日向市キャリア教育支援センター ブログ

2025.11.10

ワールドシリーズに見るキャリア

 MLBドジャースWSで優勝し早1週間以上になります。野球好きな方は感動を共有されたのではないでしょうか。私もその一人です。サムライ3人衆の活躍は皆さんよくご存じの通りだと思います。一方で、チームメイトであるアレックス・ベシア選手が大勝負の舞台を欠席していたことに対する出場選手たちのエピソードには改めて生きていく上での大切な視点を与えられた気がします。すでにご存じの方も多いとは思いますがご紹介したいと思います。

 

1023日(日本時間24日)、WS前日にドジャースは救援左腕ベシアがチームを離脱すると発表した。球団によると、離脱理由は家族の深刻な問題に向き合うためで、公式Xは「心から悲しいお知らせですが、アレックス・ベシア選手は、妻ケイラさんとともにチームを離れています。ドジャース組織全体は、ベシア一家に心からのお見舞いと祈りを送っています」と伝えた。

この発表を受け、ドジャース救援陣はWS期間中、ベシアファミリーとの共闘を示す意味で、帽子にベシアの背番号「51」を縫い付けて登板した。そして、この動きは対戦相手であるブルージェイズ側にも広がり、救援陣がドジャースと同じく帽子に「51」を刻みマウンドに立った。

敵味方関係なくベシアファミリーにエールを贈る行動は、多くの称賛を集めた。“キケ”ことエンリケ・ヘルナンデス内野手は「ブルージェイズがああいうことをしてくれたなんて、本当に信じられなかった。WSという最高の舞台で勝利を追い求めている時でさえ、彼らは人生には野球よりもっと大切なことがある。野球はあくまでスポーツなんだと分かっている。あの状況でそうした行動をとってくれたことに、敬意を表したい。そして、我々は彼らに感謝しているということを伝えたい」と語った。また、ロバーツ監督も「本当に大事なものは、まさにああいうことなんだ。本当にアスリート同士の絆を表していると思う。お互いにどれだけ尊敬と愛情を持っているかを物語っている。これはアレックスへの、とても大きな敬意の表れだよ」と、感謝の弁を述べた。

                      MLB総合ニュースより>

 ワールドシリーズの頂上決戦という大舞台においてでさえ敵の選手にリスペクトを示すことができるその心の在り方、それこそが人として目指す一つの姿ではないかと改めて考えさせられました。「キャリアを積み重ねる」というのはまさにここにあると思った次第です。「自己の在り方、生き方」が問われるという見本を私も肝に据えたいと思う出来事でした。

   

2025.11.06

よのなか教室~細島小学校

 

 昨日11月5日午後、細島小学校にてよのなか教室の講話がありました。細島小の5・6年生が3つのグループに分かれて3名の方の講話を聞くというスタイルの学習でした。

 講師は日向市役所市民課瀧山春奈さん、日向市消防署北住優佳さん漁師朝倉莉久さんの3名です。

 瀧山さんは、趣味のゲームも、失敗の原因や解決策を考えるという点では今の仕事に繋がると子供たちに分かりやすい導入から始められました。今の仕事に就いたのは、お父さんが社会福祉の仕事をされていて一緒にボランティア活動に参加する中で、人の役に立ちたいと思うようになったとのことです。また、小学生の頃の転校経験では「自分の殻を破ってみよう」と意識を変えたという一歩を踏み出す勇気という視点でも話をされていました。

 漁師の朝倉さんは、魚の水揚げをする父の背中を見て自分も将来漁師になりたいと思っておられたそうですが、部活として熱中していたラグビーとの二者択一の場面にぶつかった時に、地域の行事に参加して地域で働くことの良さを知ってから改めて漁師の道に進む決意をしたと話しておられました。夢を追う時、他にも希望があった時は一方を捨てるという選択をすることも出てくるだろうが、自分が支えられたことを思い出して決断するとよいと思う、そのためにも、今地域でできる挨拶などは積極的にしてほしいとエールを送られました。なかなか深い話です。

