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2025.11.27
2018年10月から始まったNHK連続テレビ小説『まんぷく』は、日清食品の創業者である安藤百福と妻の仁子の半生を描いた作品でした。本日は経営者のみならず、消費者である私たちにとっても消費経済の中で重要な位置を占めるマーケティング(商品やサービスを展開する活動全般)が必要な学びとして伝わってくると思えますので、Business Journal / 2019年大﨑孝徳から要約してお伝えしたいと思います。
NHK「まんぷく」より
『朝ドラ『まんぷく』は極めて優れたマーケティングの教科書である』
ドラマ『まんぷく』では、顧客を満足させる重要なポイントとしての「4P」すなわち、商品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販売促進(Promotion)が打ち出されている。
ドラマのなかで「まんぷくラーメン」となっていたチキンラーメンを売り出すために、テレビのコマーシャルや売り場における試食販売を開始した「販売促進」を行っている。…
また、容器に入ったラーメン「まんぷくヌードル」(カップヌードル)の開発コストから100円という当時では極めて高価格に設定し、発売するも受け入れられなかったために、タクシー会社など、夜に仕事をする人たちをターゲットに販売は好調に推移し始めた。さらに、屋外での飲食に対して当時の日本では多くの人が抵抗感を持っていたため、新しいことに対して寛容な若者をターゲットに歩行者天国での販売を行い、まんぷくヌードルは若者にとってファッションとなる。
… 現在の日本の大企業であるならば、商品開発担当者は単に商品の機能的な部分を担当するだけで、価格や流通や販売促進には完全にノータッチな場合が多い。しかしながら、4Pにおける4つの要素は、強く連携できていなければならない。
内容をかなり凝縮してしまいましたので、氏の考えが十分に伝わらなかったかもしれませんが、学校での日々の授業とよのなか教室を4Pで考えるとどうなるでしょう。商品を学習目標(よのなか教室のねらい)、価格を学習活動(講話受講)、流通を主体的な対話(生き方の再構築)、販売促進をまとめ提示(獲得した価値と学習意欲)としてみましたが難しいです。(いや~、頭を悩ませます。アドバイスをください。)それにしても、学びを「流通」させることや「促進」させることは、実に難しい課題だと気づきました。
マーケティングについては大﨑氏の考え方以外にも多くの手法が存在することは、市場経済の中で日々活躍されている方々はよくご存じのことでしょう。マーケティングをあまり意識しなかった私のような「学校人」にとっても、教師が生み出した授業というものをどう展開していけば、それが対象である児童生徒に定着していくのか。或いは、学校での活動が保護者や地域にどう浸透していくのかなどを考えてみるにはとてもよい思考だと思った次第です。社会が様々な人々によって成立している以上、協働・進化・発展することが大事なので、日向市のキャリア教育も普及発展できるように意識しながら頑張らなければならないと再認識しました。
昨夜のNHK『クローズアップ現代』にエジプト考古学者の吉村作治さんが登場しました。御年82歳だそうです。クフ王の墓の発見を追い求め、スタッフの若者同士の意見が対立していた時、吉村さんは黙ってじっと聞き最後に意見を述べました。「ある程度まで掘ってみてそこでGPR(探査機)を使ってみればいいじゃない。」これは、若い二人の意見の折衷案だったのです。私は、すでに体調が悪く現場にいるだけでも大変なお体なのに82歳のお年で若い人たちの意見の折衷案を自分の考えとして提示できるその柔軟な思考に大変驚きました。歳を取り頭が硬くなるのは致し方ないと思っていましたが、吉村さんを見て、いやいや思考はまだまだ鍛えられると思いました。日々激しく変化する時代に対応できるのは人間ならでは価値であり、柔軟な思考こそが時代を乗り切る自己のエネルギーかもしれません。 マーケティングから若干それましたか…。
2025.11.26
最近はタブレットを使用した授業が多くなり、黒板に書かれた内容をノートに写し取るという作業を子どもたちが行う機会が以前に比べて減っているようです。どちらが良いという話ではなく、言語特に漢字を覚えるという観点でのお話になります。
私が小学校高学年や中学校で授業をしていた時のお話です。私が授業中に板書をします。するとそれを子どもたちがノートに書き写します。私は「黒板に書かれている内容を丸写しにするのではなく、自分の言葉にかみ砕いて要領よくノートに書きなさい」と話していました。ところが、それを実行していた子どもは三分の一ほどで、ほとんどの子はそのまま書き写していたようです。板書のスピードが速いので、頭の中で整理することの方に時間がかかってしまうからです。それでもこれが可能だったのは高学年児童あるいは中学生だったかもしれません。本日は「視写」という観点については脇に置いておきましょう。本題は言語をいつ獲得するかというテーマですから。
私は板書している最中にその漢字が国語の時間に学習済みであるかどうかはあまり考えませんでした。小学校の担任の場合、今国語の時間にどの漢字までを学習しているか分かっています。基本的に教科書は、前学年で学習した漢字のみ使用するようになっています。ところが私は、国語以外の時間では、板書でバンバン未修の漢字を使用していました。もちろん、極端に難しい漢字の使用はしません。すると決まって子どもたちから「センセー、その漢字まだ習っていませ~ん。」と声が飛んできます。そこで「じゃあ読めないの?」と聞くと「読めます。〇〇ですよね?」というので、「読めるじゃない!ならいいよ。」と素知らぬ顔でくるりと向きを変え、またひたすら板書します。子どもたちからは「えッ、書いていいの?」とボソボソと聞こえたり、「センセイ、書いていいんですか?」と聞いてきたりします。それで「書けるんなら書いたら?ここの筆順はこうだよ。」と言うとまたすぐに私は書き始めます。黒板を向いているふりをして、子どもたちの様子を伺っていると、「オオーッ」とか「うひょ」とか軽く奇声を上げたりして喜々として猛然とノートに鉛筆を走らせる子が増えるのです。もちろん、その一方で「何て読むと?」と隣の子に聞きながら平仮名で書いている子もいます。ここで私は書けることより読めることを優先していました。
私が言いたいのは、子どもは、いや、人は言語(漢字)を覚える(読める)年齢が決まっているのかということです。答えは明らかに「ノー」です。小学校で1026文字、中学校で1110文字(常用漢字を含め変更がある)、合計約2000の漢字を覚えて義務教育を卒業するようになっています。これは、約2000文字を覚えると新聞が読めるようになると学生時分に聞いたことがあります。すなわち社会的自立を目指す教育なので日本国民として一定の言語力をつけて欲しいという意図なのでしょう。さすがによく考えられた義務教育課程だと感心します。当然、その9か年の発達段階を考慮して漢字の編成も行われることになります。
平均的な記憶量として各学年に定量的に分散させている漢字数でしょうが、子どもの学習量に個人差があるのは当然なので、私の場合、当該学年の漢字量で限定して指導する必要はないと考えてのことでした。当時「難しいです」と数名の子からは速攻批判をもらったこともありますが、年度初めに「そういうもんだ」とか「そうするからね」とか理由を話し逃げ道(平仮名)も併せて理解させておくと、特にブーイングも起こらず、苦にもされなくなりました。難しそうなものはそんなに書くことはしませんでした。
さて、ここからです。今のは高学年あるいは中学生での例でしたが、低学年ではどうでしょう。幼児が言葉を覚えるのは耳からですよね?その子たちが英語をペラペラ覚えてしまうのも同じことです。では、幼児が絵本の言葉を指さしながら「ぞう」とか「本」とか言っているのは画像を見ているからですよね?そういうふうに、まだ脳が十分に発達していない小さな子たちほど、ものの名前を画像で認識するようです。つまり画像処理能力が高い訳です。ということは、漢字は小学校に入ってから習うものと限定しなくても、絵本に出てくる漢字がもしあったとしても、「これは読ませられない」と止めずに、子どもに見せながら読んであげると、そのまま物語として受け止めるはずですし実際そうされてますよね。子どもも「この本は漢字が難しいから嫌だ」とはあまり言わないはずです。つまり、漢字を耳から聞こえた言葉として認識しているのです。すなわち、その子にとってそこの漢字はただの画像でしかないのです。それで読み方を覚えてしまえばそれでよいではないでしょうか、ということが言いたくてここまで書いてきました。
するとどうでしょう。先日読んだ雑誌の中に対談があり、まさに同じようなことを言っているのだと納得したものがありました。以下に紹介します。
東京いずみ幼稚園の園長小泉敏夫氏と安松幼稚園の理事長安井敏明氏の対談を要約します。小泉氏「元小学校教師の石井勲先生が確立した『読み先習』とは、漢字を書くのはしっかり読めるようになってからで十分という考え方です。『はしのはしをはしをもってあるく』よりも『橋の端を箸を持って歩く』とした方が読みやすいし理解しやすいのです。幼児期の脳は『写真記憶』と言われる機械的記銘能力に優れていて、すぐに丸暗記できてしまう。漢字は難しく思えても、その分、ひらがなより識別しやすいから覚えてしまうんです。」安井氏「赤ちゃんは親が言葉を教えたつもりはなくても、一年半か二年半で日本語を獲得するでしょう。意味が分からなくても、家族が日本語で話しかけることがよい教育環境となったんです。幼稚園児に漢字を教えるなというのは、赤ちゃんに話しかけるなと言っているも同然です。違いは、話し言葉は耳から、文字は目から入るという点だけです。」
私は現在小学校で行われている漢字などの文字指導を否定しているのではなく、ご家庭での言葉と文字(漢字)の扱い方については自分のお子さんに「適時に指導する」という考え方でよいのではないですかとお伝えしたいのです。
うちの孫三歳児の話です。孫が二歳を過ぎた頃から食事中に左手を遠く離したまま食事する場面があったので、「左手を添えて」と私が言いながら左手を持って茶碗に添えさせていました。それが現在では「左手!」と言っただけで孫はサッと茶碗に手を添えるようになりました。これは上記で言う「話し言葉は耳から」に当たりますが、本人は「左手」の意味を「こっちがわの手のことね」などと理解しているのではないかと思います。そのうち、「左手」の漢字を見せてみようと思います。「写真記憶」するのではないかと楽しみにしています。
そういう私はと言いますと、kindleで簡単にダウンロードした書籍が溜まる一方で一向に進みません。もっぱらペーパーバックと言われる文庫本を手にしながら読むのが好きですし、まだまだ山積みの未読本があるのが嬉しいです。随筆や小説、ビジネス本など色々なジャンルの本を読みながら多岐に渡る言葉の表現の違いを楽しむのも一つの言語獲得の方法かもしれません。その中にはまだ出会ったことのない漢字表記があったり、著者独特の風景描写があったりして実に楽しいものです。歳を取ると読書は一つの脳の若返り効果がありそうで、こちらが期待大ですかな。長々と文章のみの本日でした。失礼します。
2025.11.25
11月21日(金)、美々津中学校のよのなか教室を参観してきました。第1時間目は、ホワイトファームの総務課長安達渉様の講話に1年生が参加しました。
ご自身の歩みを話された後に、鶏肉がどのように生産・出荷されているのかを分かりやすいDVDで紹介してくださいました。「美味しさと安心がこだわりの工場から」がキャッチフレーズで、年間約7000万羽を出荷されるそうです。「桜姫」「知床どり」「北のこしのごっこ」というブランド名で出されているようです。この食肉加工に関しては、現在ではほとんどがコンピュータ管理による自動化システムを採用しているということでした。映像には鶏肉を処理する場面もありましたが、事前に安達様が2回も注意喚起をしてご配慮していただいたおかげで、生徒からのあからさまな拒否反応は見られませんでした。

