Hyuga City Career Education Support Center
2026.01.30
「ひなた場」の学習時間の構成は、中学2年生約60名に対して、話をしてくださる講師の大人が20名、それに、人生紙芝居を読んでくださる大人が3名の合計23名で実施されます。

生徒は予め、3名ずつのグループ20班に分かれ、ストーブを数か所に入れた体育館にグループで別れて着座します。そこへ、20名の講師の先生(大人)が分かれて入り、自己紹介と自分の人生グラフの説明を行います。その後、各グループの1名は残り、班の講師の先生と1対1で、今度は予め作ってきた自分の14年間の人生グラフを講師の方に語り始めます。同時に、各班2名のほかの生徒は3か所に分かれて、人生紙芝居を読んでくださる方の場所に行き、その方の生き様を紙芝居で聞きます。これが1ラウンドになります。
次のラウンドになると、班の次の生徒1名が講師と1対1対話をすることになります。ほかの生徒は紙芝居へ行き、同じようにして3ラウンドまで進みます。長い時間になるので、途中に休憩時間や飲水タイムを設けたりして体調にも配慮されていました。
紙芝居は、その方のこれまでの人生を物語ったお話になります。「当時はペペロンチーノにはまって栄養失調になってしまいました。」と赤裸々に話されると、生徒が大きくうなずくという場面がありました。また、「国体で3位、バンタム級で3位となり、周りから『ブロンズコレクターやね』と冷やかされました。」と言われると、大きな笑いが起こるグループもありました。さらに、「大人になると注意してくれる人は減ります。だからこそ今、注意してくれる人がいるうちにちゃんと話を聞いた方が良い。」と、今の中学生へのメッセージも随所に織り交ぜながらの紙芝居でした。

一番気になるのはやはり、1対1の対話です。20班あるので、20人の生徒が椅子に座って1対1で語り合うのです。中にはマスクをしたまま話ができそうにないような生徒もいると思いましたが、1対1になると、初めて会う大人であっても、これまでを振り返って余り考えたことのない自分の「人生グラフ」を示しながら、横にいる大人に聞いてもらうというのはなかなかない体験です。それが引き金となってポツポツと語りだす生徒もいたようです。全体を見渡すと、あっちでもこっちでも一人の生徒と一人の大人が真剣にそして笑顔で語り合っている姿は心が温かくなる風景でした。

生徒にとって初めて会う大人というのは新鮮で聴く心を持ちやすいのだろうと感じました。また、初めて出会う人は展開が分からないものです。だからこそ興味津々となり、聞き入りやすいという効果もあるのでしょう。

生徒の振り返りの時間は、「どんな大人になりたいか」「そう思ったきっかけは何か」をワークシートに記入し、それを各班で出し合って講師と一緒に確認する時間でした。生徒は
終了の時間になると、各グループには初めの緊張感とはまったく違う温かな親近感が生まれていました。お別れは生徒が講師にお礼を述べて終わるのかと思ったら違いました。23名の講師が体育館出口に2列で整列し、拍手に見送られて退場するのは生徒たちの方でした。これが大人が子どもを支える場の姿なのだ、と最後の演出に感動しました。

生徒を見送ると講師の皆さんは中央に集まり、短時間ですが振り返りの時間が開かれました。講師から「初めは自分のことをはっきりと話せない生徒さんがいましたが、1対1になった時にはきちんと自分のことを話してくれて嬉しかったです。」や「生徒さんと一緒に話していて、自分自身がキャリア教育を受けていることに気づきました。」と言った感想を出してくださる方もおられました。

全体進行の延岡市キャリア教育支援センターの方が話されていたように、「生徒は自分のロールモデルとなる先輩を見つけられ」、「これからにつながる話ができた」のではないかと確信します。それは生徒一人一人が、この2時間の学習の中で、大人と1対1で語り合い、自分の14年間を振り返り内省する時間ができたからだと思います。
いつか日向市でも「ひなた場」ができるようになれば良いと、明るい希望をもって日向にもどってきました。延岡市立旭中学校様、延岡市キャリア教育支援センター様、そしてたくさんの講師の皆様、見学しているこちらまで大人と子どもの間に生まれる温かな空気感に触れさせていただきました。本当にありがとうございました。
2026.01.29
昨日、細島小学校の5・6年生を対象によのなか教室が行われました。5・6年生31名が3つのグループに分かれて3名の講師の先生から話を聞く学習を見学しました。
初めに、東郷メディキット(株)の関本菜々葉様の教室を見学しました。細島小出身の関本さんの仕事は、子どもたちに分かり易いように医療機器を作っていると話されました。その後、詳しく担当の説明をされ、血液検査などで使用する針先にある穴を検査する仕事だということでした。一日に3交代で9人が4万本を製造しているとのことで、関本さんはその針穴に異常がないか、欠陥がないかを検査するとの話に、子どもたちから驚きの声が上がりました。関本さんはソフトボールをしていた時にけがをして、病院で医療従事者の仕事を見て将来この道に進みたいというきっかけになったということでした。それで、子どもたちには、自分の好きなことをしていると将来の仕事につながるきっかけが見つかると思うので、好きなことを続けるようにしてもらいたいとメッセージを送られました。