 消防士の北住さんは、救急対応や消火活動、指令室担当など消防署といっても様々な仕事を経験しているそうで、日向の良さを考えるようになってから、直接市民の皆さんに駆けつけられる仕事を選んだとのことでした。大きな意識の転換点は熊本地震だったそうです。児童から「火事の時大変なことは?」と聞かれ「木造火災は燃え続けるのが大変で、やけどをする場合もあるし、ホースはとても重い。」と具体的にお話をしてくださいました。実物の消防服を触らせていただいた児童はこんな重い服を着ているのかと驚いた様子でした。

 それぞれの講話が終わり、全体集合をした場所で6年生が感想を話してくれました。「この3名の方は仕事をとても頑張っておられることが分かりました。私も人を助ける仕事をして尊敬される人間になりたいです。」と述べ、この学習が新たな自分を歩みだすきっかけになったようで、細島小の子どもたちは良い学習ができたと、こちらまで嬉しくなりました。

2025.11.05

「働く」が見える日向の本

 日向市ではキャリア教育の教材として「2025年度版 日向市のいろんな産業 いろんな会社 いろんな仕」という冊子が中学2年生を対象に全員に配布されています。これには、日向市内(一部門川含む)の事業所ではどのような事業を行っているのか、どんなものづくりを行っているのか、そこで働く人たちはどんな願いをもっているかなどが読み取れるように構成されています。各ページにはQRコードが付けられていて、各事業所のHPへリンクしているだけでなく、その職場で働いている方の話や仕事の紹介動画も見られるようにしてあります。いくつかの興味ある事業所の概要を読んでおくことは実際の深い学びに繋がることは間違いありません。事前学習のみではなく、事後学習としても、生徒が実際にタブレットQRコードを読み取りHPや動画を見れば、より具体的に各事業所での仕事を詳しく知ることができるはずです。まずは学校での学習にご活用いただきたいと思います。

 

小学校にも数冊配布してありますので、児童生徒の皆さんが、職業講話や社会体験学習を行う際には「今の自分にできること、足りないこと」を客観視し、学習の前に「何を学び取りたいか」を明確にした上で体験学習に臨むと取組が変わるのではないでしょうか。学習後に「今から自分にできることは何か」「これから自分はどんなことを頑張るか」という問いに対する自分の生き方の方向付けができるのではないかと期待します。各事業所様のご協力のもと、藤屋印刷様が多大な力を注ぎ込み日向の子ども達のために作成されておりますので積極的なご利用をお願いいたします。

 

2025.11.04

本の話「分人主義」

 昨日11月3日(月)は五十猛神社大祭が催されました。若干の肌寒さはありましたが秋晴れのもと、財光寺地区はお祭り一色になりました。午後のパレードには各地区の仮装隊も登場することはよく知られていますが、午前中はそれぞれの地区を回っていることはご存じでしょうか。高齢者施設や支援施設を含め、地区内にある商店や個人宅の前で踊りを披露しました。午後のパレードは旧道を封鎖し沿道にはたくさんのお客さんが来られ大変な盛り上がりでした。奉賛会や各地区代表の皆さん、ひょっとこ踊りの厄年の方々、警備の方、その他大勢の方々が関わりながら地区の行事が実施されていることを改めて感じる一日となりました。パレードの出発点となっている財光寺南小学校には毎年お世話になっております。皆さん一日お疲れさまでした。

 

 さて、祭りの話が長くなりましたが、本日は読書の秋にちなんで最近読んだ本の中から一冊紹介します。平野啓一郎著『私とは何か』~「個人」から「分人」へ ~ です。この方が言うには、「分人主義とは、…『個人』に対して『分人』とは、対人関係ごと、環境ごとに分化した、異なる人格のことです。中心に一つだけ『本当の自分』を認めるのではなく、それら複数の人格(分人)すべてを『本当の自分』だと捉える考え方を『分人主義』と定義しています。」だそうです。内容を途中省略しながら少し紹介します。

