日向市キャリア教育支援センター ブログ

研修

2025.12.22

三位一体~キャリア教育研修会

 「超人バロム1(ワン)」と聞いてテレビドラマを思い出す方は同年代でしょうか。1972年に放送されていました。原作が、あの「ゴルゴ13」のさいとう・たかを氏です。内容は、2人の少年が腕をクロスさせて正義の超人に変身し、ドルゲ魔人という悪と戦う勧善懲悪ストーリーです。主人公である2人のうち、頭脳は健太郎で、体力が猛ですから超人に変身した後も変身前の自我が残っているため、お互いを信頼できない場合には、バロム1の変身は解けてしまい、信頼が回復するまでは再び変身することはできなくなるという結構深い友情物語でもあります。その時私は福岡県家具の大川市にある小学校の高学年でした。積み上げられた木材の板の上を飛び回り、友達と「バローム・ワン!」と息を合わせて掛け声をかけ、右腕をクロスさせて変身ごっこをするという幼稚ぶりでした。すでに「仮面ライダー」が始まっていたので私たちも飲み込まれ、「バロム1」の息は短いものになりました。

 

 いきなりの子どもドラマ解説で失礼しました。私が三位一体という合体ものの名を聞くと思い出すのが(二位一体ですが)「バロム1」だったということです。日向市の三位一体教育は小中一貫教育、コミュニティ・スクール、キャリア教育の3つを推進するというものです。どれも現在、それぞれの地区で推進されていて成果と課題があると思われます。その中の一つであるキャリア教育を本センターで担わせていただいております。

 さて、先週18日(木)にキャリア教育の研修会が行われました。簡単に紹介いたします。市内各小中学校の教務主任キャリ教育担当者が一堂に会してキャリア教育を要としながら、「どう未来につなげていくか」というテーマで協議がなされました。その前半の時間で私がお話をさせていただきました。キャリア教育が始まった経緯から現在の取組についてのおさらいと日向市のキャリア教育の今後の方向についてお話しました。その後、グループ協議になりました。さすがに、各校のキャリア教育を担うトップリーダーの集まりだけあって、熱心に現状と課題、そして改善策などが話し合われていました。

 具体的には、「よのなか教室」や「よのなか挑戦」の時期をどの位置に設定するかや、よのなか先生の講話を聞く際には視点が重要になる、学習後にはしっかりと自分の生活に落とし込むことが大切、どの学年で何を学ぶかという学年の系統性を明確にする必要があるなど、各校で改善できそうな課題が盛りだくさん出されました。

 後段の部分では、研修会の感想を会場正面に提示されたQRコードで読み取って各自が入力し、それが瞬時に全員に共有されるのですから、最近の研修会は、DXDigital Transformation:デジタル技術でビジネスや生活をより良く変革すること)のためにICTInformation and Communication Technology:情報通信技術)がうまく活用されているなあと、私が浦島太郎であったことを認識させられました。

 各学校の教務主任の先生は、すでに次年度の教育計画の原案づくりに取り掛かっておられます。2月までには次年度の全ての教育計画を職員で検討する必要があり、その資料作りに膨大な時間をかけます。また、それぞれの学校運営協議会にも次年度の教育計画案を提案しなければなりませんので、その労力たるや大変なことで、我が身を思い出します。その計画案づくりの前にこそ、次年度の各校の教育活動に多少なりとも影響を与えるキャリア教育の取組についてこの時期にお話及び協議できたことは意義ある機会になったのではないかと自負しているところです。児童生徒が、職業人の話から自己の生き方を考える「よのなか教室」や、職場での社会体験活動を通して働く意義や自己の生き方を学ぶ「よのなか挑戦」が、学校の授業の中でさらに効果を上げるように私共も益々研究を積み重ねていきたいと思うところです。

 

 私が以前おりました平岩小中学校には、昔から「三力一心の教育」が展開されています。「学力、気力、体力、誠心」を身に付けた児童生徒へ育てるという教育活動があります。この「三つ」という考え方は物理的・心理的な安定性をもっているのでしょう。三角形や三宝、序破急など日本及び世界の建築や伝統文化、ものの考え方などに広く安定的に存在しています。文科省の学習指導要領でも「知識・技能」「思考・判断・表現」「学びに向かう力・人間性」と3段階で評価するようになっています。

 私共、日向市キャリア教育支援センターの活動は、日向市教育の一つではありますが、それは児童生徒の成長にとって人生を左右するといっても良いくらい、一人一人の生き方の実現にかかわる教育ではないかと思います。本人が自分らしい人生を確実に積み重ねていくための重要な教育になるという自覚のもとに、今後も市内の各事業所の皆様のお力をお借りしながら、児童生徒のよりよいキャリアの積み重ねを支援していきたと思います。

 

友情を深い位置づけとするマンガ「バロム1」の話題から三位一体の教育を経て、先週の研修会の報告となった本日のブログでしたが、三位一体と言われて「ゲッターロボ」を思い出す方も多いのでしょうか。私は中学生でしたので、あまり記憶にはありません。マンガから人生観まで、その人によって捉え方が変わる三位一体ですが、各個人においては合体(協力)の幅は2人なのか5人或いは、それ以上なのかそれぞれ変化することでしょう。いずれにしても人の営みにはチームワークが大切、一体的に考えることは重要だということになりそうです。

