Hyuga City Career Education Support Center
2026.08.07
同じく日向中学校でよのなか先生をお引き受けいただいた(株)ケーブルメディアワイワイの岩元明日真様を紹介します。
テレビ局社員のお父様の家庭に生まれたということが、岩元さんに大きな影響を与えてきたのかもしれません。中学生の頃にはすでにYouTubeに投稿されていたそうですから、すでにその道を意識されていたようです。大学生の頃にはテレビ局でアルバイトをされていますから、現在のお仕事へ直接的に繋がったことがお話から分かりました。

すでに皆さんのご家庭で視聴されているかもしれませんが、ケーブルテレビワイワイの放送は、県北2市6町で展開されています。民放局が少ない本県にとっては貴重な情報源となります。
番組づくりは、大まかに「取材」「編集」「収録」という過程を経るそうです。時にはそのすべてを一人で担当することもあるとのことで、大変な労力をかけて私たちに番組を届けていただいていることが分かります。

岩元さんは、仕事で難しかったこととして、「構成を考えながら原稿を書くこと」を挙げられました。それは国語が苦手だったことが大きいそうです。ですから、生徒の皆さんには「誰にでも伝わる簡素な原稿を書ける」という力を身に付けて欲しいと話されました。
そんな岩元さんが、「4つの力」で出されたことを以下に紹介します。
一つ目の「相手を尊重し、社会を理解する力」では「感情で動かないようにしている」「自分の状況だけでなく、相手の考えや立場を考える」ことだそうです。感情で動いて得をすることはないと言われるとおり、それは中学生とて経験しているのではないかと思われます。

二つ目の「自分を正しく知り、コントロールする力」では、「視野を広く、良い意味で『冷めた目線』をもつ」「世渡り上手になる!」とのことです。客観的で視野が偏った放送にならないようにする必要があるでしょうし、公共性の高いメディアであればこそ、世の中の評価というのは、仕事をする上での指標となります。気にするというより意識するということの方が近いでしょう。

三つ目の「課題を見極め、解決の工夫をする力」として「そもそも自分に求められていることは何かを考える」「なぜ?を何回か繰り返すと本質にたどり着く」の二点を取り上げられました。仕事においては上司、家庭では親、学校からは先生などから、その時点で自分に求められているものは何かをはっきりとさせることが自分の現在位置を明確にすることにつながるものだと思います。「本質に迫る」これはどんな状況でも必要なことだと私も我が身を振り返ります。

四つ目の「働く意義を知り、将来を切り拓く力」については、「将来を後悔しないような選択をできるようにする」「他の人に流されずに自分に合った道を考える」と言われます。人生は「選択」の繰り返し。だからこそ、後悔しない選択をすべきだし、若いうちには選択肢を減らさないようにしないと道幅が狭まってしまいます。そういうことを意識しておくことは大切なことで同感です。
最後に、岩元さんが生徒に訴える「大切にして欲しいこと」は、「とりあえず視野を広く」「自分を客観的に見る」「心に余裕をもてるように」の三点です。公平・公正な放送を心がけるためにもこれらのことはとても大切なように感じます。そしてそのまま中立の立ち位置で仕事を前に進めるという点で重要な要素ではないかと思いました。
岩元さん、日々の多岐に渡る業務の中で、生徒たちに身近でありながら知らないその裏側の世界を丁寧にお伝えいただき本当にありがとうございました。放送を視聴した際には、その裏側でのお仕事を想像したいと思います。
2026.08.04
本日は7月3日に日向中学校でよのなか先生をしてくださった特別養護老人ホーム永寿園の川本進也様を紹介します。
川本さんは幼少の頃、広島県に引っ越しをされ祖父母と同居されたことが現在の福祉を目指す要因として大きかったと話されました。祖父母から孫へ伝える想いは昔も今も同じだと我が身を振り返ってそう思います。

さて、その通りの道へ進むことになった川本さんですが、大学での介護実習を経て、縁あって日向の永寿園に就職することになったようです。

特別養護老人ホーム永寿園は、昭和53年に開設されたということです。現在は約80名の方が入所されていて、園では、デイサービスや介護支援など多岐に渡って活動をされています。

川本さんの説明にあった「三大介護」ですが、改めて問われると少し考えてしまいます。「食事介助」「入浴介助」「排泄介助」だそうです。このどれも介助なくしては入所者は自立できませんし、健やかに生きていくためには欠かせない介護の中心になるといえます。高齢者など体力的に課題を抱える方々への福祉事業は日本の大きな課題です。ここに立ち向かっておられる川本さんの言葉には一つ一つに説得力をもって聞こえます。

その川本さんの介護に対するやりがいは、「感謝の言葉」を得られることと、「成長を実感できる」ことだそうです。先週私が個人的に訪れた日向市社会福祉協議会内の壁に掲げてあった言葉が印象的でした。認知症高齢者に対するサポートする側の考え方について書かれていたのです。認知症者は「何もできないのではなく・・・できることがたくさんある」「してあげるのではなく・・・自分で決めさせる」など、対比して書かれていました。危ないからしてあげようと手を出そうとしますが、本人ができそうならさせてみて見守ることが大事だと気付かされます。本人が「何もできない」と感じることが一番寂しいということに気付く必要があります。まさに「成長を実感できる」のは、サポートする側にもお世話になる側にとっても必要な人間性そのものなのですね。

川本さんが考える「4つの力」については以下のような説明をされました。
一つ目の「相手を尊重し、社会を理解する力」では、「(入所者であっても)敬語を使うこと」「相手の話を最後まで聞くこと、共感すること」「感情をコントロールすること」の三つになります。親し気に柔らかい対応としての「友達言葉」もそれなりに意味はあるとは思いますが、川本さんの信念として入所者を年長者と捉えて尊敬しながら接するという姿勢にご本人の明確な「軸」を感じました。
二つ目の「自分を正しく知り、コントロールする力」については、「ストレスをためないように息抜きをする」「無理をしない」「自分の性格を理解する」という三点を挙げられました。最後の「自分の性格の理解」については、入所者への対応に直結するだけに、相手の言動で自分が振り回されるようなことになってはいけないという自己コントロールの方法だと受け取りました。このように冷静に対応してくださる方がいてこそ高齢者を安心して預けることができるので大変有難いことです。