後半の「仕事を知る」場面では、人間関係づくりで「チーメイトの協力、そのためのコミュニケーションが大切」や、自己管理では「納期を守る、ニーズに応える」、課題解決方法では「原因の追究、再発防止の提案、継続及びチェック作業」、働く意義としては「自己の成長を続けられる、食づくりで社会に貢献する」などが大切だと生徒に語りかけられました。最後に安達様から「コミュニケーションを取ることと挨拶をしっかりすることが大切ですよ」とエールをいただきました。
第2時間目は、日向製錬所の総務担当主任日髙勝晴様です。初めの自己紹介で生徒たちが日向製錬所を知らないと答えた生徒が多いのはびっくりしました。確かに、場所が工業港一帯にあるため市内中心部の生徒でもその存在を知らないのかもしれないと、改めて日向の産業が多岐に渡り多く存在していることをアピールしないといけないと思ったところです。
日向製錬所では、ニューカレドニアから輸入したニッケル鉱石からフェロニッケルというステンレスのもとを作る事が大きな役割だと話されました。作業工程としては、①鉱石を乾かす、②焼く、③溶かす、④冷やすという4工程になるそうです。その作業の過程で排出されるものがグリーンサンドという細かい砂で、日向市内の学校のグランドにも敷かれているところもあると思います。

