日向市キャリア教育支援センター ブログ

2026.05.18

日向学びの学校研修会

 

 先週、市内各小中学校の先生方が集まり日向学びの学校研修会」(キャリア教育)が行われました。 

 初めは教育委員会から、日向市で取り組むキャリア教育の全体像の説明になります。「私たちが目指す『未来を担う人』の3つの姿」では、「日向市で成長し活躍する人」「日向市に帰り活躍する人」「日向市を外から支え応援する人」といういずれかの姿で日向を応援することができる大人に育てましょうという内容でした。セカンドキャリアで帰って来たときの受け皿として、たくさんある事業所を思い起こしてもらいたいと思います。 

 続いて、私のプレゼンテーションは「4つの力を目指す日向市のキャリア教育~よのなか教室の実際~」というテーマでお話しました。このブログでいつも書いていますが、キャリア教育の「4つの力」(かかわる力、見つめる力、やりぬく力、見通す力)に焦点化したキャリア教育を進めていることを紹介しました。今回は、日向市に初めて転入された先生方もおられるため、このように日向市で取り組んでいるキャリア教育の基礎からお話しました。

 後半では、「よのなか教室」の模擬授業をスタッフが「よのなか先生」役と学校の先生(学担:ファシリテーター)役になり実演しました。

 研修後のアンケートにも、「模擬授業で実際の雰囲気が分かりました。」や「ファシリテーターのやり方が参考になりました。」「よのなか教室がどのような形で実施されるのかが分かり易かった。」などの感想が出されました。

 今回は、中学校区ごとの演習の時間を確保しました。「ここで社会人を呼んで話をしてもらおうか。」「事前学習も入れるように言っていたけど、教育課程上はなかなか難しいなあ。」と率直な意見交換がなされていました。

キャリア教育は総合的な学習の時間だけでするものではありませんし、むしろ中核となる学級活動の中で進路指導や生き方の学びとして学習することがあります。ですから学級活動に「よのなか教室」を位置づけても、それが目標に合致していれば問題はありません。要は、キャリア教育が「生き方実現の教育」であるという目的をどうクラス・学年単位に引き込むかということになります。

  

 各校区で真剣な話し合いがなされ、演習の感想では、「キャリア教育に絞った校区内での協議ができてよかった。」や「学年の担当が年々修正していくため、全体としての系統性やバランスを整理する必要がある。」「この研修内容を学年に広げていくことが難しい。(時間の確保)」など、切実な課題を出していただきました。

研修講話の総合評価には「知っていることが多かった」との意見もあり、これは私として反省していかなければなりません。現在はQRコードですぐに評価を回収、集約できるので便利な時代になりました。

このブログは学校関係者だけでなく事業所の方一般の方など広く読んでいただいております。今回の研修の報告で、学校現場が大変苦慮しながら、それでも日々頑張っていることが少しは伝わったでしょうか。学校の教職員は教科学習や進路指導、生徒指導、部活動指導など多くの課題を抱えながら、人権教育、環境教育、健康教育などなど、実に多くの○〇教育をしていかなければなりません。その上で当センターとしては、トータルで児童生徒の生き方実現につなげやすいキャリア教育を頑張りましょう、と呼び掛けています。

 事業所と学校が、「日向の大人はみな子供たちの先生」として手を取り合って子どもたちが未来へのキャリアを重ねていけるように、すべての皆様に見守っていただきたいと思います。

 

 次回のキャリア教育研修は6月になります。今度は中学生の「よのなか挑戦」にテーマを絞って、事業所の皆さんにも参加を頂き意見交換を行います。

2026.05.14

Just the way you are.

 最近の雑誌から。

 

 すかいらーく創業者で高倉町珈琲会長の横川竟(きわむ)氏は、「人間は何で磨かれるのか。それは経験を積むことです。・・・自ら気付かない限り、いくら人に言われても身に付きません。挑戦と失敗を繰り返して学び続けることが、自分を磨き高めることになる。」と語られていますが、血のにじむような努力は到底真似できることではありません。店頭に傘のビニル袋を置いたこと、コーンスープにコーンが入っていること。これらは横川氏が始めたことだそうで、人のやらないことをやるをモットーに実践されてきたとのことです。

高倉町珈琲HP

また、日高屋創業者でハイデイ日髙会長の神田正氏は「人間を磨くうえで大事なのは素直・謙虚でいること」だと言われます。こちらは、「枯れ葉の浮く水たまりから水を引いての生活」という極貧の生活の中でも、傷痍軍人の父に代わり母親が懸命に育ててくれたことが原点にあるそうです。