三つ目の「課題を見きわめ、解決の工夫をする力」については、「失敗を次に活かす」「すぐに諦めない」「多職種共同」と語られました。最後の「多職種共同」については、同じ永寿園の中でも介護福祉士や栄養士、そのほか沢山の資格を持つ方々で成り立っている養護施設になるため、それぞれの分野の専門家が共同して一人一人のサポートに当たることが重要だということでした。
四つ目の「働く意義を知り、将来を切り拓く力」については、「誰のために働くかを考える」「相手の意見を聴いて自分の考えを正確に伝える」「自分の能力を磨くこと。それを続けること」と話されました。この三つはどれも大切であり、どれも身に付けるのは難しいですが、そこへ向かって進まないことには自分の理想とする福祉の仕事へたどり着けないということなのだと思います。また、これらはすべてどの職業であっても必要な力であり、生徒は自分事として捉えられたのではないでしょうか。
最後に川本さんは、「自分の周りの人に感謝の気持ちを大切にして欲しい」「苦手なことがあってもやってみる」「前向きな気持ちをもって欲しい」と、日向中学校2年生へメッセージを送られました。迷ったらやってみるこれが若者の特権です。間違っていると思ったらやり直せばよいのです。それを失敗と捉えず、少しの不都合だったと捉えて、また前へ進む。そういうことを若者に期待したい思いは川本さんと同じです。
川本さんは今回の講話のまとめとして、「高齢者の笑顔が介護の仕事の魅力」であり「やりたいこと、興味があることに挑戦して欲しい」と締めくくられました。介護の仕事の魅力をたくさん話していただいた日向中学2年生から一人でも福祉に興味をもってくれる生徒が出ることを願います。また、そのような直接的な職業の担い手という狙いではなく、自分で道を切り拓いた場所で「誰のために働くか」を自分自身に問いながら成長できる人生を送って欲しいという川本さんの大きな期待に応えられるようになることを願います。
川本さん、大変お忙しく日々入所者の健康管理に細心の注意を払いながらのお仕事の中で中学生への講話を実施していただき本当にありがとうございました。
2026.08.03
先週は美々津中学校と大王谷学園初等部の職員研修に参加しました。
美々津中学校では「キャリア教育の基本とファシリテーション」というテーマで、前の週の日向中学校での研修テーマと同じなので大まかな内容は省略します。ただ、他校研修で、卒業生の離職と学校とのかかわりについて丁寧な説明が必要だと感じたので追加しました。
これまでのキャリア教育では、「働くこと」の現実や必要な資質・能力の育成につなげていく指導が不十分という指摘が各方面からあります。そこを強化すべく、今後のキャリア教育では、夢だけではなく働くことの厳しさも教え、さらに、誰かの役に立つことの尊さや失敗した時の立ち直り方、これらをきちんと丁寧に指導していく。指導と言うより、寄り添いながら支援していき獲得させる。そういう積み重ねで生徒が将来、「仕事を通じて社会を創り上げる」責任世代になってくれるよう義務教育で育てなければならないということを追加しました。それが延いては、明確な方向性のない離職に歯止めをかけると期待します。
統計によると、企業種別・規模別に分析した離職理由と不足した人材育成過程からは、学校教育におけるキャリア教育での学習不足も要因に含まれると私は考えています。企業による分析結果でのメンタリングサポート不足は、すなわち「乗り越え方」の育成に当たると考え、それは「課題対応能力」を育てていなかったのではないかと。また、医療業界で実働負荷が離職の原因だと言われれば、それはストレスマネジメントの育成不足ではないか。つまり、「将来の切り拓き方」すなわち「キャリアプランニング力」の基礎を学校で身に付けさせる必要があると分析できます。勿論これは義務教育だけの問題ではなく広く、小中高校で考えていく必要があります。現在はその突破口として「キャリアパスポート」が存在するのかもしれませんが、活用方法が不明確な部分もあり、物理的な不具合が起きている段階ではないかと思います。

それはさておき、待ったなしの中学校3年間では、教材を工夫し学級活動で進路指導や討論を柱とした中央委員会などの生徒会活動、或いは、学校行事で人との繋がりや人を頼ることを、実感を伴って体験させることが重要になります。ところが、毎日の生徒指導や教科指導、部活動などに忙殺されると、適切な教材の準備もままなりませんので、そこで活用していただきたいのが当センター経由の「よのなか教室」になります。美々津中学校では、すでに2学期に計画を希望されていますので安心しております。
美々津中研修の後半では、当センターのスタッフが「よのなか先生役」と「ファシリテーター役」で実演し、続きを2名の先生に体験していただきました。今回は、お二人の先生方ともにファシリテーター役をしていただきました。「4つの力」のうちの1つを、よのなか先生役のスタッフが説明し、それに対してファシリテーター役の先生が相槌や「引き出し方」を演習するというものです。その後交代し、「4つの力」のもう一つの部分を次の先生に演じていただくという研修としました。

どちらの先生もさすがに日常的に多様な生徒に対応しておられるだけあって、的確な切り返しをされていました。ファシリテーションは日常の教科授業で巧みに利用してこそ、よのなか教室で初対面の方と出会っても引き出しに困ることは無くなると思います。

美々津中学校の先生方、キャリア教育に熱い関心をもって研修に臨んでいただき本当にありがとうございました。2学期を楽しみにしております。
続いて、翌日の大王谷学園初等部での職員研修になります。こちらもテーマが「ファシリテーション」という位置づけですが、どうしてもキャリア教育とファシリテーションの関係について基本的な部分をお話しないとその重要性が伝わりにくいので、前半部分で日向市が取り組むキャリア教育についてお話しました。最後のアンケートに、日向市のキャリア教育の取組は「理解している」という回答もありましたのでほっとしました。私の話が不要だったということではなく、ベースを揃えるという意味合いがあります。小中学校は教職員の異動が大きいので、それぞれの先生方の基礎は揃っていません。ですから、何回お話しても良いのですが、充実していくと今度は学校内での共有がしっかりとなされていくので、「理解している」が増加してくることを願っています。

基本的なことは、これまでの職員研修会のブログでも書きましたので省略します。ここからは後半の演習の部分についてお伝えします。

まず、例のように当センタースタッフが実演をしました。私同様、お話するたびに改善点が盛り込まれるので、益々磨きがかかったファシリテーション術になりました。大事なことは、「児童とのパイプ役」になることです。講師が話す業界用語や大人の言葉を児童用に「翻訳」することがファシリテーターには求められます。翻訳という言い換えをしないと、子どもは「遠い大人の話」で飽きてしまいますし、ファシリテーターではなくただの進行役になってしまいます。
また、少し難しい話になったと思ったら、そこは子どもにとっては大変難しい話になるので、それを「言い換え」てみたり、ファシリテーター自身がすかさず講師に質問して見せるという小技が入るとさらに児童生徒の集中は切れません。
そういう実演を経て、次に先生2名にファシリテーター役として登場していただきました。