2人目は、(株)江川商店の江川昌利様の教室に行きました。江川さんも細島小出身で親の代から継いだ仕事をするようになり、現在は、スーパーや学校に食材やお酒などを卸しているそうです。お客さんから「ありがとう」の声を聞くと嬉しくなり、また、お店の人にレシピにある小麦粉はこれを使うといいですよと勧め、その商品が売り上げを伸ばした時にやりがいを感じるとのことでした。細島は地域の人が地域のために行動している町だということで、人と人が繋がっていると自分自身もしっかりしなくてはと「シャキッとなる」と地元愛を語っていただきました。子どもたちへは、「スマホなどですぐに検索できる時代だけど、自分の頭で考える習慣をつけるといいですよ。」とアドバイスをしてくださり、『14歳からの哲学』という面白そうな本も紹介していただきました。


3人目は、日知屋東幼稚園教諭の髙舘隼仁様の教室を見学しました。この仕事をされるきっかけは、ご自身が保育園児の頃に男の先生がいて、その先生ならではの男の子に対する遊び方が気に入っていて、自分も将来そういう存在になりたいと子どもながらに思っていたそうですから、キャリア形成は相当早かったことが伺えました。仕事を通じて、同僚の先生たちや保護者の皆さんに話をする機会が多くなり、自分の自信にもつながっているとのことでした。また、保育士と幼稚園教諭の両方の資格をもっていることが進路選択では有効だという資格取得の効果についても話していただきました。日常の仕事の対象は小さな子どもたちなので、園内のあらゆる施設や道具については、子ども目線で細かいところまで観察しないと怪我につながるため、そういう点検は大変だというお話もありました。細島小の児童へは、自分から手を挙げ、話を聞くなど毎日続ける「継続する力」の重要性をメッセージとして送られました。


最後の全体まとめの会では、2名の児童が感想を発表し、「栄養士になりたいので、今日習った粘り強さを持ち続けたいと思います。」、「スポーツで監督におこられることがありましたが、ずっと続けていくことの大切さが分かりました。」と本日の講師の先生方の思いが伝わっている感想でした。
細島小の児童の皆さんに寄り添う3人の講師の方々のお話は、子どもたちの将来につながる深いお話だったと思います。こういう働く大人の話は何回聞いても、自分の生き方のアドバイスとなるいくつかのポイントがありますので、次の学年になっても、中学生になっても引き続き出会えると良い刺激を受けられると思います。
♬荒ぶる鳥辺の島すぎて まがつ海の魔 鎮もらせ♬
福岡県柳川市出身の北原白秋が作詞した同校校歌は、私が勤めていた頃も子どもたちは学校帰りに皆で大きな声で歌っていました。ことあるごとに校歌が歌われ、PTAの飲み会でも必ず肩を組んで大合唱となっていました。その校歌を歌っていた子どもたちも今や五十代へ突入しています。それぞれの子どもたちがそれぞれの時代を生き抜き、キャリアを重ねて今がある訳です。これからの多様性が大きく開かれた時代を自分らしく生きていくために、日向の大人の皆様が手を差し伸べていただいていることに深く感謝いたします。
3名の講師の先生方本当にありがとうございました。
2026.01.28
日向市では、中学2年生の全員に『日向市のいろんな産業、いろんな会社、いろんな仕事』という教材を毎年配布しています。また小学校には3冊ずつお配りしています。これは、掲載各事業所様のご協力のもとに藤屋印刷様が作成していただき、中学校を中心に配布しているという画期的な教材になります。

