Hyuga City Career Education Support Center
2025.10.30
29日午前、東郷学園若竹分校の皆さんが市内各事業所で社会体験学習を行いました。
私たちがSEIKADO様に向かうと、同時に到着した生徒たちはすぐにゴム手袋を着けてオーナーの緒方さんから小麦粉を練る作業を習いました。お店の名物であるチーズ饅頭を作る作業です。ヘベス味やごま味にするために材料を混ぜていきながらさらに薄力粉を混ぜる工程、そして餡を使った包み方などを行いながら、手順や注意点を教えて頂けるのは生徒にとっても楽しい活動になっているようでした。

次に向かったのが日向警察署様です。担当の小池さんが白バイの説明をされ、固定した状態の白バイに股がらせてもらい4名の生徒はご満悦でした。隣のパトカーにも乗ることができ普段なかなか体験できない特殊車両の見学は子どもたちの興味を最大限引き出すには十分な素材でした。
本日はほかに、吉川塗装様にもご協力をいただいていました。生徒を牧水公園そばの現場にまで連れて行っていただき実際の作業を見学させていただいたとの報告を受けています。
このように各事業所の皆様が日向の子どもたちを温かく迎えてくださっている姿を見るにつけ、本当に日向の子どもたちは恵まれていると感じます。どんな仕事も必ず人の役に立っている尊い営みであることは見学させていただいた子どもたちの記憶に刻まれると思います。事業所の皆様、いつも本当にありがとうございます。
2025.10.29
まちづくりは自分の行動から
昨日午後、富島中学校にて「ふるさと講演」と題して鈴建の代表である鈴木忠亨氏による講話が全校生徒を対象に実施されました。初めに担当の先生から講師の紹介があり、「ご本人の生き様や社長として地域に還元されていることを聞いてほしい」と聞く視点を与えられたので生徒の皆さんは方向性が明確になったと思います。

まず鈴木さんは、プレゼンテーションによる画像でご本人の小中高校生時の紹介をされました。小学6年の時に算数が好きなった理由を説明し、15×15や25×25などを暗算で解く方法をクイズ形式で出されました。富島中学校の生徒は反応がよく、あちこちから挙手があり盛り上がりました。高校時代には北海道を旅し、その際、熱発し民家に宿泊させていただいたこと、その後就職し、30歳を前にして日向で出会った方からまちづくりに誘われ、そこから飛び込んでいった経緯を話されました。まちづくりの主役は住民であること、自分が主催したイベントに参加していた子どもがその後大人になってボランティアで手伝ってくれたことなど、イベントを通して新しい仲間が増えていったことなど、自分の行動で人の輪は広がることを教えてくださいました。
次に、現在力を入れていることは私的な二次避難所の設置だそうです。ご自宅の敷地(伊勢ケ浜)に100名以上が避難してきても良いようにスペースを確保し災害に備えることもまちづくりの一環として捉えていると仰っていました。
失敗してもいいから今からできることに挑戦してほしい、行動することで町が変わる。覚えておいて欲しいことは、皆さんがイベントで問題を起こしたら、問われるのは運営責任者であり、結局そのイベントはそれ以降開催されなくなるかもしれないということ。たくさんの人が関わってまちづくりは行われているので、それに少しでも関わって欲しいと熱く思いを披露されました。

最後に、県北高校PTA組織でも会長をされている鈴木さんは、市内高校3校のPR動画を紹介されました。生徒はさらに食い入るように動画を見ていたのが印象的でした。
質問のコーナーでは「一番後悔したこと」を問われ「中学時代につまらない悪さをして多くの人に迷惑をかけてしまったことを今でも後悔している」と言われました。最後に代表生徒が「私は今できることをみつけて行動したい。イベントなどを日向の発展に力を入れ、誇りに思いたい」と力のあるお礼の言葉を話してくれました。
講演会では、まさに今からどういう生き方をしていけばよいのか生徒一人一人に問いかける内容でした。おおいに刺激を受けた生徒がいたのではないでしょうか。ここから、ふるさとのまちづくりを意識する人が育つことを願います。鈴木さん本当にありがとうございました。そういう私も地域の一人として今週末は財光寺の祭りに参加したいと思います。
2025.10.28
27日(月)午前、財光寺南小学校5年生にてよのなか教室の講話がありました。1コマだけ参観しましたので1組を見学させていただきました。講師は日向市観光協会の立石一真様です。「ふるさとの日向市について知る~日向市の魅力を再発見しよう~」と題して、①日向市の地理と歴史 ②日向市の観光資源 ③日向市の魅力 という3つの観点からお話をしていただきました。
事前に子ども達にもプレゼンテーションの資料が配布され、ただ話を聞くだけでなく、用意された資料の中のワークシートには空白が設けてあり記入できるように工夫されていたので、子ども達も聞き漏らすまいと真剣に記述していました。

