Hyuga City Career Education Support Center
2026.08.07
同じく日向中学校でよのなか先生をお引き受けいただいた(株)ケーブルメディアワイワイの岩元明日真様を紹介します。
テレビ局社員のお父様の家庭に生まれたということが、岩元さんに大きな影響を与えてきたのかもしれません。中学生の頃にはすでにYouTubeに投稿されていたそうですから、すでにその道を意識されていたようです。大学生の頃にはテレビ局でアルバイトをされていますから、現在のお仕事へ直接的に繋がったことがお話から分かりました。

すでに皆さんのご家庭で視聴されているかもしれませんが、ケーブルテレビワイワイの放送は、県北2市6町で展開されています。民放局が少ない本県にとっては貴重な情報源となります。
番組づくりは、大まかに「取材」「編集」「収録」という過程を経るそうです。時にはそのすべてを一人で担当することもあるとのことで、大変な労力をかけて私たちに番組を届けていただいていることが分かります。

岩元さんは、仕事で難しかったこととして、「構成を考えながら原稿を書くこと」を挙げられました。それは国語が苦手だったことが大きいそうです。ですから、生徒の皆さんには「誰にでも伝わる簡素な原稿を書ける」という力を身に付けて欲しいと話されました。
そんな岩元さんが、「4つの力」で出されたことを以下に紹介します。
一つ目の「相手を尊重し、社会を理解する力」では「感情で動かないようにしている」「自分の状況だけでなく、相手の考えや立場を考える」ことだそうです。感情で動いて得をすることはないと言われるとおり、それは中学生とて経験しているのではないかと思われます。

二つ目の「自分を正しく知り、コントロールする力」では、「視野を広く、良い意味で『冷めた目線』をもつ」「世渡り上手になる!」とのことです。客観的で視野が偏った放送にならないようにする必要があるでしょうし、公共性の高いメディアであればこそ、世の中の評価というのは、仕事をする上での指標となります。気にするというより意識するということの方が近いでしょう。

三つ目の「課題を見極め、解決の工夫をする力」として「そもそも自分に求められていることは何かを考える」「なぜ?を何回か繰り返すと本質にたどり着く」の二点を取り上げられました。仕事においては上司、家庭では親、学校からは先生などから、その時点で自分に求められているものは何かをはっきりとさせることが自分の現在位置を明確にすることにつながるものだと思います。「本質に迫る」これはどんな状況でも必要なことだと私も我が身を振り返ります。

四つ目の「働く意義を知り、将来を切り拓く力」については、「将来を後悔しないような選択をできるようにする」「他の人に流されずに自分に合った道を考える」と言われます。人生は「選択」の繰り返し。だからこそ、後悔しない選択をすべきだし、若いうちには選択肢を減らさないようにしないと道幅が狭まってしまいます。そういうことを意識しておくことは大切なことで同感です。
最後に、岩元さんが生徒に訴える「大切にして欲しいこと」は、「とりあえず視野を広く」「自分を客観的に見る」「心に余裕をもてるように」の三点です。公平・公正な放送を心がけるためにもこれらのことはとても大切なように感じます。そしてそのまま中立の立ち位置で仕事を前に進めるという点で重要な要素ではないかと思いました。
岩元さん、日々の多岐に渡る業務の中で、生徒たちに身近でありながら知らないその裏側の世界を丁寧にお伝えいただき本当にありがとうございました。放送を視聴した際には、その裏側でのお仕事を想像したいと思います。
2026.08.04
本日は7月3日に日向中学校でよのなか先生をしてくださった特別養護老人ホーム永寿園の川本進也様を紹介します。
川本さんは幼少の頃、広島県に引っ越しをされ祖父母と同居されたことが現在の福祉を目指す要因として大きかったと話されました。祖父母から孫へ伝える想いは昔も今も同じだと我が身を振り返ってそう思います。

さて、その通りの道へ進むことになった川本さんですが、大学での介護実習を経て、縁あって日向の永寿園に就職することになったようです。

特別養護老人ホーム永寿園は、昭和53年に開設されたということです。現在は約80名の方が入所されていて、園では、デイサービスや介護支援など多岐に渡って活動をされています。

川本さんの説明にあった「三大介護」ですが、改めて問われると少し考えてしまいます。「食事介助」「入浴介助」「排泄介助」だそうです。このどれも介助なくしては入所者は自立できませんし、健やかに生きていくためには欠かせない介護の中心になるといえます。高齢者など体力的に課題を抱える方々への福祉事業は日本の大きな課題です。ここに立ち向かっておられる川本さんの言葉には一つ一つに説得力をもって聞こえます。