日髙屋HP

 監視カメラレンタルのMIYOSHI社長佐藤英吉氏は、早くにがんで亡くなった母親が楽器をフィリピンに贈る慈善活動をされていた生き様が根底にあるようで、「我々の行動が誰かの希望になっている」と「利他の精神」から「寄付経営」というスタイルを続け、社会貢献や社員の誇り一体感を目指されています。

産経新聞

 

円谷英二監督のプロダクション創成期からのスタッフで映像制作プロダクションSORA1代表の田中敦子氏も「記録は記憶。正しく記録して残せば、風化した時の検証材料になる。」と、決して支援金やスポンサーを付けて忖度し真実を曲げることはしないという姿勢を貫く方です。東日本大震災の裏側を記録したドキュメンタリーを全編見てみたいと思いました。

SORAHP

 

 

 それぞれの方が自分の向く方向へ猪突猛進されて今があるのだと思いますが、共通するのは人に恵まれたことではないかと思います。しかし、単に周囲がご本人に目をかけてくれたということではなく、ご自分が声を掛けられる存在であったということが大きいと思います。それは、真っすぐに突き進むために、先達からのアドバイスを素直に受け入れ謙虚に行動する態度、姿勢をもっていたからこそ、先輩方が力を貸してくれたのではないでしょうか。そういう意味で「ありのまま」であったのであり、その後の進む姿勢も「ありのまま」突き進まれ、現在があるのだと思います。Just the way you are.は、孫の保育園のお寺に書いてあった言葉です。「そのままの君で」と添え書きがありました。

 歳を取るとどうも頭が頑固になってきている実感があります。これではいかんと、多くの人の意見を聞いたり、このように色々な先達のお話を読んだりして、少しでも固くならない頭にしようと日々精進であります。

The more stubborn you are , the more isolated you become.(頑固になればなるほど孤立するよ)

■本日午後の研修でも少し触れる内容なのでこの辺で… 

2026.05.13

喝采

 

  昭和歌謡と言えば皆さんは誰を思い浮かべるでしょうか。私もたくさんおります。その一人ちあきなおみさんの大ヒット曲「喝采」は、まだ小学校中学年だった私には力強い歌と自己主張をするような手の上げ方が印象的な歌くらいにしか感じ取っていませんでした。この歌が一人の女性歌手の悲恋を書いたものだったと知るのはずっと後になってからのことです。

YouTubeオフィシャルオーディオ

「恋の歌うたうわたしに 届いた報らせは 黒いふちどりがありました」「教会のまえにたたずみ喪服のわたしは祈る言葉さえ 失くしてた」

作詞の吉田さんが歌を完成させた後、それを見たちあきさんはご自分の実体験と重なってしまって驚き、とても歌えないと言われた話も残っています。

 

本日は歌謡曲のお話ではなく、大ヒット曲の裏側にある人の「別れ」という誰にも訪れす命題に対して、命を伸ばす医療分野に果敢に挑戦する高校生がいるという記事を「高校生新聞」に見つけましたのでご紹介します。

富山県の高専2年生・張契洙(チャン・ソルス)さんは、独学で医学や工学といった知識を身に付けながら未だない「完璧な人工心臓」の開発に挑んでいるそうです。

3時の手塚治虫監修漫画に興味をもち、小6から独学で研究を続けているそうです。今の人工心臓は約1800万円と高価なのでコストを下げるために、レアアースを使わないモーターの開発に取り組んでいるということですが、その構造は私には理解できません。

高校生新聞

 

学校から帰宅後夕食や入浴、学校の課題やピアノ練習を終えた後、夜8時から11時まで研究を続け、休日には、朝7時半から夜まで一日中研究に没頭するといいますから頭が下がります。医療や産業分野の難しい専門書も読み、徹底的に独学を貫く姿に、医療の勉学は医学部でという固定概念を覆すだけでなく、学問はいつでもどこでもできるという向学精神を見せつけられた気がします。(ここもDo What to likeでしょう)

「行き詰まった時は、家族や先生に相談します。異なる視点からの意見が新たな発想につながります。」と柔軟な姿勢もあり、飽くなき追究精神で「終わりがないから進められる。終わりがないからこそ、どんどん研究を進めていけます。」と、きっと本日も夜中まで研究に没頭するのでしょう。

同前掲

 

 近い将来、張さんが開発した人工心臓で多くの人が救われる日が来るでしょう。彼が喝采を浴びる日を待ちたいと思います。或いは、私自身もお世話になるかもしれません。いやお世話にならない健康の方がいいのでしょう。今更ながら、この世で100%分かっていることは「人は死ぬ」ということです。スポットライトを浴び一世を風靡した冒頭のちあきなおみさんも大切な人との別れを経験されました。少しでも医療技術の革新で救われる命が増えることを願いたいと若い研究者に期待します。