2026.01.27
「だったら、アンタここで乗り換えた方がいいわ。」そう運転手は言いました。
ブログで紹介してきましたアラスカでの体験で、路線バスに乗り、両替に関する旅人との出会いはお話しました。そのバスを利用し、私は大きなバスセンターで乗り換えようと思っていました。乗り換え方法について、乗客である隣のご婦人に話しかけると、いろいろと道順を丁寧に教えてくれました。そこへ割って入ってきたのが冒頭で紹介した女性ドライバーになります。私たちの話を聞いていて運転しながら会話に入ってきたのです。「アンタ、そこへ行きたいのなら、ここで降りてグレイラインのバスに乗るといいわ。待ち時間はあと40分かかるけどね。」と会話にグイグイ入ってきます。

次は、フェアバンクス市内の大型スーパーでの一コマです。上の画像で分かるでしょうか。今何かと話題の銃のお話です。こちらはおもちゃではなく本物です。なんとスーパーに銃のコーナーがあり陳列されているのです。興味があったので、スタッフの女性にいろいろ質問してみました。すると「ええ、あなたも身分証明書があれば購入できるわよ。買うの?」もちろん私は「いや、要りません。」と怖くなり断りました。そのほかにも聞いていないのに次々にいろんな話題を提供してくれました。銃社会の怖さやらハンティングの興味深さなど貴重な話でした。
次に、タクシーに乗った時の運転手についてです。彼は私が軽く話すと何倍にもなって話題を振りまいてきました。あの場所付近には面白いところがあるとか、今日そこは楽しかっただろうとか、後部席の私の方をいちいち見ながら会話してくるものですから、とにかく運転が危なっかしいのです。お願いだから前を向いてくれ、そう目で合図を送りましたが通用しなかったようです。私が英語を余り話せない日本人だと分かっても、目的地に到着するまでずっとこの調子で喋り続けてくれた彼にチップをはずみました。
最後にゲストハウスのオーナーを紹介します。私はゲストハウスという宿泊施設に泊まるのはそれが初めてでした。到着すると、英語もままならない私に対してとてもフレンドリーにリスペクトを忘れずに接してくれるオーナー夫妻に、心温まる人間関係を感じました。単に部屋を提供し、後は自由にさせるのかと思ったら、食事を一緒にどうかと自分たちの夕食に同席させてくれたり、町で友人とバーで飲むから一緒に行こうと誘ってくれたり、町に日本人妻の友人がいてウチに呼んだから話をするといいというように、3日間を私が退屈しないように最大限のもてなしをしてくれました。
今日は単にアラスカの皆さんが友好的だったという話ではなく、視点を変えてみて、良いおせっかいは、実は根底に流れる社会貢献の精神なのではないかと考えたことをお話してみたかったのです。昨日、デンマークの著者の紹介をしましたが、以前読んだ別の方の『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』という本がたまたま同じデンマークの内容でしたので、一部紹介します。
「社会的に意義のある仕事をして、仕事に自分なりの『意味』を感じたい。そう考える若者が増えている。…今の若い世代は、会社が社会に果たす役割、つまり、会社の『社会的意義』を重視する。」のだそうです。また、「明確なキャリアプランを持たない人が多い」と書かれていたのには、私は「これは日向市のキャリア教育の推進に当たっては紹介できない」とまで思ってしまいました。しかし、「自分にとって意味のある仕事を求めて転職をした」とあり、キャリアアップを目指した女性が「キャリアの階段を降りる」決意をした理由が、「『社会的意義』のある仕事をしたくなったからだ」と聞かされると、自分のキャリアをしっかりと把握しているからこその判断基準になるのだと思いました。
それでも、「『社会貢献できる自分でありたい』という気持ちをもっているデンマーク人は多い」と聞くと、仕事をする意味や働く意義というものはとても重要な価値観になることが分かります。これは現在進めているキャリア教育の理念とまったく同じものになります。
前半で数人のアラスカ人による良い意味での「おせっかい=おもてなし」を取り上げました。それは実は、人として脈々と流れる社会貢献の精神文化ではないかと気づくことができます。その点では、アラスカ人に限らず、日本中どこでも人の思いやりに触れることで感じることができます。バスやタクシーの運転手にしても、スーパーのスタッフやゲストハウスのオーナーにしても、それが仕事であることには変わりはありません。それでも、働きながらも「仕事に自分なりの『意味』を感じる」ことができるのは、そうした人とのかかわりの中から生まれる新たな価値や積み重ねがキャリアの発達として刻まれ、人間的に成長できる喜びを自分が感じ取ることができるのではないかと、今振り返って思うところです。
過去のボランティアが自分の成長に繋がると私自身が感じたのは、まさにそのキャリア発達だったと気付かされています。おせっかいなら、後で振り返った時に、お互いに心地よさを感じるものなら良いですが、嫌がられるようなおせっかいはいけませんね。
2026.01.26
「学校に行く意味って何?学校にあまり行きたくなくなった。」
小学4年生の子どもが突然こんなことを言い始めたら、どう対応しますか?