総務課の仕事としては、社員が働きやすい環境を作ることが大事で、場内の清掃活動もしているとのことでした。また、3交代は「夜0時から朝8時」、「朝8時から夕方4時」、「夕方4時から夜0時」、これを1日休みを挟みながら繰り返していくのは実に大変なことです。このことから、生徒には仕事は大変だなあという感想をもったのではないかと、生徒たちの背中を見て感じました。
後半の「仕事の意味」の時間には、「職場の良好な人間関係づくりに努めて」いて、そのためのコミュニケーションや挨拶を大切にしているとのことでした。自己管理として「趣味(マンガを読む)を継続することは心の平穏を保つということで、ひいてはそれが自己管理につながる」とのお話に生徒は共感していたようです。課題解決方法として「問題点を理解、共有する」、「対策を取り実行する」それが達成された時には自分が働く意義を感じると話されました。最後のまとめでは、日本ホワイトファームの安達様と同じく「挨拶とコミュニケーション」を強調されました。どの職場でも大切なことだと生徒は理解したのではないでしょうか。問題は理解の後に内省化し、それをしっかりと消化して体現する。それでなければ行動として表れないと思いますので、頑張ってください。
昔の教員(私)は、「皆さんいいですか?」児童生徒「…」、私「(大きな声で)イイデスカ!」児童生徒「ハイ!」という子どもの大きな返事を聞いて安心していました。これは間違いです。子どもたちは、ここではそう反応した方がよいと知っているのです。ご家庭でも身に覚えはありませんか?「イイ?」と尋ねて「ウン」を言わせて安心する。これは返事のみで、自分の中に落とし込んで(内省化)いないのです。確実に消化できているかどうかは子どもの言動に表れるので詳しく観察する必要がありますね。
2025.11.21
19日(水)から大王谷学園7年生による「14歳のよのなか挑戦」(職場体験学習)が始まりました。7年生なのに「14歳」というのは可笑しいかもしれませんが、前回のブログで書きましたように、大王谷学園中等部では7年生を対象に4月から計画的によのなか教室、事前学習などを経て今回の本番を迎えています。勿論これで終わりではなく、事後学習そして8学年、9学年へとキャリア教育が繋がっていくことになります。そのあたりにつきましては、また当校に聞いてみたいと思います。
さて、19日は、こちらの時間の都合もあり数か所のみ回らせていただきました。さすがに初日とあって緊張した面持ちで事業所の方の説明を聞きながら活動に取り組んでいる生徒たちでした。
保育園で記録をしている生徒に「今日は何か活動はしたの?」と聞くと、「はい、子どもたちと遊んでそのパワーに疲れました。」と、その若さでも保育園児のエネルギーにはかなわないのだと納得しました。また、機械製造所でウッドチップをコンベアで運ぶ土台となる金型の各部品をねじ止めする作業をしていた中学生に「どう、難しい?」と聞くと「はい、難しいです。」と六角アーレンキーの手を器用に動かしながら答えてくれました。
私が中学生(佐賀)の頃はこういった職場体験学習はありませんでした。今でも覚えているのは、知能テストに似たような職業適性検査というのが中2の頃にあり、業者作成のペーパーテスト後にどんな職業に適しているかを返却してくれるものでした。そしてその診断結果が返却され、どの職業分野に印がついているか楽しみに受け取ると、約二十くらいある職種をすべて囲むように大きな丸印が赤色鉛筆で付けてありました。つまり、どれにも的確だという診断です。これは喜ぶべきことではなく、愕然としました。友達のも見てみると何人か同じように大きな丸印が付けられていました。一体この適性検査とは何だったのだろうと、まったく疑問の残る消化不良のテストだったということを五十年経った今でも覚えています。そんな時間があったら、今のようにキャリア教育の一環として、よのなか教室やよのなか挑戦をさせてくれた方がよほど良かったと思います。(学習指導要領がそうなっていなかったということですね。)
キャリア教育の一つであるよのなか挑戦(職場体験学習)は職業への適性を目的とはしていません。あくまでも、生徒が働く人から仕事の社会的意義や自分にとっての意味、今から頑張っておくことなどを学び取る時間になります。そういう意味で今の中学生が実に良い体験学習をしている様子を見て、そんな大昔の出来事を思い出した午後でした。
2日目(20日)も生徒はどの事業所でも生き生きと活動し、こちらの質問にもはきはきと答えてくれ気持ちよかったです。ちょうど記録中の生徒のシートを見せてもらいました。5W1Hの観点で自ら問いを立ててこの体験学習に臨むようになっていたようですが、その生徒は「6W2H」も問いを立てていて感心しました。事前学習がしっかりしているとこのように体験そのものが生徒に確実に吸収されそれが事後学習へと繋がっていき、キャリア教育の目的を達成できると思いました。
そして本日は最終日3日目でした。食品売り場のレジ体験をする生徒や、バックヤードで商品のポップを作成する生徒もいました。毎日色々な体験をさせていただいているようですが、さすがに若者は呑み込みが早いようです。また、食品加工の工場内では完成したドレッシングを箱詰めする際の段ボール箱のシール貼りもひたすら黙々と作業をするという貴重な経験になったことでしょう。さらに、事業計画を発表するという困難な計画に挑戦した生徒もいました。大人の質問にも的確に答えていたことが印象的でした。
大王谷学園の皆さん、お疲れさまでした。これから貴重な体験をさせていただいた恩を返すために、自分の在り方生き方の中に体験をどう具体化して落とし込むか、そしてそれがどう行動に表れるか、そこが大切だと考えます。頑張りましょう。
事業所の皆様、ご協力本当にありがとうございました。無事3日間を終了できました。今後とも日向の児童生徒の生きる力のもとになるようにお力添えをよろしくお願いいたします。すべての事業所様を訪問できませんでしたので、ご紹介させていただきます。
㈱マルイチ江良店様・財光寺店様・大王店様、㈲天領うどん本店・新生町店様・梶木店様・財光寺店様・鶴町店様、社会福祉法人ひまわり会(永寿園)様、認定こども園伊勢ケ浜保育園様、(株)ベルフォート日向様、㈱MFE HIMUKA様、ケーブルメディアワイワイ日向様、㈱日向衛生公社様、日向市消防本部様、日向地区中小企業支援機構・日向ひとものづくりセンター様、虹工房様、株式会社黒田工業様、㈱内山建設様、日向商工会議所様、日向市役所ふるさとプロモーション課様、日向市役所建設部(都市政策課)様、合資会社ルミエール日向本部様、認定こども園日向なないろ保育園様、日向市立上町保育所様、済生会日向病院様、コープみやざき財光寺店様、ミツイシ㈱様、学校法人富高学園富高幼稚園様、イオン日向様、デイサービス心愛様、有限会社アイセック様、すくすくひなた保育園様、大王谷幼稚園様、大王谷保育園様、SEIKADO様
この場をお借りしましてお礼を申し上げます。お忙しい中、本当にありがとうございました。



