日向市キャリア教育支援センター ブログ

2025.10.20

オーロラ~五感を働かせて

 土曜・日曜、市内では運動会を実施した小学校がありました。天気も何とか持ち良かったです。お疲れさまでした。   

 今月からキャリア教育支援センターに着任しまして、初日から各方面へご挨拶に伺わせていただいております。よのなか先生による児童生徒への授業やよのなか挑戦での調整が多いことから事業所のみならず学校へのご挨拶も行っています。その学校というもの、長年勤めてまいりまして職業的な勘といいますか、動物的なアンテナといいますか、正門を入った途端に何かしらの空気を感じ取ります。「ウン?ここは穏やかな時間が流れている。」とか「おや?何だろう、この清涼感は。」 はたまた、「正常な“学習音“が聞こえて頼もしい。」などと良い気分になります。これまで伺った学校ではそのような空気といいますか、心地よい波動を感じさせていただきました。まだ自分には感じる五感がいくらか残っているという確認もなりました。(笑)

 

アラスカ、氷点下25度の極寒の夜更けに寒さ対策で地面の雪をキュッキュッと踏みしめながらずっと全天を見回していると東の空高くから非常に薄い緑色の雲が動き始めます。その雲が渦を巻き始め龍のように高く登り始めたので、もしやと設置したカメラのモニターを見ると、鮮やかな緑、青、赤の雲がうごめいているのです。そうです。オーロラです。今度は西の空で渦巻き始めました。そして次は真上で。冬のアラスカのロッジ横の雪原で夜中に一人、空を見上げ宇宙と大自然の営みを体全体で感じる幸福感に浸る時間でした。長時間見上げすぎて首が痛くなるのも忘れて…。

  

 

 オーロラの仕組みは科学的には、太陽から放出されるプラズマ(電気を帯びた粒子)が地球の極地で、酸素や窒素などと衝突して発光する現象となるのでしょうが、夜空を見上げてそれをどう感じるのかは人それぞれです。私も初めて見た時にはカメラのモニター(デジタルには色が鮮明に映し出される)で確証を得た訳ですが、慣れてくれば白い雲を見てもその動きからオーロラと判断できるようになってきます。発光(反応)が強い場合は肉眼で様々な色が見えますが、それが弱いと薄い雲に見えます。古来、北極圏のネイティブの人々やオーストラリア大陸のアボリジナルの人々など大地で暮らす人々は星座や夜空での現象でさえも暮らしに適切に取り入れながら生活していきました。現代社会は光を制御できる時代にはなってきてはいますが、それを含めてもさらに五感を研ぎ澄ませた暮らしをしていきたいと思っています。 

 と偉そうなことを言っておりますが、私は孫の不意打ちの気配は感じ取ることができずにやられっぱなしの爺さんであります。先日の保育園での運動会ではこの一年の成長を感じることができました。保育園では日常的に食事の世話から排泄の習慣まで人として成長する基本的な行動に直接お世話をしていただき、先生方に心より感謝しております。市内幾つかの保育所(園)にはキャリア教育の一環としての「よのなか挑戦」でもお世話になっています。子どもが成長するにつれて解き放ってあげるのが親の役目ではありますが、成長の過程はしっかりと見届け、五感を働かせながら時には軌道修正を確認する役割は祖父としても必要だと感じているところです。

2025.10.16

子どもの夢実現サポート事業報告会

 *本日は事前申請をしていないため画像がありません。

 1014日(火)午後、大王谷コミュニティセンターにて、「日向市子どもの夢実現サポート事業報告会」がありました。日向市の中学生3名が自分の夢の実現へ進むために計画し、それを市がサポートするという事業になります。私も本センターの職員と一緒に報告会に参加してきました。3名の中学生は、市長、教育長をはじめ大勢の大人に対して発表するという場を与えられました。