 

さて、ちあきなおみさんと言えば、もう一つのヒット曲「四つのお願い」があります。現在のキャリア教育では「四つのお願い」ではなく基礎的・汎用的能力である「四つの力」の獲得を目指すプラグラムを提供しています。「人間関係」や「課題への対応」などの能力になります。しかしこれは、健康であればこその学校教育の中で養われる学習目標になりますので、まずは健康で学校に通えることを願います。今後は、学校に通えていない児童生徒に対するプログラムも考えていかなければならない時代に入っていると感じています。

キャリア教育では「四つのお願い聞いてほしいの」と甘く囁いても「四つの力」は獲得できませんので、事前学習にて「聞き取るポイント学習」を、そして本番のよのなか先生の学習で「四つの力」のどれか一つでも獲得してもらえるように「事前・本番のセット学習」を推奨しています。 

 学校は5、6年で職員が大きく入れ替わります。また、事業所も人事異動は行われることと思います。そうすると、日向市のキャリア教育を持続的に発展させていくためにも当キャリア教育支援センターの役割は大きいと認識しながら「それでも私は今日も…歌っている」(「喝采」)ように向上し続けたいと思います。あくまでも「喝采」を浴びるのは子どもたちであることを肝に銘じながら・・・。

2026.05.12

事業所と学校のよのなか挑戦

 

 現在、日向市キャリア教育支援センターでは、本年度の「よのなか教室(社会人講話)」と「よのなか挑戦(社会体験学習)」の事業の計画を着々と進めています。4月に市内各学校への研修・授業アンケート調査を行い、それに基づいて一年間の予定を調整しているところです。各校の要望に応じて、どのようなよのなか先生(講師)をいつマッチングさせるかという計画になります。

 一方、「14歳のよのなか挑戦」につきましては、全中学校ではありませんが昨年度の実績に基づいて協力事業所の受入可否を確認している最中になります。年度当初で各事業所も大変忙しく、事前にお送りしたメールが埋没している可能性もあります。それを確認する作業から始まります。

現代の厳しい社会情勢の中では、中学生を受入れること自体が難しくなっている事業所もあります。また、事業所の社会貢献という意味では中学生に体験してもらいたいのは山々ではあっても、昨今の人手不足の状況から受け入れを断念せざるを得ない事業所も出始めています。学校からすればそのような状況が伝わりにくく、ともすれば学年の年間行事バランスで体験学習を判断しがちになる場合があり、対応する事業所の状況が見えないこともあります。

 遠い世界の事象のように思っていた原油紛争などの世界情勢が私たちのごく身近な地域にまで影響し、それが「よのなか挑戦」の受入可否にまで影響するかもしれないということを感じざるを得なくなります。それが、事業の見直し受入時期の問題など多くの事情が重なって、学生に対する協力を断らざるを得ない事態に陥っている事業所もあるということを学校では理解していく必要があります。

 ですから学校では、今後も同様の学習が同じように展開されるとは限らないことを踏まえ、事前、事後の綿密かつ丁寧な対応が求められます。その上で難しい部分につきましては当センターもお力になりたいと思いますので、学校はご相談ください。事業所の皆様につきましては、そのような厳しい中にもご協力を頂いておりますことに感謝申し上げます。

 来月から12月まで、市内各中学校が「14歳のよのなか挑戦」と銘打って社会体験学習(職場体験学習)を実施させていただきます。せっかく事業所で約3日間を体験させていただきますので、ミッション解決型(課題解決型)として中学生自らが「問い」を立てて解決できますように、事業所の皆様にはお力添えをいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

2026.05.11

すべてエッセンシャルワーカーでは?


連休中はとフェニックス自然動物園へ行きました。昨年の「キリン泣き」にリベンジすべく再挑戦ということです。近寄らない距離ではありましたが、「かわいい。」と感想を発することができ成長を感じさせてくれました。最後まで歩くことを頑張った孫ですが、帰りには流石に「足が痛い。」と言って抱っこをせがみ、ゲートまでの長い上り下りを抱っこして歩く時、私は自分に「歩荷訓練(ボッカクンレン)だ。」(登山のトレーニングでかなりの重量を担いで重さに慣れる訓練)と言い聞かせながらの修行僧となりました。

 

と、連休の終わりを安心していたら、あれよあれよと孫が体調を崩して病院に駆け込むとRSウィルスとの診断を受けました。厚労省のHPには、

RSウイルスの感染による急性の呼吸器感染症で、乳幼児に多い感染症。初回感染時には、より重症化しやすいといわれており、生後1歳までに50%以上が、2歳までにほぼ100%の乳幼児が少なくとも一度は感染する、とされています。潜伏期は2~8日とされ、発熱、鼻汁、などの上気道炎症状が数日続きその後、場合によっては、気管支炎や肺炎などの下気道症状が出てきます。喘鳴(ゼーゼー)や呼吸困難、さらに気管支炎の症状が増加します。重篤な合併症として注意すべきものには、1歳以下では中耳炎の合併症がよくみられる他、無呼吸発作、急性脳症等があります。