先日のブログで少し紹介しました、ニールセン北村朋子さんの著書『経済力も幸福度も高くなる~デンマークのすごい教育』の中で、実際にC君という4年生の子が発した言葉です。
その子が担任の先生にこの言葉を話すと担任は、「あなたは何をしたいの?」と聞き、C君が「車が好き。」と答えたのに対して先生は、「じゃあ何かいい方法を考えよう。」と話した後、学校と協議し、C君に「しばらくこの町にあるカーディーラーに通ってみる?」と、C君を受け入れてもらえるようにディーラーと交渉していたのです。C君は町のカーディーラーに通い始め、メカニックの人が「いろいろな言葉の使い方や伝え方をしていること」を知り、「数式やエクセルをこうやって使うのか」と分かり、セールスの人は「地域の人たちがどんな暮らしをしているのかと、地理や歴史を知ることは大事だ」、「車を修理するには数学や化学の知識が必要だ」と、学校で学ぶ意味を理解していくのです。そして、3か月後に学校に戻るようになったということです。
同じ不登校でも、学ぶことに疑問を感じて不登校になっているのと、学習そのものが嫌いで不登校になっている場合など色々な状況があるので、C君の例のように、社会人と出会わせても感じ取れなければ、学ぶことの意欲には繋がらないのかもしれません。さらに、デンマークのように社会がすべて学びの場として機能していなければ、このような態勢づくりはできないでしょう。しかし、今の日向市では、「よのなか挑戦」で仕事を通して、「社会の中での生き方や、自己理解、課題対応、将来展望」などを学ぶように探究的な職場体験活動を実施しています。また、「よのなか教室」も、単に職業人に出会わせるだけの単発学習ではなく、事前学習と当日の学習、事後学習をセットにした“上記4能力”を学び取るようにプログラム化しています。それだけに、デンマークの不登校生徒のような個人的な支援はできていませんが、日向市でも社会とのつながりを強化したプログラムを提供する活動は一年を通して実施しているところです。
デンマークにも「職業実習/インターンシップ」が存在しているようですが、インターンシップ先は自分で見つけ、履歴書を作って自分で訪問先と交渉するそうです。かなりハードルは高いのですが、社会全体が子どもを育てるという認識があってこそ成立するものなのでしょう。気運としては、日向市の各事業所様も日向の子どもたちを育てるという意識は高くなっている思っています。
学びの視点から子どもが、子ども時代を子どもらしく過ごして大人になっているかという視点に目を向けるとき、ニールセンさんが取り上げているパン・グポン氏の言葉「ひとつ、子供はいますぐ遊ぶべし。ふたつ、子供はいますぐ健康になるべし。みっつ、子供はいますぐ幸せになるべし。…」が挙げられます。ニールセンさんによると「遊びを通して、子どもたちは交渉、妥協、そして衝突した時の解決方法を学びます」といい、「子どもは実に多くの社会的スキルを学ぶ」ということに同感します。
このようにして、子どもは人とかかわりながら成功や失敗を積み重ねることで生きる力を身に付けていくという「プロセスを楽しむことを学ぶ機会」を獲得していくことになります。子ども時代に「適切な遊び」を逃してしまうと心配なことになると、ニールセンさんは次のように疑問を投げかけます。「成人を迎えた後どころか、アラサーになっても、国民の大事な権利の行使の機会である選挙にも行かず、自分の意見も持たず、精神的にも社会的にも自立できない大人が日本に大勢いるのは、子ども時代、若者時代をちゃんと『完全消化』し、やりきった感覚を持てていないからではないでしょうか。」と。
そこから話は「未来や世界で通用する能力」として、以前ブログで紹介した「一期一会を楽しむために」につながります。初めての人ばかりの集まりやパーティなどに出席した際に、「参加することを決めた以上、能動的に関わっていくことが、暗黙の了解で求められているのです。一期一会を楽しむためには、自分から積極的に会話に加わっていく姿勢が必要になる」ということが当然の社会であるデンマークの姿に私は反省させられました。
先日、ご本人が来日されていてお会いする機会があり、短い時間の中で貴重なお話を伺うことができました。この著書に書かれていることがそのまま日本の、日向市の教育に当てはめることはできませんが、自分の身の振り方や法的枠組みの中でも取り入れられるところは積極的に実践に移していきたいと感じました。
一度、この本を読まれてみてはいかがでしょうか。子育てのヒントにつながることが見つかるかもしれません。
2026.01.22
20日(火)大王谷学園に愛媛県西条市議会の皆様が視察訪問に来られました。
研修会では、まず大王谷学園飯干校長先生より、小中一貫教育におけるキャリア教育についての説明がなされました。当時は、学校の荒れ、社会へはばたく生徒、土台作りの教育、学校外の人材の活用、学ぶ機会の拡充という多くの課題を抱えた中で、「よのなか挑戦」「よのなか教室」を中心活動としたキャリア教育への取組がスタートしたという説明でした。具体的に初等部、中等部でのそれぞれの活動をプレゼンテーションで分かり易く説明していただきましたので、初めて日向市に来られた方々も理解できたのではないかと思いました。

