ご挨拶 TOP MESSAGE

長い旅の途上

山之内 信忠

日向市キャリア教育支援センター長


 日向市のキャリア教育は、先達の御尽力があり私が勤務しておりました学校現場でもすでに認識されており事業所様のご協力の元、体験学習を展開させていただいておりました。その一方、キャリア教育を展開する際、教科教育や道徳、特別活動(行事、学活)の指導の中で、或いはその他の活動として事前の十分な計画なしには目的を達成することは難しいと感じることがありました。それは計画段階において担当職員が当該事業所の方と打ち合わせをする時間の確保が厳しかったことが一因にあります。担任を持っていない私が学年に代わり、事業所への打ち合わせに奔走したこともありました。それだけに、キャリア教育支援センターの支援でスムーズに児童生徒の体験学習が実施できたことを覚えております。今度は逆の立場から事業所様と学校を繋ぎ、「日向の大人はみな子供たちの先生」というスローガンのもと、一層充実した体制を整える立場となりました。
 私が学校を退職する際には、教師生活の間にどれほど子どもたちの未来に繋がるような授業や活動をしてきただろうかと反省ばかりでしたが、今回また新たに貢献の機会を与えられたのだと考えます。この仕事が事業所様の魅力アピールの機会や児童生徒の進路イメージの具体化として社会貢献できること、そしてその支援をすることで双方に喜ばれることが自分にとっての仕事の意味になると自負しております。散り際の美学と言うにはおこがましいですが、戦国武将の清水宗治や鳥居元忠のように背水の陣で努力をしたいと思います。
 子どもたちが小学生のうちからその時々に夢を描き、そして描いた夢に対して今後自分なりにどう形作っていけばよいのかという「進路を自分でつくる」ための学びがキャリア教育だと考えます。大河ユーコンを流れる一本の木は様々な人や動物、魚たちと出会いながら最後にベーリング海に到達します。その道程はまさに人の一生の様でもあり、今子どもたちはその「長い旅の途上」にあります。夢を描けないという子どもたちも身近な大人たちの奮闘に刺激を受けて進路をつくることができるよう、そして「日向の大人たち」が子どもたちを同じベクトルで育んでいけるよう、子どもたちの長い旅の支援を行いたいと思います。ご協力をよろしくお願いいたします。

ご挨拶_山之内さま

教育は未来への投資

三樹 和幸

日向市教育委員会教育長


 新しい新幹線ルートが完成したり、高速道路が伸びたりすると訪れる人も増え、町に活気がみなぎるので、インフラ投資は目に見える形で評価されます。北陸新幹線に至っては、新大阪まで延伸する計画もあるようですから、経済圏の拡大がさらに期待できるのは、素人の私にも容易に想像がつきます。もちろん、こういった将来を見越した投資を回収するには30年から50年はかかるでしょうが、国作りにおいての投資はいつの時代でも必要です。
 それに比べて、教育の投資は見えにくいものです。しかし、それをしなければ、地方社会においても犯罪率や薬物依存者数、納税や勤労の責任から逃れる人の割合の増加にともない社会秩序の維持が難しくなります。結果として、社会秩序を維持する社会的なコストがかかりますから、教育への投資は将来に向けて重視しなければならないと思っています。
 ただ、投資の仕方に工夫がいるはずです。戦後の大量生産、大量消費型の社会で必要とされていた資質や能力と、多様性の時代と言われるこれからの社会で必要とされるものが全く同じであるはずはないからです。教師集団の価値観や社会観だけで子供を育てるのは、無責任社会と言えるかもしれません。だからこそ、日向市では、「日向の大人はみな子供たちの先生」として、未来の主役の子供たちの教育を担う当事者として多くの市民の参画をお願いしているのです。
 学校では、教師が子供たちにとって必要なことを教えますが、十分ではありません。教師と児童生徒は、どうしても縦の関係になりがちであり、社会からの証拠が不十分だからです。例えば「人間関係作りは、とても大切だ」と教師が口を酸っぱくしていっても、社会の事実からの具体例を示せていないことも多いのが現実です。そこで、社会での証拠を示す「よのなか先生」が必要となってくるのです。
 地元の大人が、「人間だから合う人と合わない人がいるのは当たり前。ただ、合わないからといって、関係を0(ゼロ)にしてはいけないよ。人間関係というのは、足し算ではなくかけ算だから、自分に合わない人の先にいるかもしれない大切な人にも巡り会えなくなるよ。そういった人とのつながりを人脈と言って、仕事でもプライベートでも自分を磨いてくれるし助けてくれる財産になるんだよ。」と、社会の証拠を子供たちに突きつけることによって、日頃の教師の言葉に重みが加わるのです。

 現実社会で大切なことや物事の多様な見方に触れ、腰を据えて未来の準備をする日向市のキャリア教育は未来への投資です。市民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

ご挨拶_三樹さま

日向の大人はみな子どもたちの先生

安藤 公一

日向商工会議所 会頭


 日向市キャリア教育支援センターは、平成25年度に日向市教育委員会と商工会議所など地域の関係機関が協働し、「地域ぐるみでキャリア教育を推進する拠点」として設立されました。
 社会の変化が激しく、将来の見通しが立てにくい時代にあって、子どもたちが自らの将来を主体的に考え、地域と関わりながら学ぶことの重要性はますます高まっています。
 そのためには、学校だけでなく、地域のすべての大人が子どもたちを育てる意識を共有することが大切です。

 この理念を体現する言葉が、「日向の大人はみな子どもたちの先生」というスローガンです。
 職業や立場に関わらず、地域の大人一人一人が子どもたちに学びのきっかけを与える存在でありたい――。
 この思いこそが、日向市のキャリア教育の根幹であり、商工会議所が取り組む意義の原点でもあります。

 商工会議所は、地域経済を支える企業・事業者の団体として、単に経済活動を活性化させるだけでなく、地域の「人づくり」こそが未来の産業基盤をつくるという使命を担っています。
 子どもたちが地域の仕事や大人の姿に触れ、「地元で働きたい」「地域の役に立ちたい」と思えるようになることは、地域の持続的な発展に直結します。
 だからこそ、商工会議所はキャリア教育を重要な地域づくりの一環として位置づけ、積極的に取り組んでいます。

 その具体的な活動として、「よのなか教室」や「よのなか挑戦」があります。
 「よのなか教室」では、地元企業の経営者や従業員が講師となり、自身の仕事のやりがいや苦労、地域への思いを語ります。
 子どもたちは話を通して、働くことの意義や社会の仕組みを身近に感じ、将来を考えるきっかけを得ています。

 また、職場体験学習「よのなか挑戦」は、子どもたちが実際の仕事に触れることで、働くことの意義や社会の仕組みを理解する貴重な学びの機会です。体験を通して、学校での学びが将来どのように役立つかを実感し、学習への意欲や目的意識が高まります。また、自分の得意・不得意を知ることで将来の進路や生き方を考えるきっかけとなり、挨拶や協調性、責任感など社会で必要な力も身につきます。さらに、地域の人々と関わることで郷土への愛着も育まれます。

 こうした取組の積み重ねが、地域への愛着や誇りを生み、やがて「地元で働きたい」「地域に貢献したい」という思いへとつながります。
 私たちは、子どもたちの成長とともに、地域の未来も育てていると思っています。

 日向商工会議所はこれからも、「日向の大人はみな子どもたちの先生」という理念のもと、企業と学校、地域をつなぐ橋渡し役として、キャリア教育の推進に全力で取り組んでまいります。
 今後とも、皆さまの温かいご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

ご挨拶_安藤会頭

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