2025.11.19
本日は、キャリア教育につきまして改めて学校の教育活動の中での位置づけにつきまして考えてみたいと思います。硬い話になりますがお付き合いください。
学校においてキャリア教育は教育活動全体で実施することになっています。その中で中核となる時間は「特別活動」の時間になります。特別活動は、学級活動、児童会(生徒会)活動(委員会活動など)、クラブ活動(中学校にはなし)及び学校行事で構成されます。そのどれもキャリア発達につながる活動になりますのでキャリ教育と関わりがあるのですが、特に年間35時間、つまり週1時間の学級活動の時間に「学ぶことと将来へのつながり」としてのキャリア教育が要として位置づけられています。したがいまして、キャリア教育の要となる学習は「特別活動(学級活動)」になります。中学校や高等学校には「進路」の学習内容が位置づけられていますが、小学校に「進路」は学習指導要領上には位置づけられていないので、「自己の生き方についての考えを深め,自己実現を図ろうとする態度を養う」として学ぶようにしています。具体的には「一人一人のキャリア形成と自己実現」を設け、キャリア教育の視点からの小・中・高等学校のつながりが明確になるように学習を設定しているのです。また、中学校においても「一人一人のキャリア形成と自己実現」については,一人一人の意思決定を行うことを示しています。つまり、以前からお話しているように、自己の在り方や生き方について考え、振り返るのがこの特別活動の時間になるということです。具体的な学級活動の内容としては、たとえば小学4年生で見てみると「4年生になって」とか「日直・係の仕事」などのようなタイトルでよく4月に行われているところです。
小学校には「進路」の学習がないと申し上げましたが、現行学習指導要領が施行された年度で10年前と比べてすでに、入学者選抜を実施している私立学校が46校、中高一貫併設校及び中等教育学校(国公立)が338校増加しているのですから、受験(受検)する6年生が増加している状況を考えると、今後の学習指導要領には小学校においても「進路」の学習が含まれてくるのではないかと予想しています。
以上のように、キャリア教育は特別活動を要としているとはいえ、全教育活動を通して行われなければなりません。では、キャリア教育が各教科学習の中でどのように位置づけられているのか、その一部を見てみましょう。
「伝記を読み、自分の生き方について考える」という内容が国語に組み込まれ、また、「電気の働きを利用した道具が生活を支えていることを理解する」という学習が理科に入ります。道徳になると、「先生や学校の人々への敬愛を深め、みんなで協力し合いよりよい校風をつくる。」などのような時間もある訳です。
学校教育全体でのキャリア教育をイメージを図式化したものが以下になります。(例:中学校)

