日向市キャリア教育支援センター ブログ

研修

2026.02.27

高鍋西小学校ひなた場~講師は高校生

  昨日午後、高鍋町立高鍋西小学校での「ひなた場」を参観してきました。今回は、高鍋高校高鍋農業高校の生徒48名が講師となり小学生の話に耳を傾けるという珍しい取組なので楽しみに出かけました。

 事前打合せを終えた高校生は講堂(体育館)に移動し、小学生を迎えました。小学生3クラスがそれぞれの班に着いたところで自己紹介が始まり、その後、1回目の対話がスタートしました。この時、班の2名の小学生は人生紙芝居の所定の位置に移動して、そこにいる高校生の人生紙芝居を聞くことになります。小学生は、当日必要なファイルがすべて個人のタブレットに予め表示されていて、ICTが進んでいることを感じました。また、高校生の人生紙芝居も多くはタブレットでしたが、2割ほどの生徒はスケッチブックで面白く、小学生が飛びつき易いように描いていました。

 *ICTInformation and Communication Technology)とは「情報通信技術」の略で、情報の伝達を重視しています。一方、ITInformation Technology)は「情報技術」の略で、「情報技術そのもの」を指している。

 このようにして、「ひなた場」が始まるのです。人生紙芝居(一人の高校生が自分のこれまでの経験で転機になった部分を紙芝居にして複数の小学生に語る)の場所と人生グラフ(一人の小学生が事前に作成した自分の人生グラフ:浮き沈みの部分、を詳しく目の前の一人の高校生に語る)に分かれ、これが3ラウンド繰り返されます。3回分をまとめて以下に一部ですがお知らせします。

人生紙芝居

・高校男子:小4までゲームばかりしていたんだよ。野球を始めて人前に出られるようになってね。6年の時は運動会で団長に立候補してなれたとよ。でも問題が沢山あって団長になってからも沢山悩んだ。それでも団長になってからクラスメートから沢山のいい言葉をもらったことが自分としては成長に大きく影響したと思っているとよ。やっぱね、人から言われても、自分がやらないと力にならんから、自分のやるべきことを初めに考えていくといいよ。運動会は6年間の中で一番楽しい運動会になったよ。だから皆には、諦めないで欲しいってことを言いたい。

・高校男子:ぼくは身長は小学校卒業した頃は身長が130cmくらいしかなく、体重も軽かったです。ラグビーがしたくて西中のラグビー部に入り、ご飯をたくさん食べ、部活のあとも自主練習をしました。するとパスが上達し、身長は10cm以上、体重もかなり増えました。中3の時、県大会で優勝しました。その時、努力は必ず報われる、と感じました。中学校に入る前は「先生は厳しいだろうか」「勉強はついていけるだろうか」と心配していましたが、入ってみると10倍楽しい中学生活でした。残りの小学生活を楽しんでください。

・高校男子:(スケッチブックに自ら描いた絵や言葉を指し示しながら)お前らは唯一無二だ。わかるか?おおっ、そうかわかるか。お前レベル高いねえ。オレは小学生の頃、いろいろあって不登校になった。あるとき、出会ったものがある。なんだと思う? それは…筋トレだあ!!

  →小6:目がキラキラ。体を乗り出して聞き入る。圧倒され頷くこと多し。

 

人生グラフ

・小6女子:わたしは、体調が悪いときがありました。

 →高校男子:うんうん、不調になる時はあるからねえ


 

 
 

*人生グラフ(高校生と小学生が1対1で場を作り、小学生が自分のこれまでの人生を振り返りなが ら聞き役の高校生に語る) この人生グラフの部分は、あまり記録がありません。というのも、2人のすぐ隣に大人が耳をそばだてるのは良くないと思ったからです。小学生が初めて会う高校生に、自分の思いを話すのですから、第三者が介入するような雰囲気を作ってはいけないと判断しました。

 

