Hyuga City Career Education Support Center
2026.02.06
昨日5日午後、大王谷学園において職場体験学習の発表会が行われました。中学生におけるキャリア教育の実践的な学習として全国で実施されている体験学習の発表ということになります。以前は全国的に、事業所で何か働くことを体験すればいいのだろうと誤解もあったようですが、現在では「基礎的・汎用的能力」を目標とすること自体は「よのなか教室」と同じキャリア教育の達成目標を獲得できるようにどの学校も活動を構成しています。職業を体験するいわゆるインターンシップは高校生レベルの学習になるので、中学生では事業所ではどのような能力や態度を必要とされているのか、働く意義は何かといったことなどを学ばせていただくので「職場」での「体験活動」ということになります。そういう意味では社会体験学習ということにもなるかと思います。
さて、発表会に話を戻しましょう。
まず初めに、全体でステージのスクリーンに映像が映し出されました。中等部7年生が、よのなか挑戦に向かう前の意識や目標、ミッションなどを前キャリア教育支援センター長から学ぶ事前学習の模様や、実際によのなか挑戦での職場体験学習の様子などが映し出され、各映像のポイントが文字で説明が表示されるので、生徒たちは振り返りながら全体で学ぶ時間になったのではないかと思います。
これが終了すると、5つのブースに分かれてグループで各班(各事業所ごと)の発表になります。
私はすぐ目の前のDグループの発表を初めに見学しました。(株)内山建設様で体験学習を行った生徒の発表でした。体験で大変だったことの一つに、コンクリートの凹凸削りをあげていました。体験したことのない貴重な経験だったようです。また、大王谷学園では生徒は予めミッションを抱えて体験学習に参加していたので、生徒は課題に沿って観察、調査する必要もあったようです。会社内で社員の方のコミュニケーションはとれているかについての報告もあり、「よくとれていた」と観察報告をしていました。仕事上、注意することとしては、続けていく力や協力する力など学びは多かったようです。

一方、聞く側の生徒たちは、「学びの発表会メンターカード」というA6サイズほどの用紙に、「良かったこと」や「もっと知りたいこと」を書いて指定の場所に投函するようになっていました。それをもとに、発表後、質疑応答が行われ、「コンクリートのもとは何?」や「地域の人のためにできることは他にどんなことがあるか?」などと意見交換が行われていました。さらに、この会場には初等部5年生も参加していて、7年生の発表に対して同じ用紙に熱心に書き込んでいる姿が印象的でした。こうやって隣接敷地で一貫教育が行われていると、交流体験が簡単にできるという良さがあると感じました。
各ブースでのグループ発表は、会場全体のアナウンスで進行、コントロールされていたのでスムーズに進んでいきました。
次にEグループの発表を見学しました。(株)日向衛生公社様で体験学習をしたグループの発表でした。ここでの発表では、「周りに人から信頼されて頼られる大人になりたいので、体験で学んだコミュニケーション能力や周りを見て行動することを大事にしていきたいです。」と報告していたので、この生徒たちは、自分の中に学びを生かせるような言葉でまとめることができていると感じました。
その次に、Aグループの発表を聞きに移動しました。(株)マルイチ様で体験学習をした生徒の発表でした。相方が欠席なのか1人でしたが、はっきりとした声で発表ができていました。「ホウレンソウのおひたしを作り、それを試食として提供した時に売り切れてほっとした。」と、これまで購入する側でしかない体験が真逆になった訳で、貴重な体験だったことが伺えます。ここでも「問いの解決」が提示され、「教えてもらったことがうまくいかなくてもそれを生かしていくようにしたい。大人になって、大変な仕事にも一生懸命に取り組みたいです。」と自分が予め設定したミッションを解決していたことが伝わりました。

Bグループでの発表は、コープみやざき様で体験した発表を行っていました。ここでは3人が交代で発表をしていましたが、3人とも声が大きくはっきりと伝えるようにしていました。畜産部、水産部、フロア、レジと、様々な部門で体験活動をさせていただいたようです。特にお客さん相手の仕事ではコミュニケーションが最も重要視されることを学んだようで、「先取りあいさつ」ということを強調していました。

また、すくすくひなた保育園様で体験したグループは、3日間の中で、「正しい判断力」や「子どもたちに間違ったことは教えないようにする」という保育ならではの学びがあったようです。また、今やるべきこととして、「周りを見て行動する」、「相手を意識する」など、すぐに自分の行動に結びつける大切さをあげていました。また、体験中に失敗したことについてもきちんとまとめることができていたので、これからの成長が楽しみです。
最後に私はCグループを見学しました。ここでは、日向市消防本部様で体験学習を行った発表がなされていました。「時間を守ることの大切さ」や「臨機応変に対応すること」について報告していました。また、消防署ならではの体験として、体験学習中にも出動要請があり、そういう時に指示されたことをできるようにしておくことが大事だと貴重な経験をしたようです。一人勝手をしないことや身だしなみを整えることも学んだと言うだけあって、3人の服装はボタンやシャツ、セーターの身だしなみきちんと整えてあり成果が出ているようでした。