続いて、私が日向市のキャリア教育のあゆみと現在の方向性について説明いたしました。平成25年に私が現在いるキャリア教育支援センターが開所したこと、翌年から「よのなか教室」が始まったこと、教職員や事業所の皆さんへの研修会も実施され、中学2年生の生徒全員に「日向市のいろんな産業・会社・仕事」という事業所の活躍が分かり易いガイドブックが毎年配布されるようになったことなどをお話しました。また、増元事務局長から「キャリア教育通信」(年2回、児童生徒家庭に配布)を資料として本市の取組の経過と現状について紹介してもらいました。併せて、椎葉コーディネーターから、市内中学校区ごとに委嘱された地域コーディネーターが調整を図る「出前授業」や学校での活動について説明してもらいました。

このような日向市の手厚いキャリア教育の取組は、訪問された皆様には新鮮であったようで、その後たくさんの質問を受けました。1「事業所を登録する際の留意点は?」「まずは日向市のキャリア教育について理解を促すことです。」2「商工会議所に登録のない事業所の登用は?」「地域コーディネーターからのアプローチになります。」3「キャリア教育をすれば就職を目指す子どもは日向市を選択するのか?」「直接そこを目指しているのではなく、まずは本人らしい生き方の教育です。その上で、将来のセカンド、サードキャリアで日向市を思い浮かべてくれるようにしていきたいです。」など、予定の時間を越えて活発な協議を行いました。
とかく視察訪問となると、こちらの取組をさも先進地のごときスタンスで紹介してしまうことがありますが、受ける私共が勉強になることが多いものです。実際に今回も、鋭い質問を受けながら、本市のキャリア教育の中心を明確にしなければならないと感じたところでした。取組の一丁目一番地は何なのか、一言で言える。これが大切だと思います。どんな取組でも中心に据える一言は、根幹の部分を表す理念であるからです。「本人らしい生き方を実現する教育です。」と一言で表せると、学校も児童生徒も保護者、地域も、「キャリア教育というけれど、一体何に取り組んでいるのか分からない」ということが無くなり、そこから広がることに繋がります。だからこそ、あらゆる角度から一人一人にキャリア(立場や役割の連鎖)という肉付けを学校の内外から行い、形づくっていくという営みを行っています。
先月の熊本県芦北町教育委員会の皆様の時もそうですが、視察訪問はそういう意味で、改めて自分たちが核心を理解しているかが明確になりとても勉強になります。西条市の皆様、ご訪問いただきまことにありがとうございました。西条市には名水百選の自噴井「うちぬき」があり、私も過去に登山をした百名山の石鎚山がそびえ、10月に行われる西条秋祭りには百数十台の屋台が練り歩くということが市のHPから分かりました。また一つ、訪れたい「気になるまち」ができました。
2026.01.21
昨日と本日、財光寺南小学校5年生にて、よのなか教室(講話)が行われました。
20日(月)は、(株)おりなす建材の那須久司様の講話です。

