日向市キャリア教育支援センター ブログ

2026.10.28

研究~市教科等研究会

 先週、平岩小中学校にて日向市教科等研究会での総合的な学習の時間部会の研修会が行われ、その内容については一昨日にお話しました。

この教職員の研究会というものは、一般の方には分かりづらい研修だと思いますので、本日は、教職員の一つの研究会(全体的には「研修」)についてお話をさせていただきます。個人的な一つの見解としてお受け止めください。

 

 全国のどの自治体でも、教職員には研修会があります。形式、内容はそれぞれでしょうが、日向市でも昔から、「教科研究会」というものが存在し、教職員は何らかの研究会に参加しています。現在は、教科以外の総合や特別活動など、教育領域が多岐に渡るため教科に「等」が付いています。

そもそもの話ですが、各学校の教職員には自分のもつ校務の分掌がなされています。主免教科が中心となりますが、小学校では学生時の専門教科ではない場合も多いです。教科以外にも学校では、道徳、特別活動、総合的な学習の時間もあるため、どの指導内容でももれなく担当教員が配当されています。ですから例えば、算数(数学)と道徳の「主任」を任されるというように年度初めに決まる訳です。ところが、職員数の多い学校であればそれで良いのですが、少ない小規模の学校ではそうもいかず、一人でいくつもの「主任」を兼務することになります。そうなると、一斉に全教職員が研修会をする日などは、どうしても片方の部会にしか参加できないので、もう一方の部会には欠員(欠席)が出るということになります。

 

また、学校教育には様々な「〇〇教育」を指導しなさいとの文科省の方針が示され、それについても誰かが担うことになります。我々が推進している「キャリア教育」もその一つですし、環境教育や金銭教育、統計教育、食育、性教育、人権教育、防災教育、小中一貫教育、安全教育、清掃教育・・・など実に多くの「〇〇教育」があり、それぞれに担当が「主任」として割り当てられます。この「○〇教育」はお飾りではなく、きちんと各校における教育構想を立てなければなりませんし、年間の計画も立てておかなければなりません。想像しやすい例として、清掃教育は毎日の活動ですから、主任は、学校の敷地・教室分の全校児童生徒の人数割りと清掃の手順計画、時間帯による子どもの動き、そして、実働中の用具の過不足手配等、この担当は猛烈に忙しいのです。校内の清掃状況があまりよくないと矢面に立たされ、反省を受けてその担当が新たな一手を提案しなければなりません。本人が学担で部顧問だったりするとどうなるか、想像に難くないと思います。

〇〇教育 

さて、主務としての「教科等研究会」の話に戻ります。

この研究会では、日向市内の小中学校の教職員がそれぞれの担当教科等(道徳、学級活動、総合的な学習の時間を含む)に分かれて、一堂に介しテーマに基づいた研究を行います。年間に3~4回程度実施されています。基本的に自分たちの研究の検証は子どもの変容によって確かめられるので、授業研究が基本となります。(授業研究を実施しない部会もあります。) そこで、年度初めの研究会にていつ、誰が研究授業をするのかを決めます。勿論、立候補、挙手で決められれば良いのですが、なかなか各自諸事情を抱えている人もいて、研究授業となると率先して立候補できない場合があります。

昔、血気盛んな若い私は、日向市内の若手教職員を10数名集めて毎月1回、中央公民館にて夜に実践研究報告会を行っていました。いわゆるサークル活動です。そういう意気盛んな集合体に所属していると、先ほどの市内の教職員での研究会にて授業者を決定する場面では、率先して手を挙げていました。(いわゆるメヤガリですな…ミヤガリ?)

メヤガリ

 

思い出話として、ある年には、そのような大きな場での研究授業を9月から3カ月連続で実施する羽目(もとい幸運)になったこともあり、流石に若い私でも相当体力の消耗をしました。たかが授業を公開して、授業後の研究会(反省会)で叩かれるくらい、とお思いかもしれませんが、2カ月以上前から「指導案」という授業計画を、当時B4版の用紙(手書き)で5枚程度書いていました。その内容の検討会が校内の職員研修会で開かれ批評され、修正が必要となります。そして当日の教材(提示物)などを作るのですが、当日用だけでは子どもたちを自分の理想とする学習内容の理解や授業方法のルーティーン獲得まで高められないので、その単元に入ると数時間以上はそのようなベストの状態で毎時間授業をする準備が必要になります。ですから、授業公開の当日が終わると、成功の有無にかかわらず、どっぷりと疲労感に包まれます。(大概の場合、授業はうまくいかないのですが。)