お話からは私も知らないことが随分あったので新鮮な驚きでした。1500万年前の火山噴火で日向の地形はできたこと、2万9000年前にはこの地に人が住んでいた(貝塚の発見)という記録が残っていることなど大変勉強になりました。 また、観光資源のお話では、細島灯台を取り上げられました。別名は「恋する灯台」だそうです。11月1日(土)にはこの灯台でイベントがあるから来てほしいとしっかりアピールもありました。さらに、細島の原田一郎という方が「クルスの海」とネーミングされ、商工会議所青年部が「願いが叶う」をプラスして、「願いが叶うクルスの海」が誕生したという秘話は感慨深かったです。

この後、クラスの代表の4人が自分たちで作ったプレゼンテーションを発表しました。大御神社、クルスの海やお倉ヶ浜について丁寧に調べたことを分かりやすく発表してくれました。立石さんもこの4人の発表はよく調べていると褒めておられました。
私は若い頃からよく北への旅をしていました。やはり南国育ちということで雪への憧れがあったのではないかと思います。それは社会人になってからも継続し、冬山にも通い続けていました。よく北アルプスへ出かけていたのですが白馬村は何度もベースにしました。山を核にした観光のまちづくりを見るにつけ、わが日向も海を中心にした観光という点ではポテンシャルが高いといつも思っていました。アウトドアに限定して日向圏域として考えれば、海、山、川、岩(北方)、雪(五ヶ瀬)を手の届くところに備えている日向はかなり魅力的な町だと確信している自分がすっかり学習者になってしまったと思える立石さんの講話でした。
日向市の観光の最前線で奮闘されている方の話は説得力がありました。子ども達は観光資源のPRという仕事で自分の社会貢献を果たされている方がいるという発見と日向の魅力の再確認に触れられて、本当によのなか教室はいいなあと気持ちよく財光寺南小を後にしました。
2025.10.27
先週24日(金)は、前日の講演会に引き続き大王谷学園中等部の合唱コンクールを見学させていただきました。体育館へ向かうと、そこにはピーンと張りつめた空気が漂いすでに別世界の空気を醸し出していました。
開会式後すぐに7年生から演奏が始まりました。「空は今」「マイバラード」「地球星歌」、8年生は「COSMOS」「旅立ちの時」、9年生は「虹」「あなたへ」の曲の発表がありました。リズムをとるのが難しい曲も軽やかに歌いこなし、学年が上がるごとに低音と高音の見事なハーモニーが聞いている会場の聴衆に深く浸透していくようでした。また、指揮者の力強い手の振りや伴走者の緩急のあるタッチも目が釘付けになる思いでした。

今日のこのステージでの発表を作り上げるまでにどれくらいのエネルギーをクラスの力として焦点化して迎えたのかと思いを馳せる次第でした。合唱は、複数人で複数のパートに分かれて複数で歌う演奏なので集団の結束力なくして到達できるものではありません。校長先生の講評でも「会場設営やここまでの活動には見えない人の努力があることを見る人になってほしい。みんなで進む成果が今日ここに表れたのです。」と多くの人のかかわりでコンクールが成立しているという絆を強調されていました。