途中休憩の時、高鍋東小学校時に唯一学級担任をした時の子のを見つけました。「姉は県外で管理栄養士になって」いるそうです。「昨日鍵を紛失したということで慌てていました」と、相変わらずやってるなと微笑ましい時間となりました。

 

15時を過ぎ、振り返りの時間となります。学習にはよくこういう「振り返り」という時間を入れています。この時間の活動を振り返って、自分自身にとってどの部分が有益だったのかを「記憶が熱いうちに」確認し内省化をするのです。そうしないと、忘却とともに活動がほぼ無益に近い状態になってしまうので、「反省会」と言ってしまえば味気なくマイナス気配がありますが、その時間内に見直すことは大変有効です。

 「どんな大人になりたいかキーワード」のプリントを参考にして高校生も小学生もワークシートに書き込み、班内で一人ずつ発表します。Qどんな大人になりたいか。Qどうしてそう思ったか、について書きます。

・小6女子:まわりに感謝する大人になりたいです。それは、今まで支えてくれた人への感謝をしたいからです。

・小6男子:自分でも生きていける大人になりたい。高校生の話を聞いて。

・高校女子:自分がすると決めたことをするようにしたい。それは、最近、今やっていることに意味があるか考えた時に、どうしたらよいかを考えて、時間を無駄にしてはいけないと思い、決めたことはやっていこうと思いました。 

15時半が迫り、全体の終了となり全体で記念撮影をして、高校生が小学生を拍手で送り出しました。春雨で少し肌寒くなった講堂に、温かい空間ができあがっていることを感じ取ることができました。

  

 この後、講師となった高校生だけの振り返りの時間が持たれ、講堂の中央に輪になって座り、感想を

発表してもらいました。

・高校女子:小学生と仲良くなれたのでよかったです。

・高校男子:自分の話を真面目に聞いてくれて、小学生が、青春が一番大事と言ってくれて凄いと思い

ました。

・高校男子:小学生の目が輝いていました。未来の希望をもっていると感じて、こちらも話してよかっ

たです。

実は当日こんなこともありました。以前私が高鍋東小で担任をしていた時、隣のクラスにいた児童が高鍋農業高校の先生となって今回引率をしていたのです。懐かしい話や現在の彼の立ち位置など短時間でしたが話すことができ嬉しさが倍増しました。

 

 「文教の町高鍋」というのは他市町村にも聞こえています。私も実際に勤務していたことがあるのでが、確かにそれは感じました。物事に関する意識と言うか、「志」の高さのような雰囲気を感じていました。それは、小さな「コンパクトシティ」には珍しく、武士の時代に特有の名字が多く残されていて歴史を感じたことにもよるのかもしれません。それでも時代と共に、歴史の面影が薄くなっているという話も聞きますので、高鍋藩の立役者秋月種茂公の弟上杉鷹山が山形米沢藩を再興したように、町全体が歴史的意味の深さを活用した文武両道の精神を大いに発展できるように願っています。

わが、日向市も負けてはいられません。戦略的に重要拠点になった日向三城の一つ塩見城や、幕府直轄の天領としての位置づけ。さらに遡れば、源平の合戦から追いかけた椎葉への道、もっと遡って、神武天皇お船出の地美々津など、歴史的価値は十分にあります。ふるさと日向は世界にも自慢できる風光明媚な土地であり、歴史的価値も多く存在するので、ここをしっかりと学習、記憶、誇りにできるように位置づけられればと願います。他地域の「ひなた場」を参観するとその土地の良さと同時に、日向のよさを再認識することが多くなります。

高鍋西小学校の校長先生を初め、6年の先生方、そして、企画・準備に奔走し、当日の運営をしていただきました県キャリア教育コーディネーターの皆様、高鍋町キャリア教育コーディネーター森様、高鍋高校の先生方生徒の皆さん、高鍋農業高校の先生方生徒の皆さん、本当にありがとうございました。