その川本さんの介護に対するやりがいは、「感謝の言葉」を得られることと、「成長を実感できる」ことだそうです。先週私が個人的に訪れた日向市社会福祉協議会内の壁に掲げてあった言葉が印象的でした。認知症高齢者に対するサポートする側の考え方について書かれていたのです。認知症者は「何もできないのではなく・・・できることがたくさんある」「してあげるのではなく・・・自分で決めさせる」など、対比して書かれていました。危ないからしてあげようと手を出そうとしますが、本人ができそうならさせてみて見守ることが大事だと気付かされます。本人が「何もできない」と感じることが一番寂しいということに気付く必要があります。まさに「成長を実感できる」のは、サポートする側にもお世話になる側にとっても必要な人間性そのものなのですね。

川本さんが考える「4つの力」については以下のような説明をされました。
一つ目の「相手を尊重し、社会を理解する力」では、「(入所者であっても)敬語を使うこと」「相手の話を最後まで聞くこと、共感すること」「感情をコントロールすること」の三つになります。親し気に柔らかい対応としての「友達言葉」もそれなりに意味はあるとは思いますが、川本さんの信念として入所者を年長者と捉えて尊敬しながら接するという姿勢にご本人の明確な「軸」を感じました。
二つ目の「自分を正しく知り、コントロールする力」については、「ストレスをためないように息抜きをする」「無理をしない」「自分の性格を理解する」という三点を挙げられました。最後の「自分の性格の理解」については、入所者への対応に直結するだけに、相手の言動で自分が振り回されるようなことになってはいけないという自己コントロールの方法だと受け取りました。このように冷静に対応してくださる方がいてこそ高齢者を安心して預けることができるので大変有難いことです。

三つ目の「課題を見きわめ、解決の工夫をする力」については、「失敗を次に活かす」「すぐに諦めない」「多職種共同」と語られました。最後の「多職種共同」については、同じ永寿園の中でも介護福祉士や栄養士、そのほか沢山の資格を持つ方々で成り立っている養護施設になるため、それぞれの分野の専門家が共同して一人一人のサポートに当たることが重要だということでした。
四つ目の「働く意義を知り、将来を切り拓く力」については、「誰のために働くかを考える」「相手の意見を聴いて自分の考えを正確に伝える」「自分の能力を磨くこと。それを続けること」と話されました。この三つはどれも大切であり、どれも身に付けるのは難しいですが、そこへ向かって進まないことには自分の理想とする福祉の仕事へたどり着けないということなのだと思います。また、これらはすべてどの職業であっても必要な力であり、生徒は自分事として捉えられたのではないでしょうか。
最後に川本さんは、「自分の周りの人に感謝の気持ちを大切にして欲しい」「苦手なことがあってもやってみる」「前向きな気持ちをもって欲しい」と、日向中学校2年生へメッセージを送られました。迷ったらやってみるこれが若者の特権です。間違っていると思ったらやり直せばよいのです。それを失敗と捉えず、少しの不都合だったと捉えて、また前へ進む。そういうことを若者に期待したい思いは川本さんと同じです。
川本さんは今回の講話のまとめとして、「高齢者の笑顔が介護の仕事の魅力」であり「やりたいこと、興味があることに挑戦して欲しい」と締めくくられました。介護の仕事の魅力をたくさん話していただいた日向中学2年生から一人でも福祉に興味をもってくれる生徒が出ることを願います。また、そのような直接的な職業の担い手という狙いではなく、自分で道を切り拓いた場所で「誰のために働くか」を自分自身に問いながら成長できる人生を送って欲しいという川本さんの大きな期待に応えられるようになることを願います。
川本さん、大変お忙しく日々入所者の健康管理に細心の注意を払いながらのお仕事の中で中学生への講話を実施していただき本当にありがとうございました。
2026.08.03
先週は美々津中学校と大王谷学園初等部の職員研修に参加しました。
美々津中学校では「キャリア教育の基本とファシリテーション」というテーマで、前の週の日向中学校での研修テーマと同じなので大まかな内容は省略します。ただ、他校研修で、卒業生の離職と学校とのかかわりについて丁寧な説明が必要だと感じたので追加しました。
これまでのキャリア教育では、「働くこと」の現実や必要な資質・能力の育成につなげていく指導が不十分という指摘が各方面からあります。そこを強化すべく、今後のキャリア教育では、夢だけではなく働くことの厳しさも教え、さらに、誰かの役に立つことの尊さや失敗した時の立ち直り方、これらをきちんと丁寧に指導していく。指導と言うより、寄り添いながら支援していき獲得させる。そういう積み重ねで生徒が将来、「仕事を通じて社会を創り上げる」責任世代になってくれるよう義務教育で育てなければならないということを追加しました。それが延いては、明確な方向性のない離職に歯止めをかけると期待します。
統計によると、企業種別・規模別に分析した離職理由と不足した人材育成過程からは、学校教育におけるキャリア教育での学習不足も要因に含まれると私は考えています。企業による分析結果でのメンタリングサポート不足は、すなわち「乗り越え方」の育成に当たると考え、それは「課題対応能力」を育てていなかったのではないかと。また、医療業界で実働負荷が離職の原因だと言われれば、それはストレスマネジメントの育成不足ではないか。つまり、「将来の切り拓き方」すなわち「キャリアプランニング力」の基礎を学校で身に付けさせる必要があると分析できます。勿論これは義務教育だけの問題ではなく広く、小中高校で考えていく必要があります。現在はその突破口として「キャリアパスポート」が存在するのかもしれませんが、活用方法が不明確な部分もあり、物理的な不具合が起きている段階ではないかと思います。

