日向市キャリア教育支援センター ブログ

2026.02.06

よのなか挑戦発表会~大王谷学園7年生

 昨日5日午後、大王谷学園において職場体験学習の発表会が行われました。中学生におけるキャリア教育の実践的な学習として全国で実施されている体験学習の発表ということになります。以前は全国的に、事業所で何か働くことを体験すればいいのだろうと誤解もあったようですが、現在では「基礎的・汎用的能力」を目標とすること自体は「よのなか教室」と同じキャリア教育の達成目標を獲得できるようにどの学校も活動を構成しています。職業を体験するいわゆるインターンシップは高校生レベルの学習になるので、中学生では事業所ではどのような能力や態度を必要とされているのか、働く意義は何かといったことなどを学ばせていただくので「職場」での「体験活動」ということになります。そういう意味では社会体験学習ということにもなるかと思います。

 さて、発表会に話を戻しましょう。

 まず初めに、全体でステージのスクリーンに映像が映し出されました。中等部7年生が、よのなか挑戦に向かう前の意識や目標、ミッションなどを前キャリア教育支援センター長から学ぶ事前学習の模様や、実際によのなか挑戦での職場体験学習の様子などが映し出され、各映像のポイントが文字で説明が表示されるので、生徒たちは振り返りながら全体で学ぶ時間になったのではないかと思います。

 これが終了すると、5つのブースに分かれてグループで各班(各事業所ごと)の発表になります。

 私はすぐ目の前のDグループの発表を初めに見学しました。(株)内山建設様で体験学習を行った生徒の発表でした。体験で大変だったことの一つに、コンクリートの凹凸削りをあげていました。体験したことのない貴重な経験だったようです。また、大王谷学園では生徒は予めミッションを抱えて体験学習に参加していたので、生徒は課題に沿って観察、調査する必要もあったようです。会社内で社員の方のコミュニケーションはとれているかについての報告もあり、「よくとれていた」と観察報告をしていました。仕事上、注意することとしては、続けていく力協力する力など学びは多かったようです。

 

 一方、聞く側の生徒たちは、「学びの発表会メンターカード」というA6サイズほどの用紙に、「良かったこと」や「もっと知りたいこと」を書いて指定の場所に投函するようになっていました。それをもとに、発表後、質疑応答が行われ、「コンクリートのもとは何?」や「地域の人のためにできることは他にどんなことがあるか?」などと意見交換が行われていました。さらに、この会場には初等部5年生も参加していて、7年生の発表に対して同じ用紙に熱心に書き込んでいる姿が印象的でした。こうやって隣接敷地で一貫教育が行われていると、交流体験が簡単にできるという良さがあると感じました。

 各ブースでのグループ発表は、会場全体のアナウンスで進行、コントロールされていたのでスムーズに進んでいきました。

 次にEグループの発表を見学しました。(株)日向衛生公社様で体験学習をしたグループの発表でした。ここでの発表では、「周りに人から信頼されて頼られる大人になりたいので、体験で学んだコミュニケーション能力や周りを見て行動することを大事にしていきたいです。」と報告していたので、この生徒たちは、自分の中に学びを生かせるような言葉でまとめることができていると感じました。

 その次に、Aグループの発表を聞きに移動しました。(株)マルイチ様で体験学習をした生徒の発表でした。相方が欠席なのか1人でしたが、はっきりとした声で発表ができていました。「ホウレンソウのおひたしを作り、それを試食として提供した時に売り切れてほっとした。」と、これまで購入する側でしかない体験が真逆になった訳で、貴重な体験だったことが伺えます。ここでも「問いの解決」が提示され、「教えてもらったことがうまくいかなくてもそれを生かしていくようにしたい。大人になって、大変な仕事にも一生懸命に取り組みたいです。」と自分が予め設定したミッションを解決していたことが伝わりました。

 

 Bグループでの発表は、コープみやざき様で体験した発表を行っていました。ここでは3人が交代で発表をしていましたが、3人とも声が大きくはっきりと伝えるようにしていました。畜産部、水産部、フロア、レジと、様々な部門で体験活動をさせていただいたようです。特にお客さん相手の仕事ではコミュニケーションが最も重要視されることを学んだようで、「先取りあいさつ」ということを強調していました。

 また、すくすくひなた保育園様で体験したグループは、3日間の中で、「正しい判断力」や「子どもたちに間違ったことは教えないようにする」という保育ならではの学びがあったようです。また、今やるべきこととして、「周りを見て行動する」、「相手を意識する」など、すぐに自分の行動に結びつける大切さをあげていました。また、体験中に失敗したことについてもきちんとまとめることができていたので、これからの成長が楽しみです。

 最後に私はCグループを見学しました。ここでは、日向市消防本部様で体験学習を行った発表がなされていました。「時間を守ることの大切さ」や「臨機応変に対応すること」について報告していました。また、消防署ならではの体験として、体験学習中にも出動要請があり、そういう時に指示されたことをできるようにしておくことが大事だと貴重な経験をしたようです。一人勝手をしないこと身だしなみを整えることも学んだと言うだけあって、3人の服装はボタンやシャツ、セーターの身だしなみきちんと整えてあり成果が出ているようでした。

 Cグループの最後のグループは、上町保育所様で体験した生徒たちでした。体験して学んだことでは、「一つ一つの行動に責任をもつこと」が大切であり、整理整頓はそのまま社会性につながるということも学べたようです。質疑応答では、「仕事が一番難しいと思ったことは?」との問いに「一人一人が違うのでそれに対応すること」と答え、また、「心に残ったことは?」という質問に、「子どもたちから描いた絵をプレゼントしてもらったこと」と、保育体験での喜びを語ってくれました。