Cグループの最後のグループは、上町保育所様で体験した生徒たちでした。体験して学んだことでは、「一つ一つの行動に責任をもつこと」が大切であり、整理整頓はそのまま社会性につながるということも学べたようです。質疑応答では、「仕事が一番難しいと思ったことは?」との問いに「一人一人が違うのでそれに対応すること」と答え、また、「心に残ったことは?」という質問に、「子どもたちから描いた絵をプレゼントしてもらったこと」と、保育体験での喜びを語ってくれました。
中等部7年(中学1年)生という学年での職場体験学習は、生徒たちにとって大変貴重な学習になったことがそれぞれのグループでの発表に表れていました。ここでまとめた「問いの解答」はそのまま、今後の一人一人の生徒の「生き方宣言」の根幹になるものです。今後8年(中2年)、9年(中3年)にどう繋げ、どんな姿に成長してくれるのかを楽しみにしたいと思います。
本日はご協力をいただきました事業所の方も見学されていました。その方々も含めまして37の事業所皆様、日向の子どもたちのためにご理解とご協力をいただきまして本当にありがとうございました。今後も、よのなか挑戦及びよのなか教室を通して子どもたちが自分らしい生き方を実現していけるようにお力をお貸しください。よろしくお願いいたします。
2026.02.05
私は現職時代、授業研究を続けてきました。学校には、水曜放課後の時間に職員研修の時間があります。実に様々な種類の研修が一年間の中に組み込まれているのですが、その中の一つに「主題研究」というものがどの学校にもあります。現在の水曜研修の中身はあまり分かりませんが、私の現役時代のほとんどは、水曜研修は3分の2の割合で主題研究が主な研修として締めていました。では、主題研究とは何かといいますと、各学校ごとにテーマを決めて、それを一年間に渡って職員で研究し、年度末にその成果と課題を明らかにするというものです。テーマは市当局から指定される場合もありますが、ほとんどは学校独自に前年からの流れで設定したテーマになります。算数や国語、或いは生徒指導や総合的な学習の時間といったすべての領域の中から学校の課題に応じてテーマを設定します。そして、実際的な研究として、学期1回程度の研究授業が実施される場合があります。
私は小学校が多かったので、研究授業は一年を通してかなりの数の研究授業が実施され、それぞれに研究授業の先生が割り当てられました。年度当初の研修会では誰にするのかを決める訳ですが、まず若手が勉強の場として手を挙げることが雰囲気で伝わりますし、敢えて率先してやらせてもらえるように名乗り出ました。そうすることで先輩方から授業前後の批評をいただきながら成長できたと思っています。
その流れで突然、県から市を経て、誰か〇〇に関係する授業者はいないかとか、△△についての発表者はいないかとの話が舞い込んで指名されたり、推薦されたりすると、かなり大きな研究会に参加することになります。宮崎県全体で行う授業研究会で授業者になったり、九州大会で発表をしたりして、益々自信をつけていくことになります。
こういうと凄腕教師のように聞こえるかもしれませんが、そうではなく、私が研究してきたのは、そこに子どもたちの姿があったからこそ成立していたことなのです。今回の授業では、この問いを立ててスタートし、解決の過程でこの資料を活用すれば解決困難な子どもにもヒントになるのではないだろかなどと試行してみるのです。それがうまくいくこともあれば、なかなか効果がでないこともありました。効果が薄かったら次はこうしようと授業改善をしていくのです。ですから、当然帰宅も遅くなります。しかしこれは、自分の納得、児童に対する学びの責任など、教師としてのプライドがそこにはあるので、決してブラック稼業などと思ったことはありませんでした。
学校を異動になれば、当然その学校の中心的課題は変わります。それまでの学校で培った研究の素養はまったく役に立たない場合があります。研究手法としては生かせるのですが、教科、分野が異なると内容的な深い部分に立ち入れなくなることに直面します。こうやって小学校の場合は主題研究のテーマが教科指導になる場合が多いので、異動になるとまったく違う領域の研究になり鍛われることになります。中学校の場合、教科研究は学校単位では実施しにくいので、校内の主題研究は生徒指導や道徳、特別活動その他ということになる場合が多いです。私の場合、異動後すぐに研究主任になったりした時は、教職員の先頭に立って引っ張っていかなければならないので、「よく分かりません」などと言ってはいられず、まだネットが普及していない時代なので、専門書を読みあさり、近隣、他県の先進校を訪問して最先端の授業理論を持ち帰りそれを伝達、再構築したりして研究を進めてきました。
やはり授業には理論が必要です。学生時代に研究室で学んだ宇佐美寛氏の『授業にとって理論とは何か』という教育理論の深さが、実際の現場に立ってから身に染みてくるのを感じた次第です。知識の系統性、教授する場合に必要なことなど・・・。あれから35年以上経っても現役のうちは授業にはこだわってきました。若手の時代ばかりではなく、若手に「年配者は研究授業をしないのか」と思われないように、歳取っても研究授業、公開授業を引き受けていました。また、新卒者の1年間の研修計画を立てて、多くの同僚先生に新卒者への授業公開を依頼する場合も私自身がトップバッターで授業を公開しました。それでも、うまくいったと思える授業はなかなかないものです。
最近の学校は多忙を極めていて、十分な時間をかけて主題研究をする時間もないことでしょう。ともすれば、翌月の行事計画の審議ですら十分に時間をかけていられないのでしょう。次期学習指導要領の検討会の中で、これまではあれも必要、これも必要と「足し算の教育」で様々な諸教育が取り入れられてきたことを反省している内容を見ました。確かに学校は肥大化してきました。学校が背負うものが多すぎます。これからは、学校が指導すべきものと家庭がやるべきもの、そして地域が担うべきものなどを線引きして、学校でなければ行えないものだけに精選する「引き算の教育」へシフトする必要があるということも検討会で出されていたことに同感します。それが整理された上で、しっかりと授業の腕を磨く。そうすれば学級の経営も軌道に乗り、児童生徒も保護者も地域もプラスのサイクルとして好循環していくのではないかと思います。
「国造りは人づくり」。投資する先は未来を担う子ども。多くの教育をカバーできるキャリア教育はその一翼を担うと足元を見直しながら支援していきたいと思います。私が各校を回りながら、よのなか教室の事前授業を行っていますが、この一時間はどうあれば次につながるか、課題を持ち帰り、改善を加えて次の授業についてまた深く考える日々になってきたと現役時代を思い出しています。
2026.02.03
2月2日(月)富高小学校6年生対象のよのなか教室が開催されました。今回は6年生は1回目でSEIKADOの緒方康彦様に講師としてお迎えしました。

