日向市キャリア教育支援センター ブログ

2026.03.17

置かれた場所で咲きなさい

 ミラノ・コルティナパラリンピックは閉会しました。競技はご覧になったでしょうか。パラアルペンスキー女子スーパー大回転(座位)で銀メダルを獲得した村岡桃佳選手が、度重なるけがを乗り越えて4度目の冬季パラリンピック出場を果たしたことはニュースでも大きく報道され、日本に歓喜をもたらしました。

 

私は休みの日に「クロスカントリー男子10kmクラシカル立位」の放送を見ました。この競技の面白さと強靭な肉体や精神まで感じ取ることができ大変感動しました。この種目には、日本の川除大輝、新田佳浩、岩本啓吾、佐藤圭一の4選手が出場し、川除選手が最高の4位でした。説明するまでもないのですが、彼は、北京大会時は20kmで優勝し、冬季パラ日本最年金メダル少記録保持者です。

 

 クロスカントリーの選手区分は15クラスにもおよび、複雑で私もよく分かっていないのですが、川除選手はLM5/7というクラスのようでした。ストックを持たずに腕の振りだけで加速する独特の技術を磨いて、上り坂で他の選手を追い抜いていく姿には胸が熱くなります。

 大会そのものは、ほかのクラスの選手も同時に競技するため、障害の程度がまったく異なる中での順位争いとなるので、ハラハラドキドキしたり、そのクラスでの現在の順位をテレビの表示で確認したりして、見る側もとても緊張します。

 

 

 同じクロスカントリーの女子の部で出場した阿部友里香選手は、妊娠、出産を挟んでの大会出場となり、そのエネルギーはどこでどう調整しているのか信じられないパワーだと恐れ入りました。

 

パラサポWEBより

 

本人は御主人や娘さんに対し、「パラリンピックという特別なところで滑っている姿を見せられたのは良かったと思いますし、(娘は)覚えていないかもしれませんが、将来写真を見返したときに伝えられたらいいなと思います」と、強いアスリートとして愛娘への思いを語っていたのが印象的でした。

 

 このほかに、パラリンピック・スノーボードクロスに出場したイタリアのエマヌエル・ペラトナー選手は、過去2回の冬季オリンピックに出場したものの、大けがをしてパラリンピックに転向した選手です。どのようなモチベーションの持ち方、高め方で方向転換できるのか、並の人間では切り替えることすら難しそうです。彼には「どんな出来事の中にも希望を見いだすという人生哲学」があるそうです。これを聞くと、10年前に亡くなったキリスト教カトリック修道女の渡辺和子さんの有名な「置かれた場所で咲きなさい」という言葉を思い出します。

 

 パラリンピックの選手たちは、スポーツに向かう以前に自分の障害と対峙する長い期間を持たなければなりません。自分の心身との葛藤だけでなく、世間という難敵との闘いがあったことだと推測します。それでもなかなかパラアスリートとして開花する人は一握りなのでしょう。その難関を突破してスタート地点まで漕ぎつけた道のりは、単に努力というだけでは見えてこない苦難の遠い時間だったと思われます。

 一般には、置かれた場所で咲けないままに散ってしまう人の数が多いのでしょうが、道を変えてまたとなり咲く努力をするところに生きる価値はありそうな気がします。古代ローマの哲学者であるルキウス・アンナエウス・セネカが「困難だからやろうとしないのではない。やろうとしないから、困難なのだ。」と言うことと共通するものがあるのかもしれません。

 

岩登りの場合は、岩の弱点を見つけながら登ります。それは逃げているのではなく、全体の何百メートルにもなる巨大岸壁を攻略するために、目の前の一瞬の壁をどうクリア、攻略するかを考えた決断なのです。ですから、目の前の難しい仕事を放りだすのは「逃げ」でしょうが、どうすればうまく解決できるか、自分の力量に照らして判断し、許せる時間内にベターに処理することは「逃げ」とはならないでしょう。ベストならなお更よい結果をもたらすことと思います。

置かれた場所で咲く。難しいですが、トライしてこそ自分に厚みが増すのだと思います。

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