自己紹介での「嘘つきクイズ」の答えは、アメリカに留学したことがあるということに子どもたちからは驚きの声が上がりました。その後、担任の先生の進行によって、ご本人の人生の浮き沈みをグラフ化した「人生グラフ」でこれまでの生き様を紹介してくださいました。20歳で留学した際には、生成言語学という難しい学問を研究されていて、英語を数式のように分解して考えるという何とも複雑な学問に、私だけでなく子どもたちも頭に?マークが現れているようでした。

現在のお仕事は大きな建物を中心に、窓枠の設計・施行など一連の工程をご自身で取り行っているとのことです。那須さんが強調されていたのは「考えることは価値あること」で、児童も頷きながら理解できていたようでした。さらに、「努力は人を裏切らない」とアインシュタインの言葉を取り上げ、熱く語って頂きました。
キャリア教育の4つ力については、「相手に興味を持つこと」「面倒くさいと思わないこと」「自分の道を信じること」「仕事は自分で考え創り出し効果を上げること」と、5年生でもしっかりと受け止めて欲しい気持ちを誠実に伝えられる様子が印象的でした。
子どもたちは熱心に、ワークシートに那須さんの言葉を書き綴っていました。仕事人によるホンモノの話は子どもたちの心に深く響いたのではないかと思います。
続く本日21日(水)は、現在市議会議員をされている黒木健二様のお話です。

自己紹介のクイズでは、子どもたちは黒木さんが過去に財南小で先生をされていたことを意外に知らなかったようです。毎回のことながら、この嘘つきクイズ(正解ではなく間違いを探すクイズ)ではかなり盛り上がります。大けがをされた経験には子どもたちは自分事として素直に深刻に受け止めているようでした。また、財南小に土俵があることを紹介されると、子どもたちは存在を知ってはいるのですが、過去に盛大に相撲大会が開かれていたことは知らなかったようです。現在の保護者の皆さんが小学生の頃に行われていたようです。

さて肝心の議員の仕事となると、意外に大人も知らなかったりするものですから、子どもたちは余計に新しく聞くことばかりでした。それでも、黒木さんが分かり易く丁寧に子どもたちのスピードで説明してくださるので、よく理解しメモを走らせることができたようです。選挙の仕組みや市民の声の拾い方、県や国に要望を出すという仕事について、公正に差しさわりがないように話していただけて有難いです。
キャリア教育の4つの力については、「一人一人の声をしっかりと受け止めること」や「日常の生活をスケジュール化すること」、「今日一日の振り返りをすること」、「働くということは生きる事(生き抜く事)につながり、自己実現にもつながること」などを分かり易く話していただきました。
黒木さんの「選挙は何歳からだと思う?」の質問に対して「18歳から。」とサッと解答が帰ってきたのには驚きました。さすが5年生にもなると政治の分野にも関心が向きつつあるということを感じました。子どもたちは、なかなか聞くことのない議員の仕事について話を聞くことができて良かったと思います。また、黒木さんも中立の立場から逸脱しないように慎重に話を進めておられたことは流石だと思いました。
今回の授業をもって財南小の5年生は、本年度のよのなか教室を終了しました。学習回を重ねるごとに、聞き取る力と書く力が向上していることを実感しています。これから年度末へ向けて、5年生なりに4つの力をどうまとめていくのか楽しみになります。
2026.01.20
1月も下旬に入りました。午後5時を過ぎると、あたりが暗くなっていたのが随分明るくなってきたと思う方も多いのではないでしょか。夜空を見ますと、東の空に冬の大六角(ダイヤモンド)と呼ばれる6個の星が輝いています。小学4年生の理科で学習します。下から左回りに、シリウス、リゲル、アルデバラン、カペラ、ポルックス、プロキオンのいずれも一等星(シリウスはマイナス等星)の明るい星です。その中のポルックスの隣にひと際輝く星が見えると思います。それは木星です。皆さんご存じの縞模様が美しい惑星ですね。一つ一つに細かい話をしていると長くなるので、本日、真っ暗な新月となっている月の話です。
昔勉強したことなので、最新情報について詳しい方がおられると思いますが、空気が乾燥し澄んでいる今こそ、夜空を見上げると新しい発見があるのではないかと本日の話題とします。
私たち日向市は海とかかわりの深い町になります。潮の満ち引きが月に影響されていることを多くの方がご存じだと思われますが、日常的に引力で引っ張られているとは感じませんね。では、どういった原理なのでしょうか。
月は直径が地球の4分の1あり、地球の大きさに対してかなり大きな衛星と言えます。それだけに、地球は月に、月は地球に引っ張られながら太陽の周りを回り続けています。つまり、月に向かっている側の地球が月に引っ張られてグワンと海水が盛り上がって満潮になります。その満潮になっている側の地球の反対側は、遠心力が最大に働くのでこちら側も満潮になります。また、太陽も月ほどではないにしろ、引力の影響を地球に与えています。この引き伸ばす「潮汐力(チョウセキリョク)」というものは、太陽と地球と月が一直線に並ぶ満月と新月の時がもっとも大きく働くので、干満の差がもっとも大きい大潮という状態になります。今日は新月なので大潮になります。
太陽に対して月が地球から垂直の位置にある時は、月と太陽の引力の影響が地球には小さいので、同じ満潮でも干満の差が小さい「小潮」ということになります。