 とありました。

医療チーム・医療従事者のイラスト

 孫は重篤化の傾向が見られたので市内の小児科医から県病院受診を進められ、結局そのまま入院となりました。幼児が入院となると付き添いが大変で、交代で付き添うことにしました。昨日からは私の番です。昨年、私が宮崎市の病院で母親の付き添いを行った際には、病院施設が新しいこともあって寝心地そのものは快適でした。その印象があったので、昨晩は贅沢を言ってはいけないと自分を戒めました。それでも、主治医、当番医の先生を初めスタッフの献身的な対応があり、不便さは感じませんでした。おかげさまで、快方に向かい本日お昼に退院することができました。

 

医療従事者と患者のイラスト

 三歳児が手に点滴24時間繋がれっぱなしでいる痛々しげな姿は身内とはいえ、可哀想でした。本日気分は上々で退院したものの5日間のベッド生活で足腰が弱っているようでしたが、徐々に回復しているようです。

 

HIV検査のイラスト(男性・胸リボン)

 私は現在、児童生徒の「将来の仕事」「夢」に方向付けをする仕事をしているので、病院では、その仕事はどのような分業を行っているのか、対応が実に的確でスピーディだけどどのように連携しているのか、初対面の相手に対しても応対が気持ちよくできているし、患者の現在地を示す評価シートが付き添い者の確認のもとに行っているな、などとついつい業務過程を見てしまう自分がいました。

 医療に関する人手不足は深刻な問題ですが、すべての仕事が社会を成立させていると見ることができ、その基本単位は一個人であることを改めて考えさせられた2日間でした。

 人々の健康が安全・安心のもとに叶えられように、周囲の健康な者は関りながら注意深く観察・支援をしていくことで大なり小なりのコミュニティが成立します。そして自分の地域・国家がそれらのコミュニティを支えてくれる社会であるという安心が一人一人の安定した生活になると再認識しました。何はともあれ、孫が復帰できそうでよかったです。

2026.05.08

重力に逆らう


 大型連休が終わり、本日はもう8日。5月が一週間すぎてしまいました。早いものです。私は遠出もせず、孫の相手が中心だったような曖昧な連休でしたが、最終日の昨日にやっと私の時間が訪れ、仲間と北方町比叡山に今シーズン初のロッククライミングに行きました。興味をそそらない話ですがお付き合いください。

 

減量ができていない体を持ちあげるのはこんなに大変なのかと反省しきりのクライミングになりました。同じ山岳会の相方は流石に今季何回目かのクライミングだけあって余裕があったようです。

 

このロッククライミングには大きく二通りあります。人工登攀フリークライミングの二つになります。前者は岩に打ち込んだ(打ち込んである)ハーケン(ボルト)などにカラビナ(フック)を掛け、それにアブミ(縄梯子)を掛けて体を乗り上げます。その繰り返しで少しずつ岩の上部へ移動するものです。昔はよく行われていたのですが、そのようなルートでは岩にハーケンを一定の間隔で連打しないと登れないのでかなりの数のハーケンを岩に打ち込む(打ち込んである)ことになります。90年代頃から岩へのダメージから自然破壊だと非難する声が上がり、最近ではそのようなルートはよほど困難なルートでない限り見かけなくなってきました。ではどうするのか。昔はフレンズと呼んだカム(キャメロットなど)を岩の割れ目に挟み込みます。これは、開こうとする4枚のカムと岩との間の摩擦力で支持力を得る構造になっています。

(下手な絵を描くより画像を出せばよかったと反省)

 

このカムをセットした後に手元のリングにカラビナを掛け、それにザイル(ロープ)を通し、身の確保をします。万が一墜落した場合には、ロープからカムに荷重がかかり下方向の力が働くとカムには逆方向に開く力が働き、岩へ押さえつけられ岩との摩擦が増大し支持力になるという仕掛けです。そしてセカンド(後続者)は登りながらこのカムを回収していくのです。

もちろん、このカムが中に入り過ぎて回収不能になる場合もあります。実際、昨日の相方は以前のクライミングで回収不能になったカムをこの場所に残置していました。今回、ここを通過する時、私が器具を使って回収を何回も試みましたができませんでした。

 