心地よい感動の後に私自身の合唱経験を持ち出す必要はありませんが、覚えているのは高校時代の校内合唱コンクールくらいのものです。高3時のクラスでは「ずいずいずっころばし」を選曲し真面目に歌っていました。時代は変わっても良い曲は永遠に歌い継がれていくのだと思います。大王谷学園の合唱コンクールでも30年以上前に歌われていた合唱曲もあり懐かしかったです。MLBワールドシリーズも始まり益々スポーツが賑わいを見せるこの頃ですが、紅葉の葉を逆光で透かして見るような心に浸透する文化の香りに耳を傾けるにもよい季節となってきました。
2025.10.23
本日午後、大王谷学園8年生を対象にしたキャリア教育講演会がありました。今回はサッカー・テゲバジャーロ宮崎のアンバサダーを務める西岡大志さん、そしてこの日向で頑張っている多肉植物栽培として「ひなた多肉園」をされている髙橋友美さんとの対談型の講演会が実現しました。対談はファシリテーターを務めていただいた先生により心地よい流れで進んでいきました。

講演では、西岡さんから「自分が目指す環境を選んでいくことが大切」や「きついことでもそれを日々続けていくことでそれが当たり前になっていく」、「自分で決めたことを自分で守っていく」など貴重なご意見に生徒たちは耳を傾け熱心にメモをとっていました。また髙橋さんからは「やる気と根気で可能性を広げていけたことを実感した」や「落ち込んだ時ほど明るい話題を考えること。環境は自分で作ることができる」とのお話をいただきました。さらに、髙橋さんから西岡さんへ、同じ道を先に歩んでいる西岡さんのお兄さんを意識しなかったかとの質問がありました。

西岡さんは「プロという同じキャリアを進めず苦しんだこともあったが、逆に今の自分には何が足りないのか、試合に勝つためには今何が必要なのかを考え出したことで自分の力をつけていくことができた」と、現在の中学生にもすぐに活用できる思考の方向性を与えていただきました。
生徒からは「足が速くなるコツを教えてください。」と質問があり、西岡さんは「フィジカルトレーニングをしっかりやること。」とアドバイスをしてくださいました。
聴いていた私どももお二人のお話に感銘を受けました。共通点として「今できることに自分を適応させていく」ことをお持ちのお二人だと感じました。これは8年生の心にも深く浸透したのではないかと思っています。宮崎、日向に住みながら夢を実現していく過程に必要なことをお聞きする良い機会となりました。お二人には「よのなか先生」になっていただき本当に感謝いたします。ありがとうございました。

