キャリア教育は,子ども・若者が、生涯にわたって担う立場や役割において必要な能力や態度の育成を目標とする教育的な働きかけです。そのためには,生涯にわたって自らの力で生き方を選択していくことができるよう必要な能力や態度を身に付けることが大切です。

したがって,キャリア教育は,子ども・若者一人一人が社会の中で自分の役割を果たしながら自分らしい生き方を実現していくために必要な能力や態度を育てることを目指すものです。自分が自分として生きるために,「学び続けたい」「働き続けたい」と 強く願い,それを実現させていく姿がキャリア教育の目指す子ども・若者の姿です。

これらのことをふまえ,平成23年に中央教育審議会はキャリア教育を「一人一人の社会的・職業的自立に向け,必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して,キャリア発達を促す教育」と定義しています。

情報化、国際化、少子高齢化など変化の激しい時代が予想される中、産業構造が変わり、雇用のあり方やニーズも変わってきています。一方、若者自身の勤労観や社会観の発達は十分とは言えず、就労も含めた進路についての決定が先送りされている傾向があります。そのため、社会人として自立した人を育てるために、学校教育においてキャリア教育の推進が求められています。

職場体験学習はキャリア教育の一部です。確かに職場体験学習は、体験的な学習であり、実感的な達成感や満足感を得られたり、自分の持っていた働く意味や学ぶ意味を問い直すなど大きな効果が期待できます。しかし、キャリア教育は学校の教育活動全体を通して行うものであり、こういった体験活動のねらいを明確にし、他の教育活動と関連づけたり、事前や事後の指導を工夫したりしながら、指導していくことが大切です。

進路指導とキャリア教育は定義や概念において大きな差異はありません。しかし、進路指導が、中学校や高等学校を中心に行われてきたのに対して、キャリア教育は幼児から成人までを対象としています。また、これまでの進路指導が「進路指導に偏った指導」「出口指導」と批判されていた経緯もあり、将来の社会人・職業人として自立し、時代の変化に対応できる能力や態度を育成していく必要があります。

新たなキャリア教育のプログラムを考える前に、まず、各学校で行っている教育活動をキャリア教育の視点で見直して下さい。これまでやってきた教育内容や指導者連携など沢山の織り直しができるものがあります。

 (例)地域と連携した食育の取組 

    企業による出前授業

    ふるさと学習        等

学力向上とキャリア教育とは大きく結びついたものです。キャリア教育では、今の学習と将来との 繋がりを意識したり、自覚できるものですから、日頃の学習に対する構えが変わり、学習活動の改善が期待できます。ですから、各教科においても、それぞれの特質を生かしながらキャリア教育を進めていくことが重要と言えます。

子ども・若者が、生涯にわたって担う立場や役割において必要な能力や態度を育成するには家庭 や地域と連携したキャリア教育が必要です。人は学校だけで役割が与えられるものではなく、家庭でも地域でも、就労引退後も様々な形でいろいろな立場や役割を担います。そのためには、家庭や地域においてもキャリア教育を進めていくことが大切です。

キャリア教育自体を基礎から学びたいという学校ニーズは高いようです。そこで、コーディネータは各学校での職員研修をサポートします。また、各学校のキャリア教育の全体計画についての指導助言を行います。

さらに、各学校で計画する職場体験学習先の紹介や開拓、社会人講師の紹介や調整を行います。

文部科学省では、社会的・職業的自立のために必要な基礎的汎用的能力を育てることをその視点としています。基礎的汎用的能力は、「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」「課題対応能力」「キャリアプランニング能力」の4つの能力から構成されていますが、日向市においては捉えやすいように下図のように5つの力で示しています。

●日向市小中学生と保護者のアンケート結果※下部のボタンよりアンケート結果データをご覧いただけます。
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