2026.02.20

出張

子どもには自分らしく生きて欲しい」それはすべての親が我が子へ望むものではいかと思います。

 2月18日に宮崎市の県教育研修センターで行われたキャリア教育支援センター等の連絡協議会に参加してきました。県内各市町村のキャリア教育の取組が報告され、どの町でも、子どもたちのよりよい未来を支える熱心な取組が展開されていることを感じ、大いに刺激になりました。 

 初めに代表発表がありました。日向市(私)と小林市川南町の発表になります。私は、現在日向市で力を入れている「よのなか教室」の事前学習について主に報告しました。このブログを通して保護者の皆さんにも一定数は浸透しているのではないかと期待をしているのですが、学校に招待する「よのなか先生」の単発学習だけでは、児童生徒への学習の焦点化が不十分との認識から、より強化した「よのなか先生」前の学習としています。話に登場する大切なキーワードの聞き取り方読み取り方を学び、本番当日に日向市の仕事人である「よのなか先生」の話から、今後の自分の成長に確たる方向性を見出すために実施しております。事前学習では、私の教職への道、その中での試行錯誤も紹介します。後半では、日向で働く方のエピソードを活用してプリントから同じように仕事上の苦労やりがい、仕事の社会的役割などを読み取る学習も行います。そして次回本番の「よのなか先生」を迎える訳ですから、子どもたちは3回仕事人の生き方を学ぶことにもなるので、「一粒で三度おいしい」学習が充実できるのではないかと自負しています。事前学習を行うことで、本番の講師の方も、児童生徒が話を焦点化して捉えてくれる効果を感じていただけるのではないかと思います。

 

 さて発表に戻ります。2番手小林市の発表です。ここは大変先進的な取組をしていて講演会の企画や中1での職業調査中2の職場体験学習が充実しているようです。各校で実施する講演会の講師が層々たる面々で、なぜそのような講師を呼べるのか質問があり、答えは、市内事業所による協賛金でした。日向市でもこうした取組ができれば予算確保が重要になると思いました。

 また、キャリア教育の日という設定も面白いと思います。一日をキャリア教育の日と設定し、多くの講師により講話を授業化します。それで先生たちの授業負担を減らすというねらいも裏側には含まれていました。難しい面もありますが、市民と学校の理解、協力は不可欠だと感じました。

 

 最後に川南町の発表です。キャリア教育の現状としては、座学フィールドワークを行い、地域住民への情報発信を熱心に行っているとのことでした。後の分科会でも出されたのですが、学校というところは敷居が高く、一般の人はなかなか入ることを躊躇するようです。そこで、推進員の中の元教員が入ることで、学校からの要望が聞き出し易くなるという実態も報告されました。

 

 後半の分科会では、その他の地区の取組が報告され、特に印象に残ったのが、高鍋町延岡市で実施されている「ひなた場」です。「語り場」という、中高生たちがそれぞれ一人の講師に自分のそれまでの人生を1対1で語る、その宮崎版が「ひなた場」です。この実施には、学校とキャリア教育支援センターと市内事業所の理解と協力無しには実施することができません。先月末、延岡市旭中の「ひなた場」を参観しましたが、ブログに報告した通り、中学生が初めて出会う大人に自分のこれまでの生き方を語り、そこには深い対話が生まれ、生徒の自信や安心につながっていると感じました。今後地域が拡大していきそうで、日向市も将来取り組みたいと考えたところです。

 

 日向市のどの学校も様々な形で「子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育」に取り組んでいます。今後は「三段階のよのなか教室」を一層推進するために、当センターからのアプローチは大切になると思っています。これを読んでくださっている市民の皆さんや学校関係者の方々が、事前学習から入る「『一粒で三度おいしいよのなか教室』はなかなかいいみたいよ。」と各地域、各校で話題を広めていっていただけると幸いです。その上で「日向の大人はみな子供たちの先生」がただのキャッチフレーズに終わらないためにも、市のすべての大人の皆さんが子どもたちの将来を支え続けていただきたいです。各学校の取組がさらに一歩高みへ向かうような方策をいろいろと工夫、改善しながら提供していきますので、市民の皆様の「キャリア教育って大事だよね」という声を広げてくださるようお願いいたします。それは延いては、将来の職業選択セカンドキャリアを考える際に、日向で働くことを志向する可能性にも影響すると思っています。

