日向市キャリア教育支援センター ブログ

2026.09.16

14歳のよのなか挑戦事前学習~平岩小中学校8年生

 先週、平岩小中学校にて「14歳のよのなか挑戦」(社会体験学習)いわゆる「職場体験学習」の事前学習に出向きました。8年生の学級になります。

 

 「よのなか教室」は日向で働く大人である社会人を講師として、<これまでの人生模様>に始まり、<仕事の内容>を話していただいた後に、講師が考える社会人として必要な「4つの力」について児童生徒に分かりやすく伝えていただく学習になります。それにとどまらず、まとめとしての「今日から頑張って欲しいこと」を子どもたちに伝え、一人一人が噛み砕いて自分に取り入れてもらうようにしています。最後に「日向の魅力」と題して、日向の自然や産業、文化など、大人であるからこそ気付く故郷の魅力を若い世代の視点に潜り込ませようと構成しています。いつかその言葉の一つでも記憶に残り振り返る手助けになれば幸いです。

 一方、「よのなか挑戦」は保護者の皆さんも経験されていると思いますが、市内各事業所へ出向き、各事業所のプログラムで3日間の職場体験を行うものになります。従業員と同じことを体験させてもらうのではなく、「働くことの厳しさと誰かの役に立つことの尊さ」を体感してもらうようにお願いしてあります。例えば<挨拶と身だしなみ>について、日常的に家庭や学校で厳しく指導してもなかなか改善されない場合があります。社会で働く上では、挨拶や身だしなみでスタートラインに立てることを現場の肌で感じることは貴重な経験になることでしょう。また、慣れない仕事をしていると失敗することもあります。その際、どうしてうまくいかなかったのか、どうすればうまくできるか。そういう機会を与えてもらうことで「状況を考える人」として現代社会で機能していく人材に成長できます。

 

 現代の若者は就職3年以内に退職するいわゆる「早期離職」が増えています。宮崎県の平均は全国平均を4ポイントも上回っています。何が原因かを分析したデータがありました。その一つに、失敗した時や悩み、ストレスを抱えた時に「誰かと相談できなかった」ことが挙げられていました。すなわち、失敗することは誰でもあるのですが、それを「乗り越える力」ができていなかったのです。最近の横文字で言えばレジリエンスが足りなかったことになります。これは社会に出てから身に付けようとするのでは遅すぎます。小中高校に在学している間に、様々な経験から養っておく基本的な生きる力になります。挫折の経験や友人、教師、指導者、家族などからのサポートで立ち直る経験などを経て身に付くものです。その上で社会人になり失敗した時は、周囲のサポートを得て立ち直るという回復過程が自立していく上で重要な基盤となります。

 一方でその分析データの中に、「相談できる相手がいなかった」ということも挙げられています。職場の中では「先輩」がいます。その立場にある人が悩んでいる「後輩」に気付き手を差し伸べるような職場の関係構築も必要になります。

 しかし、我々が行っている事業は職場関係には踏み込めませんので、できることは、子どもたちに体験を通して「誰かの役に立つことが労働であること」そしてそれが「働くことの意義」になること。さらに、失敗したことを相談によって乗り越えるために日常的な関係構築を図ること。そのようなことを学生のうちに「突破力」として意識できるようになってもらうことです。そういう「生きる力」について多くの講師から「聴く」という体験で「生き方の」を形づくってもらえることを願っています。生きる過程の一部に「よのなか挑戦」が位置づけられているという長期教育計画を見通しながら人間づくりの一助となるよう努力したいと思っています。

 

平岩小中学校でもこれまでのよのなか挑戦事前学習と同様に、事業所側の視点を考えさせ、「4つの力」が人間づくりに大切であること、それを具現化しやすいようにムービー視聴も行いました。

 

授業後に生徒が答えてくれたアンケートを見ると、「仕事をする厳しさ」を考えてくれたようですし、「働く上でのマナーの大切さ」や「4つの力は『自分軸』を作るうえで大切であること」を学んでくれたことが伺えます。また、この8年生は将来に対する意識が高く、7割の生徒が目標をもって生活していることが分かりました。この事前学習で将来の目標を決められた生徒もいますし、よのなか挑戦を経てしっかりと決めたいと考えた生徒もいるようです。

アンケートの最後の質問に「地元日向の将来をどう考えるか」という項目では、5割を超える生徒が何らかの形で「日向を盛り上げたい」と考えていることが分かりました。中学生の頃から地元で就職するとは考えにくいでしょうし、「よのなか先生」たちも口々に「一度は外に出て」というように、外から日向を見ることは大いに意味あることだと思います。希望に満ちた学生の時代は大志をもって欲しいと思いますし、実際、中学生の多くはそう思っていることでしょう。それでも現時点で5割を超す生徒が日向のことを意識してくれていることが喜びでもあり街の誇りにもなります。キャリア教育の本質は生徒に希望を手渡すことです。「どんな状況にあっても人と繋がりながら試行して生きていく」 そういう大人になってくれることを願いながら、私も精進したいと思います。

昨日から始まっている平岩小中学校8年生の「14歳のよのなか挑戦」です。子どもたちの置かれている現状や世の中の動静など我々を取り巻く社会の構造を考えてみると、改めてこのネーミングの意義と重さを嚙みしめなければならない思いです。厳しい社会情勢にあっても協力してくださる事業所の皆様のご支援に心より感謝いたします。

保護者の皆さんは時間をつくって子どもさんの働く様子を見学に行かれてはどうですか?「○〇の親です。お世話になっています。」で中へ通してもらえると思います。

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