2025.10.22
本日、財光寺中学校のオープンスクールを見学させていただきました。教室を2年~3年~1年と回っていくと生徒の学習態度はいずれも静かで真剣でした。スルスル、コツコツという鉛筆が走る最小単位の学習音が聞こえ、教室っていいなあと改めて感慨深いものがありました。学級活動の授業で学習や進路についてアンケートを記入する姿からはじっくりと思考しながら自分と向き合っているような印象を受け、まさに進路は自分で形づくり掴んでいくものということを走る鉛筆から受けた思いがしました。児童生徒がいつの日か責任世代となり自分を振り返った時に、自分の仕事が社会貢献と働く意味にぴったりと一致していたと胸を張って言えることを願うばかりです。今日のオープンスクールから、現在の日向の小学生、中学生が今後どのような人生を歩むのか、心配しながらも楽しみな部分が大きくなり、益々「子供たちの先生」である日向の大人の一員として頑張らなければならないと気合いを入れ直し良い見学になりました。皆さんもぜひ、お近くでオープンスクールがありましたらお出かけください。
責任世代を通過し現在は後進(息子)の指導も行いながら現役医師である私の尊敬する消化器内科医のブログからある日の日記を紹介します。
「先日ある病院から80代半ばの患者さんが大腸カメラ目的で紹介されて来た。大腸検査は初めてと随分不安そうであった。高齢者の大腸カメラはリスクが高いので慎重を期する。大丈夫ですよ。安心して任せて下さい。工夫を凝らして下剤をかけて何とか検査ができる状態になった。初めてで心配でしょうから寝ているうちに検査を終えときますね。といざ検査開始。慎重にカメラを進めると予想通り病変が見つかった。安全第一で手術を終え、二階のベットで寝て頂いた。数時間後に患者さんが目を覚ましたので詳しく説明をしてそれではとお帰り頂いた。帰り際いきなり患者さんが握手をさせて欲しいと言うではないか。ええっ握手ですか。ハイ、手を差し出すと患者さんは僕の手を握りこの温もりは一生忘れませんからと言う。続け様に、先生いつまでも長生きして下さいね…。ここまで言われるとさすがに僕も熱いモノがこみ上げた。」
仕事には必ず相手というものが存在します。その相手を十分に満足させられたときに自分の仕事に対する価値が高まることになります。上記のドクターの話はまさに相手の満足度を十分に高めた結果得られた自分の満足感を表したものでしょう。私も再スタートしましたので、事業所の皆様や学校現場の先生方、そして何より日向の子供たちが満足できる活動になるように支援していきたいと思います。
<消化器内科医の記録より>
2025.10.20
土曜・日曜、市内では運動会を実施した小学校がありました。天気も何とか持ち良かったです。お疲れさまでした。
今月からキャリア教育支援センターに着任しまして、初日から各方面へご挨拶に伺わせていただいております。よのなか先生による児童生徒への授業やよのなか挑戦での調整が多いことから事業所のみならず学校へのご挨拶も行っています。その学校というもの、長年勤めてまいりまして職業的な勘といいますか、動物的なアンテナといいますか、正門を入った途端に何かしらの空気を感じ取ります。「ウン?ここは穏やかな時間が流れている。」とか「おや?何だろう、この清涼感は。」 はたまた、「正常な“学習音“が聞こえて頼もしい。」などと良い気分になります。これまで伺った学校ではそのような空気といいますか、心地よい波動を感じさせていただきました。まだ自分には感じる五感がいくらか残っているという確認もなりました。(笑)