 

 今回の出張で、他市町村の取組にはそれぞれ特徴があり、そのどれも児童生徒の未来を強く、そして意義あるものとして捉え、周りの大人が必死になって育てようと力をいれていることが伝わってきました。日向市でも一層、「自分らしい生き方の実現」を育むキャリア教育に力を入れたいと気持ち新たに帰ってきました。今後も、「キャリア教育は大事だ」とのを広げていただき、ご協力をお願いしたいと思います。啓発のお願いばかりでなく、当センターからも事業所研修や学校での家庭教育学級での研修など、ご要望があれば出向きますので、ご活用ください。

2026.01.30

ひなた場

 対話で大人と子どもがつながるあたたかな場、それが「ひなた場」であると、県のHPに説明があります。これまで話には聞いていましたが、本日初めて見学することができました。延岡の旭中学校での「ひなた場」になります。

 「ひなた場」の学習時間の構成は、中学2年生約60名に対して、話をしてくださる講師の大人が20名、それに、人生紙芝居を読んでくださる大人が3名の合計23名で実施されます。

 生徒は予め、3名ずつのグループ20班に分かれ、ストーブを数か所に入れた体育館にグループで別れて着座します。そこへ、20名の講師の先生(大人)が分かれて入り、自己紹介と自分の人生グラフの説明を行います。その後、各グループの1名は残り、班の講師の先生と1対1で、今度は予め作ってきた自分の14年間の人生グラフを講師の方に語り始めます。同時に、各班2名のほかの生徒は3か所に分かれて、人生紙芝居を読んでくださる方の場所に行き、その方の生き様を紙芝居で聞きます。これが1ラウンドになります。

 

 次のラウンドになると、班の次の生徒1名が講師と1対1対話をすることになります。ほかの生徒は紙芝居へ行き、同じようにして3ラウンドまで進みます。長い時間になるので、途中に休憩時間や飲水タイムを設けたりして体調にも配慮されていました。

 紙芝居は、その方のこれまでの人生を物語ったお話になります。「当時はペペロンチーノにはまって栄養失調になってしまいました。」と赤裸々に話されると、生徒が大きくうなずくという場面がありました。また、「国体で3位、バンタム級で3位となり、周りから『ブロンズコレクターやね』と冷やかされました。」と言われると、大きな笑いが起こるグループもありました。さらに、「大人になると注意してくれる人は減ります。だからこそ今、注意してくれる人がいるうちにちゃんと話を聞いた方が良い。」と、今の中学生へのメッセージも随所に織り交ぜながらの紙芝居でした。

 

 一番気になるのはやはり、1対1の対話です。20班あるので、20人の生徒が椅子に座って1対1で語り合うのです。中にはマスクをしたまま話ができそうにないような生徒もいると思いましたが、1対1になると、初めて会う大人であっても、これまでを振り返って余り考えたことのない自分の「人生グラフ」を示しながら、横にいる大人に聞いてもらうというのはなかなかない体験です。それが引き金となってポツポツと語りだす生徒もいたようです。全体を見渡すと、あっちでもこっちでも一人の生徒と一人の大人が真剣にそして笑顔で語り合っている姿は心が温かくなる風景でした。

 

 生徒にとって初めて会う大人というのは新鮮で聴く心を持ちやすいのだろうと感じました。また、初めて出会う人は展開が分からないものです。だからこそ興味津々となり、聞き入りやすいという効果もあるのでしょう。

