Hyuga City Career Education Support Center
2026.09.15
先々週、当センターにて、延岡市キャリア教育支援センターの方々との合同研修会を開催しました。お互いの実績や課題を共有し、よりよいキャリア教育の展開につなげるのが狙いです。当日は、県のキャリア教育担当(小田史郎さん)も参加され、狭い事務所が賑わいました。

初めに日向市の取組を紹介しました。これはここで書くまでもないので省略します。課題としては、現在力を入れている「よのなか教室」が市内すべての小中学校へ普及できていないということです。キャリア教育の目標である基礎的・汎用的能力の育成という部分は、まさに「生き方」の教育であり、現在における「自分軸」をどう作っていくのかという柱の立て方を考えるという学習になります。小学生や中学生に自分の軸を考えさせて何になる!そんことまだ分からんだろうが!という考えもあります。大人ですら軸が定まっていないと感じることもあるかもしれませんが、その年齢に応じて過去の自分と向き合った上で今後は「こうありたい。」と意思決定しながら前を向く事は、生きる意味を見いだす上では意義のある学習過程ではないかと思います。法隆寺などの建築物には塔の中に宙吊りという一見無用な柱が吊り下げられているそうです。実はこれが地震の際に重要な役割を果たし、塔の倒壊を防ぐ働きをするそうです。無駄のように思えるものでも、実は自分の中では芯になり大地に根を下ろし、我が身を前進させているエネルギーになることを期待したいと思います。

さて、合同研修会では、次に延岡市の取組についてご説明をいただきました。
延岡市では、日向市キャリア教育支援センターの初代センター長である水永正憲さんをはじめ、酒井康行さんや敷石輝幸さんの3名で精力的に市内の学校を回り、よのなか教室として授業や講演会を計画されています。その数が半端ない数で、年間700名を超える講師を学校に派遣されています。1回の学校開催で5名以上の講師を招聘し、毎週実施となると、そのような数になるということです。日向市の場合は、キャリア教育の目標に沿うような形での講話をお願いするために資料づくりを講師に依頼するのではなく、センターのスタッフが作り上げているため、数多くの講話を実施することはできないという特性をもっています。それぞれの地域での取組の良さが形に現れているようです。
また、延岡市の特長としては、「ひなた場」を実施していることです。以前、旭中学校や高鍋西小学校の事例をブログにて紹介しましたとおり、大人と学生が1対1で自分史を語り合う学習になります。自分の歴史や今考えていることを即座に言語化する力が求められるので、そういう場の設定があるからこそ生徒は徐々にそういう言語化能力が身についてきます。ぜひ日向市でも導入したいと思っています。

日向市のキャリア教育支援センターは教育委員会からの委託で成立しています。ですから予算的には過不足なくなんとか実施できております。欲を言えば、講師の皆さんに謝礼などができればよいのですが、そのような余裕はまったくありませんので、児童生徒の成長とそれぞれの事業所の紹介、認知をお礼に代えるしかありません。各事業所のよのなか先生は、子どもたちの成長のためならばと、無償で時間を割いて参加していただいております。これは延岡も同じことです。しかし、何事も事業には予算が確保できないと動き出せないので、延岡市の場合は今後の活動の持続のために方策を考えていかれるようです。

合同研修を通して多くのことを考えました。先日の就職前提の模擬面接を想定したグループワークにおいても指摘されましたが、実社会では「状況を考えられる人材が欲しい」とも言われます。それは学生の頃からしっかりと思考する態度を獲得していなければ、社会人になる時に身に付けられるものではありません。「なぜそう考えるのか」「それはどういう形になるのか」など、その場で瞬時に考え言語化できなければ相手には伝わりません。
「集中力」や「持続力」は体験で身に付けることができます。一方、「判断力」と「決断力」は体験でも身に付けるられるものの、多くの先人の知恵や知見から学び、それを訓練することで自分の身に沁み込ませることができるようになると思います。
人生はまさに「選択の連続」と言ってもよいのかもしれません。あの学校を選んでいれば、逆に選んでいなければ。また、あの時その判断をしなければ、あの時やりたかったことをやっていればなどと、その時々の判断を思い返すことは誰にでもあることだと思います。そしてその時「こうしよう」と決断してきたのです。
どういう判断や最後の決断になろうとも、それを振り返り反省していくためには、その時点で言語化していなければ反省の仕様がありません。「こういう経緯でこうした。」「こうなることを想定してそのようにした。」というように思考を言語化することは重要なことです。「ちゃんと言わなきゃわからないでしょ!」これもよく聞く幼児への言葉ですが、その場で終わらせるのか、そういうことを訓練するための学習機会(特に読書)を家庭に位置付けたり、学校教育では教育課程に設定したりできるか。子どもが受けるべき時に受けられる教育の観点を、「日向の大人」は、水が掌からこぼれ落ちないように差し伸べられるかを問われている気がします。
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