初めは、大王谷学園7年生の石黒さんです。夢は獣医師になりたいとのことで、南九州畜産獣医学拠点SKLVそお様や平川動物園様のご協力をいただいての実践報告となりました。産業獣医師へ進むための学びでは、「病気を治す以上に病気にさせない予防が大事である」ことや絶滅危惧種獣医師としての学びでは、「保護はできても繁殖は簡単ではない」ことを収穫として挙げていました。取組の全体的な感想は、「日本でも絶滅危惧種を繁殖できるようにしたい」ことと「宮崎県の畜産に貢献できる獣医師になりたい」との目標が明確になったことから、「今後は多角的に学ぶ」こと「何事にも慎重に行動する忍耐力をつける。小中の特別授業で講話したい。」という具体的なテーマが決まったようです。

2人目は財光寺中学校1年の那須さんです。那須さんの夢は「飲料メーカー商品開発担当になりたい」ということです。そこで、大塚製薬様、友桝飲料様、宮崎県農協果汁様、宮崎県食品開発センター様にご協力をいただいたようです。各事業所で学んだことの中には、「開発に必要なことは好奇心だ」や「他の会社の人ともコミュニケーションをとることが大事だ」など、新商品を開発する会社ならではの心構えを学ぶことができました。常に持ち続ける視点として「楽しく働くことで良いアイデアが生まれて形になる」とか「特産物で地域に貢献する。美味しさはきちんと五感で表現できる。」など具体的な意識を明確に言葉にすることを学びました。最後に、「この経験で聴く力や良いところを探す力が増した」ことを実感し、「人との会話でコミュニケーションをとり、協力してさらに良いものを考えられるようにする。」ことが今から実践していくという覚悟ができたようです。

 最後は、財光寺中3年古川さんです。彼の夢は「プロ野球選手になりたい」ことです。元プロ野球選手の内川聖一様と神奈川大学野球部の皆様が協力していただいたそうです。内川さんからは「バッティング時は左ひざの向きを変えずにスウィングする」という具体的でより専門的なアドバイスをいただき、神奈川大学野球部の皆様からは「今できることを精いっぱいやる。硬式ボールは滑りやすいので今から握力をつけておく」というすぐに取り組めることを体得したとのことです。その上で自分の目標が職業としての野球を意識するようになり、「トップ選手は人間性も素晴らしいこと」や「全てが野球人生につながるという意識になり取組が変わった」と自分の変化をも見つめられるようになっていました。

 3名は最後に、三樹教育長から若山牧水の「『汝が意志をまぐるなというがごとくに』とあるように夢を実現してほしい」とエールを送られました。本当に学びの視点が明確な素晴らしい発表でした。

先日の日向中学校2年生「14歳のよのなか挑戦発表会」でも報告にありましたが、今回の3人のまとめにある「今から将来へ向けて自分はどうあるべきか」「今から自分ができることは何か」これを明確にすることが職業体験学習で狙う大きな目標になります。ですから、職業体験学習(よのなか挑戦)に向かう中学生には、事前にしっかりと「今の自分には何が足りないのか」「事業所での活動で特に何を学び取ってくるか」それをしっかりと意識しながら活動に参加していただきたいと思います。たとえ第一希望の事業所ではなくとも必ず上記の視点を学び取ることはできるので学びの意識がカギになります。

そうは申し上げながら私の中学生の頃はと言いますと、現在は新幹線で賑わう佐賀県武雄温泉の街で部活動(剣道)とサイクリング、フォークソングに明け暮れた生活でした。今の中学生の方が遥かにキャリア教育という学習活動を経て将来を見据えた学習活動ができていると思っています。だからこそ一層日向の子ども達には高校を目標にではなくその先何十年と続く人生のキャリアづくりを試行錯誤しながら渡っていけるように、今お手伝いを頑張りたいと思います。

2025.10.15

ホームスクーリング

 以前、厳冬期にアラスカのフェアバンクスを訪れました。その珍道中のお話はまたいつかお知らせしたいと思います。3か所目の宿泊地であるゲストハウスでの最後の夜に、オーナーが自分の友達である日本人妻ヨシさん(仮名)ご夫妻を食事に呼び、私もご一緒させていただきました。というより、私のためにオーナーがヨシさんを呼んでくれたようでした。ご主人はヨシさんのことを「ビッグマム」と呼んでいました。ヨシさんご夫妻には6人のお子さんがおられ、現在上2人が大学生で、すべての子どもさんを高校まで自宅で学習を教えてこられた(残り4人は現在も教え中)そうです。これを「ホームスクール」と呼んでおられました。私はこのホームスクールにとても興味が湧いたので色々尋ねました。「それはなかなか大変ですね」と返すと、「いいえ、大変なことはなかったですねえ。上2人は大学に入ってから今、大量の課題にヒーヒー言っています。」とおっしゃいます。 