 生徒の振り返りの時間は、「どんな大人になりたいか」「そう思ったきっかけは何か」をワークシートに記入し、それを各班で出し合って講師と一緒に確認する時間でした。生徒は「言われたことに素直にチャレンジしてみようと思う。」や「自分が良いと思ったことは言ってみるようにする。」などと素直な感想を書き綴っていました。

終了の時間になると、各グループには初めの緊張感とはまったく違う温かな親近感が生まれていました。お別れは生徒が講師にお礼を述べて終わるのかと思ったら違いました。23名の講師が体育館出口に2列で整列し、拍手に見送られて退場するのは生徒たちの方でした。これが大人が子どもを支える場の姿なのだ、と最後の演出に感動しました。

 生徒を見送ると講師の皆さんは中央に集まり、短時間ですが振り返りの時間が開かれました。講師から「初めは自分のことをはっきりと話せない生徒さんがいましたが、1対1になった時にはきちんと自分のことを話してくれて嬉しかったです。」や「生徒さんと一緒に話していて、自分自身がキャリア教育を受けていることに気づきました。」と言った感想を出してくださる方もおられました。

 全体進行の延岡市キャリア教育支援センターの方が話されていたように、「生徒は自分のロールモデルとなる先輩を見つけられ」、「これからにつながる話ができた」のではないかと確信します。それは生徒一人一人が、この2時間の学習の中で、大人と1対1で語り合い、自分の14年間を振り返り内省する時間ができたからだと思います。

 いつか日向市でも「ひなた場」ができるようになれば良いと、明るい希望をもって日向にもどってきました。延岡市立旭中学校様、延岡市キャリア教育支援センター様、そしてたくさんの講師の皆様、見学しているこちらまで大人と子どもの間に生まれる温かな空気感に触れさせていただきました。本当にありがとうございました。

2026.01.22

四国伊予の西条市

 20日(火)大王谷学園に愛媛県西条市議会の皆様が視察訪問に来られました。

 研修会では、まず大王谷学園飯干校長先生より、小中一貫教育におけるキャリア教育についての説明がなされました。当時は、学校の荒れ、社会へはばたく生徒、土台作りの教育、学校外の人材の活用、学ぶ機会の拡充という多くの課題を抱えた中で、「よのなか挑戦」「よのなか教室」を中心活動としたキャリア教育への取組がスタートしたという説明でした。具体的に初等部、中等部でのそれぞれの活動をプレゼンテーションで分かり易く説明していただきましたので、初めて日向市に来られた方々も理解できたのではないかと思いました。

 

 続いて、私が日向市のキャリア教育のあゆみと現在の方向性について説明いたしました。平成25年に私が現在いるキャリア教育支援センターが開所したこと、翌年から「よのなか教室」が始まったこと、教職員や事業所の皆さんへの研修会も実施され、中学2年生の生徒全員に「日向市のいろんな産業・会社・仕事」という事業所の活躍が分かり易いガイドブックが毎年配布されるようになったことなどをお話しました。また、増元事務局長から「キャリア教育通信」(年2回、児童生徒家庭に配布)を資料として本市の取組の経過と現状について紹介してもらいました。併せて、椎葉コーディネーターから、市内中学校区ごとに委嘱された地域コーディネーターが調整を図る「出前授業」や学校での活動について説明してもらいました。

 

 このような日向市の手厚いキャリア教育の取組は、訪問された皆様には新鮮であったようで、その後たくさんの質問を受けました。1「事業所を登録する際の留意点は?」「まずは日向市のキャリア教育について理解を促すことです。」2「商工会議所に登録のない事業所の登用は?」「地域コーディネーターからのアプローチになります。」3「キャリア教育をすれば就職を目指す子どもは日向市を選択するのか?」「直接そこを目指しているのではなく、まずは本人らしい生き方の教育です。その上で、将来のセカンド、サードキャリアで日向市を思い浮かべてくれるようにしていきたいです。」など、予定の時間を越えて活発な協議を行いました。