さて、もう一つのクライミングスタイルはフリークライミングです。これはオリンピック競技でも見かけるスタイルと同じで、現在、ほとんどの岩場にはハーケンが打ってあり、予め打ち込んであるルートを登りながら墜落防止を目的としてそのハーケン(ボルト)にカラビナとロープをフックして登って行くというシンプルなものです。上記人工登攀との違いは、ハーケン(ボルト)を完全に頼ってアブミなどを使って登るか、それとも墜落防止のためだけにハーケンを利用して、自分の手足だけで登るかの違いになります。ですから、フリークライミングでもハーケンの間隔が遠かったり、あるいはハーケンが抜け落ちていたりするような場面では、やはりカムは使用します。我々が行っているクライミングは、このフリークライミングというカテゴリーがほとんどです。

 

カム(フレンズ)は昔からあります。このカム一つ見ても、人間は可能性を広げるために道具の開発を繰り返していくのだと考えさせられます。物理の「てこの原理」を巧みに利用した道具の発案者に敬意を表したいです。もちろん、カムが薄い岩を破壊したり、セットするのが甘く抜け落ちたり、劣化や過荷重によって破断したりして危険な目に遭う場合もありますが、道具との付き合い方は人間がどう向き合い、いかに上手く使うかにかかっていると思います。

 

クライミングは、重力に逆らいながら岩の弱点(少しでも自分に登れそうな岩の隙間や第一関節が引っかかるくらいの表面のへこみなど)を探しながら登り(正確には攀[よ]じ登る=登攀[とうはん])、自分の体を上へ上へと引きずり上げるのは何とも言えない快感になります。重力に引きずれらながら「落ちる恐怖」と闘い、アドレナリンが出る状態で格闘するのは病みつきになります。(ある意味クレイジーと言えます)

最近では、このようなロープワークや岩の弱点を見つけて(危機回避して)突破する力などが災害の多い日常に安心感を与えている実感があります。

 

人間は生まれながらにして重力を背負って生きていると誰かが言いました。水の中では自由になれるとも。現代では宇宙空間でも自由を手に入れました。それでも私のように、重力に反抗して体を引きずり上げる遊びをやっているヘソマガリもいますが、好きなものは止められないのだと思います。Do what to like!

 

さて、来週から怒涛のキャリア教育関連の学習会、研修会、授業…と続きますので準備万端に迎えたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

2026.04.30

キャリアを築く

 ハワイのノースショアが生んだプロサーファー、ジェイミー・オブライエンはご存知でしょうか。世界で最も成功したフリーサーファーの一人で”JOB”と呼ばれています。今回YouTuberとして苦悩しているという記事を見つけ、キャリア教育の本質にかかわる部分を感じたのでお伝えします。

 

THE SURF NEWSより

 

彼のYouTubeチャンネル登録者数は約130万人いるそうで大変な規模のYouTuberです。その収益は月4万ドル(600万円)に達することもあるそうです。この話だけが独り歩きすると、「よし俺もYouTuberになろう。」と追いかけようと夢見る子どもが増える訳です。しかし、動画の中でも運用の難しさが出てきますが、カメラマン雇用、ドローン運用、遠征費などの経費が膨大になるため、YouTubeを収入の中心にはできないと言っています。

かつてのYouTubeは、その投稿が目立てばそれがそのまま収益につながるような節もあったようですが、現在は大変複雑化し、目立てばよいという単純な構造ではないとのことでした。そのような状況に適応していくことを強いられ、経費も心身も追いついていけないようです。

 THE SURF NEWSより

 

「一度コツを掴んだと思っても、翌日にはルールが変わっている。それが今のYouTubeの厳しい現実なんだ。…今はすでに市場が飽和している。視聴者をひきつけ、チャンネル登録を促すのは数年前より何倍も難しい。サーフィンだけで食べていけるのは、今や世界でほんの一握りだ。」

 

最後に彼が強調した言葉に、キャリア教育につながる話がありました。「業界を狭く捉えず、人間関係を大切にすること。目先の数字やアルゴリズムを追う以上に、自分自身の役割と責任を果たすことが、結果的に長くキャリアを築く唯一の道なのかもしれない。」

曽山寺

 

私は、ある時ソロ登山YouTuberとして活動している人がいることを知りました。そのうちの一人に女性でソロ登山をする人がいました。たまに見ると、以前より登る山のグレードが厳しくなっていました。単独で日本の最難関と言われる北アルプスの縦走路に挑戦していました。やはりYouTuberとしては登録者数を伸ばし、より多くの人の目を引くサムネイル(縮小画面)が自身の成長のためには必要なのでしょう。その時は無事に下山したようですがハラハラしました。また、数年前に事件として有名になった同じくソロ登山YouTuber冬の富士山に登り、山頂直下から滑落死亡してしまったライブ中継がありました。挑戦に対して批判はしませんが、SNSを専業として自己アピールをしている人たちの中には一層多くの人の目を引きつけるサイクルに入ってしまう人もいるのかもしれません。