手紙を届けるのが得意な人がいるから、郵便局が作られたのではなく、手紙のやりとりが必要だから、郵便局が作られ、そこで働く人が求められているのである。そして、職業の多様性は、個性の多様性と比べて遥かに限定的であり、量的にも限界がある。…(略)十年前のあなたと、今のあなたが違うとすれば、それは、つきあう人が変わり、読む本や住む場所が変わり、分人の構成比率が変化したからである。…個性とは、決して生まれつきの、生涯不変のものではない。…(略)私は、小学生のころは何とも思わなかったのに、中学生になると、母親が運動会を見物に来ることが、急にすごくイヤになった。私だけではない。同級生は大体みんなそう言っていた。私は、親と喋っているところを友人に見られるのがイヤだったし、級友と必死で騎馬戦を戦っているところなどを、親に見られるのはもっとイヤだった。私は、それをただ、思春期になって親離れを始めたからだと考えていた。しかし、この問題も、むしろ、分人に着目して考えた方が腑に落ちる気がする。私はやはり、親に対する分人友達同士の分人とが、混ざってしまうことを嫌っていたのだろう。友達向けに目いっぱい分人化しようとしても、どこかで親に見られているという意識が、それを邪魔してしまう。帰宅後、「家では見せないような表情を見た」などと言われたくない気持ちがあった。別段、年頃になって、親を毛嫌いし始めたというわけではなかったのだ。(略)2010年にチリの鉱山で、33人の作業員が坑内に閉じ込められるという落盤事故が起きた。救出までの数カ月間、坑内の作業員は、家族と電話で話せるようになっていたが、そのことが、彼らのストレス軽減に大きく寄与した。これは、閉じ込められた工員仲間との分人だけでなく、家族との分人も生きられるようにするための配慮だった。もしそうした外部との連絡手段が確保されなかったなら、坑内では凄惨な状況が発生していたかもしれない。…(略)人間は、たった一度しかない人生の中で、出来ればいろんな自分を生きたい。

 

「個人」ではなく「分人」。一つの個人という捉え方より、個人はさらに多様な側面を持つ「分人」に分けられるという考え方は面白いと思いました。会社での自分(分人)や家庭での顔、学校での顔、友人間での顔と人それぞれの付き合い方での自分という人格を変化させながら上手く生きるということなのでしょうか。「人間」とは「人」と「人」の「間」を生きる者というどこかで聞いた言葉を思い出しました。興味のある方は秋の夜長に本書を読まれてはいかがでしょうか。それともシングルモルトを片手にマイルス・デイビスに耳を傾ける、そちらもいいですね。

2025.10.30

よのなか教室~東郷学園若竹分校/社会見学

 29日午前、東郷学園若竹分校の皆さんが市内各事業所で社会体験学習を行いました。

私たちがSEIKADO様に向かうと、同時に到着した生徒たちはすぐにゴム手袋を着けてオーナーの緒方さんから小麦粉を練る作業を習いました。お店の名物であるチーズ饅頭を作る作業です。ヘベス味やごま味にするために材料を混ぜていきながらさらに薄力粉を混ぜる工程、そして餡を使った包み方などを行いながら、手順や注意点を教えて頂けるのは生徒にとっても楽しい活動になっているようでした。

     

次に向かったのが日向警察署様です。担当の小池さんが白バイの説明をされ、固定した状態の白バイに股がらせてもらい4名の生徒はご満悦でした。隣のパトカーにも乗ることができ普段なかなか体験できない特殊車両の見学は子どもたちの興味を最大限引き出すには十分な素材でした。

 3か所目は東洋プロパン瓦斯様です。私どもが向かったのは後藤社長のお話が終わった時のようで、生徒たちは実際に敷地内にある液化プロパンガスの充填作業を見学していました。タンクローリー車からガスを移すタンクには貯蔵のレベルメーターがあり外から確認できたこと、実際にガスをボンベに充填する場面を目の前でみせていただいたことなどは直接的な体験として生徒たちの良い体験学習になったようです。

 

                        

 最後は、MFE HIMUKA様です。ここではすでに工場内の見学が済んでおり、会議室での質疑応答の場面に私たちは同席しました。生徒は質の高い質問をしながらこの会社を理解しようと努めているところが印象的でした。「どのような思いで製品を作っているか」に対して野涯さんが「出来上がった製品にお客さんから感謝されることが一番の励ましになるのでそういう思いで作っている」との回答でした。また、「力を入れている作業は」の質問には「オリジナル製品として『低温調湿貯蔵装置』を作っていて、ヘベスや野菜の鮮度を保ちながら貯蔵することができる装置に力を入れている」と教えていただきました。3人の生徒はよく質問しワークシートにせっせと記述していました。