 

あの頃、運動会は秋の一日のお祭り

 

しかし、そうして研究授業を数多くこなすことで、多くの諸先輩方にコテンパンに批評されながら実力をつけていくことができました。上記の三カ月連続の大きな研究授業だけでなく、市内や県内での研究授業、そしてその成果を踏まえての九州大会での発表など、大きな舞台で授業研究を続けてきたからこそ、その後の平常の授業でも本質に迫ることにはこだわり続けることができたのだと自負します。

それ以降も校内外で研究授業をする機会はありましたが、信念としては「一年中70%の授業」を維持してきたつもりです。研究授業を多くの教職員に公開するとなると、「ここ一番」ですから力が入り、多くの掲示物や学習パターンなどを駆使してビジュアル的に見ごたえのある授業を公開する場合があります。それはそれで構わないのですが、そこだけが煌びやかでも、平常の授業がまったく「冴えない」授業では、子どもの成長はあまり期待できません。私は一年間を通して確実に学力の向上を図るのが一番のねらいですから、授業の準備は何とかして毎日時間をかけました。最大の見ごたえ抜群の授業を満点100%としたとき、毎日そんな準備はできないので、一年を通して毎時間70%くらいの力量(資料だけでなく、授業時間の子どもへの指示ややりとりも含めて)の授業を心がけてきました。そうすると必ず一年後に子どもの変容として結果が付いてきます。「先生、私は理科が一番好きです。」や「先生、うちの子、算数の時間を一番楽しみにしています。」などの嬉しい声を聞くのが何よりの喜びになります。

 

最近のよのなか教室事前学習

 

私の研究会での話を広げてお話しましたが、このようにして現在でも市内の小中学校の先生方は、校内外で研究会を続けています。それは研究が教職員の使命だからです。時代の流れに沿った形で、現在のベストな授業の提供を研究し続けることが教職員としての価値であり、その変容が子どもの姿で還元されなければなりません。そのためにも、不要な雑務は削減されるべきだと思いますし、研究ができる教職員として、保護者も地域も温かく見守っていただきたいと思います。

 

今回の日向市教科等研究会の総合的な学習の時間部会では、講師を招いて講話を聞くというスタイルでした。こういう外部講師を招聘して違った角度から新しい情報を得るというのも研究の基本になります。それは他の部会でも取り入れられていることと思われます。その上で、授業実践を公開して多くの人から批評を受け、力を付けていく教職員が一人、また一人と増えていくことが理想の形になるのは間違いありません。

 

教職員がこのような研究会や基礎研修会などに参加するには出張という形が必要になります。以前は、堂々と子どもを自習にして出かけていました。それに対して保護者から何ら不満も出ませんでした。それが教職員として必要な任務だからです。しかし、現在は、「働き方改革」が先行し、さらに、子ども達に自習の時間をできるだけ少なくなるように配慮する結果、一つの策として小学校では午前中5時間授業によって午後3時以降であれば児童に影響が出ず出張がしやすくなりました。(中学校では授業入れ替えによって自習はほぼ無い場合が多いです。)さらに、このような研究会や研修会そのものを減らすことで、児童生徒から距離を置かずに、できるだけ当該校で子どもに寄り添えるように出張回数を減らしているのが現状です。

 

昔、研究にいそしんでいた私にとって、この現状は危惧しています。教職員はどんどん研究会や研修会で腕を磨くことが必要ですし、そのためには子どもたちも自習を受入れ、頑張って、その自習すら学級全体の学ぶ力の向上へ向け、自己の弱点の確認と捉えてもらいたいのが本音です。とは言っても、自習環境が成立せず、誰かの監督なしには静寂な自習は望めないのでしょうか。或いは、部活動指導を任され、夜遅く帰宅する身では、そんな余裕ができないのかもしれません。世の流れというものは、甘くはないようです。

永遠に続く教育という人を育てる営みに課題はつきものですが、地域で解決できそうなものについては、大人が一致団結して解決していければ一番よいことです。 どんな状況でも議論によって突破する。人類の英知がそこに凝縮されているのではないかと思います。

本日は、教職員の研究環境の向上を研究の視点から、一般の方にもご理解いただきたく、先日の市内研究会をベースに自分の経験を交えながら出しゃばってお話しました。現在の教育環境とのズレがありましたらご容赦ください。

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