日向市キャリア教育支援センター ブログ

2026.04.10

高校入学式~問いを立てる

  

 今日は県立高校の入学の日です。日向工業高校の入学式に参列してきました。

 

 新入生は93名で、昨日の中学校の入学生からすると3歳年上になるので、当然ながら新入生といえど身長も風格も違います。後方に控えている2、3年生になるとさらに大人びてきます。を基調とした制服に身を包み、数名の女子生徒も混じって新入生は氏名点呼を無事乗り切り、校長による「入学許可」で晴れて高校生となりました。

 校長先生の式辞では、校訓の「自発、創造」について話をされました。自らに問い、調べ、継続していく過程が大事であること。無を有にすることで、ものづくりでの社会貢献を果たしていく使命感を培って欲しい。そういう内容のお話でした。

 

 「自らの問いを立てる」という点でタイムリーな番組が昨夜ありました。たまたま付けたチャンネルがEテレで、5人ほどのパネリストがちょうど討論している場面でした。見ていると、どうもそれぞれが個性的な佇まいなので、しばらく食い入って見ました。

 番組のテーマが「“当たり前”って難しくないですか?」です。こう「問い」を立てたのは、介護職に就くブラジル国籍のサマラ・ブラガ・チャベスさんという方でした。1994年に日系ブラジル人の配偶者として来日、様々な仕事を経験しながら不慣れな日本の言葉や文化になじみ、2人の子どもを育てあげました。しかし、日本に住み何年たっても立ちはだかるのが、暮らす場所や職場ごとに変わり続ける“当たり前”という壁。様々な“当たり前”とどう向きあえばいいのか、出演者と共に考えるという内容です。

NHK Xより

 

 パネリストとしての出演者の一人が、私もカタカナ名称は初めての「アルビノ白子症」の女性。からだの色素が生まれつき不足している状態の方で、視覚にも不自由をされていて、その方は「見えないことを主張すると、その考えを押し付けないで、と言ってくる」ほかの人は「見ててて当たり前、できてて当たり前」そういうことに息苦しさを感じる、と言われていました。

 二人目のトランスジェンダーで社会保険労務士の方は「人からしたらきっと当たり前って思われないだろうなあ」と。また三人目の日韓ミックスルーツの男性は「当たり前を崩したい」と。四人目の薬物依存症で随筆家の女性が「すべての人に当てはまる当たり前はない。」と発言すると一同は頷きます。しかし、車いすの男性で先天性筋疾患・日本アメリカのミックスルーツの方は「ぼくはあると思う」と発言しました。

私は「エッ、何だろう」と番組内の出演者と同じ目線で彼の言葉を待ちます。すると彼は「『人に優しく』っていうのは、すべて人に対して当たり前でいい」と言うのです。うーむ、深い。その通りだ。

すると、先ほどの随筆家の女性は「なるほどね」と頷くのです。ここには違う意見を述べた男性が言う「違うこと、を分かりあう」空間、文化が存在していました。パネリスト皆が同調しています。社会において、組織において最も重要なのは「違いを受入れる文化」ではないかと思います。自分を基準にする姿勢からはこの文化は生まれません。そして受容、寛容の精神も生まれません。

NHK HPより

 

たまたま付けたテレビ番組で、一人が立てた「問い」を出演者と共に考える、そういう次元に思考が発展できたのは良い収穫だったと思った昨夜でした。Eテレのその名も「toi-toi」という番組です。日向工業高校の入学式辞にあった「自らに問い、調べ、継続する」この姿勢は、この番組の締めで出たテロップの「当たり前に正解はない」という言葉に代弁されるように、一生をかけた自らの問いへの正解探しになるのだと思います。

 

日向工業高校の入学式では懐かしいに出会いました。新入生が入場する際に、先導していた担任の先生がこちらの席に向かってくる際に目が合い、「オオッ。」とお互いにアイコンタクトを取ったのです。以前、高体連山岳競技の大会で競技役員として一緒に活動していた宮崎市の高校にいた先生です。日向に赴任されていたのだと、久しぶりの再会に二倍嬉しい参列となりました。

 

高校正門の正面にある石碑に刻まれた「自発 創造」の二文字が、これからの三年間を見守ってくれることになります。「時流に流されることなく自発的に行動し、豊かな創造性を発揮しながら、たくましく生きてほしい」この言葉通り、三年後には進路決定を行う今日の新入生が、自分の果たすべき道を見つけながら人生を歩んで欲しいと願います。

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