一人目の先生は、台本を越えてご自分の言葉で講師に問いかけるように話したり、最後に翻訳したりされていましたので、日常的にファシリテーションに気を付けながら授業実践をされていることが伺えました。

2人目の先生も「翻訳」がお上手で、さらに講師の話のあとに自分自身の経験をさりげなく持ち込まれることで児童は内容を深く理解することができるだろうとこちらが参考になりました。お二人の先生、積極的にご登場いただきありがとうございました。
研修後のアンケートでは「今日の演習で直感的に体験できたので日常の学習に生かしていきたい」や「講師の説明を子ども向けに言い換える『翻訳者』になれるようにしたい」、「よのなか教室は複雑な連絡や準備を必要とせず気軽に問い合わせることで学習が成立するので今後活用したい」など大変積極的にキャリア教育を推進していこうとする先生方の熱い想いを感じ取ることができました。
大王谷学園初等部では、毎年「キャリア教育フェスタ」を開催し、地域コーディネーターをうまく活用した出前授業や仕事に焦点化した学習内容で授業を構成したりされています。そこへよのなか教室が加われば鬼に金棒で、「社会で自分を見失わない大人」への「軸」を獲得させる教育ができるのではないでしょうか。2学期以降のキャリア教育の推進を応援したいと思います。
大王谷学園初等部の先生方、研修への熱心なご参加をありがとうございました。
2026.07.30
先日の熊本地震につきましては、被災者の方に心よりお見舞い申し上げます。前回10年前の大地震の時も大変な災害で私もボランティアの一人として阿蘇地方に向かったことを鮮烈に覚えています。今回また被害に遭われ、酷暑の時期の災害は本当に辛いものだと他人ごとではありません。今なお助けを求める人が一刻も早く救出されることを願います。
さて、本日は7月冒頭に実施されました日向中学校でのよのなか教室に駆けつけてくださったよのなか先生を詳しく紹介します。
本日は、中村眞税理士事務所の中村眞様です。中村さんの人生グラフも変化の大きい波がありました。部活動で活躍された時期や、大学卒業後の税理士試験への数度に渡るトライなど大変ご苦労されたことが伝わりました。一つの試験に5年以上チャレンジするというのは並大抵のことではないと想像します。私も歳取ってからいくつかの検定試験を受けてみたのですが、2回で一旦休止状態に陥っています。単なる根性だけでは済まない前を向く力がそこには必要でしょう。後ほど掘り下げたいと思います。
そもそも中村さんが税理士を目指されたのは、インターシップがきっかけだったそうです。大学でのインターンシップで税理士事務所で体験されたのです。私も教育実習を通して教育への道が確かなものに拓かれたので、やはりインターンシップは大切だと感じます。ということは中学生版のインターンシップすなわち「よのなか挑戦」も大変意味ある体験活動であることが証明されます。もっとも中学生の場合は、そのねらいを就職へ直結させている訳ではなく、基礎的・汎用的能力を獲得してもらうことが大きな目的なので意味合いは異なりますが、それでも就職は「よのなか挑戦がきっかけでした」という方もおられるので、大切な学びであることには違いありません。
その苦難の、そして憧れの税理士になっても仕事がないというのはどういう状態なのか、業界の異なる私には分かりませんでした。事務所を開いても仕事がないのでは収入に直結するので大変だったことと思います。そこからどう突破されたのでしょうか。
その後、10年の時を経てやっと仕事が軌道に乗るのですから、大変なお仕事だと思います。私の知り合いに宮崎市の税理士がいますが、複雑な税の納入に関して適切にアドバイスをしていただき無事完了することができました。大勢のスタッフと協働での突破力を見た気がします。我々の身の回りに近いが近寄って欲しくないような…そんな複雑な税に関するお仕事を中村さんも長年に渡って乗り越えて来られたことになります。

イベント参加
さて、そんなご苦労をされた中村さんの考えになる「4つの力」についてお伝えします。
まず一つ目の「相手を尊重し、社会を理解する力」については、「職場ではチーム制をとっており、新入社員教育や、仕事の進捗の管理、事務所全体の問題点の共有を図るようにしています。」とチームで仕事をすることの重要性を訴えられました。チーム毎のリーダーとマネージャー、そしてそれらを2年ごとに再編成しなおし活性化を図るということだそうです。それほどに、チームで個々が相手の立場や考え方を尊重できるように気を遣われているということが分かりました。過去の経験から学んだということでした。
2つ目の「自分を正しく知り、コントロールする力」については、「職場において『こころの通信簿』と『職人手帖』と呼んでいるものを採用されているそうです。「こころの通信簿」では360度評価という自分自身の評価と周り社員からの評価を数値化して良いものと改善していくべきものを「見える化」するそうです。また、「職人手帖」では、実際の業務内容を細かく洗い出し、自分が何ができていないのかを見える化するそうです。これもまた、チームがお互いのことをよく理解するツールになるのだと思いました。

3つ目の「課題を見極め、解決の工夫をする力」として、「仕事で困ったことがあったときは、まず原因を考え、どうすれば良くなるかを工夫する」のだそうです。仕事のやり方を見直したり、必要な情報を整理したりして、より早く正確にできるよう改善していくことを信条にされていますから、難しいお仕事も客観的な原因分析によって課題克服ができるのだと分かりました。
最後に「働く意義を知り、将来を切り拓く力」としては、「その仕事を通して、お客さんから喜んでもらったり、社会の一員であるという喜びを得るというやりがいを得るという事が重要になってくる」と仰います。収入だけではないお客の喜びを共有したところに自分たちの成長があるということなのですね。また、将来を切り拓くためには、①自分の長所や課題を理解する、②将来の夢や目標を考える、③目標達成のために計画を立てる、④学ぶことの意義を理解し、自分の夢や目標に向かって主体的に行動できるという4点を挙げられ、生徒への大切なメッセージとなりました。

チームで仕事をする!
学習全体のまとめとして中村さんが生徒に話しかけられたのは、「自分で考えて行動すること」と「人を大切にすること」だと言われます。勉強や部活動、友達との関わりの中で、うまくいくこともあれば失敗することもあるので、失敗を恐れずに挑戦し、人として大きく成長する。それだけに「やってみよう」という気持ちを大切にして欲しいということでした。また、周りの人へのあいさつや感謝の言葉。さらに、毎日少しずつ自分で決めたことを続けてみる。そういう小さな積み重ねが、将来の大きな自信につながるので、一日一日を前向きに過ごして欲しいと熱いメッセージを残されました。
日々の業務で大変お忙しい中に、日向中学校生のために準備と当日学習を引き受けていただき本当にありがとうございました。
2026.07.28
学校は先週から夏休みに入りました。そして先生方は研修会が始まります。ということで、先週は2校に呼んでいただきましたので、まとめて報告します。