ご存じのようにアメリカでの大学進学は(学校にもよりますが)割と容易に入学はできるそうです。ホームスクールでは子ども達に課題を提示してそれをさせているとのことでした。内容について詳しく聞きたかったのですが、酔いが回っていたことに加えて、オーナーやヨシさんのご主人との様々な話にも花が咲いてしまい、詳細を聞き出すところまで辿り着けませんでした。

 私は日本国内におけるホームスクーリングの知識がなかったので調べてみました。日本では学校教育法という法律が厳然とあるのでホームスクーリングは制度としては認められていないようです。全米のある調査機関のデータ(2021)によると、ホームスクーリングで学ぶアメリカの子どもは6.73%で15人に1人という計算になるそうです。ホームスクーリングで育った有名人には、アメリカ合衆国大統領ジョージ・ワシントン、セオドア・ルーズベルト、エイブラハム・リンカーン、また発明家のトーマス・エジソン、アレクサンダー・グラハム・ベル(電話)、科学者ではアインシュタイン、ニュートン、キュリー夫人、実業家のカーネル・サンダース、本田宗一郎と数多くいたことに驚きました。

ここまで聞くと、随分魅力的なホームスクーリングに聞こえますが、やはり長短それぞれあるようです。メリットとしては、子どものペースで学習を進めることができるとか、いじめに遭うことがない、自立心が育ちやすいなどが挙げられます。デメリットして、社会とのつながりが減少しがちになるとか、保護者の学習指導力で差が出やすい、同年代の子どもとの関係性が作れない、進学先の学校の理解が得られにくいなどがあります。

学校に行けない子どもの居場所としてのフリースクールとは違い、学校という枠にとらわれないホームスクールという存在は、今後日本でも広がるのでしょうか。時代の流れに応じて、最近では、教育委員会や学校長の「一定の要件」の判断のもとにホームスクールでの学習を出席とみなすという動きも少しはあるようです。国内でも不登校対策を軸とした「学びの多様化学校」がぽつぽつと設立されてきました。ホームスクーリングはそれを飛び越えて自宅で親が役割を果たすというものですから、選択の幅は一気に広がります。ヨシさんのように6人それぞれを12年間見ていくというのは、やはり「ビッグマム」の仕事ではないかとその時そう感じました。

 一人の人間が自分の人生を歩んでいく際に、どのような学びを選択して(創って)いくか、本人がしっかりと考え意思決定できるような過程、それがまさにキャリアを形づくるということなのではないかとアラスカ以降深く考えるこの頃です。

2025.10.14

14歳のよのなか挑戦~日向中学校2年生 発表会

 1010日(金)午後、日向中学校において、「総合的な学習の時間」発表会が行われました。9月に実施された社会体験学習「14歳のよのなか挑戦」のまとめになります。事業所ごとに生徒が4教室に分かれ体験を発表しました。私は39社すべての発表を見て回ることはできなかったのでひとコマずつ移動しながら幾つかの発表に参加させていただきました。本日はその中の一部を紹介いたします。

*記事と画像は同一でないものが含まれます。

 はじめに、「日向消防本部」グループの発表です。体験一日目には、訓練に参加し救助法を学んだようです。消防士の訓練というと過酷なイメージがあります。この生徒たちも大変なことだったでしょう。また、このグループはプレゼンテーションによる消防車両の説明で画像を適切に整理してとても分かりやすかったです。この体験により、「将来消防士のような人を助ける仕事がしたいと思いました。」と目標がかなり絞られてきたようで、学習の効果が高かったことが伺えました。

  