オーロラの仕組みは科学的には、太陽から放出されるプラズマ(電気を帯びた粒子)が地球の極地で、酸素や窒素などと衝突して発光する現象となるのでしょうが、夜空を見上げてそれをどう感じるのかは人それぞれです。私も初めて見た時にはカメラのモニター(デジタルには色が鮮明に映し出される)で確証を得た訳ですが、慣れてくれば白い雲を見てもその動きからオーロラと判断できるようになってきます。発光(反応)が強い場合は肉眼で様々な色が見えますが、それが弱いと薄い雲に見えます。古来、北極圏のネイティブの人々やオーストラリア大陸のアボリジナルの人々など大地で暮らす人々は星座や夜空での現象でさえも暮らしに適切に取り入れながら生活していきました。現代社会は光を制御できる時代にはなってきてはいますが、それを含めてもさらに五感を研ぎ澄ませた暮らしをしていきたいと思っています。
と偉そうなことを言っておりますが、私は孫の不意打ちの気配は感じ取ることができずにやられっぱなしの爺さんであります。先日の保育園での運動会ではこの一年の成長を感じることができました。保育園では日常的に食事の世話から排泄の習慣まで人として成長する基本的な行動に直接お世話をしていただき、先生方に心より感謝しております。市内幾つかの保育所(園)にはキャリア教育の一環としての「よのなか挑戦」でもお世話になっています。子どもが成長するにつれて解き放ってあげるのが親の役目ではありますが、成長の過程はしっかりと見届け、五感を働かせながら時には軌道修正を確認する役割は祖父としても必要だと感じているところです。
2025.10.16
*本日は事前申請をしていないため画像がありません。
10月14日(火)午後、大王谷コミュニティセンターにて、「日向市子どもの夢実現サポート事業報告会」がありました。日向市の中学生3名が自分の夢の実現へ進むために計画し、それを市がサポートするという事業になります。私も本センターの職員と一緒に報告会に参加してきました。3名の中学生は、市長、教育長をはじめ大勢の大人に対して発表するという場を与えられました。
初めは、大王谷学園7年生の石黒さんです。夢は獣医師になりたいとのことで、南九州畜産獣医学拠点SKLVそお様や平川動物園様のご協力をいただいての実践報告となりました。産業獣医師へ進むための学びでは、「病気を治す以上に病気にさせない予防が大事である」ことや絶滅危惧種獣医師としての学びでは、「保護はできても繁殖は簡単ではない」ことを収穫として挙げていました。取組の全体的な感想は、「日本でも絶滅危惧種を繁殖できるようにしたい」ことと「宮崎県の畜産に貢献できる獣医師になりたい」との目標が明確になったことから、「今後は多角的に学ぶ」こと「何事にも慎重に行動する。忍耐力をつける。小中の特別授業で講話したい。」という具体的なテーマが決まったようです。
2人目は財光寺中学校1年の那須さんです。那須さんの夢は「飲料メーカー商品開発担当になりたい」ということです。そこで、大塚製薬様、友桝飲料様、宮崎県農協果汁様、宮崎県食品開発センター様にご協力をいただいたようです。各事業所で学んだことの中には、「開発に必要なことは好奇心だ」や「他の会社の人ともコミュニケーションをとることが大事だ」など、新商品を開発する会社ならではの心構えを学ぶことができました。常に持ち続ける視点として「楽しく働くことで良いアイデアが生まれて形になる」とか「特産物で地域に貢献する。美味しさはきちんと五感で表現できる。」など具体的な意識を明確に言葉にすることを学びました。最後に、「この経験で聴く力や良いところを探す力が増した」ことを実感し、「人との会話でコミュニケーションをとり、協力してさらに良いものを考えられるようにする。」ことが今から実践していくという覚悟ができたようです。
最後は、財光寺中3年古川さんです。彼の夢は「プロ野球選手になりたい」ことです。元プロ野球選手の内川聖一様と神奈川大学野球部の皆様が協力していただいたそうです。内川さんからは「バッティング時は左ひざの向きを変えずにスウィングする」という具体的でより専門的なアドバイスをいただき、神奈川大学野球部の皆様からは「今できることを精いっぱいやる。硬式ボールは滑りやすいので今から握力をつけておく」というすぐに取り組めることを体得したとのことです。その上で自分の目標が職業としての野球を意識するようになり、「トップ選手は人間性も素晴らしいこと」や「全てが野球人生につながるという意識になり取組が変わった」と自分の変化をも見つめられるようになっていました。
3名は最後に、三樹教育長から若山牧水の「『汝が意志をまぐるなというがごとくに』とあるように夢を実現してほしい」とエールを送られました。本当に学びの視点が明確な素晴らしい発表でした。
先日の日向中学校2年生「14歳のよのなか挑戦発表会」でも報告にありましたが、今回の3人のまとめにある「今から将来へ向けて自分はどうあるべきか」「今から自分ができることは何か」これを明確にすることが職業体験学習で狙う大きな目標になります。ですから、職業体験学習(よのなか挑戦)に向かう中学生には、事前にしっかりと「今の自分には何が足りないのか」「事業所での活動で特に何を学び取ってくるか」それをしっかりと意識しながら活動に参加していただきたいと思います。たとえ第一希望の事業所ではなくとも必ず上記の視点を学び取ることはできるので学びの意識化がカギになります。
そうは申し上げながら私の中学生の頃はと言いますと、現在は新幹線で賑わう佐賀県武雄温泉の街で部活動(剣道)とサイクリング、フォークソングに明け暮れた生活でした。今の中学生の方が遥かにキャリア教育という学習活動を経て将来を見据えた学習活動ができていると思っています。だからこそ一層日向の子ども達には高校を目標にではなくその先何十年と続く人生のキャリアづくりを試行錯誤しながら渡っていけるように、今お手伝いを頑張りたいと思います。