<絵が分かりづらい…>
月は自分で回る自転と地球の周りを回る公転の周期が同じなので、地球に常に同じ面を向けながら一日で地球を一周します。月に対して太陽が真南に来て(南中)から、次に南中するまでには約29.5日かかるので、それを「一月(ひとつき)」と呼びます。こうやって文章で書いても、月の自転・公転の周期が同じというのを理解するのは難しいですね。ボールの同じ面を自分の方に向けたまま自分の周りを一周させたときに、ボールは自分では一回転しているのが自転と捉えると分かり易いかと思いますがいかがでしょうか。月が地球に対して常に同じ面を向けているため、私たちは月の裏側を見ることはできません。月は明るく照らされている昼間の時に気温が110度あり、暗い夜の時には-170度にもなるため、とても人間が素で暮らせる場所ではありませんね。アルテミス計画が進展し、いつの日か月に住むようになった時には、その人は、昔日向のブログで、まだ月の自転・公転の話しかしていない時代があったがねえ、などと話していただければ幸いです。
地球から約38万キロメートル離れた場所にあるお月様は、「一月(ひとつき)」のサイクルで懐中電灯もいらないくらいの明るい満月を私たちに提供し続けてくれます。さらに、引力の影響を与え、それが潮の干満に影響し、満月とともに漁獲量にも影響します。今日の新月が終わると、薄い三日月の有明月となり、次第に大きくなって満月がやってきます。これをあと2回繰り返した3月3日の夜には皆既月食が訪れます。前回は2022年の11月8日で、私は日向を細島から東郷まで撮影のために駆け巡りました。

皆既月食中のオレンジ 比較明合成で出現するパープルフリンジ
私たちの生活に大きな影響を与えている地球の唯一の衛星である月には大変お世話になっているので、ウサギの餅つきでも、ペーパームーンでも、月見て一杯でも、中秋の名月でも、それぞれの楽しみ方で月を愛でる心のゆとりを持ちたいものです。
本日、愛媛県西条市議会の皆様が大王谷学園に来られ、日向市の小中一貫教育、キャリア教育について熱心に協議をしていただきました。その様子につきましては、後日お知らせいたします。すでにこの時間帯、気温が下がり始めましたね。夜空を見るには寒すぎるかもしれません。風邪にはお気をつけください。
2026.01.19
先週15日(木)財光寺南小学校5年生を対象に、よのなか教室の事前学習を行いました。その前日に富高小学校で行った授業と同じ内容になります。今度は、5年生2学級に1コマずつ授業を行う形態で実施しました。
今回もMFE HIMUKAの黒木猛様の「エピソードシート」(仕事人物語)を活用しました。しかし、対象が5年生なので、シートの内容は5年生用に編集し直したものを使用しました。それでも「仕事上の苦労」や「やりがい」、そして、仕事の「社会的役割」については同様に読み取ってもらいました。5年1組、2組どちらも苦労しながらも鍵となる部分に線を引きながら熱心に読み進めていました。

日向市のキャリア教育で目指す4つの力「相手を尊重し社会を理解する力」「自分を正しく知りコントロールする力」「課題を見極め解決の工夫をする力」「働く意義を知り将来を切り拓く力」を強調し獲得して欲しいと願いながら進めると、子どもたちはその趣旨をしっかりと読み取り、仕事と自分の目指す能力を結び付けて記述することができました。
代表発表では、「看護師になるために、相手のことを尊重できる人を目指したいです。」や「野球選手になるために決めたことをブレずにやっていくようにしたい。」、「保育士になるために人を大事にする。」、「メジャーリーガーになるためにチームワークを意識しながら練習する。」などと発表してくれ、明確な自分像を胸に刻むことができているようでした。