本日はほかに、吉川塗装様にもご協力をいただいていました。生徒を牧水公園そばの現場にまで連れて行っていただき実際の作業を見学させていただいたとの報告を受けています。

このように各事業所の皆様が日向の子どもたちを温かく迎えてくださっている姿を見るにつけ、本当に日向の子どもたちは恵まれていると感じます。どんな仕事も必ず人の役に立っている尊い営みであることは見学させていただいた子どもたちの記憶に刻まれると思います。事業所の皆様、いつも本当にありがとうございます。

2025.10.29

よのなか教室~富島中学校ふるさと講演

まちづくりは自分の行動から

 昨日午後、富島中学校にて「ふるさと講演」と題して鈴建の代表である鈴木忠亨氏による講話が全校生徒を対象に実施されました。初めに担当の先生から講師の紹介があり、「ご本人の生き様や社長として地域に還元されていることを聞いてほしい」と聞く視点を与えられたので生徒の皆さんは方向性が明確になったと思います。

 まず鈴木さんは、プレゼンテーションによる画像でご本人の小中高校生時の紹介をされました。小学6年の時に算数が好きなった理由を説明し、15×1525×25などを暗算で解く方法をクイズ形式で出されました。富島中学校の生徒は反応がよく、あちこちから挙手があり盛り上がりました。高校時代には北海道を旅し、その際、熱発し民家に宿泊させていただいたこと、その後就職し、30歳を前にして日向で出会った方からまちづくりに誘われ、そこから飛び込んでいった経緯を話されました。まちづくりの主役は住民であること、自分が主催したイベントに参加していた子どもがその後大人になってボランティアで手伝ってくれたことなど、イベントを通して新しい仲間が増えていったことなど、自分の行動で人の輪は広がることを教えてくださいました。

次に、現在力を入れていることは私的な二次避難所の設置だそうです。ご自宅の敷地(伊勢ケ浜)に100名以上が避難してきても良いようにスペースを確保し災害に備えることもまちづくりの一環として捉えていると仰っていました。

 失敗してもいいから今からできることに挑戦してほしい、行動することで町が変わる。覚えておいて欲しいことは、皆さんがイベントで問題を起こしたら、問われるのは運営責任者であり、結局そのイベントはそれ以降開催されなくなるかもしれないということ。たくさんの人が関わってまちづくりは行われているので、それに少しでも関わって欲しいと熱く思いを披露されました。

 最後に、県北高校PTA組織でも会長をされている鈴木さんは、市内高校3校のPR動画を紹介されました。生徒はさらに食い入るように動画を見ていたのが印象的でした。

 質問のコーナーでは「一番後悔したこと」を問われ「中学時代につまらない悪さをして多くの人に迷惑をかけてしまったことを今でも後悔している」と言われました。最後に代表生徒が「私は今できることをみつけて行動したい。イベントなどを日向の発展に力を入れ、誇りに思いたい」と力のあるお礼の言葉を話してくれました。

 講演会では、まさに今からどういう生き方をしていけばよいのか生徒一人一人に問いかける内容でした。おおいに刺激を受けた生徒がいたのではないでしょうか。ここから、ふるさとのまちづくりを意識する人が育つことを願います。鈴木さん本当にありがとうございました。そういう私も地域の一人として今週末は財光寺の祭りに参加したいと思います。

2025.10.28

財光寺南小学校5年生よのなか教室

  27日(月)午前、財光寺南小学校5年生にてよのなか教室の講話がありました。1コマだけ参観しましたので1組を見学させていただきました。講師は日向市観光協会の立石一真様です。「ふるさとの日向市について知る~日向市の魅力を再発見しよう~」と題して、①日向市の地理と歴史 ②日向市の観光資源 ③日向市の魅力 という3つの観点からお話をしていただきました。

 事前に子ども達にもプレゼンテーションの資料が配布され、ただ話を聞くだけでなく、用意された資料の中のワークシートには空白が設けてあり記入できるように工夫されていたので、子ども達も聞き漏らすまいと真剣に記述していました。