まず日向中学校では、「キャリア教育の基本とファシリテーション」のテーマでの研修になります。ファシリテーションとは聞きなれない方もおられるかもしれません。「会議や話し合いなどの活動がスムーズに進むよう、中立な立場で参加者の意見を引き出し、整理し、合意へと導くサポート手法のこと」になります。以前からまとめ役、ここでは教師ということにしましょう、この役目ではサポートに徹することが学習が運ぶと言われていました。とは言うものの、私自身は強引に舵取りを行い、引っ張っていったことも多々あります。実はそれでうまくいったと勘違いしていたのだと、今思えば反省しきりです。

さて、そのファシリテーションですが、基本的な立場は「社会と生徒を繋ぐ『翻訳者』になる」とうまくいきます。大人や社会の業界用語というのは、とかく難しい場合が多いものです。中学生とはいえ、分かっているようで理解していない場合もありますから、簡単に言い換えて「つまり、学校生活で言うと○○のことだね。」と落とし込むことで、その内容を自分事として捉えてくれるます。学校のように対象となる生徒が多い場合は、意見が出た場合に、すぐに1対1の対応をせずに、その意見をほかの生徒に振ってみることが重要です。「今の〇〇さんの意見を君はどう思ったかな?」などのように広げたり、ペアワークさせてみることで生徒の学びが広がっていきます。また急に指名されてもなかなか答えられそうにないという場合は、ちょっと時間を取って「30秒間隣の人と話し合ってごらん。」と言い「それをメモしておいて。」と指示することで発表しやすくなります。あくまでもファシリテーターは「黒子」に徹することが大切です。

このような理論的なお話をさせていただきました。その上で、当センターの職員で実演をしました。いつも「よのなか教室」の冒頭で示している「人生グラフ」の部分と、その後の「4つの力」の1つの場面について実施しました。
それを受けて、先生2名に代表で出ていただき、演習を行いました。プレゼンテーション画面にセリフが簡単に書いてあるとはいえ、流石に先生です。その内容を膨らませて見事に「よのなか先生役」と担任の「ファシリテーション役」を演じていただきました。ファシリテーションは、引っ張り出すのではなく、引き出すというところがポイントです。私も笑福亭鶴瓶さんや阿川佐和子さんから勉強したいと思います。また、これは学校現場でのみ有効なのではなく、どの会社、事業所でも、延いては家庭でも大変有効なので、試してみてはいかがでしょうか。
日向中学校の先生方、ご熱心に研修に取り組んでいただき本当にありがとうございました。
続いて、翌日の寺迫小学校では、先日の細島小学校同様に「エピソードシートを活用したキャリア教育」というテーマで研修を実施しました。内容は細島小学校とほぼ同じですが、エピソードシートを活用しても「よのなか教室」に近い学習効果を上げることができるという点を強調しました。

まず、導入では「今日のエピソードシートに出ている人は、皆さんが知っている○○をする人だよ。」と児童の生活との共通点を提示することで、児童が学習へスムーズに入り込むことができます。そのあとの展開は、「エピソードシート」にある登場人物の「仕事のやりがい」「苦労」「仕事の社会的役割」についてじっくりと読み取ります。そこから「なぜ諦めずに挑戦したのだろう?」という問いで、グループ討論を経て仕事への思いを共有し、対話的な深い学びへ導きます。そして最後に「今日の話をヒントに、これからの自分の生活にどう活かすか。」という自分軸とつなげて将来の希望(仕事)を考えてみます。こうした自己の生き方でまとめると、自分とは遠い世界のストーリーで終わらず今日からの自分の行動指針へと繋がります。

当日の研修では、実際に先生方にエピソードシートの読み取りを経験していただき、自分の学級でどう生かせばよいのかを考える機会になったのであれば幸いです。
最後には、私の好きなテレビ番組の一つである「世界に開け!ひみつのドアーズ」を紹介しました。番組では、世界の小さな村から日本に向けて出荷されている農産物(ゴマ)が出てきます。放送ではその後どうやって私たちの手元にやって来るのかは出ませんから、私が調べた流通過程を紹介しました。そこには、実に何十もの仕事が積み重なって私たちの手元に届き、それらの職業名を提示することで実感を伴って世界が仕事で繋がっていることが見えてきます。

仕事(役割)を通して自分のキャリアを積み重ねていくのは、児童生徒だけのことではなく、大人である私たちの生き方そのものになることを、キャリア教育の視点によって見せつけられることを感じます。
寺迫小学校の先生方はエピソードシートを大変細かいところまで読み取っていただきました。そして熱いグループワークも行っていただき本当にありがとうございました。
研修を通して先生方に学んでいただいていますが、一番学んでいるのは私自身ではないかと思っています。今週も研修が続きますので、自分のためだと思い頑張りたいと思います。
2026.07.23
先週、平岩小中学校9年生にて伊久良さんの後、5校時に芥川彩様をお招きし、よのなか教室が実施されました。私は同時進行で大王谷学園で授業を行っておりましたので、事前打合せと報告によりお伝えします。
芥川さんというより「あやべこ」さんと言えば皆さんご存知ではないでしょうか。この↓キャラクターグッズで有名なデザイナーです。

<無断転載はお控えください>
今回は、中心となるショップが道の駅にあるということで近い平岩小中学校の9年生の学習をお願いしました。

芥川さんの人生グラフ
中学1年の時にソフトボールに目覚め、実力ナンバー1の投手を目指し日々練習に打ち込まれたようです。初めはルールも知らなかったという方が最終的にはソフトボールで大学まで進学されることになるのですから、あの村上和雄氏の「『スイッチオン』の目覚める遺伝子」のことを思い出してしまいました。人間は「思い込む」ことによってまだ使われていない遺伝子が目覚め活動を始めるという脳科学のお話です。まさに、芥川さんは、自分の遺伝子を目覚めさせられたのだと思います。
今のお仕事は、先ほどの通りデザイナーとしてご活躍されています。オリジナルグッズの販売が中心となります。以前、私は失礼ながら芥川さんのことを存じ上げず、道の駅で「かわいいな」と思い、ハンカチを購入した思い出があります。日向道の駅だけでなく、駅の売店や宮崎空港、西都原、青島、鵜戸神宮などにもグッズは置いてあるそうです。また県外でも鹿児島や東京でも販売しているということで、「あやべこ」さんの語る「おひさまフレンズ」では「太陽がある限りみんな繋がってる。」というそのままなのですね。
さらに、企画コラボとして、焼酎や祭りイベントにてデザインが活用されています。今年の日向ひょっとこ祭りのデザインもあやべこさんの手によるものとなります。宮交バスの100周年記念でもデザインが使用されているとのことですから、バスに目を凝らして見てみたいと思います。