それはさておき、待ったなしの中学校3年間では、教材を工夫し学級活動で進路指導や討論を柱とした中央委員会などの生徒会活動、或いは、学校行事で人との繋がりや人を頼ることを、実感を伴って体験させることが重要になります。ところが、毎日の生徒指導や教科指導、部活動などに忙殺されると、適切な教材の準備もままなりませんので、そこで活用していただきたいのが当センター経由の「よのなか教室」になります。美々津中学校では、すでに2学期に計画を希望されていますので安心しております。
美々津中研修の後半では、当センターのスタッフが「よのなか先生役」と「ファシリテーター役」で実演し、続きを2名の先生に体験していただきました。今回は、お二人の先生方ともにファシリテーター役をしていただきました。「4つの力」のうちの1つを、よのなか先生役のスタッフが説明し、それに対してファシリテーター役の先生が相槌や「引き出し方」を演習するというものです。その後交代し、「4つの力」のもう一つの部分を次の先生に演じていただくという研修としました。

どちらの先生もさすがに日常的に多様な生徒に対応しておられるだけあって、的確な切り返しをされていました。ファシリテーションは日常の教科授業で巧みに利用してこそ、よのなか教室で初対面の方と出会っても引き出しに困ることは無くなると思います。

美々津中学校の先生方、キャリア教育に熱い関心をもって研修に臨んでいただき本当にありがとうございました。2学期を楽しみにしております。
続いて、翌日の大王谷学園初等部での職員研修になります。こちらもテーマが「ファシリテーション」という位置づけですが、どうしてもキャリア教育とファシリテーションの関係について基本的な部分をお話しないとその重要性が伝わりにくいので、前半部分で日向市が取り組むキャリア教育についてお話しました。最後のアンケートに、日向市のキャリア教育の取組は「理解している」という回答もありましたのでほっとしました。私の話が不要だったということではなく、ベースを揃えるという意味合いがあります。小中学校は教職員の異動が大きいので、それぞれの先生方の基礎は揃っていません。ですから、何回お話しても良いのですが、充実していくと今度は学校内での共有がしっかりとなされていくので、「理解している」が増加してくることを願っています。

基本的なことは、これまでの職員研修会のブログでも書きましたので省略します。ここからは後半の演習の部分についてお伝えします。

まず、例のように当センタースタッフが実演をしました。私同様、お話するたびに改善点が盛り込まれるので、益々磨きがかかったファシリテーション術になりました。大事なことは、「児童とのパイプ役」になることです。講師が話す業界用語や大人の言葉を児童用に「翻訳」することがファシリテーターには求められます。翻訳という言い換えをしないと、子どもは「遠い大人の話」で飽きてしまいますし、ファシリテーターではなくただの進行役になってしまいます。
また、少し難しい話になったと思ったら、そこは子どもにとっては大変難しい話になるので、それを「言い換え」てみたり、ファシリテーター自身がすかさず講師に質問して見せるという小技が入るとさらに児童生徒の集中は切れません。
そういう実演を経て、次に先生2名にファシリテーター役として登場していただきました。

一人目の先生は、台本を越えてご自分の言葉で講師に問いかけるように話したり、最後に翻訳したりされていましたので、日常的にファシリテーションに気を付けながら授業実践をされていることが伺えました。

2人目の先生も「翻訳」がお上手で、さらに講師の話のあとに自分自身の経験をさりげなく持ち込まれることで児童は内容を深く理解することができるだろうとこちらが参考になりました。お二人の先生、積極的にご登場いただきありがとうございました。
研修後のアンケートでは「今日の演習で直感的に体験できたので日常の学習に生かしていきたい」や「講師の説明を子ども向けに言い換える『翻訳者』になれるようにしたい」、「よのなか教室は複雑な連絡や準備を必要とせず気軽に問い合わせることで学習が成立するので今後活用したい」など大変積極的にキャリア教育を推進していこうとする先生方の熱い想いを感じ取ることができました。
大王谷学園初等部では、毎年「キャリア教育フェスタ」を開催し、地域コーディネーターをうまく活用した出前授業や仕事に焦点化した学習内容で授業を構成したりされています。そこへよのなか教室が加われば鬼に金棒で、「社会で自分を見失わない大人」への「軸」を獲得させる教育ができるのではないでしょうか。2学期以降のキャリア教育の推進を応援したいと思います。
大王谷学園初等部の先生方、研修への熱心なご参加をありがとうございました。
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