 中等部7年(中学1年)生という学年での職場体験学習は、生徒たちにとって大変貴重な学習になったことがそれぞれのグループでの発表に表れていました。ここでまとめた「問いの解答」はそのまま、今後の一人一人の生徒の「生き方宣言」の根幹になるものです。今後8年(中2年)、9年(中3年)にどう繋げ、どんな姿に成長してくれるのかを楽しみにしたいと思います。

本日はご協力をいただきました事業所の方も見学されていました。その方々も含めまして37の事業所皆様、日向の子どもたちのためにご理解とご協力をいただきまして本当にありがとうございました。今後も、よのなか挑戦及びよのなか教室を通して子どもたちが分らしい生き方を実現していけるようにお力をお貸しください。よろしくお願いいたします。

2026.02.05

授業

 私は現職時代、授業研究を続けてきました。学校には、水曜放課後の時間に職員研修の時間があります。実に様々な種類の研修が一年間の中に組み込まれているのですが、その中の一つに「主題研究」というものがどの学校にもあります。現在の水曜研修の中身はあまり分かりませんが、私の現役時代のほとんどは、水曜研修は3分の2の割合で主題研究が主な研修として締めていました。では、主題研究とは何かといいますと、各学校ごとにテーマを決めて、それを一年間に渡って職員で研究し、年度末にその成果と課題を明らかにするというものです。テーマは市当局から指定される場合もありますが、ほとんどは学校独自に前年からの流れで設定したテーマになります。算数や国語、或いは生徒指導や総合的な学習の時間といったすべての領域の中から学校の課題に応じてテーマを設定します。そして、実際的な研究として、学期1回程度の研究授業が実施される場合があります。

 私は小学校が多かったので、研究授業は一年を通してかなりの数の研究授業が実施され、それぞれに研究授業の先生が割り当てられました。年度当初の研修会では誰にするのかを決める訳ですが、まず若手が勉強の場として手を挙げることが雰囲気で伝わりますし、敢えて率先してやらせてもらえるように名乗り出ました。そうすることで先輩方から授業前後の批評をいただきながら成長できたと思っています。

 その流れで突然、県から市を経て、誰か〇〇に関係する授業者はいないかとか、△△についての発表者はいないかとの話が舞い込んで指名されたり、推薦されたりすると、かなり大きな研究会に参加することになります。宮崎県全体で行う授業研究会で授業者になったり、九州大会で発表をしたりして、益々自信をつけていくことになります。

 こういうと凄腕教師のように聞こえるかもしれませんが、そうではなく、私が研究してきたのは、そこに子どもたちの姿があったからこそ成立していたことなのです。今回の授業では、この問いを立ててスタートし、解決の過程でこの資料を活用すれば解決困難な子どもにもヒントになるのではないだろかなどと試行してみるのです。それがうまくいくこともあれば、なかなか効果がでないこともありました。効果が薄かったら次はこうしようと授業改善をしていくのです。ですから、当然帰宅も遅くなります。しかしこれは、自分の納得、児童に対する学びの責任など、教師としてのプライドがそこにはあるので、決してブラック稼業などと思ったことはありませんでした。

 学校を異動になれば、当然その学校の中心的課題は変わります。それまでの学校で培った研究の素養はまったく役に立たない場合があります。研究手法としては生かせるのですが、教科、分野が異なると内容的な深い部分に立ち入れなくなることに直面します。こうやって小学校の場合は主題研究のテーマが教科指導になる場合が多いので、異動になるとまったく違う領域の研究になり鍛われることになります。中学校の場合、教科研究は学校単位では実施しにくいので、校内の主題研究は生徒指導や道徳、特別活動その他ということになる場合が多いです。私の場合、異動後すぐに研究主任になったりした時は、教職員の先頭に立って引っ張っていかなければならないので、「よく分かりません」などと言ってはいられず、まだネットが普及していない時代なので、専門書を読みあさり、近隣、他県の先進校を訪問して最先端の授業理論を持ち帰りそれを伝達、再構築したりして研究を進めてきました。

 やはり授業には理論が必要です。学生時代に研究室で学んだ宇佐美寛氏の『授業にとって理論とは何か』という教育理論の深さが、実際の現場に立ってから身に染みてくるのを感じた次第です。知識の系統性、教授する場合に必要なことなど・・・。あれから35年以上経っても現役のうちは授業にはこだわってきました。若手の時代ばかりではなく、若手に「年配者は研究授業をしないのか」と思われないように、歳取っても研究授業、公開授業を引き受けていました。また、新卒者の1年間の研修計画を立てて、多くの同僚先生に新卒者への授業公開を依頼する場合も私自身がトップバッターで授業を公開しました。それでも、うまくいったと思える授業はなかなかないものです。

 最近の学校は多忙を極めていて、十分な時間をかけて主題研究をする時間もないことでしょう。ともすれば、翌月の行事計画の審議ですら十分に時間をかけていられないのでしょう。次期学習指導要領の検討会の中で、これまではあれも必要、これも必要と「足し算の教育」で様々な諸教育が取り入れられてきたことを反省している内容を見ました。確かに学校は肥大化してきました。学校が背負うものが多すぎます。これからは、学校が指導すべきものと家庭がやるべきもの、そして地域が担うべきものなどを線引きして、学校でなければ行えないものだけに精選する「引き算の教育」へシフトする必要があるということも検討会で出されていたことに同感します。それが整理された上で、しっかりと授業の腕を磨く。そうすれば学級の経営も軌道に乗り、児童生徒も保護者も地域もプラスのサイクルとして好循環していくのではないかと思います。