 

 とかく視察訪問となると、こちらの取組をさも先進地のごときスタンスで紹介してしまうことがありますが、受ける私共が勉強になることが多いものです。実際に今回も、鋭い質問を受けながら、本市のキャリア教育の中心を明確にしなければならないと感じたところでした。取組の一丁目一番地は何なのか、一言で言える。これが大切だと思います。どんな取組でも中心に据える一言は、根幹の部分を表す理念であるからです。「本人らしい生き方を実現する教育です。」と一言で表せると、学校も児童生徒も保護者、地域も、「キャリア教育というけれど、一体何に取り組んでいるのか分からない」ということが無くなり、そこから広がることに繋がります。だからこそ、あらゆる角度から一人一人にキャリア(立場や役割の連鎖)という肉付けを学校の内外から行い、形づくっていくという営みを行っています。

 先月の熊本県芦北町教育委員会の皆様の時もそうですが、視察訪問はそういう意味で、改めて自分たちが核心を理解しているかが明確になりとても勉強になります。西条市の皆様、ご訪問いただきまことにありがとうございました。西条市には名水百選の自噴井「うちぬき」があり、私も過去に登山をした百名山の石鎚山がそびえ、10月に行われる西条秋祭りには百数十台の屋台が練り歩くということが市のHPから分かりました。また一つ、訪れたい「気になるまち」ができました。

2025.12.22

三位一体~キャリア教育研修会

 「超人バロム1(ワン)」と聞いてテレビドラマを思い出す方は同年代でしょうか。1972年に放送されていました。原作が、あの「ゴルゴ13」のさいとう・たかを氏です。内容は、2人の少年が腕をクロスさせて正義の超人に変身し、ドルゲ魔人という悪と戦う勧善懲悪ストーリーです。主人公である2人のうち、頭脳は健太郎で、体力が猛ですから超人に変身した後も変身前の自我が残っているため、お互いを信頼できない場合には、バロム1の変身は解けてしまい、信頼が回復するまでは再び変身することはできなくなるという結構深い友情物語でもあります。その時私は福岡県家具の大川市にある小学校の高学年でした。積み上げられた木材の板の上を飛び回り、友達と「バローム・ワン!」と息を合わせて掛け声をかけ、右腕をクロスさせて変身ごっこをするという幼稚ぶりでした。すでに「仮面ライダー」が始まっていたので私たちも飲み込まれ、「バロム1」の息は短いものになりました。

 

 いきなりの子どもドラマ解説で失礼しました。私が三位一体という合体ものの名を聞くと思い出すのが(二位一体ですが)「バロム1」だったということです。日向市の三位一体教育は小中一貫教育、コミュニティ・スクール、キャリア教育の3つを推進するというものです。どれも現在、それぞれの地区で推進されていて成果と課題があると思われます。その中の一つであるキャリア教育を本センターで担わせていただいております。

 さて、先週18日(木)にキャリア教育の研修会が行われました。簡単に紹介いたします。市内各小中学校の教務主任キャリ教育担当者が一堂に会してキャリア教育を要としながら、「どう未来につなげていくか」というテーマで協議がなされました。その前半の時間で私がお話をさせていただきました。キャリア教育が始まった経緯から現在の取組についてのおさらいと日向市のキャリア教育の今後の方向についてお話しました。その後、グループ協議になりました。さすがに、各校のキャリア教育を担うトップリーダーの集まりだけあって、熱心に現状と課題、そして改善策などが話し合われていました。

 具体的には、「よのなか教室」や「よのなか挑戦」の時期をどの位置に設定するかや、よのなか先生の講話を聞く際には視点が重要になる、学習後にはしっかりと自分の生活に落とし込むことが大切、どの学年で何を学ぶかという学年の系統性を明確にする必要があるなど、各校で改善できそうな課題が盛りだくさん出されました。