 お話からは私も知らないことが随分あったので新鮮な驚きでした。1500万年前の火山噴火で日向の地形はできたこと、29000年前にはこの地に人が住んでいた(貝塚の発見)という記録が残っていることなど大変勉強になりました。 また、観光資源のお話では、細島灯台を取り上げられました。別名は「恋する灯台」だそうです。111日(土)にはこの灯台でイベントがあるから来てほしいとしっかりアピールもありました。さらに、細島の原田一郎という方が「クルスの海」とネーミングされ、商工会議所青年部が「願いが叶う」をプラスして、「願いが叶うクルスの海」が誕生したという秘話は感慨深かったです。

 この後、クラスの代表の4人が自分たちで作ったプレゼンテーションを発表しました。大御神社、クルスの海やお倉ヶ浜について丁寧に調べたことを分かりやすく発表してくれました。立石さんもこの4人の発表はよく調べていると褒めておられました。立石さんのまとめの話では、自分は地域のために役に立ちたいと考え観光PRを仕事にしようと思ったと、社会貢献することの大切さを児童に伝えておられました。質疑応答の時間には、児童から「スケートボードの建設計画はあるのか」と質問され、「需要があれば計画があるかもしれません。市長には伝えておきます。」ということでした。

 私は若い頃からよく北への旅をしていました。やはり南国育ちということで雪への憧れがあったのではないかと思います。それは社会人になってからも継続し、冬山にも通い続けていました。よく北アルプスへ出かけていたのですが白馬村は何度もベースにしました。山を核にした観光のまちづくりを見るにつけ、わが日向も海を中心にした観光という点ではポテンシャルが高いといつも思っていました。アウトドアに限定して日向圏域として考えれば、海、山、川、岩(北方)、雪(五ヶ瀬)を手の届くところに備えている日向はかなり魅力的な町だと確信している自分がすっかり学習者になってしまったと思える立石さんの講話でした。

 日向市の観光の最前線で奮闘されている方の話は説得力がありました。子ども達は観光資源のPRという仕事で自分の社会貢献を果たされている方がいるという発見と日向の魅力の再確認に触れられて、本当によのなか教室はいいなあと気持ちよく財光寺南小を後にしました。

2025.10.27

大王谷学園合唱コンクール

 先週24日(金)は、前日の講演会に引き続き大王谷学園中等部の合唱コンクールを見学させていただきました。体育館へ向かうと、そこにはピーンと張りつめた空気が漂いすでに別世界の空気を醸し出していました。

 開会式後すぐに7年生から演奏が始まりました。「空は今」「マイバラード」「地球星歌」、8年生は「COSMOS」「旅立ちの時」、9年生は「虹」「あなたへ」の曲の発表がありました。リズムをとるのが難しい曲も軽やかに歌いこなし、学年が上がるごとに低音と高音の見事なハーモニーが聞いている会場の聴衆に深く浸透していくようでした。また、指揮者の力強い手の振りや伴走者の緩急のあるタッチも目が釘付けになる思いでした。

 今日のこのステージでの発表を作り上げるまでにどれくらいのエネルギーをクラスの力として焦点化して迎えたのかと思いを馳せる次第でした。合唱は、複数人で複数のパートに分かれて複数で歌う演奏なので集団の結束力なくして到達できるものではありません。校長先生の講評でも「会場設営やここまでの活動には見えない人の努力があることを見る人になってほしい。みんなで進む成果が今日ここに表れたのです。」と多くの人のかかわりでコンクールが成立しているという絆を強調されていました。

心地よい感動の後に私自身の合唱経験を持ち出す必要はありませんが、覚えているのは高校時代の校内合唱コンクールくらいのものです。高3時のクラスでは「ずいずいずっころばし」を選曲し真面目に歌っていました。時代は変わっても良い曲は永遠に歌い継がれていくのだと思います。大王谷学園の合唱コンクールでも30年以上前に歌われていた合唱曲もあり懐かしかったです。MLBワールドシリーズも始まり益々スポーツが賑わいを見せるこの頃ですが、紅葉の葉を逆光で透かして見るような心に浸透する文化の香りに耳を傾けるにもよい季節となってきました。

2025.10.23

大王谷学園 キャリア教育講演会

 本日午後、大王谷学園8年生を対象にしたキャリア教育講演会がありました。今回はサッカー・テゲバジャーロ宮崎のアンバサダーを務める西岡大志さん、そしてこの日向で頑張っている多肉植物栽培として「ひなた多肉園」をされている髙橋友美さんとの対談型の講演会が実現しました。対談はファシリテーターを務めていただいた先生により心地よい流れで進んでいきました。