 「国造りは人づくり」。投資する先は未来を担う子ども。多くの教育をカバーできるキャリア教育はその一翼を担うと足元を見直しながら支援していきたいと思います。私が各校を回りながら、よのなか教室の事前授業を行っていますが、この一時間はどうあれば次につながるか、課題を持ち帰り、改善を加えて次の授業についてまた深く考える日々になってきたと現役時代を思い出しています。

2026.02.03

よのなか教室~富高小学校6年生

 2月2日(月)富高小学校6年生対象のよのなか教室が開催されました。今回は6年生は1回目でSEIKADO緒方康彦様に講師としてお迎えしました。

 緒方さんは過去にもよのなか先生として講師を務められていただけに、子どもの目線で分かり易く話をされるところが印象的です。また、用意されたプレゼンテーションの写真も児童が興味を引くように、ポイントを絞った過去の画像でした。私は初任校が富高小学校だったので、吹奏楽クラブがあったのは知っていましたが、その歴史を遡ると、ユーフォニューム奏者の緒方さんにたどり着くことに何かしらの縁を感じました。また、緒方さんが三足のわらで活動されていたという剣道部についても思うところがあります。それは、私が昭和59年から数年間、富高小学校の体育館ステージ下の倉庫には剣道の防具がぎっしりと眠っていることを不思議に感じていました。少年団でもあったのかと当時思っていましたが、それは緒方さんが話された剣道部(少年団)のなごりだったことに時空を超えて結びつきました。同校の卒業生である緒方さんの詳しい説明で私が長年抱いていた謎が解けました。これも縁なのですね。

  学習は進行役ファシリテーター福重先生が見事にコントロールされながら進めていただいたので、先生の緒方さんも話しやすかったのではないかと思います。また、児童の皆さんも全体の場でも数名が発言してくれました。質問コーナーでは、「初めてフルーツサンドを作った時の具は何でしたか?」と質問が出ると緒方さんからは「イチゴでした。息子が始めて、親子喧嘩ばかりしながら作っていました。その後は日向のフルーツを中心にし、フルーツ以外も面白いと考えて作っています。」と返事をいただきました。また、小林で修業したことから、そこを紹介していただいた方に恥をかかせてはいけない、と修業時代は無遅刻無欠席でがんばり通したので、こういう目標を持つことが大切なことを力説していただきました。

 「出会い、感動、感謝」という三箇条の心得を大切にし、特に「県外に出会た人が日向に帰省したら真っ先に行きたいお店」と「知人や友達に紹介してくれるようなお店を目指す」という2つの目標を分かり易く話していただきました。4つの力については、「かかわる力」として「人を褒める時はみんなの前で、注意するときは一人呼んでするようにしている。」 「自分を見つめる力」として「目標を達成するようにし、今後のシミュレーションをするようにしている」 「やり抜く力」について「まわりをよく見る。思いやりをもって接するようにしている」 「見通す力」については「しっかりお金もうけをすることは大切で、だれかのためにするということが大事」だと話してくださいました。

 最後に大切にして欲しいことを伝えられました。「得意なことを磨いて自信をつけてほしい。」日向市の魅力については「神戸や小林で過ごしてみて日向は一番よいところだと思っています。もっとよくなるためには皆さんの力が必要です。」と後輩へのメッセージとなりました。最後にあった児童の鋭い質問で分かったのですが、緒方さんご本人は今後、ヘベスを使ったスイーツで日向をもっとアピールすること、そして百歳まで現役を続ける覚悟だと夢を熱く語っていただきました。

 緒方康彦様、業務用の服装を準備され、児童が話に入り込みやすいようにエピソードや画像の準備をしていただき本当にありがとうございました。子どもたちがまた新たな夢と希望を抱く一日になったことがびっしりと書かれたワークシートによく表れています。

 

剣道、吹奏楽、ソフトボールとオールラウンドプレイヤーだった緒方さんの当時の活躍を思い浮かべながら、少し風が緩み心地よい葉音を聞かせるユーカリの大木に見送られ、富高の丘からの帰路となりました。        

 

2026.01.30

ひなた場

 対話で大人と子どもがつながるあたたかな場、それが「ひなた場」であると、県のHPに説明があります。これまで話には聞いていましたが、本日初めて見学することができました。延岡の旭中学校での「ひなた場」になります。

 「ひなた場」の学習時間の構成は、中学2年生約60名に対して、話をしてくださる講師の大人が20名、それに、人生紙芝居を読んでくださる大人が3名の合計23名で実施されます。

 生徒は予め、3名ずつのグループ20班に分かれ、ストーブを数か所に入れた体育館にグループで別れて着座します。そこへ、20名の講師の先生(大人)が分かれて入り、自己紹介と自分の人生グラフの説明を行います。その後、各グループの1名は残り、班の講師の先生と1対1で、今度は予め作ってきた自分の14年間の人生グラフを講師の方に語り始めます。同時に、各班2名のほかの生徒は3か所に分かれて、人生紙芝居を読んでくださる方の場所に行き、その方の生き様を紙芝居で聞きます。これが1ラウンドになります。

 

 次のラウンドになると、班の次の生徒1名が講師と1対1対話をすることになります。ほかの生徒は紙芝居へ行き、同じようにして3ラウンドまで進みます。長い時間になるので、途中に休憩時間や飲水タイムを設けたりして体調にも配慮されていました。

