたそうです。それは、学校を訪問し授業をした時も同じ状況が展開されたそうで、宮田さんいわく、「どの学校の生徒もきちんと叱られていないと感じました。さらに、日常の慣れあいから先生に対しても甘えていることを感じました。」とのことです。私の場合は学校の現状を知っていて先生方の裏側のご苦労を察し、そのまま通した授業をしましたが今後は改めなければならないのかもしれないと考えたところでした。こうして、「日向の大人が先生」になっていただいていることに改めて日向市のキャリア教育の広がりと、実際に携わっていただいている方々への深い感謝の念を実感した次第です。
日知屋東小4年生からの質問では、「イオンは停電した時はどうするのですか?」「自家発電がありそれを使います。ただ、以前停電した時はレジが使えず、電卓で計算しましたよ。」と興味深い問答になりました。また、「リサイクルされた服はどうなりますか?」には、「ボックスで集めて外国へ出すことになります。」など、児童の学習意欲の高さが伺えました。

今回は2組まで見学することはできませんでしたが、日知屋東小4年生の環境保全に対する関心の高さを知ることができて良かったと思います。一方で、小学生の学習を見学するだけではなく自らも率先して分別していかなければならないと感じました。早速、月曜朝のゴミ出しでは、プラスティック袋にくっ付いている紙切れの細かなものを取り外して分別しました。その時、脳裏に蘇った言葉が「混ぜればゴミ、分ければ資源」でした。
次世代により良き地球環境を引き継ぐためにも大人が率先してゴミ問題に取り組まなければならないと新鮮な学びを得たので、こういう学習機会は何回あっても良いと感じました。
宮田さんは日向市の子どもたちのために環境学習をいつも積極的に実施していただいております。常に新しい情報を組み込んでいただき勉強になることが多いです。本当にありがとうございました。
2026.10.06
大王谷学園7年生よのなか教室での3番手、芥川彩様をご紹介します。以前、平岩小中学校で講師をしていただきブログでも公開しましたので、今回は簡単に紹介します。

今や日向市内の各ショップで見かけないことはないというくらいの「©あやべこ」グッズの作者です。今、市内と言いましたが、市外、県外でもグッズが置いてあるところがあるとのことでどんどん拡大しているようです。
道の駅日向では、土日にオープンしているカフェがあり、私はよく平日の休みを利用して宮崎へ向かっているのでなかなかかカフェにお目にかかれなかったのですが、先日土曜日に道の駅に行った際には、カフェでコーヒーをいただくことができました。紙芝居の枠みたいな小さな窓でやりとりするので可愛く、面白いです。

さて、芥川さんが少年時代にはピッチャーとして明けても暮れてもソフトボール漬けだったことは以前のブログで紹介しました。また、銀行に就職されていたことが、その後のご自分の商品拡大において市場経済の知識が役に立つ経験にもなったそうです。

そういう経緯を経て独立したイラストレーターとして才能を発揮され、ご当地キャラクターの愉快な仲間たちが「増殖」し続けている楽しいイラストを考案されつづけています。
そんな芥川さんの「4つの力」をここで再度紹介します。
「相手を尊重し、社会を理解する力」として「自分から挨拶をすること。笑顔でいること」です。また、「自分を正しく知り、コントロールする力」では、「自己分析をすること。『好き』を見つけること。前向きな考え方をすること」になります。さらに、「課題を見極め、解決の工夫をすること」は、「聴く力」が大事だと言われます。すなわち、課題にぶつかった時は一人で考えこまず周りの人に相談することを大切にしているそうです。そして最後の「働く意義を知り、将来を切り拓く力」では、「ます『知る』こと」だと仰いました。何事もよく理解してから次に進むということの大切さを説かれました。

よく「笑顔が大事」とは言われますが、それを地で進む芥川さんは、本当にいつも笑顔でニコニコと対応され、言われている言葉に説得力があると感じたのは生徒も同じことだと思います。言葉だけではない大人の「自分軸」を感じる瞬間だったのではないかと思われます。
最後に芥川さんが「今日から頑張って欲しいこと」として、やはり「笑顔」を真っ先に挙げられ、その次に「『好き』を見つけ、広い世界があることを知り、夢中になれるものを探す」ということを生徒にアピールされました。

生徒のメモには、それらの言葉がびっしりと書かれていいましたので、自分を振り返る時間には参考となる言葉を選べたと思います。
こうして、生徒の身近なところに華やかなイラストレーターなる仕事人が実在し活躍されていることを生徒は実感をもって受け入れることができたのではないかと思います。そういうお仕事の方が才能あふれる華々しい道を歩んできたのではないこともお話から伺え、結局、道を切り拓くというのは、芥川さんの言われる状況をよく「知る」ことから始まるということを学んだと思います。今自分は何をしたいのか、その道へ行くにはどう動けばよいのか、そういうことを考え、人を頼って一歩ずつ進んでいくことでどんどん大きな道が拓かれていくことを話していただきました。