現在は土日限定で、道の駅では「AYABECO CAFÉ GALLERY」として軽食も出されているようです。そんな多方面にご活躍の芥川さんですから、ここまでの道のりでは乗り越えるために必要な人間力として以下の「4つの力」を提示していただきました。
1つ目に「相手を尊重し社会を理解する力」として「自分から挨拶すること」「笑顔でいること」です。これは芥川さん自ら実践されていることがお話してよく分かります。
2つ目に「自分を正しく知りコントロールする力」として「自己分析すること」「好きを見つけること」「前向きな考え方を知ること」です。芥川さんの人生グラフでは、子どもだんが誕生した後に仕事をどうするか考え、そこで「自己分析」されています。「自分は何がしたいのか」「自分は何ができるか」と、問い直した結果にこのデザインの道が拓かれたということになります。こういう冷静な自己管理・自己認識という分析力が大切なのですね。
3つ目に「課題を見極め解決の工夫をする力」では「聞く力」をストレートに挙げられました。「人の意見を聞くことで、自分では気付かなかった原因や解決方法が見つかることがある」と言われます。まさに私自身にも当てはまることなので肝に銘じたいと思います。
最後に「働く意義を知り、将来を切り拓く力」として「まず自分を『知る』こと」を提示されました。これは自己分析に繋がることだと思いますが、「自分を知った上で、世の中では自分がどの分野であれば役に立てるのかから考えていくのが良い」とアドバイスをいただきました。小中学生にはイラストレーター・デザイナーに憧れる子どもは多いと思いますが、こうして実際にデザインの世界で活躍されている方がこの日向におられ、その仕事の過程について学べるということは大変幸せなことだと思います。

最後に芥川さんは、「笑顔の意識」「好きを見つけて」「世界は広い」「夢中を探す」という4つの視点を生徒へ投げかけられました。ぜひ生徒の皆さんは胸に刻んで前に進んで欲しいと思います。デザインのお仕事に加え多方面で多忙な中、平岩小中学校にお出でいただき本当にありがとうございました。
【日向市キャリア教育支援センターから読者の皆様へお願いです】
いつもメッセージを読んでくださりありがとうございます。
このブログ及びLINEでは、普段のSNSなどでは言えない「ここだけの本音」や「ちょっとディープなお話」を特別にお届けしています。そのため、配信した内容はブログやSNSへ載せない(転載・拡散しない)のはもちろん「日常のちょっとしたお喋りでも『秘密』に格下げしておいてもらえると嬉しいです。
登録やブックマークしていただいている皆さんに、これからも濃いお話をしていきたいと思っていますので、秘密基地のような感覚でこっそり楽しんでください。
2026.07.22
先週、大王谷学園7年生の「よのなか挑戦」事前学習へ行ってまいりました。学期末も迫り何かと慌ただしい状況の中で、視聴覚室に学年が集合しての一斉学習となりました。これまでの事前学習の改善点を盛り込んだ内容にしましたが、それでも時間内に収まるか不安をかかえたままの実施となりました。

中等部校章
いざ始まってみると7年生の反応がよく、遠い後方の生徒もよく挙手し発言してくれたので嬉しくなり余計に進行が遅れたのかもしれません。
「うどんセット800円」から経費や儲けをどのように考えるかという「問い」を設定しました。生産者の立場で考えるという視点を学んで欲しかったので前半にそのような学習を位置付けました。活発に「税金」「給料」などと発言してくれます。どうしてもただ説明、通過するだけの講話形式では深まりが浅かろうと考え、対話的に進めました。その結果やはり時間不足になってきました。
それでも「山本由伸選手のボールをキャッチした青年」の映像や、課題対応能力・人間関係形成能力に関する動画は視聴して欲しかったので時間オーバーになりながらも見てもらいました。
今回は十分に準備をしたものの、学習形式との兼ね合いから削除するべき部分について検討が不十分だったことを反省しました。帰りがけには新たに「よのなか教室事前学習」の依頼も受けましたので、方向性は違うものの1クラス単位という設定の状況から、しっかりと学習できるのではないかと次回頑張ります。

アンケートでは「試してみることに失敗はない」という話に共感してくれた生徒が多かったです。また、生徒の感想に次のようなものがありました。「今回の前半の話では、失敗することを恐れてはいけないこと・よのなか挑戦の具体的な目的などがわかり、後半の話では社会の一員であることや大切なマナーについての説明が印象に残った。だから、2学期のよのなか挑戦のときは今回の講話で言われたことを意識して、体験を通じて色々学びたいと思った。」
大王谷学園7年生の皆さん、9月の社会体験学習「よのなか挑戦」をぜひ実りある活動にしてもらいたいと思います。我々も熱心な学習態度の生徒たちの期待に応えられるように頑張ります。

*<今回は一人での参加になり画像は一枚のみになりました>
2026.07.21
先週、平岩小中学校9年生のよのなか教室が実施されました。午前中はサーフショップ経営の伊久良城二様です。
自己紹介を兼ねた人生グラフから、ファシリテーターである担任の先生が「チャートから2つの山を解き出してみたいと思います。」となかなか導き方がお見事でした。伊久良さんはサッカーが好きだったそうですが、15歳のときにサーフィンと出会いのめり込んだそうです。すかさずファシリテーターが「このクラスでサッカーをしている人は?」と問いかけられ3名が挙手しました。また、「サーフィンをやっている人は?」では1名でした。人数は少なくても多彩なプレーヤーが揃う平岩小中学校です。

お店の仲間とのコンペの後に
ファシリテーターの先生とよのなか先生が教卓の前で椅子に座って進行されるので、親しみやすい雰囲気を醸し出していました。伊久良さんは、「20才までにサーフィンのプロになるから続けさせて欲しい。」と親と約束をされたそうです。目標を決めて区切ることで最大の努力をし、それが達成できなければ切り替えると判断されたそうですから、十代の頃にそういう決断ができていたのだと感服しました。また、将来に引き際がある可能性としての家業の引継ぎも考え、書道には力を入れて学ばれたとのことで、「五段」の腕前は今の仕事にも生きているとのことでした。また、あのシーガイヤ・オーシャンドームがオープンした頃、ドーム内でサーフィンをやっているのを私も知っているのですが、あれが伊久良さんだったと聞き、当時がフラッシュバックすると同時に驚きました。