整理すると、キャリア教育は学校の全教育活動を通して行うもの。「進路」や「生き方」について深く考えさせ直接的に指導する時間が特別活動の時間になり、各教科の学習でもキャリア発達につながる学習内容が盛り込まれ、探究的な考え方、まとめ方ができるように重点的に指導しキャリア教育の体験的な学習をする場が総合的な学習の時間ということになります。
本日からは大王谷学園7年生がよのなか挑戦(体験学習)をスタートさせています。4月からのよのなか教室や事前学習などを経て本日を迎えたことと思います。3日間が充実することを願います。事業所の皆様よろしくお願いいたします。
2025.11.18
15日(土)、初めて女子サッカーの公式戦「皇后杯」を観に行きました。前日宮崎にいて新聞を読んでいましたら、門川出身であるヴィアマテラス宮崎の水永監督が今大会で退任されるという記事がでていたので、これは行かねばなるまいとなったのです。

スタジアムは想像を超える大きさと立派さで圧倒されました。サブグラウンドなども充実していてフィジカルセンターも設置されていました。インターチェンジから近いのですが、アクセス道路が少し狭かったかなと思います。

さて、試合ですが、相手は日体大SMG横浜という、やはりヴィアマと同じくなでしこ一部リーグのチームです。試合は始まってすぐにゴール前の接戦からヴィアマが失点してしまいました。その後、見事なシュートで1点を取り返し後半へ入ります。するとまた日体大SMGに1点を取られましたが、またヴィアマが取り返すという大変面白い試合になりました。同点に追いついたので、さあこれから逆転に進むというはずが、相手に追加点を許し結局そのまま試合終了となってしまいました。

試合後監督は、たくさんの応援をもらいながら勝ちきれなかったのはすべて監督の責任だと語っておられましたが、失礼ながら、見ていて大変面白い、感動する試合でした。点を取られても決して諦めず点を取り返すというあたりがこのチームの底力なのかもしれません。以前テレビ番組で、ヴィアマの選手が新富町の地域協力隊として地元に根付きながら町民と深く触れ合って活動を続けている姿を見ました。それで町民の高齢の方々がサッカー場まで出向いて選手を応援するようになり、まさに地域一体型のスポーツだと深く納得する次第でした。監督は「戦い敗れて兵を責めず」というリーダーとしてあるべき姿を見せてくれたのだと解釈しています。私の好きな言葉に「桃李もの言わざれど下自ずから径を為す」があります。水永監督は、本当は恥ずかしがり屋で人前に自ら出ていくタイプではないと聞いていますが、監督のように多くを語らなくともその人格に人は付いてくるという皆に慕われる人材が日向圏域から輩出されることを心から嬉しく思います。私も益々キャリア教育に力を入れ、現在の仕事を頑張らなければならないと心に秘めながら、まだ爽やかな霧島下ろしが頬を撫でるスタジアムを後にしました。

*同日の男子サッカー、水永監督前所属のテゲバジャーロ宮崎はAC長野パルセイロに勝利しJ2昇格へのプレーオフ進出を決めました。こちらもこれから目が離せません。
2025.11.17