  次に、「SEIKADO」グループの発表になります。

 チーズ饅頭の袋には色の変化を見極める密閉式の袋が使われていることや、初めてのケーキ作りでは、職人は力仕事と時間との勝負が大変だということを体感したようです。 このグループはよのなか挑戦で最も大事にしてほしいこと、つまり、今できることは何なのかということをしっかりと学習していました。それは「人が喜ぶことを率先してすること、挨拶、返事、心をこめてありがとうと言う、時間を大切にする」これらのことを今後の学生生活に生かしていく覚悟ができたのが何よりの収穫でしたね。

  続いて、「マルイチ江良店」グループの発表です。

 実はこのグループが発表する前に、パソコンの接続トラブルで時間が経過していったのです。ところが、その間教室の生徒たちは私語を始めることは一切なく黙々と自分にできることをしたり、静かに待っていたのです。私はそのことにいたく感動しました。ハプニングに動じない、これはとても大切なことだと思います。

 さて、肝心の発表内容です。ピーマンの収穫体験での暑さや湿気という環境に厳しく注意を払うこと、玉ねぎの種まきでは一粒一粒丁寧に土に入れるためには集中力が必要で、農業の大変さや生産者の努力が身をもって分かる本物の体験学習ができたということでした。生産者や従業員の努力や食の大切さ、挨拶、笑顔、礼儀、働くことの大変さとやりがい、こういうことが働く意義に繋がることを知ることができた体験活動だったようです。

 次に、「和田病院」で体験したグループの発表です。

 プレゼンテーションの資料が大変見やすく、その画像をうまく活用しながらの発表は細かく丁寧で分かりやすいものでした。活動では、看護師という職業の大変さや魅力を体感し、患者さんへの思いやりについて身をもって理解することができたようです。看護師の方が、患者が困っていたら優しく接していて、相手の目線に合わせるようにしていたことがとても印象的だったことを強調していました。

  次に紹介したいのは「虹工房」という看板製造会社で体験したグループの発表です。

 看板づくりやパソコンで作成した看板にピクトグラムを追加し看板を設置する作業も体験できたようです。このグループは会社の社長へしっかりと質問をしてきていて、「大切にしていることは、客の理想を超えること」とか「今の仕事を選んだ理由は、不安定でも好きなことを仕事にしていきたいと考えたから」という自分の進路選択に大変有意義な言葉をいただいたグループでした。

 この教室の生徒たちは、発表に対して実によく清聴し、記録・記述をしていたことが印象的でした。

 

 最後に、「ルミエール日向」の発表をしたグループの感想を紹介します。

 「会社のために色んな人が関り合い協力していることが分かった。将来の自分の進路にとても大切なことを学んだ。仕事をしている方々の考え方に触れることができ、将来の目標を明確にすることができた。」と収穫の多い体験学習だったことが伺えました。そして最後に、このグループも「これから私は問題解決の力をつけることが大切だと学びました。」と今からやるべき自分の目標をはっきりと定めることができたことをまとめにしてくれたことがとても嬉しかったです。

  日向中2年生の皆さん、本当に良い「挑戦」の機会となったようですね。日向には自分が体験した、或いは発表で見たような事業所があり国内、海外を問わず各方面で「世の中」を形づくっていることを学んでもらえたのではないでしょうか。記憶の中に刻み、今の段階で何を目標とすればよいのかを掴んでくれると嬉しいです。

 最後になりましたが、中学生の体験学習を快く引き受けていただきました各事業所の皆様に心よりお礼申し上げます。ご協力いただきました事業所様を紹介をさせていただきます。

 