 

どんな自己アピール、アウトプットの手段を講じようとも、自分のやっていることに対してはブレずに、ジミー・オブライエンが言っているように、結局は「自分自身の役割と責任を果たすこと」が「キャリアを築く」道になるということではないでしょうか。しかも彼は「それが唯一の道」と言い切っています。

 

曽山寺

 

生徒にとっては今の自分の学業、部活、習い事、趣味など。社会人にとっては今の仕事、家事、趣味など、やっていることに対して、「Like what you do」(やっていることを好きになること)が結局はキャリアを大きく形成し、人の生き方として共通する部分だと思われます。

大型連休です。お休みの方は十分にリフレッシュしてください。お仕事の方、本当にお疲れさまです。

2026.04.28

地域で育てる

 

 先週、地域コーディネーターCo.)との情報交換会が開催されました。我がスタッフにもCo.がおりますので兼務の形での参加になりました。昨年12月にブログで紹介した内容より一歩踏み込んだ形で紹介します。

 

 とにかく熱い!これが全てを物語っているのかもしれません。順序良くお話します。

子ども家庭庁HP

 

まず、教育委員会からお話がありました。改訂された「日向市の教育」というパンフレットに関するお話でした。日向市では新たな学びとして、「自律的な学びの推進」、「居場所づくりの推」、「インクルーシブ教育の推進」の3つの重点を実現できることを目指しています。

日向市の教育

 

「自律的な学び」というのは一般にはなじみが薄いので少し補足します。文部科学省が推進する「自律的な学び」は、子供が自ら目標を設定し、学習方法や内容を選択・管理し、振り返りを行う「自己調整学習」のことになります。‥‥益々、分かりづらくなってきました。‥‥ 「自己調整学習」とは何かと言うと、自分の指向や行動を客観的に把握し認識(メタ認知)しながら学習を自ら調整し、思考や行動を修正したり次の思考や行動に繋げたりする学習を指します。‥‥さらに、迷宮入り‥‥

 簡単に言えば、勉強したことを友達に伝えたり、意見交換したりする授業のスタイルが自己調整学習になります。「自立学習」は、他者の助けを借りずに自分だけで学びを進めることで、指示がなくても調べ、考え、解決できる力を指します。 一方、「自律学習」は、学習の目標設定から計画・実行・成果の評価までを自分で管理すること。 必要に応じて環境やフィードバックを活用し、成果につなげる主体性が求められます。💡これなら少し分かり易いかもしれません。「協力して学び、必ず振り返りをする」と言えばもっと簡単かもしれません。

 さて、次に各地域のコーディネーターの皆さんからのお話です。

イメージCo.

 

日向中校区Co.からは「芋掘りや草刈りに協力してくれる人がいて助かる。」、「1年生がコマ回しに挑戦することになって鹿児島から講師を呼ぶと、年度末の参観日発表会に向けて子どもたちが秘密練習を自主的に始めるような動きが見られた。」という感動エピソードをいただきました。

 大王谷学園校区Co.からは、「小学生が宮崎市への遠足で、作成した細島岩ガキのPRパンフレットを配布した。」、「Co.が入れ替わる管理職を区長に紹介している。」などの強力な提言もありました。

 東郷学園Co.からは「お茶や米づくりなどの関りで小学生が地域に積極的に入っていること」、「中学生が地域学習から踊りの練習、祭りの企画・生産物販売という実践に繋がる学習をしていること」などを報告していただきました。

 平岩小中校区Co.からは「ミシンのお世話や凧上げの指導」や「学校林に関する調査・管理のお世話」、「中学生を含めたボランティア活動での金ヶ浜ビュー園地の整備」など多岐に渡る支援の報告がありました。

 美々津中校区Co.からは「今後の義務教育学校に関する教育委員会からの説明会あること」、「地域住民が高い関心をもっていること」など、今後学校が統合されることを中心に話題の提供がありました。

 財光寺中校区Co.からは「自分自身が民生委員をしていることが有効で、地域の実情をよく理解できているから、それが学校と地域を繋ぐ強みになっている。」と深い話がありました。

 富島中校区Co.からは、「地域の区長の協力が得られやすいので学校も助かっているようだ。」、「地域Co.は強力で、先日も美々津中校区で『よのなか先生』を探している時、校区Co.に紹介してもらって講師を探すことができた。」と、地域Co.ならではの人材発掘の話をしていただきました。

先週の金ヶ浜ビュー園地

 

