Hyuga City Career Education Support Center
2025.12.05
昨日からの続き「待つことを楽しむ国民性」は一旦お休みし、視察訪問の報告をいたします。
11月25日に熊本県芦北町教育委員会の皆様が当センターへご視察に来られました。芦北町でもキャリア教育の重要性が高まり、今後どのように対策を講じていくかの参考にしたいとのです。
まだ勉強中の私ですが、これまでの日向市の経緯を含めて現状と課題を、当センターの事務局長と一緒に説明いたしました。内容を掻い摘んでお知らせしますので、日向の皆さんもおさらいのつもりで読んでいただくと幸いです。11月25日に熊本県芦北町教育委員会の皆様が当センターへご視察に来られました。芦北町でもキャリア教育の重要性が高まり、今後どのように対策を講じていくかの参考にしたいとのです。

全国の転職情報から、「今の会社で働くのは3年以内」と考えている新入社員は3割近くになるという現実


宮崎県、そして私たちの日向市でもこのような現実はあるとの認識のもと、キャリア教育支援センターが立ち上がりました、という経緯を説明しました。
キャリア教育支援センターは、あくまでも市内の学校のキャリア教育を支援していく立場ですので、強く「こうしなさい。」とは言えないのですが、教科学習、学校行事、生徒指導、学校外活動など多岐に渡って多忙を極める学校においては、社会人講師を招いてのリアルな授業を構想しても、なかなか効果的に設定するような「作戦」を練ることがままならない状況でしょう。実際に現場で世の中と繋がっている「職業人」の皆さんから学ぶことは大いに意義のあることで、そこから学びにリアリティを持たせることができるため、その間を取り持つために当センターが存在しています。

当センターの設立理由や現在の方向性などを芦北町教育委員会の皆様に丁寧に説明しご理解を得たのではないかと思います。本年は北海道や東京など遠方からもご視察をいただいております。キャリア教育のほかの先進地同様に、日向市が多くの事業所の皆様と手を取り合って、児童生徒の本人らしい生き方を支えていけることを目標に、今後も尽力したいと再確認するご訪問でした。
話は逸れますが、芦北と言えば忘れられない思い出があります。40年以上前の私が学生時代の話です。宮崎大学のサイクリングクラブ(自転車同好会から体育連盟のクラブに昇格したばかりですが、別の意味で以前から名は轟いていました。)が大学祭に合わせて、国道10号線と3号線をつないだ自転車による「九州一周ノンストップ耐久ラン」をやろうと計画しました。1時間交代で部員が自転車をこぎ、交代要員数名を乗せた伴走車をレンタルして約800kmの九州一周を駆け抜けるというものですから、まさに青春です。
5月の晴れた日の午後3時、キャプテンであった私が大学の正門を勢いよく出発しました。国道10号線を北上し、次々に選手交代をしながら北九州市から国道3号線に入りました。福岡市に入った頃には朝の渋滞に巻き込まれ、伴走車は幾度となく選手を見失う場面がありました。それが重なって、熊本からも3号線は渋滞していて、八代市を南下した辺りではひどい渋滞にはまってしまい、とうとう1時間以上も途中交代した選手を見失うことになりました。2時間を過ぎると「いやこんなに進んではいないはずだ。」と仲間と相談しながら、来た道を戻ったり進んだりしながら探し回りました。ようやく見つけたのは、芦北町を過ぎた三太郎峠を越えた水俣市の手前でした。彼は、同級生なのですが、雨の中を一人で4人分に当たる4時間以上も飲まず食わずでこぎ続けていたのです。よく一人で4時間、約100kmもこいだと、リレーする責任感と耐久魂をたたえたものでした。

昔から、ここには熊本から鹿児島へ抜ける交通の難所と言われる「赤松太郎」「佐敷太郎」「津奈木太郎」と言われる有名な3つの峠越えがあります。現在は国道の整備に伴って直線化していますが、自転車での挑戦時には一つは残っていたと思います。それでもアップダウンの続く山越えを延々と伴走もなくこぎ続けた時は孤独との戦いであったろうと、その後何年たっても彼のことを思い起こします。
九州一周約800kmの自転車による記録は、それまで宮崎にあったフェニックスアドベンチャークラブという団体が作り上げた約41時間だったのですが、我々は30時間15分で新記録を作りました。と言っても、今や社会的には何の価値もない記録となっています。それでもこの挑戦に部の総力を挙げて、計画、トレーニング、役割分担、資金調達、メディア売り込み、当日の様々なアクシデントなど多くの課題を乗り越えて、怪我や事故無く仲間と無事達成したことは、共通の目標へ向かう連帯感ややり遂げる達成感など実に多くのものをその後の人生にもたらしてくれました。
私にとって「芦北」と言えば、第一に「九州一周ノンストップ耐久ラン」での〇〇君の三太郎4時間激走で、第二に(現在も地元芦北で有名らしい)大学同級生の「△△君」です。九州の地形的に日向とは線対称に位置し、朝日と夕日の関係にある町同士としても深い縁を個人的に感じています。また、熊本県の南部に位置し、八代市と水俣市の間にあり、葦北郡で芦北町。漢字の由来も深そうで、こういう町こそ、ふらりと途中下車をして歩いてみたいものです。そのうち、吉田類さんや六角精児さん(「呑み」の方ではなく、登山や鉄道として。)が訪れるのではないかと想像します。
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