2025.10.15
以前、厳冬期にアラスカのフェアバンクスを訪れました。その珍道中のお話はまたいつかお知らせしたいと思います。3か所目の宿泊地であるゲストハウスでの最後の夜に、オーナーが自分の友達である日本人妻ヨシさん(仮名)ご夫妻を食事に呼び、私もご一緒させていただきました。というより、私のためにオーナーがヨシさんを呼んでくれたようでした。ご主人はヨシさんのことを「ビッグマム」と呼んでいました。ヨシさんご夫妻には6人のお子さんがおられ、現在上2人が大学生で、すべての子どもさんを高校まで自宅で学習を教えてこられた(残り4人は現在も教え中)そうです。これを「ホームスクール」と呼んでおられました。私はこのホームスクールにとても興味が湧いたので色々尋ねました。「それはなかなか大変ですね」と返すと、「いいえ、大変なことはなかったですねえ。上2人は大学に入ってから今、大量の課題にヒーヒー言っています。」とおっしゃいます。
ご存じのようにアメリカでの大学進学は(学校にもよりますが)割と容易に入学はできるそうです。ホームスクールでは子ども達に課題を提示してそれをさせているとのことでした。内容について詳しく聞きたかったのですが、酔いが回っていたことに加えて、オーナーやヨシさんのご主人との様々な話にも花が咲いてしまい、詳細を聞き出すところまで辿り着けませんでした。
私は日本国内におけるホームスクーリングの知識がなかったので調べてみました。日本では学校教育法という法律が厳然とあるのでホームスクーリングは制度としては認められていないようです。全米のある調査機関のデータ(2021年)によると、ホームスクーリングで学ぶアメリカの子どもは6.73%で15人に1人という計算になるそうです。ホームスクーリングで育った有名人には、アメリカ合衆国大統領ジョージ・ワシントン、セオドア・ルーズベルト、エイブラハム・リンカーン、また発明家のトーマス・エジソン、アレクサンダー・グラハム・ベル(電話)、科学者ではアインシュタイン、ニュートン、キュリー夫人、実業家のカーネル・サンダース、本田宗一郎と数多くいたことに驚きました。
ここまで聞くと、随分魅力的なホームスクーリングに聞こえますが、やはり長短それぞれあるようです。メリットとしては、子どものペースで学習を進めることができるとか、いじめに遭うことがない、自立心が育ちやすいなどが挙げられます。デメリットして、社会とのつながりが減少しがちになるとか、保護者の学習指導力で差が出やすい、同年代の子どもとの関係性が作れない、進学先の学校の理解が得られにくいなどがあります。
学校に行けない子どもの居場所としてのフリースクールとは違い、学校という枠にとらわれないホームスクールという存在は、今後日本でも広がるのでしょうか。時代の流れに応じて、最近では、教育委員会や学校長の「一定の要件」の判断のもとにホームスクールでの学習を出席とみなすという動きも少しはあるようです。国内でも不登校対策を軸とした「学びの多様化学校」がぽつぽつと設立されてきました。ホームスクーリングはそれを飛び越えて自宅で親が役割を果たすというものですから、選択の幅は一気に広がります。ヨシさんのように6人それぞれを12年間見ていくというのは、やはり「ビッグマム」の仕事ではないかとその時そう感じました。
一人の人間が自分の人生を歩んでいく際に、どのような学びを選択して(創って)いくか、本人がしっかりと考え意思決定できるような過程、それがまさにキャリアを形づくるということなのではないかとアラスカ以降深く考えるこの頃です。
2025.10.14
10月10日(金)午後、日向中学校において、「総合的な学習の時間」発表会が行われました。9月に実施された社会体験学習「14歳のよのなか挑戦」のまとめになります。事業所ごとに生徒が4教室に分かれ体験を発表しました。私は39社すべての発表を見て回ることはできなかったのでひとコマずつ移動しながら幾つかの発表に参加させていただきました。本日はその中の一部を紹介いたします。
*記事と画像は同一でないものが含まれます。
はじめに、「日向消防本部」グループの発表です。体験一日目には、訓練に参加し救助法を学んだようです。消防士の訓練というと過酷なイメージがあります。この生徒たちも大変なことだったでしょう。また、このグループはプレゼンテーションによる消防車両の説明で画像を適切に整理してとても分かりやすかったです。この体験により、「将来消防士のような人を助ける仕事がしたいと思いました。」と目標がかなり絞られてきたようで、学習の効果が高かったことが伺えました。
チーズ饅頭の袋には色の変化を見極める密閉式の袋が使われていることや、初めてのケーキ作りでは、職人は力仕事と時間との勝負が大変だということを体感したようです。 このグループはよのなか挑戦で最も大事にしてほしいこと、つまり、今できることは何なのかということをしっかりと学習していました。それは「人が喜ぶことを率先してすること、挨拶、返事、心をこめてありがとうと言う、時間を大切にする」これらのことを今後の学生生活に生かしていく覚悟ができたのが何よりの収穫でしたね。
実はこのグループが発表する前に、パソコンの接続トラブルで時間が経過していったのです。ところが、その間教室の生徒たちは私語を始めることは一切なく黙々と自分にできることをしたり、静かに待っていたのです。私はそのことにいたく感動しました。ハプニングに動じない、これはとても大切なことだと思います。
さて、肝心の発表内容です。ピーマンの収穫体験での暑さや湿気という環境に厳しく注意を払うこと、玉ねぎの種まきでは一粒一粒丁寧に土に入れるためには集中力が必要で、農業の大変さや生産者の努力が身をもって分かる本物の体験学習ができたということでした。生産者や従業員の努力や食の大切さ、挨拶、笑顔、礼儀、働くことの大変さとやりがい、こういうことが働く意義に繋がることを知ることができた体験活動だったようです。

