日向市では、中学2年生の全員に『日向市のいろんな産業、いろんな会社、いろんな仕事』という教材を毎年配布しています。また小学校には3冊ずつお配りしています。これは、掲載各事業所様のご協力のもとに藤屋印刷様が作成していただき、中学校を中心に配布しているという画期的な教材になります。
「君たちは、これからの社会をどう生きていくのか、どんな人生を送るのかを考えたり、悩んだりすることがあると思います。いろんな大人の人の話、職場体験などを通じ感じたことがきっと将来に役立ってくると思います。」
これは巻頭の言葉になります。まさにキャリア教育の核心に迫る言葉だと思います。日向市のキャリア教育が目指す目的も「本人らしい生き方」を実現してもらうためであり、「よのなか教室」や「よのなか挑戦」でたくさんの働く大人と出会った上で「4つの力」を習得することを目指しています。それが以下になります。
1 人と世の中にかかわる力(相手を尊重し、社会を理解する力)
2 自分を見つめる力(自分を正しく知り、コントロールする力)
3 課題を知り、やりぬく力(課題を見きわめ、解決の工夫をする力)
4 働く希望を見通す力(働く意義を知り、将来を切り拓く力)
例を挙げますと、美々津カントリークラブ様のページでは、「ゴルフ場業とは何か」がまず書かれています。なるほど、言われてみればゴルファーがプレーする所くらいの認識しかなかったと気付きます。説明では「大量の水が必要だ」と書かれています。そうか、芝などの植物を維持・管理しなければならないから水は凄い量が必要だと気付くことができます。また、4名のスタッフの方の吹き出しコーナーがあり、キャディさんは「ピンまでの距離の正確な情報提供やグリーン上での打つ方向の情報などが求められる」そうで、かなり繊細な仕事だと分かります。
もう一つの例として、米良電機産業(株)様のページでは、「電設資材卸産業とは」、「電設資材や空調資材をお客様へ販売する仕事です」と書かれています。さらに、その難しそうな「電設資材」についてもきちんと解説されていて「電線を始め、電線を張り巡らせるために必要な一切の工事材料や配線部品、照明器具のことをいいます。」とあるので、中学生や小学生も理解できると思います。そしてここにもスタッフの吹き出しがあり、「お客様との信頼関係が最重要です。…人とのつながりを構築できた時は正直に嬉しいです。」と、仕事上で大切なことややりがいがきちんと示されているので、この教材だけでも十分にキャリア教育の学びができることが分かります。
この教材が配布され始めて8年は経過するそうです。ですから、すでに成人の皆さんも見たことはあると思います。これが実際の就職活動に直結することは中学生としては難しいかもしれませんが、日向市にこんなに凄い事業所があるということは頭の片隅に残るのではないでしょうか。高校卒業後の進路選択として、あるいは、一度都会で就職した後にもう一度ふるさと日向で就職してみようとするときに、一つの参考になると思われます。そのためにも、まずは日向で働く大人から、仕事に向かうために必要な力や「今やるべきこと」「これから努力して欲しいこと」を学び、それを深化させながら持ち続けることが、柔軟な働き方を嗜好する今の若者にとってどの事業所でも必要とされる能力になると方向づけています。
ですから、教材は「『子供たちの未来づくりのための』キャリア教育支援の教材」という位置づけをしています。まだご覧になっていない方はぜひ見られることをお勧めします。