ミツイシ(株)様、SEIKADO様、(株)夾竹園日向店様、コープみやざき財光寺店様、イオン日向様、(株)グローバルクリーン様、旭建設(株)様、(株)日向衛生公社様、(株)内山建設(有限会社アイセック)様、日向市消防本部様、林野庁九州森林管理局宮崎北部森林管理署様、日向市役所建設部都市政策課様、日向商工会議所様、(株)黒田工業様、認定こども園伊勢ケ浜保育園様、ケーブルメディアワイワイ日向様、社会福祉法人富高福祉会富高保育園様、(株)ベルフォート日向様、(有)悟空マンガ倉日向店様、(合)ルミエール日向本部様、東郷メディキット(株)様、(株)マルイチ大門店様、(株)マルイチ江良店様、済生会日向病院様、日向市社会福祉協議会様、社会福祉法人ひまわり会永寿園様、誠和会和田病院様、デイサービス心愛様、虹工房様、藤屋印刷(株)様、(株)MFE HIMUKA様、枡元亀崎様、宮崎県機械技術センター様、中村眞税理士事務所様、ミスターマックス様、日向市立上町保育所様、認定こども園日向なないろ保育園様、学校法人富高学園富高幼稚園様、すくすくひなた保育園様

 

ご協力ありがとうございました。

 

2025.10.10

モミラニ小児童交流

 109日(木)午後、日知屋小学校にハワイ・モミラニ小学校の女子児童が交流に訪れました。キャリア教育支援センターの事業ということではありませんが、まだ不慣れな私としては、こういう地域の方の学校へのボランティア活動を勉強したいと思いましたので見学させていただきました。6年生と日本文化の交流を目的に、日向市在住の黒木豊さんが講師として来ていただきました。黒木さんの娘さん(長尾さん)も交流児童の英語通訳として親子での参加をしてくださいました。ありがたいことです。

 6年生教室では出張中の担任の先生に替わり、教頭先生が進行してくださいました。どの子が交流に来た子なのか分からないほどすでに溶け込んでいるようでした。まず、6年生の教室で黒木さんが折り紙での飛行機作りを教えてくださいました。通常の飛行機より滞空時間がとても長いZAG(ザグ)という飛行機です。一枚の折り紙を半分に切り、2つの紙飛行機ができるお得なZAGです。私も折りましたが折り紙はとても苦手なので、後からもう一回するとなるとできないかもしれません。

 子ども達は上手に折り上げ、あとは体育館での試験飛行を待つばかりです。

 体育館へ移動した子ども達ですが、ここまでの授業への集中態度、移動する際の行動、どれをとっても静かに、かといって感情を抑え込んでいる訳でもなく、自然に振舞える感じの良い児童たちでした。体育館に着くとステージから飛ばし、歓声を上げる皆さんでした。交流児童も仲間に入って一緒に飛ばしていました。

 次に黒木さんが教えて下さったのはコマです。黒木さんのコレクションは実に多く、幾つもの種類のコマを持ってきてくださっており、外国のコマもあり私を含め子ども達も食い入るようにその実演に見入っていました。

 さらに黒木さんは竹とんぼも紹介してくださいました。その後、子ども達は、コマや竹とんぼを自由に回したり、飛ばしたりして楽しいひと時を交流児童とともに過ごすことができました。モミラニ小児童とは言葉は伝わらなくても手招きやしぐさで簡単に通じ合え、人の繋がりは本来Face to Faceだと改めて考えさせられました。

 一緒に来られていたALT(アシスタント・ラーニング・ティーチャー)のリンダ先生も竹とんぼに夢中になり楽しく参加されていました。

 外国から招待する児童生徒との交流というと、とかく相手に気を遣って完全にお客様にしてしまう場合がありますが、今回の日知屋小6年生のように、自分たちも楽しみながら自然に溶け込ませる形は相手も気を遣うことなく入り込めるので心地よい時間になると感じました。

 黒木さん、長尾さん、ありがとうございました。

2025.10.09

よのなか教室~日知屋東小学校5年生

 106日(月)日知屋東小5年生のよのなか教室が開催されました。5年生3学級を2グループに分け、どちらのグループも林業と水産業の学習ができるように編成した授業構成でした。 

<第1グループの林業学習

1組の教室で「日向の林業」について、よのなか先生は、日向市役所林業水産課 黒木翔太様です。

 

1 日向市の林業についての説明

〇 森は手入れしないと、①木がうまく成長しない。災害が起きやすい ②二酸化炭素の吸収能力が下がる ③日光が届かなくなり、草木が育たず動物の住処もなくなる。

〇 出荷するまでは、①植栽:1ha2000本 ②下刈り:苗木は枯れてしまう。約7年、夏場に行う。③間伐:光が入りやすくする。災害が起こりにくい山にする ④主伐:間伐を繰り返し、最終的に伐除する。スギで35年、ヒノキで40年かかる。⑤運搬:原木市場や貯木場へ

 

<まとめ> 林業とは、木を切るだけではない。森を育て使い守る。みんなの暮らしと地球の未来を守る仕事であり、「山を守り、水を守り、くらしを守る

2 質疑応答の時間

Q 木を育てるための費用はいくらですか?