さすがに学校も2校目になると余裕をもって話されていると感じました。今後もお忙しい日々が続きますが、時折こうやって生徒へ向けて、またお話をしていただければ幸いです。本当にありがとうございました。
2026.10.05
9月24日の大王谷学園7年生でのよのなか教室2番手は、(有)悟空 マンガ倉庫社長の甲斐悟様です。以前、このブログにも登場していただきましたが、今回は中学校でのよのなか教室ということで改めて紹介します。

甲斐さんの「人生グラフ」を見ると、紆余曲折を経て現在に至るまでに上り調子で来られたことが分かります。少年期はサッカー漬けの毎日で青春を過ごされ、就職へ向けては「とりあえず」でかわして来られた世渡りだったことも伺えます。この会社を立ち上げられたのは岐阜県が最初で、その後日向へ移転されました。それから関西にも出店され現在に至るとのことでした。マンガ倉庫と言えば多くの中学生がお世話になっているかもしれません。私も実はカメラのガチャガチャが好きで時折通っております。

会社の理念として、「勿体ない」の思いをモノだけでなく文化も次の世代につなぐ使命をもっているとされています。確かに現代の物価高のご時世にあっては、なかなか新品に手が出しづらくなっている感じもあり、ケータイ(スマホ)も中古品がよく売れているとニュースで聞きました。「リユース」という概念が文化をも包含して時代を形成していることを実感します。「商品を見極める力や魅力的に見せる工夫をして資源を大切にしながら人々の暮らしを支えています。」と言われることは正にその通りだと納得した次第です。その具体的事例として、現在のUFOキャッチャーには卵やパイナップルといった食料品もあるとのことでした。
仕事のポイントとしては「中古品は鮮度が大事!」ということと「集客の決め手は品揃え」だそうです。市場の動きに敏感でなくては売れるものと売れないものの選別ができませんし、客の「欲しい」にマッチした品揃えが成否を分けるというのもよく分かりました。

そんな大変お忙しい状況の甲斐さんが言われる「4つの力」については以下のように話されました。
一つ目の「相手を尊重し、社会を理解する力」については、「何事にも『自分事』として取り組んでいけるか」ということでした。自分には関係ない、と行動しない人と関係なくても気づいたら行動する人とでは、仲間からの信頼関係が変わって来ると言われます。分かり易く、そして深い言葉だと感じました。

二つ目の「自分を正しく知り、コントロールする力」では、「与えられた役割の中で、ゴールに向かって必死に頑張ること」を挙げられました。自分に自信がなくても必死に頑張ることで周りから「○〇ができる人だ」と評価してもらえると言われます。そしてそれが自分は「○〇が得意」に変わるのだということでした。良い環境が自分を作ってくれるということですね。

三つ目の「課題を見極め、解決の工夫をする力」については、「目的と手段を明確に理解すること」と仰いました。自分ではっきりと区別するということになります。例えば、部活で100回素振りをするということや、宿題でノート1ページを書くというものがあった時に、それは手段だったはずがいつの間にか目的に変わってしまっていたというものを例として挙げられました。宅習で1ページを書くという学習が面倒になってくると1ぺージ書いた時点で「ヤッター、はい終わり。」と書いたことで達成感を味わっているのは、自分の学力向上が目的ではなくなってしまっていると指摘されました。

4つ目の「働く意義を知り、将来を切り拓く力」については、「何事も楽しんでできる人が成功する人」ということを強調されました。「楽しい」と思える仕事や勉強があるのではなく、仕事や勉強を楽しんでやれるかどうかはその人によるのだと言われます。そのことに関連してさらに、向いている仕事、得意な仕事を見つけ選択することは難しいけれど、今ある環境を「どうしたら楽しめるか?」を見出せる人は、何をやってもうまくやれる人になる気がする、とご自分の体験から話されました。

最後に、「今日から頑張って欲しいこと」に「たくさん失敗をすること」を取り上げられ、しかし「できれば成功も体験すること」と成功体験の重要性も示されました。失敗を悔しいと思い、努力を楽しいと思えるものに出会えたら人生変わるかもしれない、と中学生に期待を抱かせてもらいました。7年生(中学1年生)は13歳です。とはいえ、これまでには数々の成功と失敗があると思われます。そのことと重ね合わせながら聞いてくれたのではないかと思っているところです。