よのなか先生伊久良さん
「今の仕事の悩みは?」との問いかけに「自分の好きなことを仕事にできているのであまりありません。というより、前を向くようにしています。」とのポジティブ思考を披露されました。これはその後も随所に登場します。
現在、日知屋小学校などではプールを利用したサーフィン教室を行っているとのことで、そこはぜひ生徒から「ウチもやりましょう。」と言って欲しかったなあと私の心の叫びです…。

SUNRISEサーフショップ
伊久良さんは現在、サーフショップとゲストハウスを経営されているということです。そのようなお仕事の中での「四つの力」についてお話ししてくださいました。

ゲストハウス オーシャンサイド
「相手を尊重し社会を理解する力」では「挨拶を心がける」「楽しむ」「自然を大切にする」「感謝する」の4つを挙げられました。日本の老舗サーフボードショップであるCHPの社長から「大人になったらサーフィンで恩返しをしなさい」と言われた言葉は胸に刻んでいます、という言葉は印象的でした。この「軸」がすべてに循環して今の伊久良さんの存在があるのだと合点しました。
この話の後に担任のファシリテーターから「先日バドミントン日本一の方と話す機会がありましたが、やはり『感謝することは大事だ』とおっしゃっていました。」とスーッと視点を転換する事例を挿入する辺りはお見事です。

ファシリ―テーターとの和やかなやり取り
「自分を正しく知りコントロールする力」では、「苦手な事を克服すること」「嫌なことがあってもプラス思考で考える」「体調を管理する」と伊久良さんは提示されました。
担任のファシリテーターは「体調管理というのはなかなか難しいですが、特におすすめすることはありますか?」と生徒に代わって質問され、「突っ走っていないで、一旦落ち着くことですね。」と冷静になることを話されました。この頃になると、13名全員の鉛筆が走っています。流石9年生ですね。
「課題を見極め解決の工夫をする力」では、「前に進むこと」「嫌なことから逃げない」「整理整頓」「他の人の意見を取り入れる」の4つです。「皆さん、整理整頓は大切だそうですよ。」と担任が生徒に問いかけると、生徒の中には後方のロッカーを眺める者もいました。(笑)
「働く意義を知り、将来を切り拓く力」については、「無理をしない事」「自分好きな趣味を見つける」「自分の夢を信じ諦めないこと」の3点を出されました。伊久良さん自身が、1日5ラウンドもスクールを実施し体調を壊した時期があったとのことで、体調管理に頷いている生徒がいました。スポーツの道を進もうとしている生徒だけに響いたのでしょう。

生徒はメモを走らせる
生徒から「ショップの経営とスクールの実施をされていますが、皆さんに伝える上で難しいことは何ですか?」と核心に踏み込む鋭い質問が出されました。すると伊久良さんは「初めての人への伝え方は特に気を遣います。さらに笑顔は大切だと思います。また、危険を回避させることや天候で左右されることにも気を遣います。」と返答されました。
また、「大きな壁にぶつかった時には最初に何をしますか?」の質問には、「乗り越えるために自分を信じて進みます。」とのことでした。さらに参観していた学校の先生から質問が出されました。「起業された時の大変さや喜びを教えてください。」これには、「自営は自己責任なので大変と思わないようにしています。来てくれる人が笑顔になることが自分にとっても喜びになります。」と、あくまでも人の幸せを願っての仕事であることを強調されました。ここにも「サーフィンで恩返し」が生きていると感じました。
伊久良さんは、「コロナの時は大変でした。県外からのお客さんに対してプレッシャーがかかり、自分もサーフィンを自粛したりしました。」と。また、経営に興味をもっている生徒がいると判断された担任は、「自分でお店を開きたいと思っている人は?」とタイムリーな投げかけをされ、男子生徒が「アップルやマイクロソフトのような大きな会社を経営したいです。」そしてもう一人の男子が「料理店を出したいです。」と夢を語ってくれました。
まとめとしての「今日から大切にして欲しいこと」では、「感謝の気持ちを持って行動する」「夢を見つける」「将来に向けて書き出してみる」「楽しむことを忘れない」という4点を挙げられました。さらに「将来に向けて書き出してみるというのはとても有効だと思います。宣言することはとても良いと思います。そしてそれをノートに書き出して現実化することが良いと思います」と丁寧なアドバイスを頂きました。
最後に日向市の魅力については、「日向はとてもよい街だと思います。田舎としての良さがあるから移住者が増えているのです。」と現状認識の視点を与えられました。そして「楽しいことを見つけて頑張ってもらいたいです。まだまだやり直しが利くので失敗してもまたやれる。チャレンジして欲しい。」とエールを送られました。

その昔地区の人の手で建てられた正門前で
授業は十分な時間を残したので、このあと生徒は残りのワークシートに想いを書き留めることができ、さらにQRコードのアンケートにも応えてもらう時間がありました。ファシリテーターもお見事でした。
伊久良さん、貴重な時間を割いて平岩小中学校においでくださり本当にありがとうございました。

シャカー(心をこめて、ありがとうございました)
2026.07.16
今週月曜日、よのなか教室が日向ひまわり支援学校にて実施されました。個人的には5年ぶりの訪問になります。現在も小学校は塩見小学校、中学校は日向中学校、高校は日向高校が日向ひまわり支援学校との交流会を継続していると聞き安心しました。
さて、高等部8名の生徒のみなさんに対して、認定こども園伊勢ケ浜保育園の青木雅矢園長ほか3名のスタッフの方と、(有)悟空マンガ倉庫の甲斐悟社長が学校まで来てくださいました。どんな展開になるのか大変楽しみでした。
空調の効いた作業室でお二人の仕事内容の説明と働く意義を含め、高等部の生徒たちに響くようなお話がありました。青木さんは、十五夜太鼓の演奏で威勢よく登場され、太鼓のリズムに生徒たちもノリノリになった状態でお話が始まりました。太鼓で人々を元気にするボランティアを長年継続され、ワークライフバランスとして一生懸命に取り組み、趣味も全力で楽しむことが大切だと説かれます。一人の生徒に趣味を聞くと「乗り物が好き」と答え、突然の質問にもしっかりと対応できる生徒たちのようです。