 紙芝居は、その方のこれまでの人生を物語ったお話になります。「当時はペペロンチーノにはまって栄養失調になってしまいました。」と赤裸々に話されると、生徒が大きくうなずくという場面がありました。また、「国体で3位、バンタム級で3位となり、周りから『ブロンズコレクターやね』と冷やかされました。」と言われると、大きな笑いが起こるグループもありました。さらに、「大人になると注意してくれる人は減ります。だからこそ今、注意してくれる人がいるうちにちゃんと話を聞いた方が良い。」と、今の中学生へのメッセージも随所に織り交ぜながらの紙芝居でした。

 

 一番気になるのはやはり、1対1の対話です。20班あるので、20人の生徒が椅子に座って1対1で語り合うのです。中にはマスクをしたまま話ができそうにないような生徒もいると思いましたが、1対1になると、初めて会う大人であっても、これまでを振り返って余り考えたことのない自分の「人生グラフ」を示しながら、横にいる大人に聞いてもらうというのはなかなかない体験です。それが引き金となってポツポツと語りだす生徒もいたようです。全体を見渡すと、あっちでもこっちでも一人の生徒と一人の大人が真剣にそして笑顔で語り合っている姿は心が温かくなる風景でした。

 

 生徒にとって初めて会う大人というのは新鮮で聴く心を持ちやすいのだろうと感じました。また、初めて出会う人は展開が分からないものです。だからこそ興味津々となり、聞き入りやすいという効果もあるのでしょう。

 生徒の振り返りの時間は、「どんな大人になりたいか」「そう思ったきっかけは何か」をワークシートに記入し、それを各班で出し合って講師と一緒に確認する時間でした。生徒は「言われたことに素直にチャレンジしてみようと思う。」や「自分が良いと思ったことは言ってみるようにする。」などと素直な感想を書き綴っていました。

終了の時間になると、各グループには初めの緊張感とはまったく違う温かな親近感が生まれていました。お別れは生徒が講師にお礼を述べて終わるのかと思ったら違いました。23名の講師が体育館出口に2列で整列し、拍手に見送られて退場するのは生徒たちの方でした。これが大人が子どもを支える場の姿なのだ、と最後の演出に感動しました。

 生徒を見送ると講師の皆さんは中央に集まり、短時間ですが振り返りの時間が開かれました。講師から「初めは自分のことをはっきりと話せない生徒さんがいましたが、1対1になった時にはきちんと自分のことを話してくれて嬉しかったです。」や「生徒さんと一緒に話していて、自分自身がキャリア教育を受けていることに気づきました。」と言った感想を出してくださる方もおられました。

 全体進行の延岡市キャリア教育支援センターの方が話されていたように、「生徒は自分のロールモデルとなる先輩を見つけられ」、「これからにつながる話ができた」のではないかと確信します。それは生徒一人一人が、この2時間の学習の中で、大人と1対1で語り合い、自分の14年間を振り返り内省する時間ができたからだと思います。

 いつか日向市でも「ひなた場」ができるようになれば良いと、明るい希望をもって日向にもどってきました。延岡市立旭中学校様、延岡市キャリア教育支援センター様、そしてたくさんの講師の皆様、見学しているこちらまで大人と子どもの間に生まれる温かな空気感に触れさせていただきました。本当にありがとうございました。

2026.01.29

よのなか教室~細島小学校5・6年生

 昨日、細島小学校の5・6年生を対象によのなか教室が行われました。5・6年生31名が3つのグループに分かれて3名の講師の先生から話を聞く学習を見学しました。

 初めに、東郷メディキット(株)関本菜々葉様の教室を見学しました。細島小出身の関本さんの仕事は、子どもたちに分かり易いように医療機器を作っていると話されました。その後、詳しく担当の説明をされ、血液検査などで使用する針先にある穴を検査する仕事だということでした。一日に3交代で9人が4万本を製造しているとのことで、関本さんはその針穴に異常がないか、欠陥がないかを検査するとの話に、子どもたちから驚きの声が上がりました。関本さんはソフトボールをしていた時にけがをして、病院で医療従事者の仕事を見て将来この道に進みたいというきっかけになったということでした。それで、子どもたちには、自分の好きなことをしていると将来の仕事につながるきっかけが見つかると思うので、好きなことを続けるようにしてもらいたいとメッセージを送られました。

 

 2人目は、(株)江川商店江川昌利様の教室に行きました。江川さんも細島小出身で親の代から継いだ仕事をするようになり、現在は、スーパーや学校に食材やお酒などを卸しているそうです。お客さんから「ありがとう」の声を聞くと嬉しくなり、また、お店の人にレシピにある小麦粉はこれを使うといいですよと勧め、その商品が売り上げを伸ばした時にやりがいを感じるとのことでした。細島は地域の人が地域のために行動している町だということで、人と人が繋がっていると自分自身もしっかりしなくてはと「シャキッとなる」と地元愛を語っていただきました。子どもたちへは、「スマホなどですぐに検索できる時代だけど、自分の頭で考える習慣をつけるといいですよ。」とアドバイスをしてくださり、『14歳からの哲学』という面白そうな本も紹介していただきました。

 

