日向市キャリア教育支援センター通信

よのなか教室

2025.10.09

よのなか教室~日知屋東小学校5年生

 106日(月)日知屋東小5年生のよのなか教室が開催されました。5年生3学級を2グループに分け、どちらのグループも林業と水産業の学習ができるように編成した授業構成でした。 

<第1グループの林業学習

1組の教室で「日向の林業」について、よのなか先生は、日向市役所林業水産課 黒木翔太様です。

 

1 日向市の林業についての説明

〇 森は手入れしないと、①木がうまく成長しない。災害が起きやすい ②二酸化炭素の吸収能力が下がる ③日光が届かなくなり、草木が育たず動物の住処もなくなる。

〇 出荷するまでは、①植栽:1ha2000本 ②下刈り:苗木は枯れてしまう。約7年、夏場に行う。③間伐:光が入りやすくする。災害が起こりにくい山にする ④主伐:間伐を繰り返し、最終的に伐除する。スギで35年、ヒノキで40年かかる。⑤運搬:原木市場や貯木場へ

 

<まとめ> 林業とは、木を切るだけではない。森を育て使い守る。みんなの暮らしと地球の未来を守る仕事であり、「山を守り、水を守り、くらしを守る

2 質疑応答の時間

Q 木を育てるための費用はいくらですか?

A 1ha100万円以上、維持管理に100万円から1000万円。それを国、県、市で補助して支えます。

Q 木はどこに植えるか決まっているのですか?

A 再造林としての場所は決めてあります。田畑は肥沃で植えやすく、平らな場所ほど作業は楽になります。

Q バイオマス発電とは何ですか?

A 木材を細かく砕いたチップを燃やして燃料化し、それで発電するものです。

 【児童の感想】

林業は裏で僕たちの生活を支えてくれていると分かりました。

木を育て出荷するまでに何十年もかかるとは知らなかったです。

 <第2グループ水産業学習2組の教室で「日向市の漁業」について、よのなか先生は、日向市役所林業水産課水産振興係 谷山直史様です。

 

1 日向市の漁業についての説明

〇 漁業協同組合では、販売事(卸売市場で漁獲物を入札による適正価格で販売する) 購買事業(燃油や漁具を購入し漁業者に安定供給する) ・その他(漁業権の申請、漁業権の行使など) を主に行っている。

〇 人手不足の対策として、外国人実習生を毎年10数人受け入れている。

〇 日向市の水揚げ量は、約4136/年、水揚げ金額32億円になり、グロがメインの延縄(はえなわ)漁を行い、クロマグロ、キハダマグロ、メバチマグロ、ビンナガマグロを捕っている。

〇 漁法には、まぐろ延縄漁90kmもの長さの網を数時間かかけて投入し、10時間で引き上げる。

ナイロンテグスは日向市が全国で初めて取り入れた。

〇 岩ガキの養殖では細島いわがきがある。これは、細島生まれ、細島育ちのカキのこと。採苗器(ホタテの貝殻)をある時期に海に漬けておくと岩ガキの赤ちゃんが付き、海の植物プランクトンで育つ。「細島天照牡蠣」としてブランド化している。

 

2 質疑応答の時間

Q 養殖費用はいくらかかりますか?

A カキ筏に約50万円、ホタテ貝は4/1枚×10万枚ということになります。

Q 天照の名はどこからですか?

A 日向唯一ということで「天」、日照時間が長いので「照」、そして「自然の恵み」ということから「天照」の読み方になりました。

Q カキの養殖期間はどれくらいですか?

A 赤ちゃんから出荷まで2年半かかります。

 【児童の感想】

・岩ガキがどういうふうに育てられているかがよく分かりました。

 【授業を見て】よのなか先生の黒木さんも谷山さんも、子ども達が理解しやすいようにプレゼンテーションの画像を工夫されていました。林業では、1ha維持管理100円から1000万円以上かかるという情報に私自身も驚きました。私は登山時に、これまで登山口から杉林を通り抜けて広葉樹の広がる山へと向かっておりましたが、麓のスギ・ヒノキ林をもっと丁寧に見て登らなければいけないと個人的に反省しました。続いて、漁業の学習では、日向市のマグロの漁獲高の高さや岩カキのブランド化など漁業関係者の努力で維持されていることを子ども達も学ぶことができました。児童の質問から「細島天照岩牡蠣」の名前の由来が分かりました。「天照」と名付けられた真の意味が理解できてよかったです。