私事ですが、一昨日、学習会があり『デンマークのすごい教育』という本を手に入れることができました。これから紹介する機会があると思いますが、この中から「会話ができるって、なんて豊かなんだろう!」という著者ニールセン北村朋子さんの言葉が印象的だったことに、私が財南小で行った学習での反省を加えてお知らせします。
デンマークではホームパーティがよくあるそうですが、どんな人が集まっても、初対面の人とでも話題に事欠かないそうです。「家族の話、最近読んだ本の話、食べたり飲んだりしたもの、政治、経済、美術、音楽…」ずっと相手と話し続けるそうです。「参加すると決めた以上、能動的に関わっていくことが、暗黙の了解で求められているのです。一期一会を楽しむためには、自分から積極的に会話に加わっていく姿勢が必要になります。」とニールセンさんは言われます。なるほど、そこに居ると決めた以上、自分から関わるのが自分の責任なんだと、改めて痛感させられました。今、学校では対話的で深い学びというものが求められています。私の財南小での授業に関しては、もっと子どもたちが対話できる時間を作り、会話によって学習が成立する喜びというものを実感させていかなければならないと反省したところです。そういう積み重ねが、初対面の人とでも会話を成立させられる大人をつくっていくのだと確信しますが、学校だけでなくご家庭でも、手を止めて子どもの話を聞くという向き合い方をよろしくお願いします。
昨年秋から財光寺南小5年生の学習風景を見てきましたが、学びに向かう姿勢が向上してきている手応えを感じています。それは、校長先生を初め、学年担当の先生方のご指導で一層成長していることの表れであると思います。今回の学習を経て来週、2名の「仕事人による講話」(よのなか教室)が実施されますので、さらに確かな4つの力を獲得してくれると期待しています。たくさんの仕事人と学習する機会を与えてもらっているこの子たちは本当に幸せです。
2026.01.15
昨日14日(水)富高小学校6年生を対象に、よのなか教室の事前学習を行いました。
日向市のキャリア教育では、文科省から示されている4つの力に沿って、それを児童生徒に分かりやすい文言に整理した「相手を尊重し社会を理解する力」「自分を正しく知りコントロールする力」「課題を見極め解決の工夫をする」「働く意義を知り将来を切り拓く力」を学習のねらいとして位置づけています。昨年までも、この4つの力で焦点化を図っておりましたが、さらに児童生徒に分かりやすく文言を整理したものになります。

今回は、MFE HIMUKAの黒木猛様の「エピソードシート」(仕事人物語)を活用して、6年児童に「仕事上の苦労」や「やりがい」、そして、その仕事の「社会的役割」について読み取ってもらうことを学習の入口としました。

次に、4人グループで読み取ったことを話し合い、お互いが、黒木さんの働く苦労や能力をどう吸収したのかを話し合う時間を設けました。友達の読み取りを聞くことによって共感したり違いを発見したりする時間となり、それもまた相手を尊重することに繋がります。

グループで読み取ったことを代表児童に発表してもらいました。面白いですね。「仕事のメリハリ」や「前向きになること」「チャレンジすること」「あきらめないこと」など、実に多くの「能力や態度」が発表され、この学年の子どもたちが、主体的に学習できる集団であることを証明してくれました。

その後は、今後自分(個人)が身に付けていこうとする力を、先ほどの観点から選択し、さらに、これからの自分の生き方を宣言する方向性をワークシートに書き出しました。発表者を募ると、5人の児童が自ら意見を述べてくれました。「友達に優しくしていきたい。」「将来は宇宙飛行士になりたい。」「自分の役割を果たしたい。」「将来は野球選手になりたい。」など、生活の明確な目標と将来の希望が見えてきた時間になったことを嬉しく思いました。
コロナ禍の中で始まった小学校生活の最後を迎えるこの6年生たちは、本当に厳しい時代に生きていると感じます。だからこそ余計に、一人一人が生き抜く力を自分の言葉として胸に収め歩き続ける人生であって欲しいと願わずにはいられません。今回の事前学習を経て、2月初めの「仕事人による講話」では、さらに確かな4つの力を獲得してくれると期待します。
校長先生、教頭先生を初め、学年担当の先生方のご指導で逞しく、爽やかに卒業・進学を迎えるだろうと想像しながら富高小学校を後にしました。保護者の皆様、2月末の発表会は必見です。
お気軽にお問い合わせください。
0982-57-3522
受付時間 8:30~17:00