今朝5時半には西の空頭上に冬の大六角形であるシリウス、リゲル、アルデバラン、カペラ、ポルックス、プロキオンがくっきりと輝いていました。すると間もなく東の空が朝焼けを初め、まだ空高くペーパームーンの三日月が地球照によって影の部分をうっすらと照らしていました。それらの光景はとても美しく、早起きで三文の徳を得た気分でした。
昨日午前中、日知屋東小学校にてオープンスクールが行われました。市内のよのなか先生が講話をしていただくということで参加しました。
まず6年2組でサンシャインアカデミーの藤江顕様からJICAで働いた経験を通して働く意義や将来への目標をもつことについてお話をいただきたました。
中学受験で失敗したことやJICAに入り色々な国を訪問する中で体調を崩したことなどを児童によく伝わるように話していただきました。

アフリカというと広大なサバンナと野生動物という風景を想像しがちですが、ケニアの首都ナイロビは人口が400万人以上いて、人口としては三分の一の福岡市くらいの都会的な雰囲気をもっている高層ビル群のある街に驚きました。さらに、原野の写真には、乾燥地帯と野生動物が写っているものもありましたが、バオバブの木の周辺に、なんと青々とした稲の平原が広がっている写真があったのです。日本の技術協力のもとに稲作が広がった風景は私には大きな驚きでした。「自分以外の人生も考えてみることで豊かな人生になると思うよ」とご自身の経験から子どもたちに語りかけておられたのが印象的でした。

ワークライフバランスはとても大切でメリハリをつけて働くことが必要になると強調され、職員には休みをとってコンサートへいってらっしゃいなど、働き甲斐についての必要性を説明されました。また、「食べ物が体の栄養になるように、人から感謝されることは心の栄養になるので、心と体の健康を保つためには人の為に何かをしていくことが大事だ」と諭されました。さらに、「皆さんにはチャンスがたくさんあるので、いろんなことにチャレンジしてほしい」と今から頑張ってもらいたい方向性を示されました。
続いて、4年生は体育館で合同のよのなか教室を行っていました。
クリーン日向の鈴木睦代様が廃油でキャンドルを作る活動を進行してくださいました。各家庭から持ち寄った廃油を集め、4年生の先生方も総出で凝固剤を混ぜ各グループに小分けしてアルミカップに流し込みました。ただ流し込むだけではなく、段階を追って一段目が固まるのを見届けてからキャンドルの芯を立て、その後、2段目の廃油を流し入れるという手順が必要なことを子どもたちは学び取りました。

私が体育館に到着した時にはすでに活動が始まっていて、前半の学習内容については、子どもたちがメモしているワークシートから読み取ることができました。クリーン日向では20年ほど前からペットボトルのキャップを集めていて、貧しい国の子どもたちのワクチン接種のための資金づくりに取り組み、これまで8万人から9万人の子どもたちに提供することができたそうです。まさに「捨てればゴミ、分ければ資源」なのだと体感的に子どもたちも学んだことと思います。
昨日の日知屋東小学校でのよのなか教室は、オープンスクールという機会を捉えての活動となりましたので、たくさん来られていた保護者の皆さんへ学習を提供する場としてもとてもよかったと思います。日向市内には直接海外へ出向いて貢献する方やそういう人材を小さい頃から育成する仕事の方、廃棄物を有効活用して世界に支援をしている方など実に幅広い分野で活躍されている方々がおられ、それを身近に学習する良い機会となりました。昨日はほかの学年でも事業所の方をお呼びし学習をしている学年があったと聞いています。ご協力いただきました皆様、本当にありがとうございました。
2025.11.12
台風26号はフィリピンに甚大な被害をもたらしています。何ができるか考えたいと思います。
さて、宮崎県の天気は良くないのですが秋は星を見るには絶好の機会なので、壮大な宇宙へ思いを馳せながら夜空を見上げるのはいかがでしょうか。好きな分野ではありますが宇宙に関する知識が深い訳ではありませんので表面的な話になりますが、長いようで短い人生に宇宙が送ってくれる癒しの輝きについて、しばしおつきあいください。

車輪銀河(提供:NASA, ESA, CSA, STScI)AstroArtsより
我々地球人にとって5億光年という天文の単位はまったく想像の彼方の世界でイメージすることすら難しい距離になります。光が一年で進む距離が1光年で約9兆5000億kmであり、月までが約38万kmで、太陽までが約1億5000万kmということです。
夏の星座である大三角をつくる、こと座のベガ、はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイルは小学生で学習するので有名ですが、ベガが織姫でアルタイルが彦星という別名があります。この大三角をつくる3つの星はデネブが天の川の中ほどに見られ、ベガとアルタイルが天の川を挟んで対峙している、つまり地球から見ると、大三角が同じくらいの平面で三角をつくっているように見えますが、実は、デネブは地球から約1400光年離れていて、ベガは約25光年、アルタイルは約17光年離れているので、どれも同じくらいの位置にあるということではありません。あくまで地球から見かけ上の形で、星座は夜空の大きな天球に張り付いたように見えるだけです。地球から割と近い「天狼」と呼ばれるおおいぬ座のシリウスでさえ約8.6光年離れているので、星々は途方もない位置にあることが分かります。