 私は小学5年生までは鹿児島県で育ちました。地区では一年を通して様々な行事で溢れていました。小学5・6年生は福岡県でした。ここでは小学校区の地区対抗ソフトボール大会や夏季プール開放が思い出に残っています。中学は1年途中から佐賀県でした。この町は地区活動が盛んで、地区対抗のソフトボール大会は、なんと小学3年生から中学3年生でチームを編成するという形でした。2カ月間の練習の日々が思い出に残っています。また、祭りも地区を上げて綱引き大会に参加しました。祭りを通じて当時の皇太子ご夫妻(現上皇ご夫妻)に面会したのは良い思い出です。

 日向市も以前は、「シコレン」(市子連)という響きのもとに6月から各地区ではソフトボールの練習が始まり、8月にお倉ヶ浜運動公園で大会を行っていました。また、プール開放は暑い中、保護者として当番に当たりました。一体いつから地域活動は衰退していったのでしょう。私は上記のような過去の体験から「子どもは地域で育てる」と思っていましたし、実際に自ら子どもに背中で見せようと、財光寺五十猛神社の厄年「ひょっとこ踊り」に参加しました。その後は、地区の壮年部に入会し活動に参加しています。「価値観の多様化」と言ってしまっては、あまりにも今の子どもたちが可哀想に思えます。昔お世話になった子どもたちが今は「責任世代」として、子育てと同時にまちづくりをしていかなければならないはずなのですが厳しいでしょうか。いや、地域コーディネーターや地区の力を借りて、それぞれの地区を子ども中心の地域に復活させることは、まだ間に合うのではないかと思います。

 

 本論に戻して、地域コーディネーターに対しては活動依頼だけではなく、その方の仕事の背景についてもお話を聞く機会をつくり、地域で共に子どもを育てる議論ができるとよいのではないかと思います。学校では職員が入れ替わりますが地域の学校をずっと見てこられた方々ばかりなので、まずは地域の実情を知ることは学校にとっても有益ではないかと思います。キャリア教育支援センターも地域コーディネーターのお力をお借りしながら、共に地域の学校づくりを支援していきたいと改めて感じた情報交換会でした。

地域とともに

2026.04.27

仕事は楽しいかね?

 標題のように聞かれた場合、「う~む。」と唸るようではきっと楽しくないのかもしれません。私の場合、現役教職時代なら「う~む。」と首を捻ったかもしれませんが、現在はそうでもありません。それでも「楽しくてたまらん。」とまではいっていないように思います。

 

 デイル・ドーデン氏の『仕事は楽しいかね?』は2001年に記事として連載され、それが2014年にアップデートされたものが現在、復刊・新版として発売されています。すでにお読みになった方も多いのではないでしょうか。

 

「肝に銘じておくれ。売れ残ったテント用の帆布を使って、何をすべきか考え続けてこそ、リーバイスのジーンズを思いつくことができるんだってことを。」と、あの有名なジーンズ「リーバイス」の誕生秘話も書かれています。リーバイ・ストラウス氏は元々、ケンタッキーの行商人でした。カリフォルニアのの話を耳にしてサンフランシスコへ行き、お金がなかったので鉱山労働者のための必需品をそろえ、まずそれを商売にしようとしていろんな商品をに持ち込み船の乗客に売ろうとしました。全部売れたのですが、テント用の硬い帆布だけはまったく売れなかったのです。彼は、サンフランシスコの市場でズボン品薄ということに気付くのです。彼は、仕立て屋を雇い、帆布を使ってオーバーオールを作らせました。これが売れに売れて『金』を掘り当てたという話です。

Wikipedia

 

よくある成功話ではないかと思われるかもしれませんが、この本では、計画はうまくいかなくて当たり前身の回りにいくらでもあるチャンスに気付いて行動できるかということを教えてくれます。つまり、「『思いつき』と『偶然の出来事』は異母兄弟だ。」ということであり、「必要は発明の母かもしれない。だけど、偶然は発明の父なんだ。」そうです。

本書は仕事で悩んでいる人に対してどういうスタンスでいるべきかを示唆する内容で書かれています。特に、人材育成配置などと言った環境整理の点で参考になることが多いと感じました。自分自身に置き換えた場合にも、あらゆる職場でいつの時点でもチャンスが転がっているように感じられるようになれば読んだ価値があるのかもしれません。いずれの場合も、訳者が言われている「チャンスに気付いてものにできるかどうか。問題はそこなのだ。成功は努力の賜物。」ということであり、文中で主人公マックスが語る「完璧の上を行く素晴らしさ。完璧とはダメになる過程の第一段階。」は、常に出てくる「試すことに失敗はない」と一致するものだと思います。

昔、徹底的に教材研究をしている時、楽しいと感じたことを覚えています。さて今後はいかに・・。

2026.04.23

教訓2生き延びる力

一昨日、地震、災害のお話をしました。本日はその続きになります。

 