A 1ha100万円以上、維持管理に100万円から1000万円。それを国、県、市で補助して支えます。

Q 木はどこに植えるか決まっているのですか?

A 再造林としての場所は決めてあります。田畑は肥沃で植えやすく、平らな場所ほど作業は楽になります。

Q バイオマス発電とは何ですか?

A 木材を細かく砕いたチップを燃やして燃料化し、それで発電するものです。

 【児童の感想】

林業は裏で僕たちの生活を支えてくれていると分かりました。

木を育て出荷するまでに何十年もかかるとは知らなかったです。

 <第2グループ水産業学習2組の教室で「日向市の漁業」について、よのなか先生は、日向市役所林業水産課水産振興係 谷山直史様です。

 

1 日向市の漁業についての説明

〇 漁業協同組合では、販売事(卸売市場で漁獲物を入札による適正価格で販売する) 購買事業(燃油や漁具を購入し漁業者に安定供給する) ・その他(漁業権の申請、漁業権の行使など) を主に行っている。

〇 人手不足の対策として、外国人実習生を毎年10数人受け入れている。

〇 日向市の水揚げ量は、約4136/年、水揚げ金額32億円になり、グロがメインの延縄(はえなわ)漁を行い、クロマグロ、キハダマグロ、メバチマグロ、ビンナガマグロを捕っている。

〇 漁法には、まぐろ延縄漁90kmもの長さの網を数時間かかけて投入し、10時間で引き上げる。

ナイロンテグスは日向市が全国で初めて取り入れた。

〇 岩ガキの養殖では細島いわがきがある。これは、細島生まれ、細島育ちのカキのこと。採苗器(ホタテの貝殻)をある時期に海に漬けておくと岩ガキの赤ちゃんが付き、海の植物プランクトンで育つ。「細島天照牡蠣」としてブランド化している。

 

2 質疑応答の時間

Q 養殖費用はいくらかかりますか?

A カキ筏に約50万円、ホタテ貝は4/1枚×10万枚ということになります。

Q 天照の名はどこからですか?

A 日向唯一ということで「天」、日照時間が長いので「照」、そして「自然の恵み」ということから「天照」の読み方になりました。

Q カキの養殖期間はどれくらいですか?

A 赤ちゃんから出荷まで2年半かかります。

 【児童の感想】

・岩ガキがどういうふうに育てられているかがよく分かりました。

 【授業を見て】よのなか先生の黒木さんも谷山さんも、子ども達が理解しやすいようにプレゼンテーションの画像を工夫されていました。林業では、1ha維持管理100円から1000万円以上かかるという情報に私自身も驚きました。私は登山時に、これまで登山口から杉林を通り抜けて広葉樹の広がる山へと向かっておりましたが、麓のスギ・ヒノキ林をもっと丁寧に見て登らなければいけないと個人的に反省しました。続いて、漁業の学習では、日向市のマグロの漁獲高の高さや岩カキのブランド化など漁業関係者の努力で維持されていることを子ども達も学ぶことができました。児童の質問から「細島天照岩牡蠣」の名前の由来が分かりました。「天照」と名付けられた真の意味が理解できてよかったです。

岩カキはホタテの貝を利用しているのですね。まったく知りませんでした。そして海中の植物プランクトンを利用するのですから、まさに自然の力のみで育っている細島岩カキです。カヌーイストの故・野田知佑氏が北極圏ユーコン川を下る際に出会った人の言葉で「ここは世界で最も健全な場所だよ。ストレスやプレッシャーはゼロだ。」と聞かされたときのように、まさに細島岩カキは最適な場所を与えられ天然資源100%なのだと納得しました。黒木さん、谷山さん、大変勉強になりました。子どもたちの目の輝きが学習効果に表れていることを感じ取ることができました。