霧島にて
私たちは、直径が約10万光年ある天の川銀河に暮らしています。不思議だと思いませんか?銀河の中にいて、どうして天の川が見えるのか? 私たちが暮らす太陽系は、その天の川銀河の中でも端の方にあり、中心から約2万8000光年の位置にあるので、渦の中心(巨大なブラックホール)方向から伸びている「腕」と呼ばれるほかの「川」を見ていることになります。沢山ある「腕」のうち、我々は「オリオン腕」に暮らしています。この天の川銀河の中だけでも太陽のような恒星が約1000億個以上もあるとされています。そうなると、興味のある人は「なら宇宙人はいるのか」と思いたくなります。世の中には、その地球外生命体(ET)を見積もる計算式を考えた人がいるそうです。その話も長くなるのでまたいつか・・・。
現在の研究では、理論上の宇宙の果てまで約500億光年の位置までは分かっていてその先はまだ分からないそうです。その宇宙全体には、我々の住む天の川銀河のような銀河が約2000億個以上あるとされています。

御池にて
初めに話を戻します。1光年ですらすでに想像が難しくなるのですから、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影した「車輪銀河」の約5億光年先の位置を想像することは無理なことですが、そのような遠い宇宙にこのような美しい輝きを見せる銀河があるということを想像することは楽しいことではないでしょうか。その中には太陽系みたいな天体のグループがあり、地球のような星があれば誰かが自分と同じように夜空を見上げているのかななんて想像するのも楽しいです。地球から見て太陽と反対側の150万kmの宇宙を漂いながら今後も撮影可能な距離を延ばすであろうジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の活躍に期待したいと思います。
そうそう、私たちの天の川銀河と220万光年の距離にあるアンドロメダ銀河は今後衝突するということが分かっています。エッ!衝突!大変! しかし、広大な銀河なので太陽のような恒星同士が衝突する可能性はほとんどないと言われています。そもそも衝突は約40億年後だそうです・・・。

クルスの海のモニュメント
2025.11.11
今日は少し硬い話になりますが、これからの時代に益々求められる探究的な学習についてのお話になります。
学校におけるキャリア教育は特別活動を中核としながら各教科、道徳、総合的な学習(探究:高校)の時間という様々な教育活動を通じて基礎的・汎用的能力を育成することになっています。その中で特に小中学校では総合的な学習の時間を中心に探究的な見方・考え方で課題解決力を養うように設定してあります。学習指導要領では、「探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成すること」を目指すのが小中高を通して一貫しています。高校ではここに「自己の在り方生き方を考えながら、よりよく課題を発見し」という内容が加わることになります。「自己の在り方生き方」は高校での目標ではないか、ということですが、平成30年度には文科省は「将来の在り方・生き方を主体的に考えられる若者を育むキャリア教育推進」として小中高の体系的なキャリ教育を推進する方向を示しています。つまり、日向市のキャリ教育支援事業である「よのなか教室」や「よのなか挑戦」で目指す「自己の在り方・生き方を問い、生き抜く力を育む」という方向性は正しい方向であると言えます。
そこで本日は、総合的な学習の時間では探究的な見方・考え方をきちんと育てているのか、児童生徒が「何かよくわからないことをしている」とは感じていないか、つまり学びにリアリティがあるかという点について、教育ジャーナリストである中曽根陽子氏の記事「浅いレベルの調べ学習で終わっていないか」をお知らせしたいと思います。
探究の時間は課題に向きあい、力をつける最善の機会のはずですが、求められる要求が高まる中、教員の負荷も増しており、頭を悩ましている先生も多いのではないでしょうか。そんな中、単なる調べ学習に陥りやすい探究学習が、「グローバル視点」と「問いを立てる力」に確実に結びつく、学びに変わる探究メソッドと情報ツールがあるというので、取材をしました。今回話を聞いたのは、探究メソッドを作った慶應義塾大学名誉教授の田中茂範氏と情報ツールRuleWatcher edu.を作ったオシンテックの代表小田真人氏。そして、このプログラムを実践している麗澤中学・高等学校の瀧村尚也氏です。現状の探究活動がうまくいかない2つの理由について慶應義塾大学名誉教授の田中茂範氏は「今の日本の探究プログラムの課題はメソッドがないこと、そして評価方法が明確でないことだ」と言います。その結果、学校や業者が用意したプログラムをこなすだけに終わっていたり、単なる調べ学習になっていたりするケースも決して少なくありません。実際、ある学校で、探究の時間は何をしているのかという質問に、「何かよくわからないことをしている」と答えた生徒がいました。本来、探究学習は「日常生活や社会生活に目を向け、生徒が自ら課題を設定する」ということを目標にしているのですが、そこに至るまでの適切なサポートがないと、浅いレベルの調べ学習で終わってしまいかねないのが現実です。しかし、正解を教える教育に慣れている教員にとって、正解がない授業を設計し評価まで行うのは、なかなか簡単ではありません。メソッドは次の4段階。… 1 現状を知る 2 物事の捉え方・考え方を学ぶ 3 探究活動のしかたを学ぶ 4 自分の探究(研究)を行う 「何が起きているか?」「どのような状況か?」といった記述的問いで現状を視察し、「なぜそうなるのか?」「どのような要因が関与しているか?」といった分析的問いで原因を掘り下げ、「他の現象とどう関連するか?」「全体としてどう理解すべきか?」といった統合的問いで、枝を広げ、つながりを発見し、時間の流れを理解できる… 田中氏は、「この問いは、どんなテーマにも共通して使えるし、物事を多面的に見る思考方法が身に付く」と言います。
そこで、生徒が社会の現状を知るツール情報ツールとして、オシンテックの代表 小田真人氏が作ったRuleWatcher edu.を紹介しています。これは「政府やNGO/シンクタンク/国際機関の発信情報を一元化 」した情報分析で登録が必要なアプリになりますが、生徒が興味を持った情報にアクセスすることで次々に新しい情報と出会い、最終的に自分の最も興味のある問題にたどり着くという情報ツールになります(小学生には難しいですが)。例えば、「ある生徒は、最初に入れたバナナというキーワードからウォッチしていき、最終的にアフリカの貧困地域に関する記事に辿り着き、世界の貧困問題に関心を持ちました。」というような具合になります。そして、これを学校教育に取り入れたのが、麗澤中学・高等学校の瀧村尚也氏になりますが、内容は長くなるので省略して紹介します。
麗澤中学・高等学校の瀧村尚也氏によると、子どもたちは年齢が上がれば上がるほど、これをすれば正解だということをキャッチし、先生の期待に応えようとするそうです。それで良い評価を受けると、また正解探しの悪循環が生まれてしまう。しかし、それでは自ら考える力は身に付かないし、AIの出してきた答えを鵜呑みにする人を育成することになってしまいかねません。「本来探究とは、自分が気になって仕方ないことを探す旅路だと思っていますが、生徒たちはちょっとした情報との出会いで目が輝く瞬間があります。そんな生徒の輝く瞬間を見ていくのが教員にとっても喜びです」と瀧村氏。やはりいかに自分ごと化できるかが、探究活動成功のカギのようです。大切なのは、学びにリアリティがあるかどうか。田中氏は、「学びにリアリティがあるかどうかが欠かせない」と言います。生徒にとって意味があるか(Meaningful)。嘘っぽくないか(Authentic)。実感を持って問題を受け止められるか(Personal)。この頭文字をとったMAPの原理が、教育の導きの糸になるのです。この機会に、現場の先生も、今やっていることが、生徒にとってリアリティのある活動になっているかを見直してみてはいかがでしょうか。…生成AIの活用が当たり前になった今、人間の知的作業は自動化され、残る人間の価値は多次元で考える思考能力だと言われていますが、それによって人々の共感を呼び起こすような選択ができるかどうかが問われます。
私も以前理科の授業をしながら「意味・真実・実感」という学びのリアリティは追究していたつもりですが、児童生徒の認識とはかけ離れていたのかと振り返ってしまいます。今日のこの時間の学習にはどんなリアリティがあるのか、この学びが将来にどう繋がるのか、毎時間意識する授業を目指したいものです。
【参考】