 後段の部分では、研修会の感想を会場正面に提示されたQRコードで読み取って各自が入力し、それが瞬時に全員に共有されるのですから、最近の研修会は、DXDigital Transformation:デジタル技術でビジネスや生活をより良く変革すること)のためにICTInformation and Communication Technology:情報通信技術)がうまく活用されているなあと、私が浦島太郎であったことを認識させられました。

 各学校の教務主任の先生は、すでに次年度の教育計画の原案づくりに取り掛かっておられます。2月までには次年度の全ての教育計画を職員で検討する必要があり、その資料作りに膨大な時間をかけます。また、それぞれの学校運営協議会にも次年度の教育計画案を提案しなければなりませんので、その労力たるや大変なことで、我が身を思い出します。その計画案づくりの前にこそ、次年度の各校の教育活動に多少なりとも影響を与えるキャリア教育の取組についてこの時期にお話及び協議できたことは意義ある機会になったのではないかと自負しているところです。児童生徒が、職業人の話から自己の生き方を考える「よのなか教室」や、職場での社会体験活動を通して働く意義や自己の生き方を学ぶ「よのなか挑戦」が、学校の授業の中でさらに効果を上げるように私共も益々研究を積み重ねていきたいと思うところです。

 

 私が以前おりました平岩小中学校には、昔から「三力一心の教育」が展開されています。「学力、気力、体力、誠心」を身に付けた児童生徒へ育てるという教育活動があります。この「三つ」という考え方は物理的・心理的な安定性をもっているのでしょう。三角形や三宝、序破急など日本及び世界の建築や伝統文化、ものの考え方などに広く安定的に存在しています。文科省の学習指導要領でも「知識・技能」「思考・判断・表現」「学びに向かう力・人間性」と3段階で評価するようになっています。

 私共、日向市キャリア教育支援センターの活動は、日向市教育の一つではありますが、それは児童生徒の成長にとって人生を左右するといっても良いくらい、一人一人の生き方の実現にかかわる教育ではないかと思います。本人が自分らしい人生を確実に積み重ねていくための重要な教育になるという自覚のもとに、今後も市内の各事業所の皆様のお力をお借りしながら、児童生徒のよりよいキャリアの積み重ねを支援していきたと思います。

 

友情を深い位置づけとするマンガ「バロム1」の話題から三位一体の教育を経て、先週の研修会の報告となった本日のブログでしたが、三位一体と言われて「ゲッターロボ」を思い出す方も多いのでしょうか。私は中学生でしたので、あまり記憶にはありません。マンガから人生観まで、その人によって捉え方が変わる三位一体ですが、各個人においては合体(協力)の幅は2人なのか5人或いは、それ以上なのかそれぞれ変化することでしょう。いずれにしても人の営みにはチームワークが大切、一体的に考えることは重要だということになりそうです。

 

さて、今日は冬至です。ウチの孫は自己療養のため入浴日を決めております。残念ながら本日は入浴日に当たらないため、昨夜、柚子湯に私と一緒に入りました。予め、お向かいさんから頂いた柚子を湯船に浮かべていたのですが、孫は初めて見る柚子がたいそう嬉しかったようで、すぐに匂いを嗅いでいました。後はいつもの通りの暴れ入浴になりましたが…。これから年末にかけて気温は下がり、冬らしくなりそうです。今夜は柚子湯に入って体を温めていただければと思います。

 

2025.10.16

子どもの夢実現サポート事業報告会

 *本日は事前申請をしていないため画像がありません。

 1014日(火)午後、大王谷コミュニティセンターにて、「日向市子どもの夢実現サポート事業報告会」がありました。日向市の中学生3名が自分の夢の実現へ進むために計画し、それを市がサポートするという事業になります。私も本センターの職員と一緒に報告会に参加してきました。3名の中学生は、市長、教育長をはじめ大勢の大人に対して発表するという場を与えられました。