 講演では、西岡さんから「自分が目指す環境を選んでいくことが大切」や「きついことでもそれを日々続けていくことでそれが当たり前になっていく」、「自分で決めたことを自分で守っていく」など貴重なご意見に生徒たちは耳を傾け熱心にメモをとっていました。また髙橋さんからは「やる気と根気で可能性を広げていけたことを実感した」や「落ち込んだ時ほど明るい話題を考えること。環境は自分で作ることができる」とのお話をいただきました。さらに、髙橋さんから西岡さんへ、同じ道を先に歩んでいる西岡さんのお兄さんを意識しなかったかとの質問がありました。

 西岡さんは「プロという同じキャリアを進めず苦しんだこともあったが、逆に今の自分には何が足りないのか、試合に勝つためには今何が必要なのかを考え出したことで自分の力をつけていくことができた」と、現在の中学生にもすぐに活用できる思考の方向性を与えていただきました。 

 生徒からは「足が速くなるコツを教えてください。」と質問があり、西岡さんは「フィジカルトレーニングをしっかりやること。」とアドバイスをしてくださいました。

 聴いていた私どももお二人のお話に感銘を受けました。共通点として「今できることに自分を適応させていく」ことをお持ちのお二人だと感じました。これは8年生の心にも深く浸透したのではないかと思っています。宮崎、日向に住みながら夢を実現していく過程に必要なことをお聞きする良い機会となりました。お二人には「よのなか先生」になっていただき本当に感謝いたします。ありがとうございました。

2025.10.22

仕事をする意味

 本日、財光寺中学校のオープンスクールを見学させていただきました。教室を2年~3年~1年と回っていくと生徒の学習態度はいずれも静かで真剣でした。スルスル、コツコツという鉛筆が走る最小単位の学習音が聞こえ、教室っていいなあと改めて感慨深いものがありました。学級活動の授業で学習や進路についてアンケートを記入する姿からはじっくりと思考しながら自分と向き合っているような印象を受け、まさに進路は自分で形づくり掴んでいくものということを走る鉛筆から受けた思いがしました。児童生徒がいつの日か責任世代となり自分を振り返った時に、自分の仕事が社会貢献と働く意味にぴったりと一致していたと胸を張って言えることを願うばかりです。今日のオープンスクールから、現在の日向の小学生、中学生が今後どのような人生を歩むのか、心配しながらも楽しみな部分が大きくなり、益々「子供たちの先生」である日向の大人の一員として頑張らなければならないと気合いを入れ直し良い見学になりました。皆さんもぜひ、お近くでオープンスクールがありましたらお出かけください。 

責任世代を通過し現在は後進(息子)の指導も行いながら現役医師である私の尊敬する消化器内科医のブログからある日の日記を紹介します。

「先日ある病院から80代半ばの患者さんが大腸カメラ目的で紹介されて来た。大腸検査は初めてと随分不安そうであった。高齢者の大腸カメラはリスクが高いので慎重を期する。大丈夫ですよ。安心して任せて下さい。工夫を凝らして下剤をかけて何とか検査ができる状態になった。初めてで心配でしょうから寝ているうちに検査を終えときますね。といざ検査開始。慎重にカメラを進めると予想通り病変が見つかった。安全第一で手術を終え、二階のベットで寝て頂いた。数時間後に患者さんが目を覚ましたので詳しく説明をしてそれではとお帰り頂いた。帰り際いきなり患者さんが握手をさせて欲しいと言うではないか。ええっ握手ですか。ハイ、手を差し出すと患者さんは僕の手を握りこの温もりは一生忘れませんからと言う。続け様に、先生いつまでも長生きして下さいね…。ここまで言われるとさすがに僕も熱いモノがこみ上げた。」 

 仕事には必ず相手というものが存在します。その相手を十分に満足させられたときに自分の仕事に対する価値が高まることになります。上記のドクターの話はまさに相手の満足度を十分に高めた結果得られた自分の満足感を表したものでしょう。私も再スタートしましたので、事業所の皆様や学校現場の先生方、そして何より日向の子供たちが満足できる活動になるように支援していきたいと思います。

  <消化器内科医の記録より>

 

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