私は甲斐さんと、先日の高校生のグループワーキングでもご一緒しました。学校種を問わず日向の子どもたちに熱い応援をしてくださる方です。今後とも「日向の大人はみな子供たちの先生」を実践していただける強力なサポーターとしてご協力ください。
本当にありがとうございました。
2026.10.01
先週24日は暑かったのですが、大王谷学園はエアコンによる涼しい教室環境で5校時の暑い外気も影響ありませんでした。ずいぶんと良い教育環境になったものだと時代の流れを感じる始まりでした。
今回のよのなか教室大王谷学園7年生第2弾は、全部で3名おられますが、(株)はせがわ本舗社長 長谷川実利(ミトシ)様には初めてよのなか先生をしていただきましたので詳しくご紹介します。

「私は長谷川だんごの社長です。」「エーッ!」 このような生徒の大きな歓声から始まりました。長谷川さんは最近足腰を痛められていて、生徒に「座っていいですか」と丁寧に確認されると、生徒は「大丈夫です。僕たちも座っているので。」と優しい「二言返事」(単に一言「はい」で終わらず、その後にもう一言添えること)ができる感じの良い生徒たちです。

長谷川さんは学生を終えるにあたって宮崎に帰る際に選ばれた職業が警察官でした。暴力団対応の刑事としてご活躍されましたが、実家のお母様が体調を崩されて家業を継がなければ廃業になる状況だったので警察官を退職され、昭和62年に長谷川食品株式会社に入社し社長になられたそうです。「警察官は人を取り締まるけど、商売は人に頭を下げる仕事だから、それに慣れるまで3年かかった。」と言われるほど、警察官の仕事に誇りと情熱かけておられた先の決断だったことに思いを馳せました。ある生徒はワークシートに「人生何が起きるか分からないけど、諦めないことが大事だと分かった。」と長谷川さんの言葉をメモしているのが印象的でした。

琴恵光関の断髪式
途中でファシリテーター(進行として生徒とのつなぎ役)である担任の先生が、「今の職業に繋がっている経験はありますか。」と生徒に役立つ質問でナイスカバーをされました。長谷川さんは「製品を機械で作るようになってからは、それまでに機械いじりが好きだったことが役立っていると思います。」と答えられました。
また、60歳でサーフィンを始められ、何事も挑戦する気持ちを持ち続けることの大切さは生徒に響いたようです。

サーファー長谷川さん
社是は「お客様の立場になって価値のある製品を作る」であり、企業理念は「食を通して地域社会に貢献する企業となる」とまさに今、こうして地域の生徒へ人生の価値を伝承されていると感じました。

途中で生徒から質問がありました。「団子の値段は昔から変わっていないんですか?」に対して長谷川さんから「変わっています。最近はイラン情勢もあり、昔からすると品物によっては5倍から10倍高くなっています。」と、世情に影響を受ける商売であることを教えてくださいました。
そういう長谷川さんの「4つの力」を紹介します。
一つ目の「相手を尊重し社会を理解する力」は、「自分から挨拶をする」「相手の話をよく聞く」「時間や約束を守る」ということでした。「挨拶をすることは『私はあなたの敵ではない」ことを表しているのです。」と人類に共通する意思疎通の原点を示されました。

二つ目の「自分を正しく知り、コントロールする力」では、「無理のない目標設定」「よく学び、よく遊べ」「夢は人に伝える」の三点を挙げられました。目標というのは短期的なもの、長期的なものと分けて考えることが大切だとも話されます。その上で担任の先生へのお願いがあり、「帰りの会などで、自分の夢を話すような場面を作って欲しい。人前で自分の目標を話したという事実が本人の意欲につながる。」と、意思決定の重要性を学校側にも求められました。
三つ目の「課題を見極め解決の工夫をする力」は、「原因の追求(失敗は成功の母)」「社員とのコミュニケーション」と提示されました。失敗することを恐れず、そのあとに原因を考えて対策を立てることこそが大切だと生徒の背中を押されました。
最後に四つ目の「働く意義を知り将来を切り拓く力」では、「生活の糧」「社会貢献」「充実感」の三つをキーワードとして挙げられました。生活の糧は、働くということはすなわち生活基盤を確かにするということであり、社会貢献は、社会に役に立っているという実感が大切だと話されます。そして、目標の達成や困難を克服するという充実感が、働く上で将来を見通す力として重要だと生徒たちに伝えられました。何と言っても稼がないことには生活成り立たないし、ある程度生活ができたとしても、充実感がなければ長続きはしません。いわゆる「社会の壁」にぶつかって早期離職する若者が多いのも、この将来を見通せないところに不安や充実感のなさを感じることが原因にあると状況分析を読んだことがあります。しっかりと10年以上一つの仕事を続けていき、その仕事では一流となるまでの努力をしていくことは大切な汎用力育成につながると思います。