 3人目は、日知屋東幼稚園教諭の髙舘隼仁様の教室を見学しました。この仕事をされるきっかけは、ご自身が保育園児の頃に男の先生がいて、その先生ならではの男の子に対する遊び方が気に入っていて、自分も将来そういう存在になりたいと子どもながらに思っていたそうですから、キャリア形成は相当早かったことが伺えました。仕事を通じて、同僚の先生たちや保護者の皆さんに話をする機会が多くなり、自分の自信にもつながっているとのことでした。また、保育士と幼稚園教諭の両方の資格をもっていることが進路選択では有効だという資格取得の効果についても話していただきました。日常の仕事の対象は小さな子どもたちなので、園内のあらゆる施設や道具については、子ども目線で細かいところまで観察しないと怪我につながるため、そういう点検は大変だというお話もありました。細島小の児童へは、自分から手を挙げ、話を聞くなど毎日続ける「継続する力」の重要性をメッセージとして送られました。

 

 最後の全体まとめの会では、2名の児童が感想を発表し、「栄養士になりたいので、今日習った粘り強さを持ち続けたいと思います。」、「スポーツで監督におこられることがありましたが、ずっと続けていくことの大切さが分かりました。」と本日の講師の先生方の思いが伝わっている感想でした。

 細島小の児童の皆さんに寄り添う3人の講師の方々のお話は、子どもたちの将来につながる深いお話だったと思います。こういう働く大人の話は何回聞いても、自分の生き方のアドバイスとなるいくつかのポイントがありますので、次の学年になっても、中学生になっても引き続き出会えると良い刺激を受けられると思います。

 ♬荒ぶる鳥辺の島すぎて まがつ海の魔 鎮もらせ♬

 福岡県柳川市出身の北原白秋が作詞した同校校歌は、私が勤めていた頃も子どもたちは学校帰りに皆で大きな声で歌っていました。ことあるごとに校歌が歌われ、PTAの飲み会でも必ず肩を組んで大合唱となっていました。その校歌を歌っていた子どもたちも今や五十代へ突入しています。それぞれの子どもたちがそれぞれの時代を生き抜き、キャリアを重ねて今がある訳です。これからの多様性が大きく開かれた時代を自分らしく生きていくために、日向の大人の皆様が手を差し伸べていただいていることに深く感謝いたします。   

 3名の講師の先生方本当にありがとうございました。

2026.01.28

画期的な教材

  日向市では、中学2年生の全員に『向市のいろんな産業、いろんな会社、いろんな仕事』という教材を毎年配布しています。また小学校には3冊ずつお配りしています。これは、掲載各事業所様のご協力のもとに藤屋印刷様が作成していただき、中学校を中心に配布しているという画期的な教材になります。


「君たちは、これからの社会をどう生きていくのか、どんな人生を送るのかを考えたり、悩んだりすることがあると思います。いろんな大人の人の話、職場体験などを通じ感じたことがきっと将来に役立ってくると思います。」
これは巻頭の言葉になります。まさにキャリア教育の核心に迫る言葉だと思います。日向市のキャリア教育が目指す目的も「本人らしい生き方」を実現してもらうためであり、「よのなか教室」や「よのなか挑戦」でたくさんの働く大人と出会った上で「4つの力」を習得することを目指しています。それが以下になります。

1  人と世の中にかかわる力(相手を尊重し、社会を理解する力)
2 自分を見つめる力(自分を正しく知り、コントロールする力)
3 課題を知り、やりぬく力(課題を見きわめ、解決の工夫をする力)
4   働く希望を見通す力(働く意義を知り、将来を切り拓く力)

 

例を挙げますと、美々津カントリークラブ様のページでは、「ゴルフ場業とは何か」がまず書かれています。なるほど、言われてみればゴルファーがプレーする所くらいの認識しかなかったと気付きます。説明では「大量の水が必要だ」と書かれています。そうか、芝などの植物を維持・管理しなければならないから水は凄い量が必要だと気付くことができます。また、4名のスタッフの方の吹き出しコーナーがあり、キャディさんは「ピンまでの距離の正確な情報提供やグリーン上での打つ方向の情報などが求められる」そうで、かなり繊細な仕事だと分かります。

 
 
 
 
 
 もう一つの例として、米良電機産業(株)様のページでは、「電設資材卸産業とは」、「電設資材や空調資材をお客様へ販売する仕事です」と書かれています。さらに、その難しそうな「電設資材」についてもきちんと解説されていて「電線を始め、電線を張り巡らせるために必要な一切の工事材料や配線部品、照明器具のことをいいます。」とあるので、中学生や小学生も理解できると思います。そしてここにもスタッフの吹き出しがあり、「お客様との信頼関係が最重要です。…人とのつながりを構築できた時は正直に嬉しいです。」と、仕事上で大切なことやりがいがきちんと示されているので、この教材だけでも十分にキャリア教育の学びができることが分かります。

 この教材が配布され始めて8年は経過するそうです。ですから、すでに成人の皆さんも見たことはあると思います。これが実際の就職活動に直結することは中学生としては難しいかもしれませんが、日向市にこんなに凄い事業所があるということは頭の片隅に残るのではないでしょうか。高校卒業後の進路選択として、あるいは、一度都会で就職した後にもう一度ふるさと日向で就職してみようとするときに、一つの参考になると思われます。そのためにも、まずは日向で働く大人から、仕事に向かうために必要な力や「今やるべきこと」「これから努力して欲しいこと」を学び、それを深化させながら持ち続けることが、柔軟な働き方を嗜好する今の若者にとってどの事業所でも必要とされる能力になると方向づけています。