2025.10.08

よのなか教室~日知屋東小学校4年生

10月2日(木)に日知屋東小学校4年生のよのなか教室に参加させていただきました。

日知屋東小の4年生は「環境学習」を実施しています。そこで今回は、企業がどのようにしてごみの減量化に取り組んでいるのかを知りたいとの課題設定から、よのなか先生を招いての学習ということになりました。

  講話のテーマは「イオンが取り組んでいる『3R』について」です。よのなか先生はイオン日向店の宮田理恵子様になります。

   まずは3R。お分かりですか? 私は3つをスラスラと頭の中で言い当てることができませんでした。おさらいです。「リデュース」は、減らす。「リユース」は、再利用。「リサイクル」は、再生利用 ということでした。この3Rについて、このブログでは特に「リデュース」(減らす)について学習内容をお知らせします。

  〇 食品ゴミの削減では、まずはプラスティックを減らす取組をしている。リターナブル(繰り返し)コンテナとしてイオンでは「マイバスケット」を販売している。

   → これは破損した場合、なんと、サービスセンターにて無償で交換できるのだそうです。

  〇 2023年度にお客様がレジ袋を辞退した結果、約33億枚で4609万円(1枚3円~30円)になる。

  → これだけでも結構な利益になるなあと思ったら、このレジ袋代金は県に寄贈しているそうです。

  〇 イオン日向店において、お客様のエコバッグ使用率は79%で県全体としては77%になるので日向地区は県平均より高い。

  → つまり日向地区は環境への関心が高いことが伺えます。

          ◆最後に、宮田さんからのまとめとお願いがありました。

   「みなさんの家庭でリサイクルするのはまだ難しいので、ゴミをいかに出さないようにするかを考えて買い物をするようにしてほしいです。『もったいない』という言葉は日本にしかないと教えてくれた方がいました。また、「物には魂が宿る」という昔の人の教えもあります。「混ぜればゴミ、分ければ資源」です!

          子ども達の学習態度は真剣そのもので、初めて知ったことをワークシートに書き続けていました。

 

  ◇ 講話が終わった後の質疑応答の時間です。

  Q イオン日向店ではゴミは1日にどのくらい出ますか?

   A 日向店一店舗での総数は把握していないので調べてきます。(と宿題になりました)

   Q 一番処理しにくいゴミは何ですか?

     A 液体です。焼却に10時間くらいかかります。

     Q イオンで回収したゴミの中で一番多い種類は何ですか?

     A 産廃ゴミです。汚れたプラスティックゴミが一番多いのです。肉が入っていた袋など、わざわざ洗わないからです。

【感想】

 まず、よのなか先生の宮田さんの熱量が凄いです。この講話が全ての5年生に浸透するように3クラスに別々に話をしてくださったのです。つまり授業を3回することになります。そしてその期待に応えてくれたのが日知屋東小5年生の児童でした。プレゼンテーションに食い入り、要点を逃すまいとメモしていきました。彼らの吸収力を証明するのが、上記のような質問の質です。授業の目的にある「ごみを減らすための知識や技能を身に付けるとともに、よりよい環境作りについての関心を高めることができる」ということが子ども達の中に形作られていったのではないかと確信しました。
宮田さんは、ただ紹介するだけではなく、「大分店に研修に行きました。」「分からないので調べてきます。」と、ご自分が現在も学習している、分からないことは調べる、と学ぶ姿勢も見せていただきました。


長野県白馬村に「白馬47スキー場」があります。ここのブログに以前こんなことが書かれていました。「スキースクールスタッフが生徒になり上手な先生からレッスンを受けていました。教わる気持ちと教える気持ちの両方が分かって初めて先生ですよね」と。この言葉にまだ現役の教師であった私はハッとさせられました。まさに、宮田さんはそのような先生でした。