 

さて、今日は冬至です。ウチの孫は自己療養のため入浴日を決めております。残念ながら本日は入浴日に当たらないため、昨夜、柚子湯に私と一緒に入りました。予め、お向かいさんから頂いた柚子を湯船に浮かべていたのですが、孫は初めて見る柚子がたいそう嬉しかったようで、すぐに匂いを嗅いでいました。後はいつもの通りの暴れ入浴になりましたが…。これから年末にかけて気温は下がり、冬らしくなりそうです。今夜は柚子湯に入って体を温めていただければと思います。

 

2025.10.16

子どもの夢実現サポート事業報告会

 *本日は事前申請をしていないため画像がありません。

 1014日(火)午後、大王谷コミュニティセンターにて、「日向市子どもの夢実現サポート事業報告会」がありました。日向市の中学生3名が自分の夢の実現へ進むために計画し、それを市がサポートするという事業になります。私も本センターの職員と一緒に報告会に参加してきました。3名の中学生は、市長、教育長をはじめ大勢の大人に対して発表するという場を与えられました。

初めは、大王谷学園7年生の石黒さんです。夢は獣医師になりたいとのことで、南九州畜産獣医学拠点SKLVそお様や平川動物園様のご協力をいただいての実践報告となりました。産業獣医師へ進むための学びでは、「病気を治す以上に病気にさせない予防が大事である」ことや絶滅危惧種獣医師としての学びでは、「保護はできても繁殖は簡単ではない」ことを収穫として挙げていました。取組の全体的な感想は、「日本でも絶滅危惧種を繁殖できるようにしたい」ことと「宮崎県の畜産に貢献できる獣医師になりたい」との目標が明確になったことから、「今後は多角的に学ぶ」こと「何事にも慎重に行動する忍耐力をつける。小中の特別授業で講話したい。」という具体的なテーマが決まったようです。

2人目は財光寺中学校1年の那須さんです。那須さんの夢は「飲料メーカー商品開発担当になりたい」ということです。そこで、大塚製薬様、友桝飲料様、宮崎県農協果汁様、宮崎県食品開発センター様にご協力をいただいたようです。各事業所で学んだことの中には、「開発に必要なことは好奇心だ」や「他の会社の人ともコミュニケーションをとることが大事だ」など、新商品を開発する会社ならではの心構えを学ぶことができました。常に持ち続ける視点として「楽しく働くことで良いアイデアが生まれて形になる」とか「特産物で地域に貢献する。美味しさはきちんと五感で表現できる。」など具体的な意識を明確に言葉にすることを学びました。最後に、「この経験で聴く力や良いところを探す力が増した」ことを実感し、「人との会話でコミュニケーションをとり、協力してさらに良いものを考えられるようにする。」ことが今から実践していくという覚悟ができたようです。

 最後は、財光寺中3年古川さんです。彼の夢は「プロ野球選手になりたい」ことです。元プロ野球選手の内川聖一様と神奈川大学野球部の皆様が協力していただいたそうです。内川さんからは「バッティング時は左ひざの向きを変えずにスウィングする」という具体的でより専門的なアドバイスをいただき、神奈川大学野球部の皆様からは「今できることを精いっぱいやる。硬式ボールは滑りやすいので今から握力をつけておく」というすぐに取り組めることを体得したとのことです。その上で自分の目標が職業としての野球を意識するようになり、「トップ選手は人間性も素晴らしいこと」や「全てが野球人生につながるという意識になり取組が変わった」と自分の変化をも見つめられるようになっていました。

 3名は最後に、三樹教育長から若山牧水の「『汝が意志をまぐるなというがごとくに』とあるように夢を実現してほしい」とエールを送られました。本当に学びの視点が明確な素晴らしい発表でした。

先日の日向中学校2年生「14歳のよのなか挑戦発表会」でも報告にありましたが、今回の3人のまとめにある「今から将来へ向けて自分はどうあるべきか」「今から自分ができることは何か」これを明確にすることが職業体験学習で狙う大きな目標になります。ですから、職業体験学習(よのなか挑戦)に向かう中学生には、事前にしっかりと「今の自分には何が足りないのか」「事業所での活動で特に何を学び取ってくるか」それをしっかりと意識しながら活動に参加していただきたいと思います。たとえ第一希望の事業所ではなくとも必ず上記の視点を学び取ることはできるので学びの意識がカギになります。

そうは申し上げながら私の中学生の頃はと言いますと、現在は新幹線で賑わう佐賀県武雄温泉の街で部活動(剣道)とサイクリング、フォークソングに明け暮れた生活でした。今の中学生の方が遥かにキャリア教育という学習活動を経て将来を見据えた学習活動ができていると思っています。だからこそ一層日向の子ども達には高校を目標にではなくその先何十年と続く人生のキャリアづくりを試行錯誤しながら渡っていけるように、今お手伝いを頑張りたいと思います。

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