 ですから、教材は「『子供たちの未来づくりのための』キャリア教育支援の教材」という位置づけをしています。まだご覧になっていない方はぜひ見られることをお勧めします。

2026.01.27

おせっかい&社会貢献

 「だったら、アンタここで乗り換えた方がいいわ。」そう運転手は言いました。

  ブログで紹介してきましたアラスカでの体験で、路線バスに乗り、両替に関する旅人との出会いはお話しました。そのバスを利用し、私は大きなバスセンターで乗り換えようと思っていました。乗り換え方法について、乗客である隣のご婦人に話しかけると、いろいろと道順を丁寧に教えてくれました。そこへ割って入ってきたのが冒頭で紹介した女性ドライバーになります。私たちの話を聞いていて運転しながら会話に入ってきたのです。「アンタ、そこへ行きたいのなら、ここで降りてグレイラインのバスに乗るといいわ。待ち時間はあと40分かかるけどね。」と会話にグイグイ入ってきます。

 次は、フェアバンクス市内の大型スーパーでの一コマです。上の画像で分かるでしょうか。今何かと話題ののお話です。こちらはおもちゃではなく本物です。なんとスーパーに銃のコーナーがあり陳列されているのです。興味があったので、スタッフの女性にいろいろ質問してみました。すると「ええ、あなたも身分証明書があれば購入できるわよ。買うの?」もちろん私は「いや、要りません。」と怖くなり断りました。そのほかにも聞いていないのに次々にいろんな話題を提供してくれました。銃社会の怖さやらハンティングの興味深さなど貴重な話でした。

 

 次に、タクシーに乗った時の運転手についてです。彼は私が軽く話すと何倍にもなって話題を振りまいてきました。あの場所付近には面白いところがあるとか、今日そこは楽しかっただろうとか、後部席の私の方をいちいち見ながら会話してくるものですから、とにかく運転が危なっかしいのです。お願いだから前を向いてくれ、そう目で合図を送りましたが通用しなかったようです。私が英語を余り話せない日本人だと分かっても、目的地に到着するまでずっとこの調子で喋り続けてくれた彼にチップをはずみました。 


最後にゲストハウスのオーナーを紹介します。私はゲストハウスという宿泊施設に泊まるのはそれが初めてでした。到着すると、英語もままならない私に対してとてもフレンドリーにリスペクトを忘れずに接してくれるオーナー夫妻に、心温まる人間関係を感じました。単に部屋を提供し、後は自由にさせるのかと思ったら、食事を一緒にどうかと自分たちの夕食に同席させてくれたり、町で友人とバーで飲むから一緒に行こうと誘ってくれたり、町に日本人妻の友人がいてウチに呼んだから話をするといいというように、3日間を私が退屈しないように最大限のもてなしをしてくれました。

 

 今日は単にアラスカの皆さんが友好的だったという話ではなく、視点を変えてみて、良いおせっかいは、実は根底に流れる社会貢献の精神なのではないかと考えたことをお話してみたかったのです。昨日、デンマークの著者の紹介をしましたが、以前読んだ別の方の『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』という本がたまたま同じデンマークの内容でしたので、一部紹介します。

 「社会的に意義のある仕事をして、仕事に自分なりの『意味』を感じたい。そう考える若者が増えている。…今の若い世代は、会社が社会に果たす役割、つまり、会社の『社会的意義』を重視する。」のだそうです。また、「明確なキャリアプランを持たない人が多い」と書かれていたのには、私は「これは日向市のキャリア教育の推進に当たっては紹介できない」とまで思ってしまいました。しかし、「自分にとって意味のある仕事を求めて転職をした」とあり、キャリアアップを目指した女性が「キャリアの階段を降りる」決意をした理由が、「『社会的意義』のある仕事をしたくなったからだ」と聞かされると、自分のキャリアをしっかりと把握しているからこその判断基準になるのだと思いました。

 それでも、「『社会貢献できる自分でありたい』という気持ちをもっているデンマーク人は多い」と聞くと、仕事をする意味や働く意義というものはとても重要な価値観になることが分かります。これは現在進めているキャリア教育の理念とまったく同じものになります。

 前半で数人のアラスカ人による良い意味での「おせっかい=おもてなし」を取り上げました。それは実は、人として脈々と流れる社会貢献の精神文化ではないかと気づくことができます。その点では、アラスカ人に限らず、日本中どこでも人の思いやりに触れることで感じることができます。バスやタクシーの運転手にしても、スーパーのスタッフやゲストハウスのオーナーにしても、それが仕事であることには変わりはありません。それでも、働きながらも「仕事に自分なりの『意味』を感じる」ことができるのは、そうした人とのかかわりの中から生まれる新たな価値や積み重ねがキャリアの発達として刻まれ、人間的に成長できる喜びを自分が感じ取ることができるのではないかと、今振り返って思うところです。

 過去のボランティアが自分の成長に繋がると私自身が感じたのは、まさにそのキャリア発達だったと気付かされています。おせっかいなら、後で振り返った時に、お互いに心地よさを感じるものなら良いですが、嫌がられるようなおせっかいはいけませんね。

2026.01.26

経済力も幸福度も高くなる

  学校に行く意味って何?学校にあまり行きたくなくなった。

  小学4年生の子どもが突然こんなことを言い始めたら、どう対応しますか?