2025.10.07

中秋の名月

 昨日、教え子から電話がありました。実に十数年ぶりに聞く元気な声でした。何事かと思いましたら、「今度ご飯を一緒に食べて相談に乗ってください。」というものでした。彼は日向を中心に幅広く各所で活躍されているようで大変頼もしく感じました。相談はその活動の中でのアドバイスが欲しいとのことでしたので、近いうちに会おうと話して電話を切りました。

 もう40年も前の教え子が未だに私を頼ってくれるとは本当に有り難いことです。当時はまだ若く未熟な教師であった私ですが、今こうやって話ができるのは、前回のブログにも挙げましたように、日向の地が子どもたちだけでなく私をも育ててくださったからだと心から思います。

 日向市は20分程度で街中どこにでも行くことができ、海山川など自然豊かな丁度よいコンパクトシティだと思います。さらに現在は、子どもたちが夢を描きやすいように街中の大人がよのなか先生になってくださっている素敵な街です。色々課題があってもこれまでも確実に乗り越えてきた街でもあります。私はこの街が好きです。

~眩しく輝く昨夜の名月~

 ところで、昨夜は中秋の名月でしだが、ご覧になりましたか?私は母と縁側で中秋の名月を見た60年ほど前のことを覚えています。自分の子どもには多忙を言い訳にして構えてあげることが出来なかったことを後悔していました。それで孫だけにはと、昨日はススキの穂の代わりに庭の南天の葉を用意し、団子とみかん、柿をお供えしてお月見をしました。孫はパチパチと手を合わせてお月さんにお祈りをしていました。「破壊王が直りますように。」と祈っていたのでしょうか。その祈りの中身は分かりませんが、こういう季節の行事は受け継がれるべきものだと思っています。名月をご覧になれなかった方には今夜が満月なのでお薦めしようと思いましたが今夜は雨の予報が出ています。残念です。季節の行事、次は七五三になりますか。その前に十五夜祭りに五十猛神社大祭など楽しみですね。満月の輝きと懐かしい教えた子たちの笑顔が重なる夜となりました。

 では、くれぐれも台風にお気を付けください。

以前オーストラリアで見た満月~模様がさかさまでした

2025.10.02

よろしくお願いいたします

 初夏の頃、数十年ぶりに教え子と話す機会がありました。ご自分の子どもさんのことで大変頑張っておられ嬉しく思いました。あの頃小学生だった子が今はもう頼もしい親になっておられ、時の過ぎ行く早さをも感じ取りました。

 10月1日に、日向市キャリア教育支援センターに着任いたしました山之内信忠と申します。今から41年前に教職員として日向市でスタートを切りました。頼りにならない新米教師を育てていただいたのがこの日向の地であります。その後、日向を離れたのは数年のことで、教職生活のほとんどを日向市で過ごして参りました。デパートや映画館、細島線があったのを懐かしく覚えております。

 学校現場を離れ、今度は日向を中心とした事業所様と学校を繋ぐという仕事に関われることを有難く思う次第です。日向の子どもたちが、自分の将来を各年齢に応じてイメージできるように自己のキャリア形成を成し遂げていくことにサポートさせていただきたいと思っております。日向市駅南側の鉄道高架から「日向の大人はみな子供たちの先生」の看板がはっきりと見えます。この地域の多くの事業所様が日向の子ども達のために先生となっていただき、そこでの学びが子ども達に染み渡っていくようにお手伝いをして参りたいと思います。まずはこれまでの取組の蓄積を土台にしてしっかりと動ける自分でありたいと思う所存です。

 当時101歳の医師であった日野原重明さんは、子ども達に「自分の時間を誰かのために伝えるような大人になってください」とおっしゃっています。日向の大人の皆さんが今まさに日向の子ども達のために時間と労力を使ってよのなか教室やよのなか挑戦に尽力していただいております。このような大人達の姿を間近に見て子ども達は憧れの大人をイメージできるのだと思います。そういう意味では日向の子ども達は大変恵まれた環境にいます。日向市でのこれまでの取組をしっかりと受け継ぎながら、受けたバトンを日々全力で取り組むという姿勢を心に刻みたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

■ ホームページの方につきましては後日改めまして記事にして参りたいと思いますので今しばらくお待ちください。 

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