ちょうど先週末にラジオを聞いていると、どこかの市民に防災準備についてのインタビューがありました。しかし回答には「つい忘れてしていない」とか「時間がない」という理由が挙げられていたことは残念に思いました。被災したあとに「準備しておけばよかった」と後悔することが目に見えているからです。少しでも多くの人が日常の中で少しずつ準備をしていくにはどうすればよいかを考えますが難しいものです。

2024年6月珠洲市

 

私の場合「災害を教訓にする」というのは、「行動に移すこと」だと考えています。つまり、災害が地元で起きた時、必ず生き延びるように対処することです。たとえば、家具の倒壊でケガをしないように固定することは皆さんもされていることとは思いますが対策の一つになります。突き上げる地震では、家具は倒れるのではなく跳んでくると思った方がよいです。エアコンも壁から外れ落下すると思い、エアコン直下に頭を置いて寝ないようにしています。

 

現在私は、避難グッズ置き場所を鋭意改善中です。初めは枕元としていましたが、果たして夜中の大地震で飛び起きた場合に、荷物を背負う方が先になるのか、別室で寝ている孫を含めた身の安全を考えた時には脱出が先ではないか。そう考えると、停電しガラスが割れ、物が散乱した室内を一階へ降りるためには、まずを履かなければ外へ移動することができないので、枕元には靴とライトがあれば良いという現時点での判断になりました。もちろん、電話と貴重品は同時に携帯しなければなりません。(それらを含めて「避難グッズ」とも呼ぶ場合もあります。)

2024年6月輪島市日本航空高校石川:ボランティアベースとなった教室内テントの窓から

 

状況にもよりますが、家の中が荒れても何とか玄関から出られると想定すると、避難グッズは玄関そばで良いと考えました。グッズの中身は季節に応じて変えています。体育館避難の場合に備えて、最近出番が少なくなった小型テントや役立ちそうなものを入れています。こういうときに、で培った経験はかなり役に立つようです。私も持っているアマチュア無線機は東日本大震災の時には、繋がらない携帯電話に代わって活躍したようです。しかし、あれもこれも入れてしまうと重くなるのが難点です。グッズと一緒に孫も担ぐとなるとグッズの重量を減らさなければ、徒歩で避難所までたどり着けないかもしれません。再度精選しようと思います。被災後の長期避難生活を考慮するとでの避難がベストですが、実際に機能するかはその時でないと分かりません。

2026年4月珠洲市(知人のSNSより:まだ未解体)

 

 玄関については、家が傾くと玄関のドアは開きません。そうなると、玄関そばの避難グッズは手に取ることができません。しかし、それほどの大災害の場合は皆が無事に脱出することが先決になります。2階に取り残された場合に、外に下りられるようにするには脚立が必要ですが、流石に常設は無理です。幸いロッククライミングで使用していたラダー(縄梯子)があるので、折りたたんで2階に置いています。

無事避難し、翌日以降、余震が収まりつつある頃に家に戻ってみて取り出せるものがあれば幸いです。そんなこともあろうかと、一部はの中にも入れています。車は家とは違い、転倒しても家よりは中のものを取り出し易いのではないかと思います。いずれにしても、最近は被災地をねらう不届き者がいるので、被災したあとも盗難に気を付けなければならないという情けない心配も頭に入れておきましょう。

2026年4月(同上:遊具もそのまま)

 

地震は実際には予測不能なので過度に恐れても窮屈になりますが、かといって被災してから途方に暮れるだけではなく、今できることはしておきたいと思うのです。2年前の突風(竜巻)災害で、私の知り合いの家はベランダが吹き飛び、どこへ行ったかさえ分からない状態でした。また、その際、南側一階の窓ガラスが木っ端みじんになり、北側の室内まで一瞬にしてガラス片が突き刺さりましたが、間一髪で逃れたそうです。

地震が起きるとホームセンターの防災品や食料が底をつく状況ですから、比較的落ち着いている今のうちに少しずつ揃えておきたいと思います。私は、ホームセンターやスーパーに買い物に出かけた際には、時々、長期保存の水や食料、缶詰などを購入するようにし、いわゆるローリングストックを心掛けています。それでも、やはり皆無事に脱出することが一番です。夜間の場合は動線を確保にすることが大事ですし、昼間の場合は連絡手段集合場所の共有が第一ではないでしょうか。

今一度、「備えあれば憂いなし」を徹底したいと思います。

お問い合わせ CONTACT

お気軽にお問い合わせください。
0982-57-3522
受付時間 8:30~17:00

  1. ホーム
  2. 日向市キャリア教育支援センター ブログ