Hyuga City Career Education Support Center
2026.08.04
本日は7月3日に日向中学校でよのなか先生をしてくださった特別養護老人ホーム永寿園の川本進也様を紹介します。
川本さんは幼少の頃、広島県に引っ越しをされ祖父母と同居されたことが現在の福祉を目指す要因として大きかったと話されました。祖父母から孫へ伝える想いは昔も今も同じだと我が身を振り返ってそう思います。

さて、その通りの道へ進むことになった川本さんですが、大学での介護実習を経て、縁あって日向の永寿園に就職することになったようです。

特別養護老人ホーム永寿園は、昭和53年に開設されたということです。現在は約80名の方が入所されていて、園では、デイサービスや介護支援など多岐に渡って活動をされています。

川本さんの説明にあった「三大介護」ですが、改めて問われると少し考えてしまいます。「食事介助」「入浴介助」「排泄介助」だそうです。このどれも介助なくしては入所者は自立できませんし、健やかに生きていくためには欠かせない介護の中心になるといえます。高齢者など体力的に課題を抱える方々への福祉事業は日本の大きな課題です。ここに立ち向かっておられる川本さんの言葉には一つ一つに説得力をもって聞こえます。

その川本さんの介護に対するやりがいは、「感謝の言葉」を得られることと、「成長を実感できる」ことだそうです。先週私が個人的に訪れた日向市社会福祉協議会内の壁に掲げてあった言葉が印象的でした。認知症高齢者に対するサポートする側の考え方について書かれていたのです。認知症者は「何もできないのではなく・・・できることがたくさんある」「してあげるのではなく・・・自分で決めさせる」など、対比して書かれていました。危ないからしてあげようと手を出そうとしますが、本人ができそうならさせてみて見守ることが大事だと気付かされます。本人が「何もできない」と感じることが一番寂しいということに気付く必要があります。まさに「成長を実感できる」のは、サポートする側にもお世話になる側にとっても必要な人間性そのものなのですね。

川本さんが考える「4つの力」については以下のような説明をされました。
一つ目の「相手を尊重し、社会を理解する力」では、「(入所者であっても)敬語を使うこと」「相手の話を最後まで聞くこと、共感すること」「感情をコントロールすること」の三つになります。親し気に柔らかい対応としての「友達言葉」もそれなりに意味はあるとは思いますが、川本さんの信念として入所者を年長者と捉えて尊敬しながら接するという姿勢にご本人の明確な「軸」を感じました。
二つ目の「自分を正しく知り、コントロールする力」については、「ストレスをためないように息抜きをする」「無理をしない」「自分の性格を理解する」という三点を挙げられました。最後の「自分の性格の理解」については、入所者への対応に直結するだけに、相手の言動で自分が振り回されるようなことになってはいけないという自己コントロールの方法だと受け取りました。このように冷静に対応してくださる方がいてこそ高齢者を安心して預けることができるので大変有難いことです。

三つ目の「課題を見きわめ、解決の工夫をする力」については、「失敗を次に活かす」「すぐに諦めない」「多職種共同」と語られました。最後の「多職種共同」については、同じ永寿園の中でも介護福祉士や栄養士、そのほか沢山の資格を持つ方々で成り立っている養護施設になるため、それぞれの分野の専門家が共同して一人一人のサポートに当たることが重要だということでした。
四つ目の「働く意義を知り、将来を切り拓く力」については、「誰のために働くかを考える」「相手の意見を聴いて自分の考えを正確に伝える」「自分の能力を磨くこと。それを続けること」と話されました。この三つはどれも大切であり、どれも身に付けるのは難しいですが、そこへ向かって進まないことには自分の理想とする福祉の仕事へたどり着けないということなのだと思います。また、これらはすべてどの職業であっても必要な力であり、生徒は自分事として捉えられたのではないでしょうか。
最後に川本さんは、「自分の周りの人に感謝の気持ちを大切にして欲しい」「苦手なことがあってもやってみる」「前向きな気持ちをもって欲しい」と、日向中学校2年生へメッセージを送られました。迷ったらやってみるこれが若者の特権です。間違っていると思ったらやり直せばよいのです。それを失敗と捉えず、少しの不都合だったと捉えて、また前へ進む。そういうことを若者に期待したい思いは川本さんと同じです。
川本さんは今回の講話のまとめとして、「高齢者の笑顔が介護の仕事の魅力」であり「やりたいこと、興味があることに挑戦して欲しい」と締めくくられました。介護の仕事の魅力をたくさん話していただいた日向中学2年生から一人でも福祉に興味をもってくれる生徒が出ることを願います。また、そのような直接的な職業の担い手という狙いではなく、自分で道を切り拓いた場所で「誰のために働くか」を自分自身に問いながら成長できる人生を送って欲しいという川本さんの大きな期待に応えられるようになることを願います。
川本さん、大変お忙しく日々入所者の健康管理に細心の注意を払いながらのお仕事の中で中学生への講話を実施していただき本当にありがとうございました。
お気軽にお問い合わせください。
0982-57-3522
受付時間 8:30~17:00