初めは、大王谷学園7年生の石黒さんです。夢は獣医師になりたいとのことで、南九州畜産獣医学拠点SKLVそお様や平川動物園様のご協力をいただいての実践報告となりました。産業獣医師へ進むための学びでは、「病気を治す以上に病気にさせない予防が大事である」ことや絶滅危惧種獣医師としての学びでは、「保護はできても繁殖は簡単ではない」ことを収穫として挙げていました。取組の全体的な感想は、「日本でも絶滅危惧種を繁殖できるようにしたい」ことと「宮崎県の畜産に貢献できる獣医師になりたい」との目標が明確になったことから、「今後は多角的に学ぶ」こと「何事にも慎重に行動する忍耐力をつける。小中の特別授業で講話したい。」という具体的なテーマが決まったようです。

2人目は財光寺中学校1年の那須さんです。那須さんの夢は「飲料メーカー商品開発担当になりたい」ということです。そこで、大塚製薬様、友桝飲料様、宮崎県農協果汁様、宮崎県食品開発センター様にご協力をいただいたようです。各事業所で学んだことの中には、「開発に必要なことは好奇心だ」や「他の会社の人ともコミュニケーションをとることが大事だ」など、新商品を開発する会社ならではの心構えを学ぶことができました。常に持ち続ける視点として「楽しく働くことで良いアイデアが生まれて形になる」とか「特産物で地域に貢献する。美味しさはきちんと五感で表現できる。」など具体的な意識を明確に言葉にすることを学びました。最後に、「この経験で聴く力や良いところを探す力が増した」ことを実感し、「人との会話でコミュニケーションをとり、協力してさらに良いものを考えられるようにする。」ことが今から実践していくという覚悟ができたようです。

 最後は、財光寺中3年古川さんです。彼の夢は「プロ野球選手になりたい」ことです。元プロ野球選手の内川聖一様と神奈川大学野球部の皆様が協力していただいたそうです。内川さんからは「バッティング時は左ひざの向きを変えずにスウィングする」という具体的でより専門的なアドバイスをいただき、神奈川大学野球部の皆様からは「今できることを精いっぱいやる。硬式ボールは滑りやすいので今から握力をつけておく」というすぐに取り組めることを体得したとのことです。その上で自分の目標が職業としての野球を意識するようになり、「トップ選手は人間性も素晴らしいこと」や「全てが野球人生につながるという意識になり取組が変わった」と自分の変化をも見つめられるようになっていました。

 3名は最後に、三樹教育長から若山牧水の「『汝が意志をまぐるなというがごとくに』とあるように夢を実現してほしい」とエールを送られました。本当に学びの視点が明確な素晴らしい発表でした。

先日の日向中学校2年生「14歳のよのなか挑戦発表会」でも報告にありましたが、今回の3人のまとめにある「今から将来へ向けて自分はどうあるべきか」「今から自分ができることは何か」これを明確にすることが職業体験学習で狙う大きな目標になります。ですから、職業体験学習(よのなか挑戦)に向かう中学生には、事前にしっかりと「今の自分には何が足りないのか」「事業所での活動で特に何を学び取ってくるか」それをしっかりと意識しながら活動に参加していただきたいと思います。たとえ第一希望の事業所ではなくとも必ず上記の視点を学び取ることはできるので学びの意識がカギになります。

そうは申し上げながら私の中学生の頃はと言いますと、現在は新幹線で賑わう佐賀県武雄温泉の街で部活動(剣道)とサイクリング、フォークソングに明け暮れた生活でした。今の中学生の方が遥かにキャリア教育という学習活動を経て将来を見据えた学習活動ができていると思っています。だからこそ一層日向の子ども達には高校を目標にではなくその先何十年と続く人生のキャリアづくりを試行錯誤しながら渡っていけるように、今お手伝いを頑張りたいと思います。

お問い合わせ CONTACT

お気軽にお問い合わせください。
0982-57-3522
受付時間 8:30~17:00