岩カキはホタテの貝を利用しているのですね。まったく知りませんでした。そして海中の植物プランクトンを利用するのですから、まさに自然の力のみで育っている細島岩カキです。カヌーイストの故・野田知佑氏が北極圏ユーコン川を下る際に出会った人の言葉で「ここは世界で最も健全な場所だよ。ストレスやプレッシャーはゼロだ。」と聞かされたときのように、まさに細島岩カキは最適な場所を与えられ天然資源100%なのだと納得しました。黒木さん、谷山さん、大変勉強になりました。子どもたちの目の輝きが学習効果に表れていることを感じ取ることができました。

2025.10.08

よのなか教室~日知屋東小学校4年生

10月2日(木)に日知屋東小学校4年生のよのなか教室に参加させていただきました。

日知屋東小の4年生は「環境学習」を実施しています。そこで今回は、企業がどのようにしてごみの減量化に取り組んでいるのかを知りたいとの課題設定から、よのなか先生を招いての学習ということになりました。

  講話のテーマは「イオンが取り組んでいる『3R』について」です。よのなか先生はイオン日向店の宮田理恵子様になります。

   まずは3R。お分かりですか? 私は3つをスラスラと頭の中で言い当てることができませんでした。おさらいです。「リデュース」は、減らす。「リユース」は、再利用。「リサイクル」は、再生利用 ということでした。この3Rについて、このブログでは特に「リデュース」(減らす)について学習内容をお知らせします。

  〇 食品ゴミの削減では、まずはプラスティックを減らす取組をしている。リターナブル(繰り返し)コンテナとしてイオンでは「マイバスケット」を販売している。

   → これは破損した場合、なんと、サービスセンターにて無償で交換できるのだそうです。

  〇 2023年度にお客様がレジ袋を辞退した結果、約33億枚で4609万円(1枚3円~30円)になる。

  → これだけでも結構な利益になるなあと思ったら、このレジ袋代金は県に寄贈しているそうです。

  〇 イオン日向店において、お客様のエコバッグ使用率は79%で県全体としては77%になるので日向地区は県平均より高い。

  → つまり日向地区は環境への関心が高いことが伺えます。

          ◆最後に、宮田さんからのまとめとお願いがありました。

   「みなさんの家庭でリサイクルするのはまだ難しいので、ゴミをいかに出さないようにするかを考えて買い物をするようにしてほしいです。『もったいない』という言葉は日本にしかないと教えてくれた方がいました。また、「物には魂が宿る」という昔の人の教えもあります。「混ぜればゴミ、分ければ資源」です!

          子ども達の学習態度は真剣そのもので、初めて知ったことをワークシートに書き続けていました。

 

  ◇ 講話が終わった後の質疑応答の時間です。

  Q イオン日向店ではゴミは1日にどのくらい出ますか?

   A 日向店一店舗での総数は把握していないので調べてきます。(と宿題になりました)

   Q 一番処理しにくいゴミは何ですか?

     A 液体です。焼却に10時間くらいかかります。

     Q イオンで回収したゴミの中で一番多い種類は何ですか?

     A 産廃ゴミです。汚れたプラスティックゴミが一番多いのです。肉が入っていた袋など、わざわざ洗わないからです。

【感想】

 まず、よのなか先生の宮田さんの熱量が凄いです。この講話が全ての5年生に浸透するように3クラスに別々に話をしてくださったのです。つまり授業を3回することになります。そしてその期待に応えてくれたのが日知屋東小5年生の児童でした。プレゼンテーションに食い入り、要点を逃すまいとメモしていきました。彼らの吸収力を証明するのが、上記のような質問の質です。授業の目的にある「ごみを減らすための知識や技能を身に付けるとともに、よりよい環境作りについての関心を高めることができる」ということが子ども達の中に形作られていったのではないかと確信しました。
宮田さんは、ただ紹介するだけではなく、「大分店に研修に行きました。」「分からないので調べてきます。」と、ご自分が現在も学習している、分からないことは調べる、と学ぶ姿勢も見せていただきました。


長野県白馬村に「白馬47スキー場」があります。ここのブログに以前こんなことが書かれていました。「スキースクールスタッフが生徒になり上手な先生からレッスンを受けていました。教わる気持ちと教える気持ちの両方が分かって初めて先生ですよね」と。この言葉にまだ現役の教師であった私はハッとさせられました。まさに、宮田さんはそのような先生でした。

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