  先日のブログで少し紹介しました、ニールセン北村朋子さんの著書『経済力も幸福度も高くなる~デンマークのすごい教育』の中で、実際にC君という4年生の子が発した言葉です。

 その子が担任の先生にこの言葉を話すと担任は、「あなたは何をしたいの?」と聞き、C君が「車が好き。」と答えたのに対して先生は、「じゃあ何かいい方法を考えよう。」と話した後、学校と協議し、C君に「しばらくこの町にあるカーディーラーに通ってみる?」と、C君を受け入れてもらえるようにディーラーと交渉していたのです。C君は町のカーディーラーに通い始め、メカニックの人が「いろいろな言葉の使い方や伝え方をしていること」を知り、「数式やエクセルをこうやって使うのか」と分かり、セールスの人は「地域の人たちがどんな暮らしをしているのかと、地理や歴史を知ることは大事だ」、「車を修理するには数学や化学の知識が必要だ」と、学校で学ぶ意味を理解していくのです。そして、3か月後に学校に戻るようになったということです。

 同じ不登校でも、学ぶことに疑問を感じて不登校になっているのと、学習そのものが嫌いで不登校になっている場合など色々な状況があるので、C君の例のように、社会人と出会わせても感じ取れなければ、学ぶことの意欲には繋がらないのかもしれません。さらに、デンマークのように社会がすべて学びの場として機能していなければ、このような態勢づくりはできないでしょう。しかし、今の日向市では、「よのなか挑戦」で仕事を通して、「社会の中での生き方や、自己理解、課題対応、将来展望」などを学ぶように探究的な職場体験活動を実施しています。また、「よのなか教室」も、単に職業人に出会わせるだけの単発学習ではなく、事前学習と当日の学習、事後学習をセットにした“上記4能力”を学び取るようにプログラム化しています。それだけに、デンマークの不登校生徒のような個人的な支援はできていませんが、日向市でも社会とのつながりを強化したプログラムを提供する活動は一年を通して実施しているところです。

 デンマークにも「職業実習/インターンシップ」が存在しているようですが、インターンシップ先は自分で見つけ、履歴書を作って自分で訪問先と交渉するそうです。かなりハードルは高いのですが、社会全体が子どもを育てるという認識があってこそ成立するものなのでしょう。気運としては、日向市の各事業所様も日向の子どもたちを育てるという意識は高くなっている思っています。

 学びの視点から子どもが、子ども時代を子どもらしく過ごして大人になっているかという視点に目を向けるとき、ニールセンさんが取り上げているパン・グポン氏の言葉「ひとつ、子供はいますぐ遊ぶべし。ふたつ、子供はいますぐ健康になるべし。みっつ、子供はいますぐ幸せになるべし。…」が挙げられます。ニールセンさんによると「遊びを通して、子どもたちは交渉、妥協、そして衝突した時の解決方法を学びます」といい、「子どもは実に多くの社会的スキルを学ぶ」ということに同感します。

 このようにして、子どもは人とかかわりながら成功や失敗を積み重ねることで生きる力を身に付けていくという「プロセスを楽しむことを学ぶ機会」を獲得していくことになります。子ども時代に「適切な遊び」を逃してしまうと心配なことになると、ニールセンさんは次のように疑問を投げかけます。「成人を迎えた後どころか、アラサーになっても、国民の大事な権利の行使の機会である選挙にも行かず、自分の意見も持たず、精神的にも社会的にも自立できない大人が日本に大勢いるのは、子ども時代、若者時代をちゃんと『完全消化』し、やりきった感覚を持てていないからではないでしょうか。」と。

そこから話は「未来や世界で通用する能力」として、以前ブログで紹介した「一期一会を楽しむために」につながります。初めての人ばかりの集まりやパーティなどに出席した際に、「参加することを決めた以上、能動的に関わっていくことが、暗黙の了解で求められているのです。一期一会を楽しむためには、自分から積極的に会話に加わっていく姿勢が必要になる」ということが当然の社会であるデンマークの姿に私は反省させられました。

 先日、ご本人が来日されていてお会いする機会があり、短い時間の中で貴重なお話を伺うことができました。この著書に書かれていることがそのまま日本の、日向市の教育に当てはめることはできませんが、自分の身の振り方や法的枠組みの中でも取り入れられるところは積極的に実践に移していきたいと感じました。

 一度、この本を読まれてみてはいかがでしょうか。子育てのヒントにつながることが見つかるかもしれません。

2026.01.22

四国伊予の西条市

 20日(火)大王谷学園に愛媛県西条市議会の皆様が視察訪問に来られました。

 研修会では、まず大王谷学園飯干校長先生より、小中一貫教育におけるキャリア教育についての説明がなされました。当時は、学校の荒れ、社会へはばたく生徒、土台作りの教育、学校外の人材の活用、学ぶ機会の拡充という多くの課題を抱えた中で、「よのなか挑戦」「よのなか教室」を中心活動としたキャリア教育への取組がスタートしたという説明でした。具体的に初等部、中等部でのそれぞれの活動をプレゼンテーションで分かり易く説明していただきましたので、初めて日向市に来られた方々も理解できたのではないかと思いました。

 

 続いて、私が日向市のキャリア教育のあゆみと現在の方向性について説明いたしました。平成25年に私が現在いるキャリア教育支援センターが開所したこと、翌年から「よのなか教室」が始まったこと、教職員や事業所の皆さんへの研修会も実施され、中学2年生の生徒全員に「日向市のいろんな産業・会社・仕事」という事業所の活躍が分かり易いガイドブックが毎年配布されるようになったことなどをお話しました。また、増元事務局長から「キャリア教育通信」(年2回、児童生徒家庭に配布)を資料として本市の取組の経過と現状について紹介してもらいました。併せて、椎葉コーディネーターから、市内中学校区ごとに委嘱された地域コーディネーターが調整を図る「出前授業」や学校での活動について説明してもらいました。

 