2025.11.10
MLBドジャースがWSで優勝し早1週間以上になります。野球好きな方は感動を共有されたのではないでしょうか。私もその一人です。サムライ3人衆の活躍は皆さんよくご存じの通りだと思います。一方で、チームメイトであるアレックス・ベシア選手が大勝負の舞台を欠席していたことに対する出場選手たちのエピソードには改めて生きていく上での大切な視点を与えられた気がします。すでにご存じの方も多いとは思いますがご紹介したいと思います。
10月23日(日本時間24日)、WS前日にドジャースは救援左腕ベシアがチームを離脱すると発表した。球団によると、離脱理由は家族の深刻な問題に向き合うためで、公式Xは「心から悲しいお知らせですが、アレックス・ベシア選手は、妻ケイラさんとともにチームを離れています。ドジャース組織全体は、ベシア一家に心からのお見舞いと祈りを送っています」と伝えた。
この発表を受け、ドジャース救援陣はWS期間中、ベシアファミリーとの共闘を示す意味で、帽子にベシアの背番号「51」を縫い付けて登板した。そして、この動きは対戦相手であるブルージェイズ側にも広がり、救援陣がドジャースと同じく帽子に「51」を刻みマウンドに立った。
敵味方関係なくベシアファミリーにエールを贈る行動は、多くの称賛を集めた。“キケ”ことエンリケ・ヘルナンデス内野手は「ブルージェイズがああいうことをしてくれたなんて、本当に信じられなかった。WSという最高の舞台で勝利を追い求めている時でさえ、彼らは“人生には野球よりもっと大切なことがある。野球はあくまでスポーツなんだ”と分かっている。あの状況でそうした行動をとってくれたことに、敬意を表したい。そして、我々は彼らに感謝しているということを伝えたい」と語った。また、ロバーツ監督も「本当に大事なものは、まさにああいうことなんだ。本当にアスリート同士の絆を表していると思う。お互いにどれだけ尊敬と愛情を持っているかを物語っている。これはアレックスへの、とても大きな敬意の表れだよ」と、感謝の弁を述べた。
<MLB総合ニュースより>
ワールドシリーズの頂上決戦という大舞台においてでさえ敵の選手にリスペクトを示すことができるその心の在り方、それこそが人として目指す一つの姿ではないかと改めて考えさせられました。「キャリアを積み重ねる」というのはまさにここにあると思った次第です。「自己の在り方、生き方」が問われるという見本を私も肝に据えたいと思う出来事でした。
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