プレゼンテーションの資料が大変見やすく、その画像をうまく活用しながらの発表は細かく丁寧で分かりやすいものでした。活動では、看護師という職業の大変さや魅力を体感し、患者さんへの思いやりについて身をもって理解することができたようです。看護師の方が、患者が困っていたら優しく接していて、相手の目線に合わせるようにしていたことがとても印象的だったことを強調していました。

看板づくりやパソコンで作成した看板にピクトグラムを追加し看板を設置する作業も体験できたようです。このグループは会社の社長へしっかりと質問をしてきていて、「大切にしていることは、客の理想を超えること」とか「今の仕事を選んだ理由は、不安定でも好きなことを仕事にしていきたいと考えたから」という自分の進路選択に大変有意義な言葉をいただいたグループでした。
この教室の生徒たちは、発表に対して実によく清聴し、記録・記述をしていたことが印象的でした。
最後に、「ルミエール日向」の発表をしたグループの感想を紹介します。
「会社のために色んな人が関り合い協力していることが分かった。将来の自分の進路にとても大切なことを学んだ。仕事をしている方々の考え方に触れることができ、将来の目標を明確にすることができた。」と収穫の多い体験学習だったことが伺えました。そして最後に、このグループも「これから私は問題解決の力をつけることが大切だと学びました。」と今からやるべき自分の目標をはっきりと定めることができたことをまとめにしてくれたことがとても嬉しかったです。

最後になりましたが、中学生の体験学習を快く引き受けていただきました各事業所の皆様に心よりお礼申し上げます。ご協力いただきました事業所様を紹介をさせていただきます。
ミツイシ(株)様、SEIKADO様、(株)夾竹園日向店様、コープみやざき財光寺店様、イオン日向様、(株)グローバルクリーン様、旭建設(株)様、(株)日向衛生公社様、(株)内山建設(有限会社アイセック)様、日向市消防本部様、林野庁九州森林管理局宮崎北部森林管理署様、日向市役所建設部都市政策課様、日向商工会議所様、(株)黒田工業様、認定こども園伊勢ケ浜保育園様、ケーブルメディアワイワイ日向様、社会福祉法人富高福祉会富高保育園様、(株)ベルフォート日向様、(有)悟空マンガ倉日向店様、(合)ルミエール日向本部様、東郷メディキット(株)様、(株)マルイチ大門店様、(株)マルイチ江良店様、済生会日向病院様、日向市社会福祉協議会様、社会福祉法人ひまわり会永寿園様、誠和会和田病院様、デイサービス心愛様、虹工房様、藤屋印刷(株)様、(株)MFE HIMUKA様、枡元亀崎様、宮崎県機械技術センター様、中村眞税理士事務所様、ミスターマックス様、日向市立上町保育所様、認定こども園日向なないろ保育園様、学校法人富高学園富高幼稚園様、すくすくひなた保育園様
ご協力ありがとうございました。
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