 このような日向市の手厚いキャリア教育の取組は、訪問された皆様には新鮮であったようで、その後たくさんの質問を受けました。1「事業所を登録する際の留意点は?」「まずは日向市のキャリア教育について理解を促すことです。」2「商工会議所に登録のない事業所の登用は?」「地域コーディネーターからのアプローチになります。」3「キャリア教育をすれば就職を目指す子どもは日向市を選択するのか?」「直接そこを目指しているのではなく、まずは本人らしい生き方の教育です。その上で、将来のセカンド、サードキャリアで日向市を思い浮かべてくれるようにしていきたいです。」など、予定の時間を越えて活発な協議を行いました。

 

 とかく視察訪問となると、こちらの取組をさも先進地のごときスタンスで紹介してしまうことがありますが、受ける私共が勉強になることが多いものです。実際に今回も、鋭い質問を受けながら、本市のキャリア教育の中心を明確にしなければならないと感じたところでした。取組の一丁目一番地は何なのか、一言で言える。これが大切だと思います。どんな取組でも中心に据える一言は、根幹の部分を表す理念であるからです。「本人らしい生き方を実現する教育です。」と一言で表せると、学校も児童生徒も保護者、地域も、「キャリア教育というけれど、一体何に取り組んでいるのか分からない」ということが無くなり、そこから広がることに繋がります。だからこそ、あらゆる角度から一人一人にキャリア(立場や役割の連鎖)という肉付けを学校の内外から行い、形づくっていくという営みを行っています。

 先月の熊本県芦北町教育委員会の皆様の時もそうですが、視察訪問はそういう意味で、改めて自分たちが核心を理解しているかが明確になりとても勉強になります。西条市の皆様、ご訪問いただきまことにありがとうございました。西条市には名水百選の自噴井「うちぬき」があり、私も過去に登山をした百名山の石鎚山がそびえ、10月に行われる西条秋祭りには百数十台の屋台が練り歩くということが市のHPから分かりました。また一つ、訪れたい「気になるまち」ができました。

2026.01.21

よのなか教室~財光寺南小学校5年生

 昨日と本日、財光寺南小学校5年生にて、よのなか教室(講話)が行われました。

 20日(月)は、(株)おりなす建材那須久司様の講話です。

 自己紹介での「嘘つきクイズ」の答えは、アメリカに留学したことがあるということに子どもたちからは驚きの声が上がりました。その後、担任の先生の進行によって、ご本人の人生の浮き沈みをグラフ化した「人生グラフ」でこれまでの生き様を紹介してくださいました。20歳で留学した際には、生成言語学という難しい学問を研究されていて、英語を数式のように分解して考えるという何とも複雑な学問に、私だけでなく子どもたちも頭に?マークが現れているようでした。

 

 

現在のお仕事は大きな建物を中心に、窓枠の設計・施行など一連の工程をご自身で取り行っているとのことです。那須さんが強調されていたのは「考えることは価値あること」で、児童も頷きながら理解できていたようでした。さらに、「努力は人を裏切らない」とアインシュタインの言葉を取り上げ、熱く語って頂きました。

 キャリア教育の4つ力については、「相手に興味を持つこと」「面倒くさいと思わないこと」「自分の道を信じること」「仕事は自分で考え創り出し効果を上げること」と、5年生でもしっかりと受け止めて欲しい気持ちを誠実に伝えられる様子が印象的でした。

 子どもたちは熱心に、ワークシートに那須さんの言葉を書き綴っていました。仕事人によるホンモノの話は子どもたちの心に深く響いたのではないかと思います。

 

 続く本日21日(水)は、現在市議会議員をされている黒木健二様のお話です。

 

 自己紹介のクイズでは、子どもたちは黒木さんが過去に財南小で先生をされていたことを意外に知らなかったようです。毎回のことながら、この嘘つきクイズ(正解ではなく間違いを探すクイズ)ではかなり盛り上がります。大けがをされた経験には子どもたちは自分事として素直に深刻に受け止めているようでした。また、財南小に土俵があることを紹介されると、子どもたちは存在を知ってはいるのですが、過去に盛大に相撲大会が開かれていたことは知らなかったようです。現在の保護者の皆さんが小学生の頃に行われていたようです。

 

 

 

 さて肝心の議員の仕事となると、意外に大人も知らなかったりするものですから、子どもたちは余計に新しく聞くことばかりでした。それでも、黒木さんが分かり易く丁寧に子どもたちのスピードで説明してくださるので、よく理解しメモを走らせることができたようです。選挙の仕組み市民の声の拾い方県や国に要望を出すという仕事について、公正に差しさわりがないように話していただけて有難いです。

 キャリア教育の4つの力については、「一人一人の声をしっかりと受け止めること」や「日常の生活をスケジュール化すること」、「今日一日の振り返りをすること」、「働くということは生きる事(生き抜く事)につながり、自己実現にもつながること」などを分かり易く話していただきました。

 黒木さんの「選挙は何歳からだと思う?」の質問に対して「18歳から。」とサッと解答が帰ってきたのには驚きました。さすが5年生にもなると政治の分野にも関心が向きつつあるということを感じました。子どもたちは、なかなか聞くことのない議員の仕事について話を聞くことができて良かったと思います。また、黒木さんも中立の立場から逸脱しないように慎重に話を進めておられたことは流石だと思いました。

今回の授業をもって財南小の5年生は、本年度のよのなか教室を終了しました。学習回を重ねるごとに、聞き取る力書く力が向上していることを実感しています。これから年度末へ向けて、5年生なりに4つの力をどうまとめていくのか楽しみになります。

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