緒方さんは過去にもよのなか先生として講師を務められていただけに、子どもの目線で分かり易く話をされるところが印象的です。また、用意されたプレゼンテーションの写真も児童が興味を引くように、ポイントを絞った過去の画像でした。私は初任校が富高小学校だったので、吹奏楽クラブがあったのは知っていましたが、その歴史を遡ると、ユーフォニューム奏者の緒方さんにたどり着くことに何かしらの縁を感じました。また、緒方さんが三足のわらじで活動されていたという剣道部についても思うところがあります。それは、私が昭和59年から数年間、富高小学校の体育館ステージ下の倉庫には剣道の防具がぎっしりと眠っていることを不思議に感じていました。少年団でもあったのかと当時思っていましたが、それは緒方さんが話された剣道部(少年団)のなごりだったことに時空を超えて結びつきました。同校の卒業生である緒方さんの詳しい説明で私が長年抱いていた謎が解けました。これも縁なのですね。

学習は進行役ファシリテーターの福重先生が見事にコントロールされながら進めていただいたので、先生の緒方さんも話しやすかったのではないかと思います。また、児童の皆さんも全体の場でも数名が発言してくれました。質問コーナーでは、「初めてフルーツサンドを作った時の具は何でしたか?」と質問が出ると緒方さんからは「イチゴでした。息子が始めて、親子喧嘩ばかりしながら作っていました。その後は日向のフルーツを中心にし、フルーツ以外も面白いと考えて作っています。」と返事をいただきまたした。また、小林で修業したことから、そこを紹介していただいた方に恥をかかせてはいけない、と修業時代は無遅刻無欠席でがんばり通したので、こういう目標を持つことが大切なことを力説していただきました。

「出会い、感動、感謝」という三箇条の心得を大切にし、特に「県外に出会た人が日向に帰省したら真っ先に行きたいお店」と「知人や友達に紹介してくれるようなお店を目指す」という2つの目標を分かり易く話していただきました。4つの力については、「かかわる力」として「人を褒める時はみんなの前で、注意するときは一人呼んでするようにしている。」 「自分を見つめる力」として「目標を達成するようにし、今後のシミュレーションをするようにしている」 「やり抜く力」について「まわりをよく見る。思いやりをもって接するようにしている」 「見通す力」については「しっかりお金もうけをすることは大切で、だれかのためにするということが大事」だと話してくださいました。
最後に大切にして欲しいことを伝えられました。「得意なことを磨いて自信をつけてほしい。」日向市の魅力については「神戸や小林で過ごしてみて日向は一番よいところだと思っています。もっとよくなるためには皆さんの力が必要です。」と後輩へのメッセージとなりました。最後にあった児童の鋭い質問で分かったのですが、緒方さんご本人は今後、ヘベスを使ったスイーツで日向をもっとアピールすること、そして百歳まで現役を続ける覚悟だと夢を熱く語っていただきました。
緒方康彦様、業務用の服装を準備され、児童が話に入り込みやすいようにエピソードや画像の準備をしていただき本当にありがとうございました。子どもたちがまた新たな夢と希望を抱く一日になったことがびっしりと書かれたワークシートによく表れています。

剣道、吹奏楽、ソフトボールとオールラウンドプレイヤーだった緒方さんの当時の活躍を思い浮かべながら、少し風が緩み心地よい葉音を聞かせるユーカリの大木に見送られ、富高の丘からの帰路となりました。
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