保育の仕事についても分かり易く説明され、子どもを大事に預かり成長させることはもちろんですが、この仕事があって初めて、預ける親の仕事を支えることになるので、結局保育の仕事は、たくさんの人々の生活をささえることにつながると話されました。改めて考えてみると本当にそうだと深く頷きました。そこには、預かってもらう保護者からの感謝の言葉はありますが、スタッフ職員も働く親でいられるので、お互い様として「ありがとう」の感謝の気持ちをもつことが大切だと強調されました。
大切にしていることは「コミュニケーションと笑顔」だと言われます。常に、子どもたちが安心して過ごせるように、親の皆さんが安心して仕事ができるように常に考えているとのことでした。

保育ということをリアルに考える例として童謡「はないちもんめ」をアニメ風のプレゼンテーションで提示されました。「誰ちゃんが欲しい」と指名した後で「相談しましょ」があります。この時、「誰がいい。いや誰ちゃんがいい。」と異なる価値観をすり合わせて合意に至るのです。違う考え方を受入れることで伝える力や相手を理解する力、そして最終的にまとめる力という過程を経ることになります。まさにこれはキャリア教育の目指す「4つの力」と合致すると思いました。また、プレゼン「はないちもんめ」の6人から始まった遊びは、獲得によって一方が5―1=4、5+1=6になり、その差2人という算数的な計算力もそこでは育ちます。
このように、遊び「はないちもんめ」一つを例にとっても、そこには実に多くの教育的配慮や意義が織り込まれているので、こういう遊びを通して子どもたちが成長できる環境をつくっていく使命があるとの話は生徒に深く根付いたのではないかと感じました。
2人目の甲斐さんのお話を参観しました。マンガ倉庫がエンターテインメントリユースショップであることの説明を生徒たちにプレゼンテーションされました。みんなの「楽しい」を集めたお店であることを目指している意味を、店内の商品の画像とともに説明され生徒も納得しているようでした。いずれも生徒が興味ある分野なので、生徒はすぐに話に没入することができたようです。甲斐さんが店舗経営のスタートをされた岐阜とは違い、日向ならではの商品としてサーフボードを置いているということでは深く頷く生徒たちです。商品は時代の流れに伴って人気が変動するので、それに伴い価格が流動的になることも分かり易かったです。それでもずっと普遍的な人気者もあると、アンパンマンの事例を出され、生徒全員「あ~あ」と納得でした。

しかし、もともとお店に人が持ってくる物は不要になったものであり、それを売るというのはなかなか難しいものだと強調されます。店の利益を見込んでの価格設定は売却するお客さんとの駆け引きになるため、双方が満足できる価格を提供できなければならない部分が難しいとおっしゃいます。それを本日は生徒に体験してもらいたいとのことでした。
リユースすることは「もったいない」の精神があるからこそであり、無駄をなくし、商品を大切に使う心、そしてそれが文化を未来へ繋ぐことになるとの信念を熱く語られましたので生徒によく響いたようでした。それでも時代に合わせて販売形態も変化させなければならず、最近のオンデマンド文化などの影響で、宮崎店では遂に漫画の扱いを取りやめたため、店名も「トレトレ倉庫」にしているとのビックリ情報も伺いました。

お二人の話を通じての生徒からの質問の時間になりました。
Q「マンガ倉庫で一番の人気は?」A「ポケモンカードです。」
Q「保育園の場所はどこにありますか?」A「伊勢ケ浜の近くで、イオンも近いです。」
Q「知り合いのマックブックはなぜ500円だったのでしょう?」A「詳しくは分かりませんが、起動しなかったとか、古い製品だったのかもしれませんね。」
後半はワークショップの時間です。2つのグループに分かれ部屋を仕切りました。甲斐さんの「買取価格を設定する」という勉強グループを見学しました。「呪術開戦」の第1巻と15巻が手元にあります。ヒントとしてお店ではどちらも220円で売っています。お客さんがこれを買い取って欲しいとお店にもって来た時、皆さんはいくらで買い取りますか?」という学習で大変興味深かったです。生徒は用紙に自由に書いてみますが、要領を得ない場合、200円と書いてみたりするので、近くの先生がアドバイスをします。すると「利益を考えないとね。」と段々、経費についても考えるようになり、その生徒なりの価格を設定するという面白いワークショップでした。これから社会に出る生徒にとってお金の計算は必須になります。そこを現実社会に照らして丁寧に分かり易く取り上げてもらったことは生徒にとって有意義な時間になりました。

もう一方の青木さんのところは、「ゴム風船を膨らませてネズミなどの動物を作る」というものでした。実演されると感嘆の声が聞かれ、割れずに見事に変化する風船には夢と希望が詰まっているように感じます。早速生徒も挑戦です。ネズミについては青木さんのアドバイスをもらいながら何とか完成させることができたようでした。一方、犬についてはねじる部分が多く、手強いようで苦戦している様子です。生徒たちは作った風船の動物で最後に飛ばしてみました。この飛ばし方にもコツがあり、尻尾に当たる部分を引き延ばして、反対の手の指でOの形を作った部分にネズミの体を押し付けて引っ張った尻尾を勢いよく弾き出し、その弾性を利用して前に飛び出させるというエントロピー弾性の力学を応用したものになります。ここにも青木さんの笑顔があります。生徒たちはその笑顔に引き込まれながらの貴重な経験ができたようでした。

お二人のお話とワークショップで、生徒たちは経験のみならず、生活していくこと、働くことの意味を体験活動を通して掴むことができたではないかと思います。高等部を卒業すると生徒は社会に踏み出します。何度失敗しても立ち上がり自分の求める道を進んで欲しいと切に願います。宮崎では失敗した時にやり直す受け皿の整備が遅れています。特別支援学校や特別支援学級の生徒たちが社会に適応していくために必要な環境を生徒目線で整えることが重要ですが、未だ追いついていないのが現状です。私たちも、こうして支援することで少しでもお力になりたいと思いました。そのためにも本日のようなよのなか先生の学習は大変なパワーを生徒に与えていただきます。今後とも日向市のすべての児童生徒にご支援をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
2026.07.15
先週、富島中学校にてよのなか教室が実施されました。1年生4学級が事前調査による希望を経て4つのグループに再編成されました。まず初めのよのなか先生は、多肉植物農家である髙橋友美様になります。このクラスには23名が入っています。