学習の最後に長谷川さんから「今日から頑張って欲しいこと」として、「読書」と「家の手伝い」を挙げられました。本に触れる習慣を身に付けて欲しいと言われます。ネット社会になり何でもすぐに答えが見つかり、それを正解と思って行動に繋げていく。それだけに、誤答だったと気付いた時には味わったことのない挫折に陥ることになる人も多い現代です。本というのは自ら手に取り、1ページずつめくっていく中で登場人物の背景を想像し、行動について考える積極的思考が必要になります。スマホに慣れ切った世代には実に面倒な作業になります。しかし、そのような手順を一冊の本に向かい精力を傾けていく過程で想像力や場面対応力などの生きる力を知恵として獲得していくことができます。子どもに「マコチ考えんもんじゃ!」と怒るより「本を読みなさい。」と言い、家庭で読書環境を広げていく方が豊かな人生を送らせる遠くて近い指導になると思います。
長谷川さんの言われる家の手伝いでは、風呂やトイレの掃除という家族の一員であれば当たり前の習慣を身に付けさせることは本当に大切です。学校では清掃の時間がありますが、私は現役教員時代によく感じていたことがあります。「この清掃は家庭で生きているのか」と。流石に現在は、絞った雑巾を二つ折りにして四つん這いになり腰を突き上げて、タッタッタッタッと一直線に拭くような床拭きをさせている学校はほとんどないでしょう。膝を折って手の届く範囲でコの字型に拭かせていると思います。ところが、この拭き方でさえ家庭ではやっていないと思います。ほとんどの家庭では、乾燥モップで拭くか掃除機ではないでしょうか。或いはもはや、ロボット掃除機での自動運転かもしれません。そうなると学校でやっている清掃は無駄な時間なのでしょうか。そういう自問自答を私はよくしたものです。答えは「ノー」です。生活において直接的に役立たなくても体に染み込ませる経験が大切なのです。以前、教え子が卒業し5年後くらいにその親と会った時、その方が私にこう話されました。「家で年末の大掃除をしようとして、高校生の息子に『雑巾を濡らして窓を拭いて。』と頼んだら、息子が『なん言いよっとねお母さん。新聞紙があればいいっちゃが。一方を濡らして窓を拭いて、もう一方の乾いた方で拭き上げるとよ。これ小学生の時に山之内先生から習ったよ。』と自慢げに言うのですよ。」と、笑顔で子どもの成長を喜びながら話されました。経験した地道な作業が生きる力となって生活の中に沁み込んでいくことの大切さを実感をもって教えられた気がしました。それと同じことで、小学生の交通安全教室で「右側通行」を徹底して指導することや、集団で歩行するときに間隔をとって歩くことなどを日本の学校で指導していることが、大災害時に「整然と動く日本人」と称賛される所以ではないかと私は考えています。

長くなりましたが、長谷川さんの仰る「家の手伝い」は皆さんのご家庭でどんどんさせていただきたいです。最近の子どもはとても忙しいです。少年団や習い事、部活や各種試験などで休む暇もないくらいです。しかし、それだからと言って家事について親がすべてを行い、子どもの時間を作ってあげようと余計な配慮をしてしまうと、「家族の一員」を理解しない大人になってしまい、ひいては「生活力のない大人」に育ててしまうのではないかと危惧します。私は4歳の孫と風呂に入る時に、風呂の洗い方の手順を教えています。勿論モップを上手に使うことはできませんし、させると掃除というより遊びに近いのですが孫はフムフムと手順を覚え、また、仕事を与えられる喜びも感じているようです。長谷川さんの仰る「読書」と「手伝い」は、家庭教育のキーワードになること間違いなしです。ぜひ、お友達を巻き込んで「共同実施」されてみてはいかがでしょうか。
これを読んでおられるご家庭に子どもさんがおられましたら、ぜひ家事を話題にしてください。いや、読んでおられるご家庭はすでに、そういう方針を取られていると心配無用かもしれません。また、市内小中学生がいましたら、このような社会人講話「よのなか教室」で「どんな話があった?」と聞いていただきたいと思います。このブログでの記事を読んだことは伏せておいて、「フーン、なるほどね。」と傾聴に注力すると、共通の話題として盛り上がること間違いなしです。
中学生になれば18歳で巣立っていくまであと僅かです。子どもさんが自分の子どもとして近くにいるのも残り数年となります。出て行って寂しくなる前に、自立した家庭生活を送れるよう様々な機会を捉えて会話をし、家族の一員として積み上げていくこと、すなわち「キャリア発達」を促していくことが大人の務めではないかと思います。
長谷川さん、足腰のお悪い状況の中、学校の階段を上り下りさせてしまいましたが、生徒の心に沁みるお話をありがとうございました。
お気軽にお問い合わせください。
0982-57-3522
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