Hyuga City Career Education Support Center
2026.08.03
先週は美々津中学校と大王谷学園初等部の職員研修に参加しました。
美々津中学校では「キャリア教育の基本とファシリテーション」というテーマで、前の週の日向中学校での研修テーマと同じなので大まかな内容は省略します。ただ、他校研修で、卒業生の離職と学校とのかかわりについて丁寧な説明が必要だと感じたので追加しました。
これまでのキャリア教育では、「働くこと」の現実や必要な資質・能力の育成につなげていく指導が不十分という指摘が各方面からあります。そこを強化すべく、今後のキャリア教育では、夢だけではなく働くことの厳しさも教え、さらに、誰かの役に立つことの尊さや失敗した時の立ち直り方、これらをきちんと丁寧に指導していく。指導と言うより、寄り添いながら支援していき獲得させる。そういう積み重ねで生徒が将来、「仕事を通じて社会を創り上げる」責任世代になってくれるよう義務教育で育てなければならないということを追加しました。それが延いては、明確な方向性のない離職に歯止めをかけると期待します。
統計によると、企業種別・規模別に分析した離職理由と不足した人材育成過程からは、学校教育におけるキャリア教育での学習不足も要因に含まれると私は考えています。企業による分析結果でのメンタリングサポート不足は、すなわち「乗り越え方」の育成に当たると考え、それは「課題対応能力」を育てていなかったのではないかと。また、医療業界で実働負荷が離職の原因だと言われれば、それはストレスマネジメントの育成不足ではないか。つまり、「将来の切り拓き方」すなわち「キャリアプランニング力」の基礎を学校で身に付けさせる必要があると分析できます。勿論これは義務教育だけの問題ではなく広く、小中高校で考えていく必要があります。現在はその突破口として「キャリアパスポート」が存在するのかもしれませんが、活用方法が不明確な部分もあり、物理的な不具合が起きている段階ではないかと思います。

それはさておき、待ったなしの中学校3年間では、教材を工夫し学級活動で進路指導や討論を柱とした中央委員会などの生徒会活動、或いは、学校行事で人との繋がりや人を頼ることを、実感を伴って体験させることが重要になります。ところが、毎日の生徒指導や教科指導、部活動などに忙殺されると、適切な教材の準備もままなりませんので、そこで活用していただきたいのが当センター経由の「よのなか教室」になります。美々津中学校では、すでに2学期に計画を希望されていますので安心しております。
美々津中研修の後半では、当センターのスタッフが「よのなか先生役」と「ファシリテーター役」で実演し、続きを2名の先生に体験していただきました。今回は、お二人の先生方ともにファシリテーター役をしていただきました。「4つの力」のうちの1つを、よのなか先生役のスタッフが説明し、それに対してファシリテーター役の先生が相槌や「引き出し方」を演習するというものです。その後交代し、「4つの力」のもう一つの部分を次の先生に演じていただくという研修としました。

どちらの先生もさすがに日常的に多様な生徒に対応しておられるだけあって、的確な切り返しをされていました。ファシリテーションは日常の教科授業で巧みに利用してこそ、よのなか教室で初対面の方と出会っても引き出しに困ることは無くなると思います。

美々津中学校の先生方、キャリア教育に熱い関心をもって研修に臨んでいただき本当にありがとうございました。2学期を楽しみにしております。
続いて、翌日の大王谷学園初等部での職員研修になります。こちらもテーマが「ファシリテーション」という位置づけですが、どうしてもキャリア教育とファシリテーションの関係について基本的な部分をお話しないとその重要性が伝わりにくいので、前半部分で日向市が取り組むキャリア教育についてお話しました。最後のアンケートに、日向市のキャリア教育の取組は「理解している」という回答もありましたのでほっとしました。私の話が不要だったということではなく、ベースを揃えるという意味合いがあります。小中学校は教職員の異動が大きいので、それぞれの先生方の基礎は揃っていません。ですから、何回お話しても良いのですが、充実していくと今度は学校内での共有がしっかりとなされていくので、「理解している」が増加してくることを願っています。

基本的なことは、これまでの職員研修会のブログでも書きましたので省略します。ここからは後半の演習の部分についてお伝えします。

まず、例のように当センタースタッフが実演をしました。私同様、お話するたびに改善点が盛り込まれるので、益々磨きがかかったファシリテーション術になりました。大事なことは、「児童とのパイプ役」になることです。講師が話す業界用語や大人の言葉を児童用に「翻訳」することがファシリテーターには求められます。翻訳という言い換えをしないと、子どもは「遠い大人の話」で飽きてしまいますし、ファシリテーターではなくただの進行役になってしまいます。
また、少し難しい話になったと思ったら、そこは子どもにとっては大変難しい話になるので、それを「言い換え」てみたり、ファシリテーター自身がすかさず講師に質問して見せるという小技が入るとさらに児童生徒の集中は切れません。
そういう実演を経て、次に先生2名にファシリテーター役として登場していただきました。

一人目の先生は、台本を越えてご自分の言葉で講師に問いかけるように話したり、最後に翻訳したりされていましたので、日常的にファシリテーションに気を付けながら授業実践をされていることが伺えました。

2人目の先生も「翻訳」がお上手で、さらに講師の話のあとに自分自身の経験をさりげなく持ち込まれることで児童は内容を深く理解することができるだろうとこちらが参考になりました。お二人の先生、積極的にご登場いただきありがとうございました。
研修後のアンケートでは「今日の演習で直感的に体験できたので日常の学習に生かしていきたい」や「講師の説明を子ども向けに言い換える『翻訳者』になれるようにしたい」、「よのなか教室は複雑な連絡や準備を必要とせず気軽に問い合わせることで学習が成立するので今後活用したい」など大変積極的にキャリア教育を推進していこうとする先生方の熱い想いを感じ取ることができました。
大王谷学園初等部では、毎年「キャリア教育フェスタ」を開催し、地域コーディネーターをうまく活用した出前授業や仕事に焦点化した学習内容で授業を構成したりされています。そこへよのなか教室が加われば鬼に金棒で、「社会で自分を見失わない大人」への「軸」を獲得させる教育ができるのではないでしょうか。2学期以降のキャリア教育の推進を応援したいと思います。
大王谷学園初等部の先生方、研修への熱心なご参加をありがとうございました。
お気軽にお問い合わせください。
0982-57-3522
受付時間 8:30~17:00