よのなか教室は例の通り「嘘つきクイズ」から入ります。意外にも「祖父はロシア人」という嘘にひっかかってしまう生徒もいて面白いスタートとなりました。小学校から成績が悪くて苦労したと話されましたが、それほど酷い状態でもなかったんですがねえ・・・。そして、中学では学業にとても苦労し、一念発起して親に嘆願し塾に通うことに決めたそうです。その甲斐あって段々と学力が伸びてきて、やればできると実感したそうです。この間にも生徒はとてもよくワークシートにメモをして話を聞き漏らすまいとする姿勢が感じられました。
髙橋さんは初め看護師をしていたのですが、仕事や人間関係に悩んだ末、趣味だった多肉植物をYouTubeにアップしたところ、瞬く間に登録者数が増え、本格的にYouTuberへの道を決め、同時に多肉植物一本で進んでみようと決断されたそうです。覚悟を決めると自然と交流世界が広がり、色々な人との出会いが待っていたようです。
Q:仕事の楽しみは? A:妄想で多肉の未来を考えることです。 Q:気を付けることは? A:気温が30度を超えると植物の管理が難しく、特に、水を減らす量が難しいです。交配がとにかく楽しい。 と、生徒との質問にも気さくに答えてくださいました。
5校時の後半は次の学級を見学しました。ここには31名の生徒がいて、よのなか先生は、歌手・MC・ラジオパーソナリティである小田かな子様です。ご存知の方も多いと思いますが、生徒も興奮気味でとても反応が良かったです。そういう生徒の掴み方うまい小田さんでもありました。幼稚園の時には「歌手になる」と絵手紙を書いていたという画像を提示していただいたので、夢の実現というワードが生徒には残ったのではないでしょうか。小6の時には現在のサインの原型をすでに練習していたということでした。「今やるべきことを一生懸命にやっているとご褒美が来る」ということを大事に活動し続けていると、ある時、千昌夫さんや吉幾三さんから声を掛けていただく機会を得て感激したそうです。そのような新しい出会いを大切にできたのは、母の存在が大きかったことを振り返られました。

Q:歌ってください。という質問ならぬリクエストに気軽に答えられ、A:十五夜恋歌を歌われました。(流石本物です) Q:お気に入りの演歌は? A:美空ひばりの歌「川の流れのように」です。と一部を歌われると、生徒も知っているのか、ミニ合唱のようになりました。
「4つの力」では特に、挨拶について想いを説明され、「一挨一拶」という禅語から来ていて、押し合いながら前に進んでいくことです、と深いお話でした。
続いて6校時になり、今度は30名がいる学級を見学しました。定置網漁師である髙田一人様がよのなか先生となっています。高校3年生の時、それまで行われていたサッカーの3校定期戦がなくなり、現在も続いている「紺青ウォーク」に変わったそうです。さらりと話されましたが、その当時の部員のショックは相当大きかったことと思われます。それくらい小・中とサッカーに明け暮れ、全国大会に出場するくらいの実力だったようです。ちなみに私もカンパしました。

大学卒業後、一度はIT関係の会社に就職されていたことが現在に生かされているようで、この日提示するプレゼンはビジュアルが凄く、私も教えていただきたいくらいです。宮崎県の漁業について地図や画像、グラフデータを含めて表示してもらったため、生徒は大変分かり易かったと思います。宮崎の近海カツオ一本釣り漁は、30年連続日本一となり435.6億円の収益を上げたそうで、現在カツオ一本釣り日本一の船には富中卒業生が乗っているという情報もいただきました。スマート水産業というこれからの分野として、データ化や獲りすぎない、持続可能サイクルなどの実践を紹介していただきました。
6校時後半は生徒が27名いる教室へ移動しました。よのなか先生は(有)天領うどん本店社長田崎澄様です。
食事を提供するお店だけに「5S」は徹底しているとうことです。説明するまでもないのですが、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の5つのSになります。衛生管理を徹底しないといけないので気の休まることがないのではないかと察しました。店長候補というスタッフ育成やホール、レジ管理など多様な形態の従業員を育成していく苦労もお話から受け取ることができました。ファシリテーターとなっている担任の先生から「(話に集中していた生徒に)○○さん、来年の職場体験学習はこちらでやってみますか?」と聞くと生徒は「はい、やりたいです。」と目を輝かせていました。お店は、セントラルキッチンスタッフがいて、数多くの店舗で味が変わらないように一括して味を統一管理しているそうです。だからあの美味しい味がどの店舗でも味わえるのですね。また、姉妹店である「ビッグパパ」は弟さんが経営されていて「チーズケーキがおいしいですね。」と言われることが喜びにつながるようです。田崎さんは、この仕事をしていて「おいしかった。」とお客様の感想をダイレクトにいただけることが嬉しいと話されていました。
質問の時間になりました。Q:店頭のオブジェの意味は? A:グリーンパークの現代アート彫刻展時のオブジェを引き取ったのです。 Q:うどんのメニューは? A:定番のほか季節メニューがあります。シンプルを基本としてあまり拡大しないようにしています。 Q:大変なことは? A:異物混入やクレームに気を付けています。
最後に中学生に大切にして欲しいことのお話では、とにかく挨拶ですと言われます。挨拶は人に敵意がないことを示す態度として大切なものだと力説されました。また、「LIFE Work Balance 」として、趣味やライフスタイルを大切にすることで仕事を長く続けられますとおっしゃいます。「田舎で暮らし、都会で遊ぶ」この視点は凄いと私はとても納得しました。さらに、日向は平均通勤時間が16分、物価は安く、自然が豊かで子育てがしやすいという大きな魅力を語られました。「4つの力」に関連して、何か起きたときは原因の把握と再発防止についてしっかりと協議することが大切だとのことです。その上で、どんな仕事も人の役に立つのであって、仕事に上下はないという言葉で締めくくられました。
最後にお礼の言葉を代表生徒が前に出て話してくれました。私は後方からこの生徒の直前の動きを見ていたのですが、この生徒は講話の後半からワークシートにメモした部分の中から別の小さなメモ用紙に印象的な部分を書き込んでいました。つまり、授業と並行してお礼の言葉を作成していたということです。授業の前に予め用意していた文章ではなく、学習中に自分が吸収したことを率直に伝えたこの生徒に感心しました。
生徒たちは2時間枠だったので4名のよのなか先生から2名しか聞くことはできなかったのですが、いずれの先生も富島中学校の卒業生であり、現在多岐に渡って大活躍をされている先輩でもありますから、充実した2時間を送ることができたのではないかと思います。お仕事を中断して後輩たちのために駆けつけてくださり本当にありがとうございました。それぞれのよのなか先生の詳細については後日お伝えします。
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